2019年10月18日 19時00分:札幌ドーム
予想スタメン |
2019年の明治安田生命J1リーグもこの試合を含めて残り5試合となる第29節。セレッソ大阪は札幌ドームで北海道コンサドーレ札幌と金曜日のナイトゲームで対戦する。
■前回の対戦
前回の対戦は4月13日に行われた第7節。ヤンマースタジアム長居での一戦はCKから進藤に決められ0-1で敗戦している。前回対戦時のスタメン |
Jリーグ公式のフォーメーションでは4-4-2となっているが、実際のボール保持時の立ち位置は清武がトップ下に入る4-2-3-1。先発した11人はこの試合の前、第6節の川崎戦と全く同じ11人なのだが立ち位置だけが異なっていた。ということで松田は右SH、柿谷は左SHで起用されている。
一方の札幌はおなじみのミシャシステム3-4-2-1 。
1トップには鈴木武蔵、シャドゥはアンデルソン・ロペスとチャナティップ。WBにはルイス・フェルナンデスと菅という形になっていた。
札幌はいつもの形でありながら試合がはじまりセレッソがボールを保持する場面になると、左WBの菅は最終ラインに下がって、右WBのルイス・フェルナンデスは少し前気味のポジション、つまり4バック的な立ち位置になっていたのだが、これは札幌の狙いというよりも札幌にすれば共に3-4-2-1でマッチアップが噛み合うはずのセレッソが同じメンバーで4バックにしていたからだろう。
札幌はマンツーマン気味に人を捕まえる守備を行うが、マッチアップ相手が想定していたのと反時計回りに1つずつポジションをずらしているので、札幌も必然的に4バック気味の形になってしまっていたのだ。
セレッソがこの立ち位置のズレを使って狙ったのはサイドの奥のスペース。
左サイドでは柿谷が本来なら3バックの右となる進藤をサイドに引き出してしかけ、右サイドでは松田と片山の動きで本来3バックの左に入る福森の背後を狙った。
この狙いで実際に何度かチャンスは作っていたのだが、当時のセレッソは今ほどのクオリティには達していなかった。
その結果、試合をオープンにしてしまうことにも繋がり、さらに1度だけだったが警戒していたであろう福森からのサイドチェンジ一発でアンデルソン・ロペスが抜け出す場面も。
そして最終的にはCKから大外の進藤に合わされ失点。敗戦となった。
■現在の北海道コンサドーレ札幌
ガンバ大阪とのルヴァンカップ準決勝を1勝1敗アグリゲイトスコア2-2ながらもアウェイゴール差で勝ち抜き、クラブ史上初のカップ戦決勝進出を果たした北海道コンサドーレ札幌。となるとチーム状態は良いのかと思いがちだが、現在はリーグ戦で3試合勝利から遠ざかっており、直近5試合でも1勝2分2敗とむしろ勝ち点は重ねることができていない。
ただ、2017年にセレッソがルヴァンカップを制したときも準決勝前は3連敗中、しかも3連敗目が川崎に1-5の大敗というかなり苦しい状態からガンバとのルヴァンカップ準決勝を制したことで勢いに乗り、そこからリーグ戦も3連勝、さらにルヴァンカップ決勝、天皇杯も制し、このルヴァンカップ準決勝以降を9勝1敗(延長勝ちも含む)と一気に駆け抜けたので、札幌もここから勢いに乗る可能性は十分ある。
札幌の戦い方はおなじみのミシャシステム。3-4-2-1をベースに4-1-5、5-0-5の可変で戦うのだが、前線は1トップ+2シャドゥと2トップ+1トップ下を使い分けている。
この使い分けの基準は相手のシステム。相手にアンカーがいる時はアンカーの監視役としてトップ下を置きいない時は2シャドゥとなっているようだ。
なので4-4-2のセレッソ相手では1トップ+2シャドゥで来ることが濃厚だろう。
そしていずれの形でもキーマンとなっているのがチャナティップ。ミシャシステムのポイントである間受けができるのはチャナティップしかいないので、チャナティップが例えば浦和時代でいうところの柏木or武藤、広島時代でいうところの高萩(柏木)のような役割を担っている。
しかしそのチャナティップは怪我で離脱。おそらくこの試合には間に合わない。
直近の試合でチャナティップ不在時にこのポジションに入っているのは荒野。今季は下がらない方のボランチで起用されてきたが、一つポジションを上げた形となる。
とはいえ、チャナティップと荒野では随分プレースタイルが異なる。
なので荒野が入った時は比較的シンプルに試合をすすめることも多く、前線のターゲットに向けてロングボールを入れてセカンドボールを回収する形や、対4バックだと4バックと5トップのミスマッチを使ってサイドチェンジからという形が増える。
この時キーマンになっているのが福森。左足から繰り出される長いレンジのパスはJリーグナンバーワンの選手で、最も捕まえにくい3バックの左から内側に入ったりして逆サイドや前線に一気にボールを送る。
そしてサイドチェンジで活きてくるのが右WBの白井。愛媛から加入した昨季は戦術への適応に苦しんだが、今季途中からポジションを掴むと一気にブレイク。
仕掛けてクロスまで持っていくことができる選手として重宝されている。
■プレビュー
北海道コンサドーレ札幌の先発メンバーは、おそらく前節と同じ。前節はガンバに0-5で敗れた試合だが、その後の勝ち抜けを決めたルヴァンカップセカンドレグでも代表で抜けていたク・ソンユンを除くフィールドプレーヤーの10人は同じだったので変えて来ないと予想される。なので1トップにボスロイド、シャドゥに荒野と鈴木武蔵、ボランチには深井と宮沢でWBは白井と菅、3バックは進藤、キム・ミンテ、福森、そしてGKにはク・ソンユンとなるだろう。
一方のセレッソ大阪の先発メンバーだが、前節の大怪我で丸橋が離脱。さらに片山も負傷という情報もあるため、左SBには舩木が入るが他は前節と同じ10人となるだろう。
試合のポイントとして考えられるのは、まず札幌のサイドチェンジに対してセレッソがどう準備するかということになりそうだ。
セレッソは4-4-2のブロックをつくり中を閉めて相手のボールをサイドに誘導。そこでスライドし圧縮することで窒息させるというのがボール非保持の考え方となっている。
なのでどの相手も当然サイドチェンジを狙ってくるのだが、その場合セレッソは相手のボランチ経由のサイドチェンジを消すことを徹底。CBを経由するならブロックのスライドが十分間に合うため、そこはやらせてもOKとしている。
しかし札幌の場合、このサイドチェンジの基点となるのが福森など3バックのサイドの選手。ここからでも一気に逆サイドにもっていける。
特に福森から白井へのサイドチェンジの場合、セレッソの左サイドは柿谷、ソウザ、舩木と新しく起用されている選手が多いため警戒したいところ。
なのでセレッソはこの3バックのサイドの選手に対してどうするか。どのような形で消そうとするかに注目である。
また、セレッソのボール保持では、柿谷、水沼の両SHにいつ・どこで・どの様にボールを届けることができるかに注目したい。
札幌はボール非保持で5-2-3もしくは5-4-1でセットする。
そうなるとセレッソは2CBと2ボランチの2-2でビルドアップを行うことが増えるだろう。
そして狙うのはWB裏。ここにSHやトップを流す形で3バックのサイドを引き出しクロスで勝負するパターンがメインになる。
そしてこれができるとビルドアップから相手の3バックをずらした状態で逆サイドのSHへボールを届けることも可能になる。つまり柿谷が前向きで進藤に向かってドリブルする場面だ。
この形はチャンスになる可能性が非常に高いので、この形を何度作れるかが大きなポイントだ。
前節敗れてしまったとはいえ、内容もチーム状態も決して悪くはない。
福森はセットプレーでファーサイドを狙うことが多いので、前節の失点を繰り返さないようそこには十分注意したいが、チームが順調に進歩していっている中で前回対戦時の借りはしっかりと返しておきたい。
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