2020年1月7日火曜日

セレッソ大阪 2019年シーズンレビュー vol.2


シーズンレビュー第2回はロティーナが持ち込んだ2019年セレッソ大阪のサッカーの内容について。まずベースの部分から迫っていこうと思う。


■盤面と局面

ロティーナが持ち込んだ2019年セレッソ大阪のサッカーは「GKからボールを繋ぐ」や「立ち位置で優位性を作る」など様々な戦術的特徴はあるが、その前に根本的な考え方について触れておかないといけないだろう。ロティーナのサッカーはここに触れずに現象だけに触れると読み間違える。

ロティーナのサッカーの根本的な考え方とは第1回でも触れた「盤面」で勝負をしようとする部分である。
これまで行っていたサッカーは「局面」で勝負するもので、ロティーナ監督のサッカーは「盤面」で勝負をしようとするものだった。

一般的にサッカーには「ボール保持」「ボール非保持」「ボールを失った時」「ボールを奪った時」の4つの局面があると言われている。
この4局面でどこに強みがあり、どこで相手を攻略するのか。Jリーグだとボール保持で勝負したいチームが多いので、例えば川崎や風間監督時代の名古屋ようなチームはボールを持ってつなぐパスの質に徹底的にこだわり、失ったボールは即時奪回でボール保持の局面をできるだけ長くしようとする。ガンバもボールを持ちたいチームだがこの2チームよりも敵陣でボールを持ちたいので比較的縦に速く敵陣にボールを入れる。
ただし最初に書いたようにサッカーには4局面あるので、最終的に結果につながるかどうかは残りの3局面でどうできるか。
残りの3局面が上手く行けば強みを発揮できるが、例えばボール保持の時間を長くすることができたとしてもボールを失った時の局面が上手く行かなければ名古屋の様にカウンターを受けてしまうし、ボール非保持の局面が上手く行かなければ苦しんでいた時期のガンバの様にボールを持ちたいのに押し込まれる時間が出来てしまう。
これはカウンターを得意とするチームでも同じことで、得意な局面の時間を増やし、何度得点という結果を残すことができるか、そして失点をしないか。ざっくりといえばこれが「局面」で勝負をするサッカーである。

それに対してロティーナの「盤面」で捉えるサッカーでは「1試合90分間を終えた時に相手よりも1点多く取っている状況を作る、1点少ない状況にならない、ためにはどうするのか。」というところから考え方がスタートしている。
局面で勝負するサッカーだとここを自動的に「得意な局面の時間を増やし何度結果を残すことができるか、そして失点をしないか。」としているのだが、このそもそもの部分から考え方がスタートしているのだ。

■試合をコントロールし、オープンにしない

「1試合90分間を終えた時に相手よりも1点多く取っている状況を作る、1点少ない状況にならない」ためにどうするのかというそもそもの部分。
ロティーナのサッカーではここを「混乱している状況を極力つくらないこと」「試合をコントロールできる状況下に置いておくこと」が重要だと考えているようだ。

これを踏まえサッカーの4局面「ボール保持」「ボール非保持」「ボールを失った時」「ボールを奪った時」を考えると、最も「混乱している状況になりにくい/試合をコントロールしやすい」のは「ボール保持」。次いで「ボール非保持」。そして「ボールを奪った時」「ボールを失った時」という順になる。

1番の「ボール保持」と4番目の「ボールを失った時」というのはわかりやすい。
2番目に「ボール非保持」が来るのは意外に感じるかもしれないが、これは守備の戦術コンセプトが徹底できていれば実はそれほど失点することは無いからである。
もちろんとんでもないスーパーゴールを決められることや、誰かにあたってゴールに入ること、GKのキャッチミスやDFのクリアミスなどで失点することもある。しかしこれはレアケース。逆説的な表現になるが、混乱していなければ守備の戦術コンセプトを徹底することができるし、もうボールを持っていないので最も危険な「ボールを失った時」の状況に陥ることも無い。
一方で「ボールを奪った時」はチャンスでもあるのだが、その状況は決して安定している状況ではない。つまり混乱に近いところにいる。そのため最もボールを失いやすい状況でもあるのだ。

ここまでをまとめると、
「1試合90分間を終えた時に相手よりも1点多く取っている状況を作る、1点少ない状況にならない」ためには、「混乱している状況になりにくい/試合をコントロールしやすい」状況を作らなければならない。
そしてそのために必要なのは、「ボール保持」を長くすること。そして「ボールを失った時」「ボールを奪った時」という攻守が切り替わる回数を減らす、つまりボールが行ったり来たりするようなオープンな状況を作らないこと。これがロティーナサッカーのベースとなるコンセプトで、これを元にゲームモデルや戦術が組み立てられていたのである。


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