2021年12月11日土曜日

第101回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準決勝 VS. 浦和レッズ プレビュー

 2021年12月12日 16時00分:埼玉スタジアム2002

予想スタメン

先週でリーグ戦は終わり残すは天皇杯。第101回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準決勝、セレッソ大阪は埼玉スタジアム2002で浦和レッズと対戦する。

※カップ戦はリーグ戦とは異なり目の前の勝敗以外の要素も入ってくることが多いので普段は決勝以外のプレビューを書いていないが、今回はリーグ戦終了後の開催のためプレビューを書くことにしました。


■今季5度目の対戦

浦和とはリーグ戦で2試合、ルヴァンカップ準決勝で2試合と今季すでに4度の対戦をおこなっており、結果はセレッソ大阪が2勝1分1敗と勝ち越し。

過去4回の対戦を簡単に振り返る。


リーグ戦では1勝1敗だったが、内容的にはどちらも浦和の試合だった。

最初の対戦は4月18日にヤンマースタジアム長居で行われた第10節。セレッソ大阪が1-0で勝利している。

5レーンにバランス良く選手を配置し2トップ脇からボールを運ぶ浦和に対してセレッソは完全に後手を踏む展開となったが、セレッソは何とか0-0で前半を折り返し。

すると後半は伊藤に代えて興梠を投入した浦和に対し、セレッソは清武と西川の両SHを中島と山田へと交代。

これでセレッソは一か八かのハイプレスを繰り出し、試合はオープンに。そこで生まれたワンチャンスを丸橋が決め、1-0でセレッソが勝利。

シーズン折り返し後に何度かあったクルピのちゃぶ台をひっくり返すハイプレスはこういったある種成功体験から来ていたのだろう。


2度目の対戦は9月18日に埼玉スタジアム2002で行われた第29節。2-0で浦和レッズが勝利している。

この試合はまさに完敗だった。

セレッソは小菊監督になりライン設定が高くなり、前線からのプレスの頻度も高くなったが、この試合では浦和にことごとくそれを裏返される。乾の背後、藤田の脇、丸橋の前で起点を作られ、プレッシャーがかからない状態で高いラインの背後を使う浦和の攻撃をセレッソは全く止められず2-0。小泉と江坂のプレスにも手こずりチャンスもほとんど作れなかったので、もっと点差が開いてもおかしくないほどの試合だった。


残り2試合はルヴァンカップ準決勝。

2度目の対戦から2週間半後の10月6日から中3日で2試合が行われ、埼玉スタジアム2002でのファーストレグは1-1で引き分け、ヨドコウ桜スタジアムでのセカンドレグは1-0で勝利し、ルヴァンカップ決勝進出を決めた。


この2試合は小菊監督就任後のセレッソのターニングポイントだったかなと感じている。

結果自体はその後も勝ったり負けたりなので大きく変わっていないが、チームとしては一歩進んだ。

ファーストレグはプレスのかかっていないハイラインの背後を取られて失点するところから始まっている。しかしその後ハイプレスをしかけたことで1-1の引き分けに。

何とかファーストレグはアウェイゴールを奪っての引き分けという有利な状態で終えることには成功したが、その時点での自分たちのできること、持ってる手札を考えるとあまり有利だとは言いにくい試合だった。

しかし中3日で迎えたセカンドレグではそれが一変。プレス、ボールホルダーに対するアプローチが整備され、ミドルゾーンで作る4-4-2のブロックが機能。中を閉めるブロックで小泉に息をさせず、プレスとスライドで右SBの西から時間とスペースを奪うことに成功した。

そして後半立ち上がりに丸橋のクロスから加藤が粘り強く押し込んでゴール。

これが決勝点となりセレッソが勝利。ルヴァンカップ決勝へと勝ち進んだ。


■予想スタメン

浦和レッズの予想スタメンだが、リーグ戦最終節のメンバーからは大きな変更は無いだろう。おそらくFWはキャスパー・ユンカーの起用が濃厚だろう。

代わるとすればトップ下。最終節起用された小泉は終盤戦でどうしても狙われる機会も増えていた。そう考えると今回はベンチスタートとなり、江坂の先発起用が濃厚か。

今季限りでクラブから離れる槙野や宇賀神、そして引退を発表した阿部は、アウェイではあったが最終節で全員出場しているので、槙野以外はベンチ外となる可能性もある。


セレッソ大阪の予想スタメンだが、こちらも最終節からは大きな変更はないだろう。欠場が続いていた原川は脱臼の影響ということなのでこの試合もおそらく欠場となる。

ポイントとしてはFWの人選だが、ここにきて大久保の先発起用が続いているので、おそらくこの試合でも大久保と加藤の2トップということになるのではないかと思われる。


■ミドルゾーンのブロックに手こずる浦和

18勝9分11敗の勝ち点63で6位でリーグ戦を終えた浦和レッズ。

ACL圏内となる3位(もしくは4位)以内には届かなかったが、シーズン序盤で少し苦しんでいたことを考えるとまずまずといえるだろう。

しかし、リーグ終盤の8試合は2勝3分3敗と少しペースダウン。チームの課題もいくつか見えていた。


その1つが、第37節の清水エスパルス戦。この試合は0-1でホームの浦和が敗れたが、清水戦でのプレビューでも触れたように、結果自体は浦和にとってはアンラッキー、ちょっと清水にとって出来すぎだったとは思う。

しかしこの試合での浦和は清水のミドルゾーンでのブロックにかなり手を焼いていたことは事実。4-4-2のブロックで中を閉める清水に対して効果的にボールを運べず、リカルド・ロドリゲス監督も試合後のコメントで「ボールを持っているときに外回しが多くなってしまい、なかなかダメージを与えられませんでした。」と振り返っている。


この試合をの浦和を観た時に思い出した試合がある。

それはルヴァンカップ準決勝で戦った時にセカンドレグ。あの時もセレッソの4-4-2で中を閉めるブロックに対して浦和は効果的にボールを運べなかった。


リカルド・ロドリゲス監督のチームでは5レーンにバランス良く選手を配置するいわゆる「ポジショナルプレー」の原則に則って組み立てられているが、アタッキングサードでチャンスを得るためのキーポイントとなっているのはミドルサードで列を移動しながらプレーするフリーマン的な選手。

例えばロティーナ監督時代のセレッソでは、ビルドアップで右サイドからボールを動かして清武にボールを届けた時に自動的にチャンスになるという形で最初はあえてスペースを開けそこに人が入っていくというやり方を取ることも多かったが、リカルド・ロドリゲス監督のチームはフリーマン的な選手が列を移動しながら中央のスペースに潜り込み、そこでボールを受けたりターンしたりすることで相手を動かしたことで得た時間とスペースをアタッキングサードに送ることでチャンスを作るという仕組みになっている。

このフリーマン的な役割を担っているのが小泉や江坂、そして清水戦では関根で、徳島時代は渡井だった。

しかしルヴァンカップセカンドレグでは、セレッソがプレスをかけながらも4-4-2のSHが絞って中を閉めるブロックを作ることで小泉にプレーする隙間を与えず、何度もボールを奪うことに成功していたのだ。


ということで天皇杯でもセレッソが狙うのはこの展開。

こうなれば浦和がボールを保持する時間が長くなるだろうが、動かされない外回りの攻撃であれば瀬古と西尾のCBコンビで十分跳ね返すことができるはず。ボールを持たれる時間が長くなると特に両サイドにとってはキツい試合にはなるだろうが、それをやりきるだけの選手は揃っている。


攻撃では少ないチャンスで決めきれるかどうかが重要になるだろう。

ルヴァンでは加藤が結果を残した。この試合では大久保嘉人の勝負を決める一発に期待したい。


この試合は浦和にとっても大切かもしれないが、セレッソにとっても大切な試合。

大久保嘉人にとって天皇杯は、プロ1年目で決勝に進出するも清水に敗れ準優勝に終わった大会である。

最後の試合で国内初タイトルを獲得するためには絶対にここで負けられない。


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