2021年12月3日金曜日

明治安田生命J1リーグ第38節 VS. 清水エスパルス プレビュー

 2021年12月4日 14時00分:IAIスタジアム日本平

予想スタメン


いよいよ2021年の明治安田生命J1リーグも最終節。セレッソ大阪は敵地IAIスタジアム日本平で清水エスパルスと対戦する。


■前回の対戦

前回の対戦は前倒し開催が1試合あったので開幕から4試合目に行われた第3節。早い時間に先制を許すもCKから西尾のJ1初ゴールで前半のうちに追いつくと、試合終盤に坂元のクロスを清武がボレーで合わせ決勝点。2-1でセレッソ大阪が逆転勝利を飾っている。


両チームのスターティングメンバーは上記。クルピ監督率いるセレッソは定番のメンバー。スタートの11人、ベンチの7人の18人が全員直近の試合と同じとなっていた。一方の清水は河井陽介が今季初のスターティングメンバー。布陣は4-3-3。セレッソの時は主に4-4-2を使っていたロティーナ監督だが、最終的に4-4-2になったのはセレッソの選手が尹晶煥監督時代に結果を残した布陣ということで慣れていたから。東京Vでは4-4-2でスタートしたことは1試合もなく、本来は「5レーン」に選手を配置しやすい布陣を好むことから、清水では開幕当初は4-3-3を採用していた。


立ち上がりからペースを握っていたのは清水。左SBの片山が大外レーンに出て、右SBの原はCHに、そして左IHの河井が最終ラインに降りて4-3-3から3-2-5に可変する清水のビルドアップにセレッソは坂元、松田陸が完全に引っ張られてしまい、松田陸の背後のスペースにカルリーニョス・ジュニオが飛び出すという形で清水が再三チャンスを作る。この形から1分、11分と清水が作ったチャンスは決定機だった。


そして立ち上がりの時間帯はセレッソがボールを持っても、右IHの後藤が1列前にでてきて4-4-2になる清水のプレッシングに対してセレッソは全く時間を与えてもらえず。

5分の清水の先制点はまさにこのプレッシングからで、自陣での奥埜から瀬古へのパスを中山にインターセプトされ、そのままゴールに流し込まれた。


清水が先制してからは、プレッシングを止め4-5-1でセットしSHが大外レーンにいるセレッソのSBと対峙、中央のレーンを中盤3人が埋める形に変更。こうなるとセレッソはなかなかビルドアップの出口を作れず、清武・原川がブロックの外でボールを持つだけという状態になっていた。


しかし清水のクロス対応のまずさでセレッソチャンスを作り始めると、22分にこの試合2本目のCKを豊川がニアでフリックし、それを西尾がコントロールしてシュート。セレッソは前半のうちに同点に追いつく。


ここからはセレッソがボールを持つ時間帯もあったが、基本的にはやはりチャンスを作っていたのは清水。しかし54分の後藤の決定機など清水はビッグチャンスをゴールに結びつけることができなかった。

そうなると試合は徐々にオープンに。オープンな展開で得をするのは間違いなくセレッソである。


決勝点が決まったのは84分、しかし起点となったのは清水のCKから。

少し前に投入された西澤が蹴ったボールはキム・ジンヒョンがキャッチし、そこからカウンター気味に一気にボールを運ぶと、一旦陣形は整うが坂元の折返しを大外で清武がボレー。

前半から清水のクロス対応は大外が浮いてしまう場面が続いていたが、それを見事に突いて決めた。


ここから清水はディサロがチャンスを迎えたり、逆にセレッソも加藤がPKを獲得したりと少しバタバタする展開が続いたが、そのまま2-1で試合終了。

狙い通りに進めるという部分では清水に後手を踏んでいたが、スコアでは最後にセレッソが上回ったという試合だった。


■現在の清水エスパルス

昨季までセレッソ大阪を率いていたロティーナ監督を招聘した清水エスパルス。2シーズン続けて結果を残していただけにセレッソ大阪の幹部以外にとってはまさかの退任だった訳だが、その発表後に大熊清GMが急遽契約をまとめたと言われており、昨季は16位と降格圏(入れ替え戦枠)に沈み、昨季の降格なしという特別なレギュレーションの恩恵を受けたチームの立て直しを、2シーズン連続でセレッソ大阪を上位に進出させたロティーナ監督が任される格好となった。

しかし結果的には思うように成績は上がらず。11月3日の第34節でFC東京に0-4で敗れると、ロティーナ監督との契約を解除。ロティーナ監督率いるチームとの2度目の対戦は叶わないこととなった。

やっぱり気になるので試合は全て見ていたが、僕がどうこう書くのも違うと思うし、清水サポさんが書かれているのも見せていただいたのでもうこれ以上は書かないが、今季はロティーナ監督、イバンコーチにとってはなかなか難しい難しいシーズンだったのではないかと思う。


ということで第35節からは昨季に引き続き平岡宏章監督が就任。以降の3試合は2勝1分で現在15位。勝ち点39の清水エスパルス、勝ち点36の湘南ベルマーレ、勝ち点36の徳島ヴォルティスの3チームのうち1チームが降格するという残留争いの真っ只中でホームでの最終節を迎えることとなった。


最終節に向けての清水の状況を整理しておくと、勝ち点で最も有利な清水は引き分け以上で他2チームの結果に関わらず残留が決定。清水が敗れた場合、湘南(vs.G大阪 A)、徳島(vs.広島 H)が共に勝利すると3チーム全てが勝ち点39で並ぶが、この結果になった時点で清水は得失点差で最も不利になることが確定するので、この場合のみ清水の降格が決定する。


平岡監督就任後の清水だが、4-4-2のブロックを作る守備をベースに人を捕まえに行くプレスとブロックを使い分けるような戦い方となっている。

スペースの埋め方などには甘い部分も見られるが、残り試合数もわずかなので考え方云々よりもシンプルにして最後の最後で粘り強く戦うというやり方である。

試合内容からみると、はっきり言えばこの3試合の結果は出来すぎという印象を受ける部分もある。特に攻撃面では鈴木唯人が前線に入ったここ2試合は、彼がスペースがある状態でボールを受けると独力で敵陣深くまでボールを運んでチャンスを作るというカウンターマスター的なプレーで結果を残しているが、それに頼るにはあまりにも精度も効率も悪く、かといってそれ以外に効果的にボールを運ぶ手段があるかというとそれも無い。

ただ、カウンターに持ち込む場面で夏に獲得した松岡大起や原や片山の両SBが起点になっていることも多いので、今季ここまで積み重ねてきたものが生きているとも言えなくはない。


ただ、気になるのはけが人が多いことで、カルリーニョス・ジュニオ、藤本憲明、ベンジャミン・コロリ、ホナウド、河井陽介、エウシーニョは前節ベンチ外。そして前節先発した井林章も負傷交代している。


■予想スタメン

清水エスパルスの予想スタメンだが、先程も書いたようにけが人が多いので前節の井林交代後のヴァウドが入ったメンバーが中心となるだろう。それ以外に代わる可能性があるとすれば前節終了間際に劇的な決勝点を決めた中村慶太をスタートから起用するかどうかというところか。


セレッソ大阪の予想スタメンだが、こちらもベースとなるメンバーは前節から変わらないだろう。気になるのが前節ベンチ外だった原川で、問題なければ先発復帰の可能性もあるが、前節がベンチ外だったことを考えると藤田の継続起用が濃厚か。

また前節はスタメンだった大久保嘉人の起用はどうなるか。この試合がJ1でのラストゲームとなるが、やはり従来までの加藤と山田の2トップでスタートして大久保は途中からといういつものパターンに戻す可能性の方が高いと思われる。


■とにかく焦れるな

おそらく展開としてはセレッソがボールを持つ時間が長くなるだろう。セレッソも清水もその展開を望む可能性が高い。

その場合やっかいになるのが清水のブロックを作る守備。先程清水の結果について「出来すぎの面もある」と書いたが、その「出来すぎ」とも言える結果を引き寄せたのも守備があってこそ。特に前節の浦和戦ではビルドアップからアタッキングサードでフィニッシュまで持ち込む手前のミドルサードでの組み立てで浦和は攻めあぐねていた。


そしてこの試合でも小菊監督はある程度の準備をするだろうが、その準備したものでゴールに近づけない場合は、同じように攻めあぐねる展開になる可能性が高い。

そうなった時に安易に前に人数をかけないこと。

効率は悪いが、ハマった時の清水のカウンターは強い。チアゴ・サンタナは力強いし、ハマった時の鈴木唯人はホンモノである。

なので、そういう形をできるだけ作らせないこと。

慌てて無理をしないこと。プレッシャーがかかっているのは間違いなく清水なのでこちらは落ち着いて試合を進めてチャンスを伺いたい。

そしてセットプレーも十分狙い目だろう。


清水との対戦はJ1、J2、ルヴァンカップの通算で21勝7分21敗の全くの互角。

しかしながらJ1リーグ戦ではセレッソは2005年以降11試合勝利なし(0勝4分7敗)、清水に至っては長居(ヤンマースタジアム長居、ヨドコウ桜スタジアム、長居第2)でのJ1リーグ戦で1999年以降17試合勝利なし(0勝3分14敗)と他に例を見ないほどの内弁慶カードとなっている。


今季はこれまで負けていなかった横浜FMに10年ぶりの敗戦を喫するなど色々とジンクスが終わった年でもあるので、17年ぶりに日本平で勝利し、難しかった2021年シーズンを締めくくりたい。

そして我々にはあと2試合あるので、そこに結びつけたい。

静岡(磐田)から始まった大久保嘉人の歴代最多ゴールが静岡(清水)で終わるのも悪くない。

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