2018年11月2日金曜日

10/31 明治安田生命J1リーグ第31節 VS 鹿島アントラーズ @ 県立カシマサッカースタジアム

スタジアム県立カシマサッカースタジアム主審飯田 淳平
入場者数9,233人副審八木 あかね、野村 修
天候 / 気温 / 湿度曇 / 13.4℃ / 49%第4の審判員柿沼 亨
鹿島アントラーズ鹿島
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 大岩 剛
 
  • 監督
  • 尹 晶煥

<監督・選手コメント>

鹿島アントラーズがACL決勝に進出したことで他の試合に先がけてミッドウィークに行われた明治安田生命J1リーグ第31節、敵地県立カシマサッカースタジアムでのセレッソ大阪対鹿島アントラーズの一戦は小田のプロ初ゴールで1-0の勝利となった。

<監督・選手コメント>

鹿島アントラーズ 大岩剛監督
セレッソ大阪 尹晶煥監督

鹿島アントラーズ 犬飼選手、田中稔也選手
セレッソ大阪 柿谷選手、杉本選手、ソウザ選手、山下選手、キム・ジンヒョン選手

■メンバー

鹿島アントラーズのスターティングメンバーだが、両チームの勝ち点差は2という状況ながらこの試合の後、中2日でACL決勝ファーストレグを控えているということもありターンオーバーを敢行。GKクォン・スンテを始め、CBに入る前節怪我からようやく復帰した昌子と植田移籍後や昌子が怪我で離脱している間にこのポジションを埋めていた犬飼、ボランチに入る永木と大ベテラン小笠原など中盤から後ろのセンターラインには経験と実績がある選手が入るが、その他のポジションにはフレッシュな選手がずらりと並ぶ形。
4-2-3-1の1トップに入る金森はリーグ戦今季3度目の先発、左SHに入る阪南大学から加入したルーキー山口一真、トップ下に入る大阪桐蔭高校から加入4年目の久保田和音はリーグ戦キャリア初先発。右SHに入る下部組織出身で3年目の田中稔也は今季及びキャリア2度目のリーグ戦先発。右SBに入った東福岡高校出身の2年目小田逸稀は今季4度目の先発。左SBに入る下部組織出身で2年目の町田浩樹は6度目の先発となっている。
金森は福岡時代に対戦経験もあり、また山口一真も阪南大学時代に注目を集める存在。さらに町田も前回対戦時に昌子が怪我をした後投入された選手なのでどの様な選手かというのはまだ知られているが、久保田や田中稔也、小田らはまだほぼ知られていない選手だろう。
またこれらの選手がスタメンに並ぶということはベンチにいるのは普段のレギュラーメニュー。山本脩斗、西、安西、三竿健斗、土居、鈴木優磨がベンチに控えている。

一方のセレッソ大阪の先発メンバーだが、セレッソは次節が翌週火曜日と日程に余裕があるので勝利した前節FC東京戦とほぼ同じメンバー。しかし清武が前々日の練習で足に違和感を感じたとのことで離脱し、左SHには高木が入る4-4-2となっている。

■2-2ビルドアップ

3バックでのボール保持サッカーを経た影響か、以前の4-4-2に比べるとボールを持とうとするスタイルに変化している前節から戻した4-4-2。前節は丸橋だけを先に高い位置に上げ、右SBの田中裕介、CBのヨニッチと山下の3人で3バックになる形で時計回りにぐるっと選手がずれていく片上げ3バック化でビルドアップする形を行っていたが、今節はまた異なる形、両SBを上げCBとボランチ2枚の4人でビルドアップする2-2ビルドアップを行っていた。
セレッソのビルドアップ
鹿島の布陣は4-2-3-1だが、立ち上がりはトップ下の久保田を前に出して4-4-2の形で前線からアプローチをかけようと狙ってくる。
これに対してセレッソは最初からボランチの山口とソウザが2トップの脇に立ったり、山口が2トップの間に立ちソウザが左にずれる不均衡の立ち位置を取ったり、またどちらか1枚がCBの間に落ちて3バック化、もう1枚が2トップ裏にポジションを取る様な形など様々なバリエーションでまずは2トップを外しにかかり、そこからボールを運ぼうという意図が感じられた。
前節とは異なる形なので鹿島の戦い方を踏まえた上で準備してきた形なのだろう。
この2-2のビルドアップに加えてセレッソはGKからのロングボールで杉本という形もあるので鹿島の4-4-2での前線からのアプローチがは不発。15分になる前には4-4-1-1でブロックを作る形へと変えセレッソはボールを持つ展開となったことを考えると、まず最初の段階はセレッソの狙い通りと言えるだろう。

■どこに誰がいるのかが決まらないボール保持

「まず最初の段階は」としたのは「ここ先」が上手くいっていなかったから。
試合の序盤こそ山口やソウザから高く上がった両SBと中に入るSHの関係になっていることが多いサイドにボールを付け、近い距離での即興性によるコンビネーションでサイドからボールを運ぶことでで鹿島を押し込む形となり、その結果例えボールを奪われてもすぐに回収することができていた場面も多かった。
また柿谷のボランチの近くまで降りてくるプレーでボール保持を助ける場面もあった。
しかしこのセレッソのボール保持に安定感は無かった。

というのもセレッソの選手のボール保持時のポジショニングが定まっていなかったから。
例えば柿谷が下がってきた時のSHとSBのポジション。SBにボールが入った時の2トップのポジションが良く言えば流動的なのかもしれないが、単純にいうとバラバラ。なので2トップが同じスペースで重なっていたりした。
ボールを持って攻撃を組み立てようとするセレッソだが、この状況の様に誰がどこにいるのかが定まっていないと安定感を出すことは難しい。なぜならボールを受けた選手はいちいち味方のポジションを確認しなければならずその分ワンテンポずれてしまい相手に寄せられるからだ。
その結果鹿島にカウンターを繰り出される場面が見られるようになっていた。
個々の選手が即興性を持って判断することで作り上げる流動性は、相手にとって予想しづらくもつかみにくい。なので上手くハマると17分の杉本のシュートがポストを叩いた場面の様にビッグチャンスにつながることもある。しかし先に書いたとおりボール保持の安定感を欠くことでカウンターを受けてしまうようでは本末転倒。
セレッソは前半のボール保持率で57%を記録し、パス数でも鹿島の225本に対して319本を100本近く上回ったがシュートは鹿島8本、セレッソ6本。
先程の杉本のチャンス以外にも41分に高木の折返しに柿谷が放ったシュートがクォン・スンテのセーブにあいポストに跳ね返されるというビッグチャンスもあったが、4分、28分と決定的なピンチもあった。また21分にはシュートにはつながらなかったがカウンターで一気にボールを運ばれる危険な形も作られていた。

なので前半45分間も、チャンスはあったとはいえボールを保持してサッカーをしようとするチームにとって「優勢」とは言えない内容だった。

■ミスが生まれる理由

「優勢」とは言えない前半だったことを表すように後半に入ると立ち上がりは鹿島に押し込まれる時間帯が続く。
前半からセレッソがボールを持ち、鹿島はカウンターという構図だったのだが、鹿島はカウンターで一気にシュートまで持っていくだけでなく、カウンターでボールを運んだ時に攻めきれないとセットして攻撃をするという機会も多かった。

鹿島の定位置攻撃も2CBと2ボランチを後ろに残して両SBが高い位置と取る形で行われる。
この形でのキープレイヤーとして素晴らしい動きを見せていたのがトップ下の久保田。元々はボランチの選手だが、守備的なプレーというよりも攻撃の組み立てを得意としているらしくこの試合ではセレッソが作る4-4のブロックの間から顔を出し、上手くボールを引き出していた。
鹿島の攻撃時のポジショニング
そしてこの久保田のプレーを活かしていたのが周りのポジショニング。鹿島はこの試合のセレッソと同じ様にCBとボランチの2-2で後ろに構えSBを上げるため、中央ではSHが中に入ることになるのだが、このポジショニングがルールとして決まっており、例えば1トップの金森が左に出た時は左SHの山口一真が中央へ進出。また右SHの田中稔也が中央に入ると外側には右SBの小田が上がってくるが田中稔也が外側に出ると小田は中央に進出するなど1トップと両SH・SBが同じレーンに入らないということが徹底されていた。
このルールを踏まえた上で選手がポジションを移動するので、守備側にとっては流動的に感じるが、攻撃側にとっては決まった場所にかならず誰かがいることになる。
距離を詰めて1対1の勝負に持ち込むことができると自力に上回るセレッソの選手がボールを奪いとることができるのだが、こうしてセットされ間にポジションを取られてしまうと守備側は常に2択を迫られることになりセレッソのの守備ブロックは後手に回ってしまう。
後半立ち上がりから何度もセットプレーを与えてしまっていたのも必然だった。

そして山下のヘディングでのバックパスが短くなりかけたことから与えたCK。ニアで小田が合わせたヘディングシュートをキム・ジンヒョンがファンブル。何とか掻き出そうとするが副審はゴールインのジャッジを下した。

この失点はキム・ジンヒョンのミスだが、本人も語っているように山下のミスから与えたCKだったので少し無理してキャッチングに行ってしまったからこそ生まれたミス。前半から攻めているもののリズムが良いわけではなく、後半立ち上がりから押し込まれたことで無理を強いてしまった形なので何も無いところから湧いて出てきたミスというわけではなかった。

■より停滞する攻撃

この先制点から鹿島が一気にペースを握る展開となる。
というのも得点を奪わなければいけなくなったセレッソが前への意識を強めたから。前への意識を強めたからペースを失うというのもおかしな話だが、大前提としてセレッソのボール保持は味方をさがす時間が必要となる。
そんな中で前半はやり直すという選択ができていた場面でも前への意識が強くなることで無理に前に運ぼうとするとどうしてもミスやロストが増えてしまうからだ。

一方の鹿島はブロックを作って守るとセレッソは攻めあぐねるのでそこからカウンターを狙えばいいとさらに戦い方はシンプルになる。
最後の1対1の局面ではセレッソの選手が自力で上回るためボールを奪い返したり、ブロックしたり、または76分の場面の様にキム・ジンヒョンのセーブで追加点を与えることは無かったがチャンスの数が多いのは鹿島。そんな中でも80分にソウザのFKから杉本が頭で合わせる場面を作ったがクォン・スンテにセーブされ追いつくことができない。
その直後には山口の軽いプレーから山口一真にカウンターで走られたがここもキム・ジンヒョンがセーブ。1-0は変わらなかった。
90分〜
鹿島が82分に田中稔也に代えて安西、85分に山口一真に代えて土居を投入すると、セレッソも87分にソウザに代えて木本、88分に水沼に代えて福満を投入。
90分には鹿島が久保田に代えて三竿健斗をボランチに投入し、永木が左SH、土居がトップ下という並びへと変更。
85分には田中裕介の折返しから杉本が背後に抜ける柿谷にスルーパスというチャンスを迎えるがここでもクォン・スンテがセーブしそのまま試合終了。
1-0でセレッソ大阪が鹿島アントラーズに敗れた。

■その他

様々な事を思わせる試合だった。
根本的なプレーモデルからいうと、昨季のセレッソはボール保持にはこだわらないチームだった。しかし今季はボール保持も少し考えた、特に3バックを使ってからは明確にボールを持ってサッカーをするというプレーモデルに変わっている。
それは前節から変わった4バックでもそうで、攻撃のスタートとなるビルドアップでボールを持つ形をつくっている。2-2でビルドアップを行ったこの試合では昨季同様にサイドから攻める場面が多かったが、セットした時の立ち位置は明確に昨季とは異なっている。
しかし一方では特に前線は流動的にプレーしようとしていた。
今のサッカーではボール保持にこだわるならポジショニングを安定させることが近道だ。ポジショニングを安定させると多少選手の質が劣っていたとしてもボール保持が可能になることは数々のチームが証明している。なのにそれはやらない。
そうなるとこの試合の様に、攻撃は即興性に頼った単発でそれ以外はやたらとカウンターを受けるという展開になるのも当然だろう。チームとしてどう戦いたいのか、何がやりたいのかがよくわからない試合だった。

昨季のサッカーをみると尹晶煥はボールを持ってサッカーをしようとは考えていないんだと思う。しかし選手はボールを持つサッカーをしたい。そのあたりのちぐはぐさが出てしまっている様な気がする。





2 件のコメント :

  1. 目標を失いつつある中、監督と選手の間の考え方がどんどん広がっていってるように思います。
    前半、確かに満足できる内容ではなかったかもしれませんが、あの過密日程の中、着実に勝ち点を積み上げて来てただけに後半の失速は残念です。
    もっとクラブがうまくコントロールできなかったのでしょうか?。

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    1. クラブの人間にコントロールする力はまずないと思います。玉田社長は度々自分はサッカーの知識を持たない素人だと言及していて、実際にそれが大熊の監督就任や方向性の見えないOB路線への執着などに繋がっているように思えます。
      内部の人間がスポニチに情報を流すなど色々とアレな点も多く、現状ではクラブ内部の人間に期待することは何も出来ないですね。

      削除

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