2019年4月11日木曜日

4/10 YBCルヴァンカップCグループ第3節 VS 名古屋グランパス @ ヤンマースタジアム長居

スタジアムヤンマースタジアム長居主審松尾 一
入場者数5,728人副審野村 修、権田 智久
天候 / 気温 / 湿度雨のち曇 / 11.4℃ / 89%第4の審判員清水 崇之
セレッソ大阪C大阪
 
名古屋グランパス名古屋
 
  • 監督
  • ロティーナ
 
  • 監督
  • 風間 八宏
全ての試合において 21 歳以下の選手を 1 名以上先発に含める。※1

※1 但し、以下の場合は出場義務を負わない。
・対象選手1名以上が日本代表試合または日本代表の合宿その他の活動(ただしA 代表またはU19以上のカテゴリーの日本代表に限る)に招集され、試合日に不在の場合。
・対象選手が試合エントリー後の怪我等のやむを得ない理由により出場ができない場合。

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 ロティーナ監督
名古屋グランパス 風間八宏監督

セレッソ大阪 水沼選手、西川選手、瀬古選手、田中選手
名古屋グランパス マテウス選手(Jリーグ公式)
名古屋グランパス 相馬選手(名古屋グランパス公式)
名古屋グランパス 千葉選手(名古屋グランパス公式)

細かい雨が降る中で行われたYBCルヴァンカップCグループ第3節。本拠地ヤンマースタジアム長居でのセレッソ大阪対名古屋グランパスの一戦は3-0でセレッソ大阪の勝利。グループステージ2試合を終えここまで1分1敗で勝ち点1にとどまっていたが、この勝利で勝ち点4。グループCは勝ち点2差の中に4チーム全てがひしめき合う混戦となった。

■メンバー

セレッソ大阪の先発メンバーだが、カップ戦ということでリーグ戦前節からは10人を入れ替え。残った松田も前節プレーしたのはほぼ前半のみなのでフレッシュな11人が並んでいる。
レギュレーションによる21歳以下選手で先発しているのは舩木と瀬古。またベンチには山田と特別指定選手の西川君が入っている。
注目なのは今季のリーグ戦で初めて4バックの布陣を敷いてきたこと。
詳細は後述するが、このブログでそろそろ4バックをするのでは無いかと書いてきたところ、このタイミングでの採用となった。

一方、名古屋グランパスの先発メンバーだが、こちらはリーグ戦から11人全員を入れ替え。
リーグ戦では長谷川の前線起用がハマった影響でベンチスタートが続く赤崎を始め、前田、相馬、マテウス、小林、千葉、武田と普段はベンチ入りや交代出場となっている選手に加え、菅原、伊藤らの若手が起用されている。
そしてここのところチャレンジしている左SBで先発したのは相馬。風間監督はどうしても相馬を左SBでものにしたいと考えているらしい。
ちなみに伊藤は19歳ながらU-21日本代表にも選ばれている左利きの大型ボランチ。今季磐田から期限付きで加入した選手である。

■名古屋の特徴

今季リーグ戦でも上位につけ、ルヴァンカップでも前節まで1勝1分でグループ首位に立っていた名古屋。その要因としてはジョアン・シミッチ、米本というボランチの補強が当たったというところもあるが、ハイプレスで早くボールを奪い返すことができるようになったという戦い方の変化によるところも大きい。
昨季までは風間サッカーを活かしボールを持つことはできるが、一旦ボールを奪われてしまうと相手に自動的にアタッキングサードまでボールを運ばれるという状態で、失点するかしないかは最後のところで押さえきれるかどうか。なので得点は取れるが失点も多かった。
そこで今季から取り入れたのがハイプレス。ボールを持ちたいチームなので相手から早くボールを奪い返すというのは理にかなっているし、そして、もちろん程度にもよるが、守備組織を作るよりも取りに行くほうがチームに落とし込むのは簡単である。

ここからは「名古屋がボール非保持でハイプレスをやりたがっている」ということを踏まえてセレッソがとった方法を見てみる。

■ゴールキックでロングキックを多用したセレッソ

まず立ち上がりはゴールキックで名古屋の最終ラインの裏を狙っていた。
これは今季のセレッソがゴールキックから立ち位置を決めてボールを繋ぐやり方を取っていることを踏まえての形。セレッソがボールをつなごうとすることは名古屋ももちろん知っている。なので名古屋はラインを上げそこにハイプレスを仕掛けようと狙っている。だからこそのロングキックで、このロングキックがスリッピーなグランドコンディションと重なり武田のミスでセレッソの2点目につながった。
ゴールキック時の配置
しかしロングキック自体は圍の武器でもあるのだが、この得点の後は頻度が多すぎた。
時間の経過と共に名古屋はセレッソのゴールキック時の立ち位置に対応できなくなっていき、山下と瀬古、藤田と奥埜、さらに舩木と松田へのコースだけでなく田中亜土夢と水沼、さらにはメンデス高木というところへのパスコースも空いてくるようになっていたのだが、水沼や田中亜土夢のところにはなかなかボールをつけることができなかった。
GKからここにボールをつけることができるようになると、背後へのロングキックはさらに生きてくるので、是非圍には身につけて欲しいプレーである。

■セレッソは4バックで何をしたのか

この試合のセレッソは今季公式戦で初めて4バックでスタートしたのだが、メンバー表での表記はいつもと同じ3人のDFと4人のMF、3人のFWの3-4-2-1になっていた。
メンバー表の登録で相手の裏をかくというやり方もあるので登録ポジション自体にに意味は無いとも言えるのだが、実際この表記は半分正しい。
4-4-2から3-4-2-1に
というのもセレッソが4-4-2なのはボール非保持の状況だけで、ボール保持では松田、瀬古、山下の3バックに水沼と舩木のWB。前線にはメンデス、高木、田中亜土夢による3-4-2-1になっていたから。時計回りにぐるっとポジションが動く片上げ3バックというやり方である。
なので高木とメンデスの関係性はいつもの柿谷と都倉よりも流動的でポジションが入れ替わることも多かったが、その他の選手でみると基本はいつもの3-4-2-1とほぼ同じ。田中亜土夢か清武、舩木が丸橋、水沼が松田、松田が片山、瀬古がヨニッチ、山下が木本である。
つまりこの試合ではボール非保持では4-4-2、ボール保持では3-4-2-1という可変システムを使っていた。

そしてこの試合では前半から何度も名古屋の両SBの裏を使うことができていたのだが、それはこの可変システムと名古屋がボール非保持でやりたいことが合わさって起こっていたことである。
SB裏の使い方
名古屋はハイプレスに行きたい。ということは人を捕まえる。
そして名古屋がボール保持している時のセレッソの布陣は4-4-2。基本的にマッチアップが噛み合っている状態で、名古屋の両SBにとって捕まえるべきはセレッソの両SH。相馬は水沼で菅原は田中亜土夢となる。
しかしセレッソはボールを持つと水沼は外へ、田中亜土夢は内へとポジションを移動。そうなると相馬は前に引き出され菅原は内側に引っ張られる。そこをセレッソの選手が使っていたのである。
なので、左SB相馬の裏を使っていたのはメンデスや高木の右シャドウ、右SB菅原の裏を使っていたのはWBの舩木だった。

得点にはつながらなかったが21分のメンデスのクロスに高木が合わせた場面はまさに水沼に食いついた相馬の裏にメンデスが飛び出すという狙い通り形だった。

■4-4-2の守備

4-4-2の守備ブロック
ボール非保持で4-4-2だったセレッソ。この守備組織で特徴的だったのは横幅をかなり狭くしたブロックだったということだろう。
大外レーンにいる上がってきた菅原や相馬はCBやボランチが中央でボールを持っている時は基本的にフリー。ボールが出たらそこに一気にスライドするという形である。
なのでこの形は川崎戦で見せた守備と基本的な考え方は全く同じ。5-4-1と4-4-2で最終ラインの枚数が違うとも言えるが、川崎戦でもボランチやCB経由でサイドチェンジをする時はボールと逆サイドのシャドウとWBが1つずつ前にでて4-4-2の形になっていたので本当に何も変わらない。
むしろ最初からそこにいるので対応しやすいともいえる。

この守備組織は今のセレッソの大きな武器になっている。この試合でも名古屋がボールをもって攻め込む時間、名古屋に押し込まれる時間もあったが、ブロックをきっちりと作ることができていたので試合を通じて崩されてのピンチというのはほぼ無かった。
シュートブロックだったり、圍の素晴らしいセーブもあったが、それも正しいポジションで守備ができているから。なので相手のシュートコースを限定できており、シュートブロックやセーブにつながるのである。

名古屋が前からボールを取りに行こうとハイプレスを行っているのに対し、セレッソはブロックを作っての守備なのでボールを奪い返す位置自体はどうしても低くなる。しかしよりリスクは低く安定する。
10分、15分と立ち上がりに立て続けに水沼がゴールを決め2-0と展開に恵まれたことも試合に大きな影響は与えただろうが、この試合では「2点差は危険ななんちゃら」という言葉もあまり出ないほど、ボール非保持時の両チームの違いが感じられたのではないだろうか。

■後半の展開

後半に入ってからも展開は変わらず。
名古屋がボールを持ってもブロックの外でチャンスを作るまでには至らず。セレッソは押し込まれた時も4-4-2の2列目のポジショニングが素晴らしい。
そして名古屋はボールを失った後には好調の要因となっているプレッシングで即時奪回を狙うのだがセレッソが立ち位置を使ってそのプレッシングを外してしまうので名古屋にとってはかなり苦しい状態だったと思う。
68分〜
59分に名古屋は菅原に代えてリーグ戦でレギュラーポジションを掴んでいる宮原を投入。マテウスの後ろを安定させたかったのだろうがあまり変化はない。
さらに68分には杉森に代えて榎本を投入。ドリブラーの榎本は4-2-3-1のトップ下的なポジションに入ったので中盤の枚数を増やしてセレッソのブロックを動かそういう狙いだったのだろう。
そして同じタイミングの68分にセレッソも高木に代えて西川君を投入。
ルヴァンカップ神戸戦に続き2試合目の出場となる。
西川君はそれまでの高木に比べるとより中間、いつものシャドウに近いポジショニングをとっていた。
78分〜
そして78分に名古屋はマテウスに代えて金井を投入。金井はそのまま右SHのポジションに。
同じタイミングでセレッソは田中亜土夢に代えて福満を投入。こちらもそのまま同じポジションに入る。

すると82分、圍のゴールキックからメンデスが競ったこぼれ球を西川君が拾うと、ターンしながらボールをしっかりとコントロールしたところでスルーパス一閃。抜け出した福満が冷静に流し込みセレッソが3点目を決める。西川君は2試合目にしてアシストを決めた。

この3点目でほぼ試合は決着。
87分〜
87分にセレッソはブルーノ・メンデスに代えU-23で爆発している山田を投入。
アディショナルタイムには山田が起点となり、奥埜が西川君とのワンツーで抜け出すもボックス内で足がもつれてしまい追加点はならず。素晴らしい形だったが、おそらくこの時点で奥埜はきっとまた12kmほど走っているのだろうからしょうがない。

そしてそのまま試合終了。3-0でセレッソが今季のルヴァンカップで初勝利を挙げた。

■その他

完勝といっても良いだろう。それほど素晴らしい試合だった。
ボール保持率では名古屋の方が上回っただろうが、ボール保持でもボール非保持でもセレッソが上回り、リーグ戦同様チームの成長を感じさせる試合だったと思う。
ただ、この試合で松田、水沼さらには舩木とこれまでリーグ戦で右WB(4-4-2では右SH)で先発してきた選手全員がフルタイム出場しているので、中2日で迎える週末のリーグ戦でどうするんだろうと余計な心配をしてしまった。

■ロティーナの考えを読み解こう

今回はここで採用してきた4バックについて。
今季開幕前のプレシーズンマッチとして行われたBGPU戦、山口戦でも4バックを使っていたので開幕前からロティーナの頭の中に4バックがあったことは間違いない。
しかし今季ここまでの公式戦では全試合3-4-2-1。そしてこの試合でようやく4バックとなった理由について考えてみよう。

まず4バックにすることのメリットだが、4-4-2という最もバランスが整った形で守備ブロックが作れるというボール非保持時の部分。そしてボール保持時にはこの試合でも見せたように相手の守備組織を動かしやすいという部分がある。特に名古屋の様にボールを奪いに来る相手に対しては効果は抜群だ。

しかしデメリットもあって、ロティーナのやり方ではボール保持で4-4-2から3-4-2-1へと形を変える。つまり可変システムなので攻守の切替時に選手が移動するための時間が必要となる。

ロティーナはこのメリットとデメリットを天秤にかけ、これまではデメリットの方が上回る可能性が高いと判断しポジションを移動する必要のない攻守で同じ3-4-2-1を使ってきたと思われる。
そしてデメリットが上回る可能性が高いと判断した理由は、ビルドアップやボールを運ぶ段階でまだまだミスが目立っていたからだろう。ここでボールを奪われると攻守の切り替えで後手を踏む可能性が高い。なので攻守の切り替えで形を変えない3-4-2-1採用してきた。
尹晶煥の1年目に4-4-2のまま攻撃も守備も行っていたのと同じ考え方だ。

そしてここで4バックを使ったのはここでのミスが減ったから。パスを繋ぐことで狙い通りのボールを運ぶことができるようになったので、デメリットがメリットを上回ると判断したのだろう。僕自身もそう感じていたのでこのブログでもここ最近の試合で「そろそろ4バックをやるんじゃないか」という内容を書いてきた。

ロティーナが試合後の会見でも語っているが、4バックで快勝したことでチームは大きな自信を得たはず。チームにバリエーションが加わったことは非常に大きい。




3 件のコメント :

  1. ボール保持の3421に変化した時、名古屋のプレスを躱すパス回しは形になってましたね。相手が442ということもあってミスマッチもあったのでしょうけど、チームの成長を感じました。Akiさんの解説図を見てるとメンデスや舩木のポジションにもっとスピードがある突破力のある個人技に長けた選手がいれば攻撃力が上がるんじゃないかと思いましたがどうなんでしょう?

    余談ですが西川選手、セレサポ内で絶賛されていて実際有望なアタッカーですけど、ボール非保持や保持で自分がボールを持ってないときの動きがあまりにもないのでネットで書かれていた元ガンバの宇佐美に似ているという評価は当たってると危惧しています。インタビューでもオフザボールのときの働きを課題だとは全然思ってないみたいなのでこの点を克服するのはかなり難しいのではないか。当の宇佐美はいわゆる泥仕事を今野・阿部・大森に任せっきりのまま海外移籍できてしまいましたし。
    宇佐美は海外移籍してから泥仕事をしないことで壁に当たってます。前任のユン監督は結局442の2に守備を徹底させることをできませんでしたが、今の時代で守備免除は通用しないので克服してほしいところです。

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    1. 西川君についてはロティーナかイバンコーチにしっかり教え込まれて貰うように期待するしかないですね。本来なら監督が教えるような事ではないけど日本の指導者はレベルが低いので気が付かないのは仕方ないです。
      何せヴェルディやセレッソのプロの選手達ですらロティーナに指導されて「今まで何となくやってきた事が初めて明確になった」と言ってるくらいですからね。日本のサッカーがいかに世界から遅れているのかよく解ります。
      どうにか克服できるよう祈るしかないですね。

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    2. コメントありがとうございます。
      ブルーノメンデスのポジションですが、スピードと突破力が欲しいからリーグ戦ではあそこに柿谷が起用されているんだと思います。
      舩木のポジションも同様ですが、あそこは左SBでもあるのでそこも考慮しないといけないですね。

      西川君については、桐光学園のエースだしこれまでの世代別代表ではFWで起用されていたのでそういう一面もありますね。
      今後は少し低めの位置をやるだろうから、本人が気づいて覚えるしかないと思います。

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