2019年4月13日 15時00分: ヤンマースタジアム長居
予想スタメン |
ミッドウィークのルヴァンカップから中2日となる4月13日土曜日。セレッソ大阪は北海道コンサドーレ札幌と本拠地ヤンマースタジアム長居で対戦する。
■北海道コンサドーレ札幌
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招聘し昨季はリーグ戦4位とクラブ史上最高の成績を収めた札幌。ACL圏内を目指して迎えた今季だったが現時点で2勝4敗。順位も15位と沈んでいる。そもそも札幌には降雪の問題があるので、シーズン序盤は必ずアウェイとなる開幕戦にはじまり、さらにその時点ではチームも札幌に戻らず熊本などでのキャンプを延長しキャンプ先から試合に出向くという厳しいスケジュールとなる。そのためどうしてもシーズン序盤はスロースタートとなることが多いのだが、今季は第2節の浦和戦、第3節の清水戦と連勝。これで一気にチームの期待も高まったが、既にチームが札幌に戻った後の第4節から現在3連敗中。さらにこの3試合で9失点と厳しい試合が続いている。
そんな中での今季の札幌だが、まずチーム編成としては都倉がセレッソへ移籍、三好が川崎へ復帰(その後マリノスへ期限付き移籍)と主力2人が欠けたことに加え、駒井がプレーできないという状態でスタートしているので、長崎から鈴木武蔵、かつて広島でもプレーしたアンデルソン・ロペス、京都から岩崎、仙台から中野、ブラジルからルーカス・フェルナンデス(期限付き)をそれぞれ獲得。
ボスロイドが離脱中なので盤石とまではいかないが、欠けたポジション、プレーできない選手のポジションを埋める補強を積極的に行っている。
そしてプレー面は、札幌が行っているのは当然ながら1トップ2シャドウと両ワイドの5枚を使ったミシャサッカーである。ミシャサッカーの詳細についてはこれまで何度も何度も書いてきたので割愛。なのでここからは昨季の対戦後、さらに今季に入って変わっていることなどを中心にまとめる。
昨季対戦後の変化でわかりやすいのが3バックの中央にそれまでボランチだった宮澤が起用されていることだろう。
これはおそらくビルドアップの問題で、それまでも宮澤はボランチから最終ラインに落ちるプレーを見せていたのでそれなら最初からということになったと思われる。
またビルドアップでは、一時浦和でもチャレンジしていた5-0-5の形も取るようになった。
5-0-5を始めたきっかけは「ハイプレス対策」だったのではないかと思う。
立ち位置としては3バックの中央の選手の両脇にボランチが2人共下がってくる形である。
しかし浦和時代の5-0-5と札幌での5-0-5には少し違いが見られる。札幌での5-0-5はボランチが下がる動きをきっかけにして前線の立ち位置も変化させるようになっていたのだ。
変化の仕方は、DFラインにボランチが下がってくる動きにあわせて、3バックのサイドに入る進藤、福森の両方・または片方を前に出し、それに合わせてWBが中へ。さらにインサイドハーフが下がってくる。(右WBの駒井がボランチ化する形も。)
つまり完全に5-0-5で中盤を空洞化させるというよりも、ボランチが下がってくることをきっかけにグルっとポジションを移動させ結局は3-2-5や4-1-5に近い立ち位置を取るようになっていた。
昨季このやり方が定まったことで、先に書いたハイプレスを外すことに加え、シャドウだった三好、チャナティップの2人は中盤センターでも高いクオリティのプレーを披露。さらに左足からのロングキックはJリーグ屈指のクオリティを持つ福森を自由にできるなど様々なメリットがあった。
そして今季。前線のトライアングルは鈴木武蔵が1トップに入り、シャドウには右にアンデルソン・ロペス、左にチャナティップという形がベースとなっている。
鈴木武蔵はスピードが武器のストライカー。アンデルソン・ロペスもストライカー的なアタッカー。その結果、前線の関係は1トップ2シャドウというよりも、鈴木武蔵とアンデルソン・ロペスが前にいて、そのすぐ後ろにチャナティップという関係になっていることが多い。
なので中盤に下がってくるシャドウは、昨季の2人から今季はチャナティップ1人のみとなっているのだが、4-1-5、3-2-5に加えて今季も5-0-5も継続している。
これは右WBのルーカス・フェルナンデスがサイドアタッカーとして攻撃面では計算できること。そして左で福森を自由にさせやすいからなのだろう。
ただし冒頭に書いたように現在の札幌はリーグ戦直近3試合で9失点と守備が崩壊中。
この3連敗中の試合を振り返ってみると、0-4と最も差をつけられた第5節の名古屋戦は名古屋のハイプレスに見事にハメられたという試合だった。
名古屋は長谷川アーリアジャスールを前線に起用しジョーとの2トップ+SHの3枚でハイプレスを敢行。そしてハイプレスからのショートカウンターで早い時間に失点すると、その後再び同じ形で2点目、3点目を奪われる。これで勢いにのった名古屋はさらに後半立ち上がりに再びハイプレスから4点目を奪い試合を決めた。
ハイプレス+ショートカウンターで得点を重ね一気に決めるというのは、対ミシャ戦で尹晶煥もよくやっていた形でもある。今の札幌には前線に都倉やボスロイドがいないのでロングボールに逃げることもできず、さらに宮澤を最初から下げているので中盤でボールを持つこともままならなかった。
そしてこの試合の後の第6節、大分戦では右WBをルーカスフェルナンデスから中野へと変更。しかし今度は人にアプローチをかける守備を逆に使うことが得意な大分に左サイドを徹底的に狙われ、なんと開始わずか2分で失点。結果1-2で敗れており、中野も効果的なプレーはできなかった。
そして直近の試合。ここまでの流れを経て迎えたミッドウィークのルヴァンカップでは、連敗を止めるために鈴木武蔵、菅、ルーカス・フェルナンデス、宮澤、福森というリーグ戦でも出場を重ねている主力選手を起用。結果としては鈴木武蔵のハットトリックや檀崎のプロ初ゴールで4-1と快勝している。
この試合で注目したいのは、宮澤をボランチに戻し、3バック中央にキム・ミンテを置くという以前の形に戻したこと。
失点が増えていたことを何とか修正したかったのだろう。
■プレビュー
セレッソ大阪の先発メンバーだが、前節と全く同じ11人を起用する可能性が高そうだ。ルヴァンカップでは今季初めて4-4-2を採用したが、今節は対ミシャシステムなので布陣も同じ3-4-2-1になると思われる。
この先発メンバーで懸念があるとすればミッドウィークのルヴァンカップで松田がフル出場していることなのだが、ここは時間帯や展開によって山下を入れて片山を上げたり、水沼を入れたりもできる応用の効くポジション。なのでスタートから松田を起用する可能性が高いだろう。
またさらに、ルヴァンカップ名古屋戦でアシストを記録した西川君がそのままトップチームに帯同しているとの情報もある。先発はさすがに無いだろうが、もしかすると途中出場でリーグ戦デビューとなる可能性もある。
一方、北海道コンサドーレ札幌の先発メンバーだが、主力を起用したルヴァンカップ湘南戦から中2日と厳しい日程だが、この試合を4-1と快勝しているのでルヴァンカップで起用された主力選手もそのまま先発起用となるだろう。
また宮澤のポジションもルヴァンカップで結果を残したことからボランチとなり、3バックの中央にはキム・ミンテが入る可能性が高いのではないだろうか。
試合のポイントになるのは大分が狙った札幌の左サイド、つまりセレッソの右サイドでの攻防だろう。
まずセレッソのボール保持では札幌は基本的に人を捕まえに来る。となると効果的なのは仙台戦で見せたひし形を作ってのローテーション。これが上手く行けば必ず菅や福森の裏を使える。この試合では柿谷が右に戻るだろうから精度が高まっている右サイドでの崩しには期待したい。
一方のボール非保持では、セレッソがハイプレスに行くということは無いだろう。しかし最初からリトリートもしない。敵陣からのアプローチには行くはずである。
その時に注意したいのは福森をいかに自由にプレーさせないか。
札幌はボランチが下がって福森を浮かせる形を必ず狙ってくる。これに対して自由にさせない様にどういう形でアプローチをかけ、ボールをサイドに誘導するかには注目したい。
昨季は札幌に2引き分けと勝利を挙げることができなかったが、今のチーム状況を考えるとこの試合はぜひとも勝ち点3が欲しい試合である。
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