2019年4月22日月曜日

4/20 明治安田生命J1リーグ第8節 VS 清水エスパルス @ IAIスタジアム日本平

スタジアムIAIスタジアム日本平主審高山 啓義
入場者数11,028人副審間島 宗一、赤阪 修
天候 / 気温 / 湿度曇 / 17.1℃ / 56%第4の審判員野田 祐樹
清水エスパルス清水
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • ヤン ヨンソン
 
  • 監督
  • ロティーナ

<監督・選手コメント>

清水エスパルス ヤン・ヨンソン監督
セレッソ大阪 ロティーナ監督

清水エスパルス 北川選手、ファン・ソッコ選手、松原選手
セレッソ大阪 柿谷選手、山下選手、キム・ジンヒョン選手、高木選手

明治安田生命J1リーグ第8節、敵地IAIスタジアム日本平での清水エスパルス対セレッソ大阪の一戦は膠着した展開の中から試合終盤に失点し1-0で敗戦。今季2度目の連敗を喫した。

■メンバー

清水エスパルスの先発メンバーは、やはり初勝利を挙げた前節のメンバーがベース。しかし事前に情報があったように中村慶太はメンバー外で1人のみが入れ替わる形となっており左SHには河井が入った。

一方のセレッソ大阪の先発メンバーは、前節からは2人入れ替え。片山から山下、都倉からブルーノ・メンデスに入れ替わっており、ブルーノ・メンデスはリーグ戦初先発となる。
そしてフォーメーションは清水の戦い方を踏まえ前節の4バックではなく3-4-2-1となっていた。

■なぜ3-4-2-1だったか

前節はボール保持、非保持共に4バックだったセレッソだが、今節はボール保持、非保持共に3-4-2-1。セレッソが3-4-2-1だった理由を考える。
マッチアップ
清水は4-4-2なのでマッチアップは図の様になる。
セレッソの狙い1
そして清水は基本的に高い位置からプレッシングに行きたいチーム。なのでセレッソの3バックに対して2トップ+どちらかのSHが前に出てくる。
そうなるとセレッソのWBはフリー。ここがビルドアップの出口になる。そしてここにボールが入ると清水のSBが前にアプローチをかけてくることになるが、そうなるとシャドウが出てきたSBの裏に飛び出すことができる。
この形は前半立ち上がりにエウシーニョの裏に清武が飛び出すプレーで早速みられた。

セレッソの狙い2
この単純な形だけで上手くいかない場合はCBがずれてその間にボランチが降りてくる。3バックから4バック化する形だ。これまで片山が右CBで起用されていたのはこのためで、また山下ももともとは足下のプレーに不安があったが開幕後からチャレンジすることでみるみる上達している。この試合で久々に山下を先発起用したのは、ここまでの山下のプレーを見てのことだろう。
セレッソの狙い3
そしてこの下がってくるボランチに清水のボランチがついてきた時はどうなるか。
それが実際に起ったのが16分のシーンで、キム・ジンヒョンは柿谷へとミドルパスを通した。
柿谷は竹内の背後にポジションを取っているので竹内が引っ張られると見事にこのパスコースが空く。
キム・ジンヒョンこの後も後半73分に、さらにこれまでの試合でも何度かこの手のパスを通しているのが、このパスを出せるかどうかはかなり重要である。
そしてこの場面はキム・ジンヒョンからだったが、CBの中央からのパターンももちろん必要となる。
セレッソの狙い4
このあたりの時間帯から清水は高い位置からのプレッシングの頻度はかなり少なくなり4-4-2でセットする形になるが、そうなった時にポイントになるのが清水のボランチの前にセレッソのダブルボランチがいて、その背後には2シャドウがいるという状況を作れているかどうか。
この状況を作れている限りは常に清水の中盤の選手に2択を迫っている状態になっており、さらにこちらは相手の対応を見て判断を変えることができる後出しジャンケンのような状態を作れるのだ。

前半の半分あたりまでは、セレッソにエラーはあったものの概ねこの形でボールを保持することができていた。またまだ試合の立ち上がりということもあり数自体は多くなかったがソウザにも2つほどチャンスはあり、さらに清水にもCK以外にチャンスらしいチャンスも作らせてなかった、つまりセレッソがボールを運ぶことができればカウンターを繰り出せない状態を作ることができていたのでセレッソが試合をコントロールできていたと言えるだろう。

■清水が攻め込む時間を作り始めた前半の後半

ただし、清水が4-4-2でセットするようになってからはセレッソはあまり上手くボールを運べなくなっていた。これは札幌戦でもあった現象だが3バックの両サイドが2トップの脇に入って行けずビルドアップの出口が上手く作れなくなるのだ。
下がってくる清武
そうなると動き出すのが清武。ボランチ脇やサイドのレーンに降りてくる動きを見せるようになる。
実際に清武がボールを受けた回数とエリアを数えると、前半20分までに7回パスを受けていたが、20分から30分までの10分間でも同じ7回。さらにそのうち4回が自陣ハーフスペースで2回が自陣の大外レーンとなっている。
そしてこの清武をビルドアップの出口としたことで33分には前に出た丸橋から斜めのパスをブルーノ・メンデスが受け、逆サイドのハーフスペースから背後に飛び出す柿谷へのスルーパスという場面が生まれている。
下がってきたことで清水に中盤を締められる
しかしこの清武の下がる動きは諸刃の剣。清水の2列目の守備にとっては清武が自分たちの前に下がってきてくれるので背後を気にせずアプローチに行くことができるようになる。
つまりボールホルダーに躊躇なくアプローチにいけるようになった。となるとボールホルダーにプレッシャーがかかっているので逆サイドの河井は思い切って絞ったポジションを取れる。
その結果清水は30分を過ぎたころから、自分たちの形を崩さずに中盤でボールを奪うことができるようになる。そしてそうなるとボールを奪った時にセレッソ陣内にボールを運ぶこともできるようになった。
象徴的だったのが37分にパスを受けた柿谷からヘナト・アウグストと河井で挟み込んで奪ったシーン(直前のプレーでヘナト・アウグストと竹内のポジションが入れ替わっていた)。
そして38分には北川からのスルーパスを受けた鄭大世がシュートを放つという場面を作っている。

DAZNの中継では前半終了時点でのボールを受けた位置での平均ポジションで清武が比較的中でブルーノ・メンデスの近く、柿谷が清武よりも若干低くサイドに近い位置に映っていたがこれは平均ポジションのマジック。
柿谷と清武がボールを受けた状況やエリアをチェックすると、やはり清武は下がって受ける回数が多く、柿谷はボールは入らなくても背後のハーフスペースにいることが多い。また柿谷がサイドで開いてボールを受けた時は必ず松田が中に入っていた。

■修正がはいった後半

改善されたセレッソのビルドアップ
セレッソはHTに修正が入ったのであろう。後半に入ると清武があまり下がらずにボールを受ける場面が増えるようになる。
山下が前に出ていこうとする動きを見せるようになり、前半途中からボランチの左右を入れ替え左ボランチになっていたデサバトがハーフスペースに立つようになったことが要因だろう。
この動きに対して清水はSHが前に出てくる。これを利用して2トップ裏にいるソウザやデサバトにボールが入るようになったからである。

ここからの20分ほどは完全にセレッソの時間帯だったと言えるだろう。
柿谷や清武が敵陣のハーフスペースでボールを受ける回数が一気に増え、そこから敵陣深くまで侵入する場面を何度か作っており、ミスでのボールロストを除くと逆に清水はポジションを動かされ効果的なカウンターも繰り出せていなかった。

■カウンターで生まれたミス

76分〜
この試合まず最初に動いたのは清水。64分に竹内に代えて六平を投入する。竹内は52分に一度ピッチを離れており、その時にトレーナーが左腿裏だとベンチに向かってアピールしていたのでおそらく左腿裏に違和感があったのだろう。
そしてさらに71分には鄭大世に代えてドウグラス。鄭大世は前半からかなり飛ばしていたので、ドウグラスは20分というのも決めていたんじゃないかと思う。
そして同じ71分にセレッソもブルーノ・メンデスに代えて都倉、さらに76分には清武に代えて田中亜土夢を投入。セレッソは65分ごろから少し単純なボールロストが増えていたこともあってターゲットになれる都倉とボールを持てる田中亜土夢という選択だったのだろう。

そしてここからも基本的にはセレッソが上手く試合を進めていたのだが、ソウザのFKを六反が弾き、そのこぼれ球を拾った柿谷がクロスを入れるも六反がキャッチするとそこから清水がカウンター。
六反のフィードで飛び出したエウシーニョに対してキム・ジンヒョンが飛び出してしまうという痛恨のミス。エウシーニョの折返しを逆サイドから飛び出してきた北川が角度のないところから上手く流し込み82分に清水が先制する。
エウシーニョに対しては丸橋は中を切りながらついていける距離におり、また北川には松田もついていたので、キム・ジンヒョン痛恨のミスだった。
89分〜
失点したことで85分にセレッソは山下に代え高木を投入し4-4-2へ。一方で清水は89分に北川に代え二見を投入して5-4-1とするとそのまま試合終了。
セレッソは今季2度目の連敗を喫することとなった。

■その他

結果は厳しいものとなってしまったが、ロティーナが試合後に語っているように基本的には試合はコントロールできていた。そしてそんな中で得点を奪えずミスから失点をしてしまった。客観的に見るとそんな試合だった。
ただ、セレッソとしても得点につながるようなチャンスはそれほど無かったのも事実。
仕組みとボール保持で相手をコントロールするところまでは持ち込んでいるが、そこから先はどうなんだ?という試合だった。
なのでセレッソとしてはどうやってまずは1点、先制点を奪うかというところだろう。
そしてそのためには、1トップ2シャドウの前線3人がどれだけアタッキングサードで中央の3レーンでプレーできるかどうかになってくるんじゃないかと思う。
清武などはまだ下がったりサイドに流れたりして受けよう、攻撃の組み立てに参加しようとするプレーも多いが、基本的に組み立ての部分は仕組みでカバーしている。
なので清武や柿谷に仕事をして欲しいのはアタッキングサード。都倉、ブルーノ・メンデス共に1トップが色々な仕事ができるタイプではないので、特に彼ら2人がそこでどれだけプレーできるかにかかってるんじゃないかと思う。
このサッカーだと先制点を奪うことができれば、相手を焦らすので2点、3点とつながっていくだろうし。

※今回も「ロティーナの発言(考え)を読み解こう」はお休みとなります




7 件のコメント :

  1. お忙しい中、早速の更新ありがとうございます。
    今回も興味深く拝読致しました。
    「なぜ決定機が少ないのか?」という疑問に対する分析は非常に的を射てると思います。
    それに加えて個人的に気になったのは、カウンターを狙える場面である選手はゴールを目指し、またある選手はスローダウンさせようとしてピッチ内の選手同士の意思が統一されていないことでした。
    小田尚史氏のツイートを読む限り、ロティーナはポジションさえ崩さなければ少ない手数でフィニッシュするカウンターを攻撃の選択肢に入れてるようです。
    昨年度から引き続き「チームとして同じ方向をなかなか向けない」という問題点はどうすれば改善できると思われますか?

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    1. コメントありがとうございます。
      カウンターの意思統一ですが、これはポゼッションに取り掛かる時によくある問題点だと思います。
      ロティーナがカウンターを選択肢に入れているのは当然ですが、その反面なんでも縦に速く攻めるという形にも制限をかけているはず。縦に速く攻めるということはボールロストの可能性も高めるからです。そこの意思統一、つまり状況判断がまだまだチームとしてまとまってできていないのでしょう。
      まあでもこれは先にも書いたようによくある問題点で、特別なことではありません。
      ポゼッションに舵を切ったチームは、ポゼッション率自体は比較的簡単にあげることができるが得点が入らない、そしてカウンターを受けるというのが最初に当たる壁だからです。
      次のルヴァン神戸戦のところでも書いたのですが「攻めるべき時に攻めることができるかどうか、ボールを運ぶべき場所にボールを運ぶことができるかどうか」が次のステップの指針になるように思います。

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    2. ご丁寧かつ明快なご返信、大変感謝しております。
      早く運んだボールは早く戻ってくるからカウンターも良し悪しがある、という話は前神戸監督のリージョのインタビューで読んだことがあります。
      また一つ、疑問が氷解致しました。

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  2. いつも楽しみに見ています。
    分析にもありますが、両シャドーには相手のライン間でプレーしてもらいたいですね。
    この試合の後半では、ソウザから柿谷に斜めのパスが何度も入るようになりましたが、ああいうパスが増えていくならそれほどネガティブではないと思ってます。

    個人的には、ベティスが今のセレッソに一番近いプレーモデルのチームだと思ってるのですが、ベティスも得点を取る局面ではセレッソと似たような問題を抱えていると思うので、これはこういうものなんだろうなあという気もしています。
    即時奪還からのショートカウンターがもう少しチームに落とし込めれば、とも思いますが…。

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    1. コメントありがとうございます。
      方向性としてはベティスは確かに近いですね。
      あと即時奪回からのショートカウンターができるかどうかは、リージョ流にいうとボール保持にかかってるんだと思います。

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  3. Akiさん、こんばんは。
    いつもありがとうございます。
    現地観戦組でした。

    ほぼ試合は支配できていただけに、もったいない敗戦でしたね。
    この試合、前からプレスをかける清水の最終ラインは高く、一発で裏を取れそうな場面もあったのに狙わなかったのはロティーナのプランに入ってなかったからでしょうか?
    一方でボランチから逆サイドへ長いパスは意図的に使ってるように見えたのですが、どのように解釈されてますか?

    また、ブルーノ・メンデスがサイドに流れてボックス内に誰もいないことが何度かあり、これは仕組みというより個人の判断なのかなと思いました。
    前線3人がゴール前の仕事に集中して欲しいのは同感です。

    おっしゃるように山ちゃんは惜しいスルーパスがあったりと、上達しているのが目に見えてなんだか嬉しかったですね。

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    1. コメントありがとうございます。
      縦に速い攻撃に関しては他のコメントにも書かせていただきましたが、プランに入っていないわけでは無いと思いますよ。
      ただ制限はかけていると思います。
      それは縦に速く攻めるということはボールロストの可能性も高めるからで、今は縦に速く攻めるべきかどうか、それともボールを保持スべきかどうか、その判断がチームとして統一できるかどうかが今後のポイントだと思います。

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