2014年5月20日火曜日

5/17 Jリーグ第14節 VS 浦和レッズ @ 埼玉スタジアム2002

浦和レッズ10前半00セレッソ大阪
1後半0
延長前半
延長後半
PK戦
スターティングメンバー
浦和レッズセレッソ大阪
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
西川 周作21GK01GK21キム ジンヒョン
森脇 良太46DF00DF4藤本 康太
那須 大亮4DF00DF23山下 達也
槙野 智章5DF00DF30ゴイコ カチャル
梅崎 司7MF10MF5長谷川 アーリアジャスール
青木 拓矢16MF11MF6山口 蛍
阿部 勇樹22MF02MF13南野 拓実
宇賀神 友弥3MF10MF14丸橋 祐介
原口 元気9MF20MF17酒本 憲幸
柏木 陽介8MF51FW8柿谷 曜一朗
興梠 慎三30FW01FW10フォルラン
加藤 順大18GKGK1武田 博行
永田 充17DFDF7新井場 徹
鈴木 啓太13MF0DF16安藤 淳
平川 忠亮14MF00MF2扇原 貴宏
関口 訓充11MFMF11楠神 順平
関根 貴大26MF1MF18ミッチ ニコルス
李 忠成20FW00FW9永井 龍
11シュート6
10GK13
2CK5
11直接FK12
2間接FK4
2オフサイド4
0PK0
浦和レッズセレッソ大阪
関根(77')得点
梅崎→関根(70')
興梠→李(75')
原口→平川(90')
交代酒本→安藤(80')
南野→永井(82')
長谷川→扇原(83')
槙野(73')警告ゴイコ カチャル(46')
山口(60')
退場
ワールドカップ中断期間前最後のリーグ戦となるアウェイでの浦和レッズ戦。この後はナビスコカップがあるがACL出場組は参加しませんのでセレッソにとっては最後の公式戦で中2日・3日で続く11連戦の最終戦となる。

セレッソのメンバーは広州戦で休ませたメンバーが復帰。続けてスタメンなのはキムジンヒョンと代わりのいない山下・藤本の3人のみ。そしてシステムは3-4-2-1でマッチアップを完全に合わせるミラーゲームで挑む。

一方の浦和はいつもの3-4-2-1で、槙野がコンディションに問題を抱えているとの報道もあったがスタメン入りし右WBには梅崎。そして前節に引き続き青木がボランチ、柏木がシャドーに入る布陣となっていた。

■マッチアップ
マッチアップ
ポポヴィッチの選択はミラーゲーム。フォーメーションを合わせてミスマッチが起こらない様にしています。

■浦和の4-1-5
浦和の4-1-5
ご存知の通り浦和はここから4-1-5に変化します。セレッソはマッチアップを合わせているので最終ラインが5枚になり5-4-1になりますがそれは想定内で、4バックのときの様に最終ラインでミスマッチが起こっているわけではありませんので、昨年のナビスコ浦和戦1stレグの様な大惨事にはなりません。
浦和や広島のこのシステムについて何度も書いているので、ご存知の方も多いとは思いますが、この4-1-5にとって最もキーになるポジションは中盤の1。
なので守る方もこの1にあたる選手、今回ですと青木をどうするかがまず最初のポイントです。
ここを中途半端にしてしまうと昨シーズンリーグ最終戦の前半の様な事になってしまいます。
5-0-5になる事も
浦和としてはここを活かす為にどうするのかが重要になります。
なので、それまでは3-4-2-1の時のボランチ2人は最終ラインに下りる方と4-1-5の1になる方が比較的ハッキリしていましたが、昨シーズンあたりから両方のボランチが下がって一旦5-0-5の形にしてしまい、うしろからどちらかのボランチが上がっていく事で4-1-5の1を入れ替えるという方法もやりはじめています。

■セレッソの守備
5-4を落として守る
その浦和に対してセレッソがとったのは自陣深くに5-4のブロックを作る方法。
守り方としてはマッチアップを合わせながら全体を高くして4-1-5の1はボランチの1枚が必ず捕まえる様な方法にして、3バックの両サイドにボールが出た時に一気にはめてしまうという方法もあったのですが、それでは無く自陣深くにブロックを落とす。
そしてボランチの2枚は4-1-5の1を捕まえるのではなく1トップ2シャドーに入る縦パスのコースを消す。入ってしまえばプレスバックをする。
相手の最終ラインとボランチはほぼ捨てて、サイドはWBとシャドーに任せてしまい、とにかく中央に人数をかけて固めるという方法をとりました。

これで浦和は縦パスからの展開がほとんど出来なくなり、またミスマッチも起こってないので外だけでは効果的な攻撃もできなくなっていました。
ただ、浦和にとってみればこういう状況も想定内。これまではムリにリスクをかけていた事もありましたが、両サイドの槙野と森脇を上げて柿谷と南野を押し込みフォルランを孤立させる事でセレッソからカウンターという選択肢を奪い、じっくりボールを持って相手を伺っていきます。
おそらくセレッソは相手の最終ラインの裏のスペースを使ってのカウンターをしたかったんでしょうが、柿谷と南野が押し込まれてしまうととんでもない距離を運ばないとそのカウンターすらできないという状況。槙野と森脇が上がって来るのも想像できたと思うんですがその準備は全くできていませんでした。
浦和の守備の切りかえ
セレッソが攻撃できなかったのは押し込まれた事以外にも、浦和の守備への切り替えに圧倒されたからでもありました。
今シーズン浦和の失点が減っている要因がここだと思っているのですが、ボールを奪われたときのファーストディフェンスがかなり速くなっています。
セレッソが守備の位置を低くしていた事とマッチアップが噛み合っているのでという部分もありますが、4-1-5の1であるボランチが相手に対して素早くプレッシャーをかけて1トップ2シャドーも素早くプレスバック。
そして最終ラインに下りていたもう1人のボランチがカバーリングポジションをとる事で、ボボールを奪えないとしても相手に時間を与えない守備ができていました。

と言う事で前半は両チーム共にほとんど決定期は無く浦和がひたすらボールを持っているというだけの45分間。いわゆるしょっぱい試合になりました。
ポポヴィッチとしてはこういうしょっぱい試合は望んで持ち込んだ形なんでしょうが、ここまで押しこまれて攻撃の形は全く無くシュート0本でもOKだったんでしょうか。

■ボランチを動かす
ボランチが出てくる
後半になると最終ラインに下がっていた阿部もボランチの位置に出てくる事が多くなります。
セレッソのボランチは縦パスのケアと3バックとWBの間のスペースのケアもしていました。なので浦和の狙いとしてはセレッソのボランチと同じ数をあえてマッチアップさせる事でセレッソのボランチを動かしたかったんだと思います。

その分槙野や森脇のオーバーラップの頻度は下がったので、セレッソは前半よりも比較的最初からブロックを下げる事も少なくなり南野や柿谷が前半に比べると前に出て行ける事もみられる様になりましたが、それは前半に比べてというだけ。
そして出てきてくれると逆に浦和にとっても攻撃するスペースができるので前半の様にガッツリ消されるよりも良いという事もあったのでしょう。
65分頃に南野が初シュートを打ったのと、67分頃に丸橋とアーリアのワンツーからサイドを崩して山口のシュートという場面を作りましたが、これがこの試合でセレッソが唯一相手を崩しかけたシーンかもしれません。
75分〜
70分に浦和は梅崎から関根に、75分に興梠から李にと立て続けに交代。
どちらもそのままのポジションの入れ替わりとなります。

そして77分。
右サイドでボールを持った関根が柏木とのワンツーで抜け出して放ったシュートが決まり浦和が先制します。シュートまでのタイミングが非常に速く素晴らしいシュートでした。
3バックとWBの間
狙われたのは3バックとWBの間。ここはボランチがカバーしていた所だったんですが、相手のボランチが前に出てきて動かされる様になった事でここのスペースのカバーができなくなっていました。
ちなみにこのスグ後にも柏木にここのスペースを使われて決定的な場面を作られています。
83分〜
ビハインドになった事でセレッソは80分に酒本から安藤、82分に南野から永井、83分に長谷川から扇原と立て続けに投入。
ポジションは動かさずに単純に入れ替えただけですが、少し前掛りになることで攻め込もうとしますが、
90分〜
90分に浦和は原口に代えて平川を投入。
前掛かりになったセレッソに対して守備で危うさを見せていた関根をシャドーに回して平川を右WBに入れてゲームをクローズにかかる。
最後はCKで前線に上がっていったキムジンヒョンがあわやの場面をつくるも実らずにそのまま試合終了。
浦和がスコア以上に差がある内容で勝利しました。

■その他
戦術的にも中途半端で個人の能力を活かす事もできない試合を続けてしまっています。
プレビューで「ゲームを殺しにいく」と書きましたが、こういういわゆるしょっぱい試合を選択する可能性はあるなあと思っていました。
ただ、予想以上にしょっぱかったです(苦笑)。
この試合は4/29に大宮がとって来た、「ゲームプランとしては0-0でOKの試合で、今までやってきた事を捨ててでも勝点を取りにいく」という方法でしたね。
ポポヴィッチの中ではそれでもペトロヴィッチに負けたく無かったんでしょう。
そしてその時にかきましたけど、これで負けたら最悪なんですよね。
選手の良さを消してまでやってるので何も残らないどころかチームが崩壊する恐れがある。
それでやって負けてしまった訳です。
これでポポヴィッチ解任という声も高まってきてしまいました。

正直な所、ここまでポポヴィッチのこれまでの戦い方をみて思ってた以上にダメでした。
シンプリシオ云々という話しもよく聞きますが、そんな話しではありません。
まあそもそもいないのにその選手が必要だと思われる戦い方を選択しちゃってるのもどうかという話しです。
ただ、すぐ解任かどうかというと別の話しで、代えても良くならない可能性もあるし、このまま行けば優勝争いは難しいかもしれませんがACLも無くなり殺人的なスケジュールでなくなれば負け続ける事はないだろう、最終的には中位ぐらいに終わってしまう可能性が高いですがそうなっても仕方ないという考えでいました。
柿谷や扇原、南野の良さを消してしまっているのだけは少し気になっていましたが・・・

しかしここに来て、メディアに対して選手批判をしてみたり、他に責任をなすり付ける自己弁護に聞こえる発言をしてみたりして、ポポヴィッチのほぼ自滅ともいって良い形で急激に求心力を落としているように見えます。
ポポヴィッチにも同情すべき点もありますが、残念ながらこうなってしまうとちょっと厳しいかもしれません。

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