スタジアム | 札幌ドーム | 主審 | 飯田 淳平 |
入場者数 | 18,044人 | 副審 | 越智 新次、川崎 秋仁 |
天候 / 気温 / 湿度 | 屋内 / 23.9℃ / 35% | 第4の審判員 | 長谷 拓 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- バルバリッチ
- 監督
- パウロ アウトゥオリ
試合経過
- 90+1'
- 82'
- 76'
-
71'
-
65'
- 64'
-
58'
-
50'
-
46'
- 39'オウンゴール
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
SH | 9 | 12 | 11 | 12 |
FK | 5 | 18 | 13 | 15 |
CK | 4 | 6 | 4 | 5 |
PK | 0 | 0 | 0 | 0 |
警告/退場 | 1/0 | 2/0 | 2/0 | 2/0 |
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 パウロ・アウトゥオリ監督コンサドーレ札幌 バルバリッチ監督
セレッソ大阪 玉田選手、山口選手、山下選手、染谷選手、キム・ジンヒョン選手、茂庭選手
コンサドーレ札幌 ク・ソンユン選手、前寛之選手
月曜日開催となったアウェイ札幌ドームでのコンサドーレ札幌戦。
札幌は2連勝中、セレッソは2試合勝利なしの中での一戦となります。
またこの試合は月曜日のナイトゲームだったにもかかわらず18044人もの観客が入りました。
札幌のメンバーは、前節のスタメンからさらに荒野・堀米・ニウドが離脱し、シャドーに3節以降はボランチ起用が続いていた宮澤が入り、ボランチには3節以降はベンチスタートだった上里、右のWBには古田、左WBには前寛之が初先発。
ベンチには小野伸二とナザリトが入ります。
一方のセレッソは、カカウが臀部痛、椋原がハムストリングスの故障、パブロがベンチスタートとなり、フォルラン・玉田・楠神の3トップで右SBには酒本が5節以来の先発となっています。
またけが人多数でベンチには、温井、阪本、西本のルーキー3人が入っています。
■札幌の守備とセレッソのボールの運び方
札幌の守備の形 |
ただ札幌にはセレッソの4-1-2-3とはアンカーの山口の位置がどうしてもミスマッチになるので、まずそこをどうするかという問題があります。
なので札幌の前線は3人が横並びになってCBとボールサイドのSBの3人に一気に寄せるのではなく、1トップの都倉が頂点になってその斜め後ろにシャドーの2枚がつく形でまずはパスコースを消す。そしてチャンスであれば寄せる。そのときもできるだけシャドーの1枚は残して山口を見て2枚で行く、山口に通されたらボランチの1枚が必ず距離を詰めるという形になっていました。
またセレッソのSBに関しては山口をケアする分1トップ2シャドーで対応できない場面が多いのでその時はWBが前に出てくる。
ただWBは基本最終ラインに降りた5バックになっており、またセレッソは3トップなので、その3トップのサイドが開いたポジションを取るとWBが捕まえる形になっています。なのでWBが前に出るためには最終ラインがスライドして3バックのサイドが3トップのサイドを捕まえる。
しかしWBが出るにはどうしても時間がかかるのでSBが空きやすい状況になっており、セレッソはそのSBからインサイドハーフや3トップのサイドに縦パスを入れる事で相手を寄せて底からサイドチェンジをしてボールを運ぶという形を取っていました。
序盤の3分頃、5分頃、山口がサイドチェンジのキックをミスしてしまいましたが8分頃、そして楠神のクロスに玉田がヘディングで合わせた9分頃と全て同じ形です。
守備の修正 |
なので、シャドーがSBの前に入る5-4-1に速くなれるような形。
そうなるとセレッソも簡単にSBから縦にという形はできなくなっていきます。
■札幌の攻撃の形
序盤札幌の攻撃はロングボール、ハイボールも使いながらシンプルに縦につける形。
都倉のフィジカルを活かそうとしてきます。ただセレッソのCB山下と染谷も単純なボールなら確実に跳ね返してきます。
両サイドのミスマッチ |
セレッソの最終ライン4人に対して前線には1トップ2シャドーの3人がいるのでSBはどうしても絞ったポジションを取らざるを得ず、そうなるとWBが空いてしまう。
その空いてるサイドに稲本や上里からミドルレンジのパスで札幌は押し込んできます。
ただ、ここはSBが対応出来ていれば、中に最終ラインの3枚と3センターが残れるので問題ありません。現にそのWBの選手に対してボールが入っても、特にセレッソの左サイドではSBがしっかり対応できていたのでWBも1対1ぐらいしかできる事はありませんでした。
ただ、右の酒本のサイドに関しては時折アーリアが下がって対応しないといけなくなる場面も何度かあったのは気になるところですが・・・
それよりもセレッソにとって嫌なのは3バックのサイドが上がってくる形で、これをされるとWB、シャドーと合わせてサイドに3人がいることになり、守備で問題を突きつけられることになります。そして札幌は普段から稲本が最終ラインに入って3バックの左にいる福森が上げる形を持っているのですが、セレッソが3トップの形になっているので札幌としてはボールを奪われた時のリスク管理として3バックのサイドをあげる事は殆どありませんでした。
福森が上がってくる形になったのは13分ごろの福森のクロスに都倉が合わせたシーンと、その福森が遠目から強引にロングシュートを放った2度ぐらいだったでしょうか。
ここまで書いたような形でゲームは落ち着いていきますが、試合を動かしたのはセットプレーから。
キム・ジンヒョンからのゴールキックをアーリアが競ったところに楠神が入ってボールをひろい強烈なシュート。それを何とかソンユンがはじき出します。
そしてそのCKから、フォルランが蹴ったボールをニアで染谷がスラした所で稲本が反応して頭に当ててしまいゴール方向に。さすがに至近距離で方向が変わったボールにはGKのソンユンも反応しきれず右足に当たってそのままゴールイン。記録ではオウンゴールでセレッソが先制しました。
■後半の変化
後半開始すぐの50分に札幌は同点に追いつきます。
これは前半から続けていたボランチから浮いてくるWBへのサイドチェンジから。
稲本のサイドチェンジから前に渡ると、前はカットインして強引なシュート。この時はアーリアではなく酒本が対応できていましたし酒本の内側には山下がカバーに入れていたのですが、そのシュートが山下の胸に当たってゴールに吸い込まれるという少しアンラッキーなものでした。
そしてこの同点ゴールは前半から続けていた形でしたが、後半に入り札幌は少し修正が入ります。
右SBの裏を狙う |
逆サイドに比べて明らかに多かったのは完全にこちらに狙いを定めたからでしょう。
守備の変化 |
インサイドハーフをフリーにし中央楔パターン |
53分頃の楠神が左サイドで下がってきてボールをうけ逆サイドの長谷川までボールを届けると、長谷川からフォルランへの楔のパスを扇原に落として走りこむ長谷川へ出した形(最終的には扇原からのパスは不正確で長谷川がコントロールできませんでした)や、56分頃の右サイドで降りてきた玉田から逆サイドの扇原にボールを届けると、扇原から楠神への楔のパスで山口に落として、山口から再び上がってきた玉田へ渡してGKと1対1になりかけたシーン、また58分頃の楠神が降りてきて扇原からフォルランへの楔のパス、と立て続けに同じパターンで狙っていきます。
58分〜 |
都倉を左シャドーに回します。酒本の裏をもっとハッキリ狙っていこうという事なんでしょう。実際投入後スグに都倉が酒本の裏に走るシーンが出て来ます。
65分〜 |
この狙いは狙われていた酒本の裏をはね返すことができる選手を置くこと、またクロスを上げられた時にファーサイドでフィジカルの強い都倉とSBがマッチアップしなくても良いようにという事なんでしょう。
直後の65分に札幌は足を痛めた上里に代えて深井をそのままのポジションで投入しています。
そしてその直後、50分過ぎからセレッソがやっていた中央楔パターンでの攻撃で山口からの楔のパスをフォルランが扇原に落として長谷川が丸橋に展開。そこから斜めのボールで玉田がシュートをうちますが福森の足に当たって枠外に。
中央突破パターンで2度目の決定機を作りますが決められません。
ここまでの玉田の2回と、この後68分頃のカウンターでフォルランがシュートに持っていった場面はセレッソとしては意図的に作れていた形だっただけに何とかしたかった。
札幌はナザリトを入れた事で前線に強さを加える事ができましたが、高い位置からの守備はできなくなりました。都倉が何度もナザリトに行けって言ってますが(苦笑)。
またナザリトになってこの守備だけではなく攻撃もでした。
ナザリトはオフザボールの動きがほとんどありません。
行って来いって感じでボールを出してあげれば動くんでしょうけど、ボールを持っている中での動き出しはほぼ無い。なのでセレッソにとっては動きの中からの怖さは減りました。ただ、強さはあるので別の意味で怖さはあるのですが。
茂庭投入後の守備 |
82分〜 |
セレッソも76分にボールに絡む回数が減ってきた楠神から吉野、82分に玉田からパブロと、おそらく吉野がボールを運んでフォルランかパブロにフィニッシュという狙いの交代をさせるも、この交代前から攻撃が遅くなってしまっていてたリズムは変わらず。
一方の札幌はWBにボールを持たせる攻撃を狙い続けるも、中は捕まっているので最終的にはWBが1対1から強引にシュートぐらいしかできる事がない。
セレッソはパブロ、札幌はナザリトがあまり効いていない。
終盤はカウンターの応酬という状況になり、吉野が運んだボールをパブロが落としてフォルランのシュートという絶好の形を作るもソンユンがセーブしそのまま終了。
1-1の引き分けとなりました。
■その他
2試合続けて引き分けとなってしまいました。
中盤の形をこれまで最も長い時間やって馴染みがある3センターにした事で、前節よりも再現性を持った意図的なボールの運び方を行う回数は増えていましたが、前節から人が入れ替わった事で特徴も入れ替わり、また違った形でそれができない時間も生まれていました。
なので例えば玉田のプレーで「タメを作る」が「単に遅い」となってしまう事にもなってしまいます。
クルピなんかもそうでしたけど「組み立てる」や「積み上げる」というより「並べてつなぎ合わせる」という形で作っていくのはブラジル人監督の特徴なんでしょうかね。
そしてクルピよりも相手をふまえたサッカーをする分、決まっている事も多いんでしょうけど、応用編になってる事も多くて、例えば「ボランチの枚数が2枚でも3枚でもやることは同じだから正しいポジションを取ってチームがやろうとしている事ができれば問題ないだろ」っていう考えなのかもしれません。試合中にフォーメーションを変える監督なんかは基本そういう考え方の人が多いですし、実際そういう側面もありますからね。
ただ今のセレッソにはそこまでの対応力は無いんで、前節もちょっと書きましたけど、とりあえず中盤の枚数はスクランブルでも無い限りは統一した方が良いような気がします。
そういやクルピの時も、中盤の枚数や役割を代えて仕掛ける試合が時々ありましたけど、大体が上手くいかなくって途中で元に戻すってパターンだった事を思い出しました(苦笑)。
あ~ぁ。
返信削除せっかくフォルランと玉田の先発と聞いて、ついに4-4-2かと思ったんですけどね。(笑)
4-4-2にしていても結果はあまり変わらなかったとは思いますが。
それなりにいい感じの時間帯も有り、何かが少し、歯車がかみ合えば勝ちに持って行けると思うんですが。
何が足りないんですかね?
それとも、何かが邪魔しているんですかね?
このあたりがよくわからないんでモヤモヤが取れないんですよね。
コメントありがとうございます。
削除最後にも書きましたけど、本当はフォーメーションが変わってもやることは変わらないのにそこに戸惑ってるみたいなんで、とりあえずフォーメーションは固定していったほうが良いと思います。
まあもうちょっとですよ。
前半終わって1-0でしたので、
返信削除後半からは4-4で守ってもよかったと思うんですげどね。
タラレバを言ったらきりがないですが、
後半開始早々のあの時間帯を凌いでいれば
クリーンシートで勝ってたかと。
札幌にすればサイドチェンジから狙い通りのゴールで、やっぱり悔しいですね。
コメントありがとうございます。
削除そうですね、あの時間さえ守れば問題なかったと思います。
ただ、4-4はきっとやっても同じようにサイドが空いてしまうと思うので、やるなら茂庭を入れた5バックでハッキリさせたほうが良かったでしょうね。
ただ、45分で5バックは消極的なメッセージになる危険性もあるんですけど・・・