ディエゴ・フォルラン選手が6月22日付けで1年半にわたるセレッソ大阪でのキャリアを終え退団、ウルグアイに帰国しました。
フォルランがプレーした1年半はJ2降格、そしてJ2でも7位(2015年6月22日現在)とチームとして結果は残せまていませんので、フォルランをチームとして活かす事ができたとはいえませんが、そのプレー自体は全盛期と比べるとスピードや運動量は落ちたもののいまだにワールドクラス、フォルランは本物のストライカーでした。
ワンタッチプレーの上手さ、サイドチェンジの上手さと正確さなど様々な良さを持つ選手でしたが、最も印象的だったのはストライカーとしてのプレー、ゴールを奪う為のプレーの数々でした。
フォルランのゴール集を見てもらえればわかるかと思いますが、彼のゴールはどれもシュートの時にディフェンスとの間に距離があります。
これだけのビッグネームでありチームで最もゴールを決めている選手を相手ディフェンスがマークをルーズするなんて事は通常ありえません。しかし彼のゴールシーンは全て相手ディフェンスがルーズになっています。
これは彼がディフェンスのマークを外す動きを繰り返していたからです。
スタジアムでプレーを見た方はおわかりかと思いますが、フォルランは試合中に頻繁にバックステップをしています。
そしてここだ!ってタイミングでは一気に走る。
そしてもう1つ、彼は止まるという選択肢も持っていました。2014年の大阪ダービーの1点目、名古屋戦のゴールは共に相手から離れた所で止まっています。
ゴール前で止まるという判断は簡単そうでなかなかできない選択です。
またシュートのタイミングにも特別なものがありました。
シュートは強く正確に蹴るという動作が必要です。なのでタイミングをとって踏み込んでキックするという形になります。
しかしそうやってタイミングをとって準備するとキーパーは止めやすいし、ディフェンスもブロックしやすい。プロのGKやディフェンスはそのシュートを打ってくるタイミングを読むのが上手いので、例えばアマチュアからプロに上がってきた選手は最初シュートの時にブロックをされたり止められたりしてしまったりしてしまうのです。
しかしフォルランはGKやDFが予想できないタイミングでシュートを打つのが異常に上手かった。
2014年の大阪ダービーでのFKはGKの東口は完全にタイミングを外されていましたし、フォルラン自身がベストゴールだと言った神戸戦の2点目、また2015年の千葉戦の1点目も通常のJリーグでは考えられないタイミングでのシュート。なのでDFはブロックにすらいけませんでしたし、GKも止める事ができませんでした。
そして、ゴールに対する意欲、メンタルは他の選手とは比較にならないレベルでした。
どんな選手でも簡単なシュートを外してしまう事があります。それは例えば現在世界最高の選手であるメッシもクリスティアーノ・ロナウドもそうですし、フォルランだってそうでした。
しかし、彼らやフォルランが違ったのは失敗したすぐ次のプレーでもまた同じようにシュートをする。1度失敗しても2度3度とチャレンジをするんですよね。
これまで自らのゴールでキャリアを切り開いてきた選手なので、セルフィッシュだとかというのとは全く違う、自分がゴールを決めるんだという意思の強さは並外れていました。
なので、今年の岐阜戦での、相手が交錯してフォルランがゴール前でフリーだったのでちょっと蹴ればもう入るって状況だったにも関わらず力いっぱい蹴ったゴールは、「そんな蹴らなくても(笑)」って声もありましたが、彼にとってはそうじゃないんですよね。
そのゴールのコメントで「早くボールが落ちてこいと思いながら追いかけてた」「うれしくて、思わずああいうキックになった」というのはそれを象徴しているコメントだなあと感じましたし、ストライカーとしてのプライドを感じました。
しかしストライカーだっただけに…それをセレッソで活かしきれなかったのは残念でした。
いわゆるアタッカーじゃないから適当にボールを預けておいてあとはお任せって選手じゃないんですよね。なのでマークを外した所でボールを入れてあげる必要がある。
それを特に2014年はチームメイトも、3人の監督も、クラブも、フォルランの良さを使いこなすことができなかったのは残念でした。
せっかく1人で沢山ゴールを決める特別な能力をもつ選手がいたにも関わらず…
残念ながら、俺達のクラブにあのフォルランがいたという特別な時間は終わってしまいますが、彼が最後のコメントとして残した今シーズンのJ1昇格に向けて全力で戦って、12月にフォルランに良い報告ができるようにしたいですね。
そしてトップチームだけでなく、1年半に渡って間近でプレーを観ることができ、また時々は同じピッチで練習する事ができたU-18の選手たちも、世界のトップで戦ってきたストライカーから学ぶ事は多かったはずですから、これからの糧にして貰えればいいなと思います。
フォルランは今後ウルグアイのペニャロールに戻り、プロキャリアとしては初めて祖国でプレーしそうですが、どこに言っても「俺たちのフォルラン」の事は応援し続けていきたいなと思います。
ペニャロールのライバルクラブであるナシオナル・モンテビデオでプレーしていたレコバはこの夏で引退しそうなので、フォルラン対レコバはみれないっぽいのは残念ですが(笑)
■セレッソ大阪 ディエゴ・フォルラン
2014年
J1 26試合出場/先発18試合 7得点
ACL 6試合出場/先発5試合 2得点
ナビスコカップ 1試合出場/先発0試合 0得点
天皇杯 2試合出場/先発2試合 0得点
2015年
J2 16試合出場/先発16試合 10得点
通算 51試合出場/先発41試合 19得点
2015年6月22日月曜日
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こんばんは。
返信削除とうとうフォルランがウルグアイに帰っちゃいましたね。
私が好きなゴールは昨年の名古屋戦のマルが深くえぐってのマイナスのクロスからのシュート、神戸戦の切り替えしからのシュート、今年の千葉戦の2点目、蛍からのクロスをファーであわせてのシュート、です。
やはりAkiさんがおっしゃるように、一人で何とかしてくれるタイプではなく、いいパス、いいクロスを出してあげれば確実に決めてくれる、というストライカーで、それがなかなか出来なかったのかなぁと残念に思います。
豪快なミドルシュートが結局見られなかったのも残念です。
守備を全然しないようなイメージで語られますが、攻め残りが多いのは当たり前ですが、ちゃんと下がってブロックを作ることや、自陣で相手に体をぶつけてボールを奪ったり、相手のカウンターに相手陣内からのドリブルに併走して自陣までもどり攻撃を遅らせるシーンを目の前で見ましたので、パ○ロよりちゃんと守備してるやんwとビックリしました。
さて、正直、セレッソにとって今シーズンはじめの半年間契約延長は良いことだったんでしょうか?
もちろん去年と比べれば監督も変わって闘い方も変わり、フォルラン自身も絶好調でゴールも重ねました。
が、チームとしては思ったほど勝ち点を伸ばせず、攻撃面でフォルランに依存するところが大きかったのにチームを離れてしまうことの影響が大きいんじゃないかと。
現に、フォルランが離脱してからシュート数も少なく、点がなかなか取れません。
これからは1点を守りきる試合が増えるかと思うと胃がもちませんw。
でもやっぱりあと半年、フォルランと一緒に闘いたかったですね。
いろいろあったけど、ありがとう、ディエゴ!
フォルランにはセレッソのジーコ、もしくはピクシーのような存在となってもらいたかったです
返信削除数年後にコーチや指揮官として戻ってくることに期待しますか。
さて、12月にフォルランに良い報告ができるようにしたいですね。とおっしゃってますが
上位との対戦ではムルジャ家長抜きの大宮以外には負けもしくは引き分けと、現実的に考えてまず無理な状況です。
この状況を覆すために、今夏補強するとすれば今の4-3-3システムでどのポジションの選手を補強するべきでしょうか?
もしくはフォルラン・カカウ・安藤の抜けたメンバーで4-3-3以外にベターなシステムがあるとすれば何でしょうか?
今の連携も統率も拙いままのサッカーでは、最近出場した田代の空中戦のがんばりしか見所がなく、応援している人間にとっては正直つまらなくて哀しいものです。