2016年8月20日土曜日

明治安田生命J2リーグ 第30節 vs ツエーゲン金沢 プレビュー

2016年8月21日 18時00分:石川県西部緑地公園陸上競技場

予想スタメン

前節松本山雅FCに敗れ順位を4位に落としたセレッソ大阪。今節は敵地石川県西部緑地公園陸上競技場でツエーゲン金沢との対戦。
ツエーゲン金沢とは昨シーズンからの3試合で1分2敗とセレッソはまだ勝ったことがありません。


■前回の対戦

前回の対戦は3/26の第5節。セレッソは開幕から4試合連続1-0で4連勝と、内容はさっぱりでしたが選手個々の奮闘で勝ち点を積み重ねている中で迎えた一戦で、セレッソが開始早々にアーリークロスからブルーノ・メネゲウのゴールで先制しますが、前半の内にCKからメンデスに決められて同点。さらに後半に金沢のミスパスを拾った杉本がミドルシュートを決めて突き放しますが、アディショナルタイムにCKのこぼれ球を拾った山藤をペナルティエリア内で関口が倒してしまいPK。それを決められ2-2の同点に終わっています。

この試合は金沢は先発メンバーの登録では4-4-2でありながらも実際には3-1-4-2と今シーズンでおそらく最初に変化をつけて仕掛けられた試合でした。
開始早々の先制点はおそらくセレッソの選手がその変更に気がつく前の出来事で、アーリークロスに対してボールウォッチャーとなり外側から飛び込んでくる選手を外してしまうという今シーズンの金沢が何度も起こしてしまっているミスからのパターンで幸先の良い形でしたが、時間の経過と共に掴みきれない場面が増えていきます。
メンデスに決められた同点ゴールは金沢が準備してきた形。マンツーマンのセレッソのCK守備に対して密集を作ることでマークのズレを狙う形の3本目で決められてしまいました。

後半に入ると守備時は5-3-2で守る金沢に対してWBを引き出して3バックの裏にブルーノ・メネゲウや杉本の両SHを走らせる形でペースを掴みかけますが、金沢のブロックを落とした守備に対して無駄に正面からただただ突っ込んでいくだけの攻撃も多く停滞する展開に。
そんな中で可児のミスパスから杉本が値千金のゴールを決め再び勝ち越しますが、試合終盤にはここまであまりミスマッチを活かすような攻撃をしてこなかった(ボールを持つよりカウンター、セットプレーを狙う形がほとんど)金沢が、一気に前がかりになった事でミスマッチでマークが混乱。攻め込まれる時間がかなり続き最後には関口がPKを与えてしまい、同点という流れでした。

■現在のツエーゲン金沢

前回対戦時に突然3-1-4-2を仕掛けてきた金沢ですが、やはりベースになっているのは4-4-2です。
そして今シーズンは下位を低迷しておりかなり厳しいシーズンを過ごしているので、この夏に即戦力3人を補強しています。
1人目は昨シーズンも金沢でプレーした秋葉。昨シーズンの活躍から相思相愛の間柄だったと思われますが山形から買い取る事ができずに開幕前に山形から岐阜に移籍。しかし岐阜ではほとんど試合に絡む事ができていなかったので、金沢がオファーを出し期限付きで再び金沢でプレーする事になっています。加入後即ボランチのポジションを獲得し、開幕以降定まらなかった山藤の相方が決まっています。
2人目は鳥栖から期限付きで獲得した中美。昨シーズン栃木でブレイクしたアタッカーは今シーズン開幕にあたり鳥栖にステップアップを果たしましたが鳥栖ではフィットするポジションが無く試合に絡めていなかった所で金沢が期限付きで獲得しています。
加入以降はこちらも即レギュラーポジションを獲得。昨シーズン清原がプレーしていた右SHに入り、既に2ゴールを決めています。
3人目はブラジル人FWのダビ。甲府に再加入したダビとは別人のダビですが、こちらもサイズがあってパワフルな選手です。
先週の3連戦から試合に出場(内先発は1試合)し始めたばかりで、見た感じまだフィットしているとはいえませんが、相手を背負うよりも突進型の選手で前を向いた時の強さは持っていそうです。ちなみに名前はダビ・アパレシド・ダ・シルバで登録名がダビなのですが、本人は「ダ・シルバと呼んでください。」と加入のお知らせに書いていたのが印象的です。
登録名もダ・シルバにしてあげればよかったのに。

そして最近の金沢の戦い方ですが、今シーズンは昨シーズン以上に失点数が増えた事が順位の低迷につながっている様です。
特に苦しんでいるのがクロスからの失点の多さ。
守備組織は4しっかりと2トップも自陣に戻って4-4-2でブロックを作り、そこから最初の守備が機能した状態であれば4人から作るラインは距離を縮め絞った形でしっかりとスライドをみせるのでクロスに対しても守備組織は堅さを見せますが、そこが機能していないと前回対戦時のセレッソの1点目、ブルーノ・メネゲウのゴールシーンの様に、今シーズンの金沢はクロスに対して中央がバラけボールウォッチャーになってしまい外側から入ってくる選手を捕まえきれないという場面が増えるので、前々節の東京V戦ではそのクロスからの失点を含め4失点と厳しい試合となっています。

また攻撃面では左サイドに入る熊谷アンドリューが中央から右サイドに来て数的有利を作る形も見られるようになっています。

■プレビュー

セレッソは前節敗れている事から再びメンバーの入れ替えがありそう。しかし2試合で1失点ですから3バックは継続の方向だと予想されます。
3バックに入りそうなのは茂庭・山下に合わせて本職の藤本。また田中が右WBに出る形になりボランチには山口と山村、シャドゥには杉本とソウザが入りワントップには玉田の可能性もありますがリカルド・サントスが復帰の可能性も高そうです。
また昨シーズンまでの金沢のエース清原は残念ながら負傷離脱が発表されメンバー外となりそうです。

一方の金沢ですが、この3連戦はメンバーを入れ替えながら戦ってきましたが、前線には出場停止明けとなる山﨑が復帰。パワフルなダビとコンビを組む形になりそうです。
また前回右WBで先発した馬渡が怪我で離脱しているので、前節は久々の先発となった小柳が右SBに入りましたが、今節は前節CBに入った太田が右SBに、CBは作田と廣井のコンビになりそうです。

この一戦のポイントは金沢の4-4-2をいかに動かすか。
両サイドを大きく使ってボールを動かす事ができれば弱点であるクロスに対する対応で穴ができる可能性が高い。
その為に前節同様田中を右CBに入れてそこから上がってくれば4-4-2だと捕まえにくいポジションなので面白いと思いますが、もし田中が右WBに入る形でもボールを動かす事で同様の形は作れるはずです。
また加えて右サイドでボールを持っている時に杉本が左に開き気味のポジションに入りそこにサイドチェンジでボールを入れる事ができれば、スライドを切り裂く形もできる可能性が高そうです。
ここでもし敗れてしまうと順位もさらに下がってしまう可能性が高いので、何が何でも勝利が欲しい一戦です。

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