2016年10月30日 14時00分:キンチョウスタジアム
予想スタメン |
今節を含めラスト5試合となる明治安田生命J2リーグ第38節。セレッソ大阪は本拠地キンチョウスタジアムに水戸ホーリーホックを迎えての一戦となります。
■前回の対戦
前回の対戦は開幕直後の第2節。水戸のホームケーズデンキスタジアム水戸で対戦し、キム・ジンヒョンから柿谷への一発という飛び道具で決めたゴールで逃げ切りセレッソが勝利しています。この試合でのセレッソの布陣は、ワントップにリカルド・サントス、トップ下に柿谷が入る4-2-3-1。一方の水戸は4-4-2。水戸は中盤、最終ラインとセンターから左に入る選手が全員左利きというメンバー構成からもわかるように4-4-2のバランスを重視した、高い位置でコンパクトなブロックを作ってカウンターを狙うという形です。
ビルドアップの形を仕込めていないセレッソは序盤からボールを運ぶのに苦労しますが、守備では開幕戦でみせた意味もなく前から追いかける形を止め、素早くリトリートする形に調整した事で水戸もなかなかチャンスを作れないという展開。
徐々にセレッソが右サイドでの杉本のキープ力や、左サイドでの丸橋のスピードを活かしてサイドからボールを運ぶ形を作り始めますが、サイドから崩すという発想に乏しく、クロスを放り込むばかりの攻撃では決定機までは至らないので、個人技爆発待ち。
そんな中で流れと全く関係ない所から奪ったのが先制点で、キム・ジンヒョンのゴールキックから一発で柿谷という形でした。
後半になると水戸は4-2-3-1、さらには3-4-2-1と変化を加えて来ますが、折角のミスマッチを活かすような攻撃が少なくそのまま試合終了となりました。
■現在の水戸ホーリーホック
現在の水戸ホーリーホックはJ2最強エアバトラーの三島は松本に引き抜かれてしまいましたが、前回対戦時よりもさらに4-4-2のバランスが向上したチームになっています。2トップに入るのは今期金沢から加入した佐藤和弘とシーズン途中に新潟から加入した平松。佐藤は前回対戦時もFWとして出場していましたし、なにより昨シーズン0-2で敗れたホーム金沢戦で豪快なミドルシュートを決められているので印象に残っているでしょう。
シーズン中に加入した平松は、その運動量も見込まれて昨シーズンまではSHで起用される事も多かった選手。この2枚がファーストディフェンダーとして機能しているので、4-4-2のブロックを高い位置にキープすることができています。
SHに入るのは白井と湯澤。右SHの白井は元々ボランチの選手でしたが、シーズン途中から右SHのポジションを確実につかみ、基点になる白井とその後ろから出てくる田向というコンビは前節の京都戦でも多くのチャンスを作っていました。
逆サイドの左SHに入る湯澤は昨シーズンまで栃木でプレーしていたドリブラーらしいドリブラー。左サイドからカットインするプレーだけでなく、時には右サイドまで回ってくる(ボールを奪われたとしてもFWの佐藤が左サイドをカバーする)プレーも見せます。
そしてボランチに入るのはロメロ・フランクと兵働。
水戸の4-4-2はこの1列目と2列目の4-2がきっちり守備の仕事ができ、それがチームに徹底出来ているのが大きく、奪ってからの縦に速い攻撃が一番の特徴です。
そして、ここ数試合はそれだけでなくきっちりサイドを基点に崩す形もできつつあります。
トップスコアラーの三島が移籍し、ゴールをコンスタントに奪う事ができる選手がいないので引き分けが16と勝ちきれない試合が多くなっていますが、チームの完成度としては高く引き分けに終わっている前節の京都戦、前々節の横浜FC戦も内容としては水戸が上回っていたといえるでしょう。
■プレビュー
セレッソのメンバーですが、玉田がここ3試合で2得点とゴールを決めていますが、前節に向けての練習でもリカルド・サントスを試していた様にワントップに身体を張れる選手がどうしても欲しい様で、今節は玉田に代えて澤上という選択になる可能性が高そうです。一方の水戸は前線に佐藤と平松、両サイドには湯澤と白井、ボランチには兵働とロメロ・フランクが入るいつもの4-4-2がベース。前節はセレッソ下部組織出身の福井が離脱していたという事でベンチ外となりCBには伊藤が起用されていましたが、問題がなければ福井が復帰してくるのではないでしょうか。
試合のポイントとしては、水戸のコンパクトな4-4-2をセレッソが攻略できるかどうか。水戸のブロックはかなりコンパクトです。ただ、4-4-2の1・2列目と3列目がチグハグになるときがあるのでその状況を作るために最終ラインの背後を狙う事。最終ラインは高めなので直接背後を使うのはもちろんですが、背後を狙う事を続ける事で1・2列目のアプローチを外した時に間を使える様になるので、狙い続ける事が重要です。
また水戸はおそらくWBの裏を狙ってきます。水戸は4-4-2、セレッソは3-4-2-1なのでサイドの人数は水戸の方が有利です。SHまたはSBでWBを釣ってその裏にSBまたはSHもしくは2トップの1人が走り込む形を使ってくるでしょう。
ここを使われた時にセレッソはCBがカバーに入る形になりますが、カウンター気味の時は水戸は深く入ってクロスというよりも引っ張り出した所を速く中に入れてくる形を使ってきます。
なので逆サイドがしっかりと絞って対応したい所です。
そして最後にもう1つ気をつけないといけないのは水戸は変化の形を持っているという事。
前回対戦時もやっていましたが、水戸は4-4-2から3-5-2や3-4-2-1へのシステム変更をメンバー交代をせずにやってくる事があります。
セレッソは現場の選手達の調整によるウエイトが大きいぶん、特に試合終盤の相手の変化に弱い所があるのでこれには気をつけたい所。先に失点をして追いかける形の中で守りを固める3バックにされるのも厳しいですが、0-0で進んだ70分に田中を下げて山村を投入し4バックにした後で3バックに変化をつけられると難しい状況を作られかねないので、できれば前半の内に先制して試合の流れを掴んでおきたいところです。
0 件のコメント :
コメントを投稿