スタジアム | ヤンマースタジアム長居 | 主審 | 村上 伸次 |
入場者数 | 22,737人 | 副審 | 山際 将史、植田 文平 |
天候 / 気温 / 湿度 | 曇 / 22.9℃ / 64% | 第4の審判員 | 岡 宏道 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- 尹 晶煥
- 監督
- 小林 伸二
試合経過
-
90+4'
- 90+2'
-
89'
- 88'
-
82'
- 72'
- 68'
-
46*'
-
45+3'
- 3'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 13 | 13 | 12 | 14 |
CK | 12 | 1 | 5 | 4 |
PK | 1 | 0 | 0 | 0 |
シュート | 16 | 6 | 12 | 9 |
警告/退場 | 1/0 | 1/0 | 1/0 | 1/0 |
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 尹晶煥監督清水エスパルス 小林伸二監督
セレッソ大阪 清武選手、藤本選手、杉本選手、柿谷選手、丸橋選手
清水エスパルス 鄭大世選手
清水エスパルス 鄭大世選手、カヌ選手、二見選手、竹内選手(清水エスパルス公式)
セレッソ大阪は本拠地ヤンマースタジアム長居で清水エスパルスと対戦。開始早々に清水が先制したものの、アディショナルタイムに獲得したPKでセレッソが追いつき1-1の引き分け。清水の小林伸二監督のリーグ戦200勝と200敗が同時にリーチが懸かった状態での一戦だったが、そのどちらでもなく127回目の引き分けとなった。
■メンバー
セレッソ大阪のメンバーは、ここまでリーグ戦全試合で先発を続けていたソウザが累積警告で出場停止となったこの試合で、ボランチに入ったのはルヴァンカップでこのポジションを務めている木本。そして山口も日本代表の試合で負傷し心配されたが、山口は問題なく先発メンバー入りを果たしている。また前節は欠場となった清武は今週に入っての合流ということで、ベンチスタートに留まり、右SHには中断期間中に行われた練習試合でゴールを決めている水沼が前節に引き続き先発となっている。
一方清水のメンバーは、脳震盪の影響で前節欠場となった鄭大世は今節から復帰。しかしその試合で左SHの白崎が長期離脱となったため、左SHには前節白崎が下がってからそのポジションに入ったミッチェル・デュークが務める。
また最終ラインCBのところは犬飼と二見が今節から復帰かとの事前情報があったが、犬飼は間に合わなかったようで、戻ってきたのは二見のみ。もう1人のCBには角田でも村松でもなく、ルヴァンカップでこれまで3試合に出場しているカヌが起用されたのは、空中戦を考えての事だったのだろう。
■スローインはセットプレー
左サイドに突進力のあるデュークと松原がいる清水、対するセレッソは水沼と松田。清水はさらにここに左ボランチの竹内が松原が上がった後ろに入る形を持っているため、松田の裏を狙おうという意図が感じられる。この試合最初のセットプレーを奪ったのはこの清水の左サイド、セレッソの右サイドでセレッソがボールを奪った後に松原の上がった裏に飛び出した水沼が、左ボランチからズレて対応した竹内に倒されたものだったが、その直後3分にこの左サイドの3人にチアゴ・アウベスが絡んでデュークが松田の裏に抜け出したところから得たスローインから、チアゴ・アウベスがダイレクトでクロスを入れると鄭大世がニアで合わせて清水が先制する。
チアゴ・アウベスのボールや鄭大世のクロスへの入り方を見ていると、これはある程度デザインされたプレーだった可能性が高い。スローインもセットプレーだという事を改めて感じさせる形で清水が立ち上がりの3分にいきなり先制する。
■ミドルゾーンでブロックを作る清水
自陣でブロックを作る清水 |
こうなると4-4-2のブロックを自陣で作りカウンターを狙うという形にシフト。
8分に柿谷が降りる事で清水の1列目の守備を外すと、デュークが松田に引っ張られてしまった事で竹内とデュークの間にパスコースを作ってしまった事で、水沼が抜けだし杉本が中央で合わせる場面をつくったものの。杉本のシュートは六反がセーブ。おそらくこの水沼はオフサイドだったとは思うが、セレッソにとって千載一遇のチャンスを逃すと、この清水の守備ブロックに対してセレッソはかなり手を焼くことに。
木本が何度か中央へクサビを狙うも中央を締められているので起点を作るまでは至らず、またチームとして相手のボランチを動かす形は無いのでどうしてもブロックの外側でボールを回すしかない。また個人で剥がしてくれるソウザもいない。
両サイドの個人のクオリティでクロスに持ち込むも、中央ではボランチやCBを動かす事ができていないので、CB間の距離が広がってしまう事もなく、セレッソはボールを持って攻撃している感じはあるもののそこまでチャンスは作れないまま。頼みのセットプレーも33分鎌田のハンドから得た柿谷のFKは六反がセーブし、41分のFK、CKは杉本が決められなかった。
セレッソとしてはこの前半は一見チャンスがあるように見えるが、杉本の8分のチャンス以外は可能性はそんなに高くないものばかり。どこかで何かが起こる可能性や、セットプレーを信じてブロックの外側から殴り続けるという手も無いこともないが、そんなに良い手段ではない。
一方、清水としては、おそらくもう少しボールを持つ時間も作りたかったところだったとは思うが、カウンターと左サイドの攻撃は機能していたし、セレッソの攻撃も想定内。しっかり守れていたのでリードしている前半としてはゲームプラン通りというところだろう。
特に左サイドのデュークとチアゴ・アウベスでヨニッチが動かされる形は、セレッソの攻撃以上に可能性があるものだった。
■清武投入でボランチを動かすザックジャパン型攻撃
後半開始〜 |
清水は、おそらくハーフタイムにブロックは安定しているものの少し待ちすぎていたから少し高い位置からボールを奪いに行こうという指示があったのだろう。後半立ち上がりに少し前からアプローチをかけに行くが、セレッソは清武が相手ボランチの間から下がってきて山口と山村に時間を作る事ができはじめ1度2度と清水の背後を取り始め、さらに清武は清水のボランチ回りでボールを受け清水のボランチを動かしにかかる事で、清水はブロックを落として守るしかなくなっていく。
後半はこの清武のプレーで清水の守備ブロックの中を使える様になった事で、前半よりもさらに清水ゴールに迫る場面を作り出すのだが、どちらかと言えばこの状況は清武のアイデアによって産まれているもの。なのでどうしても再現性に欠けるし、瞬間的な反応でアイデアをあわせる必要がある。良い言い方をすれば、複数の選手が絡んだ自由で流動的なサッカーなのかもしれないが、チームとしてゴールまでの道筋を建てられた、全員が認識している形とそのバリエーションではないのでどうしてもミスが増えるし、攻撃がなかなかシュートにつながらない。
その象徴的なものが61分の柿谷の折り返しから杉本がシュートを放った場面で、これはかなり惜しいゴールに迫る場面だったとも言えるが、全体のポジションや清水の守備の方法を考えると、あの場面は杉本は前に入って、マイナスのスペースは清武に任せるべきところ。そこで杉本が前に出ていかなかったから、相手のディフェンスを引っ張る事ができずにシュートを打つためのスペースを得られなかった。杉本がシュートを外したのは相手のディフェンスが対応していたからだ。チームとして共通認識があれば、杉本が前に出て清武があのスペースを狙うという形は作れていたであろう状況で、その方が清武はより可能性のある形でシュートを打つことができただろう。
ただ1つ言えるのはこれは杉本のミスではなくチームとしてのデザインの問題である。
ここの瞬間的なひらめきやアイデアがハマれば華麗なゴールを奪えるのだが、相手にきっちり対応されるとなかなかハマらないというのは、ザックジャパンでもよく見られた形だ。
■パワープレーに
72分〜 |
そしてさらに72分にはチアゴ・アウベスに代えて北川を投入する。
金子の投入は、セレッソは左サイドに丸橋と柿谷がいるので、フレッシュな選手に入れ替える事でそこの守備を強化しようという事、そして北川は押し込まれる時間を減らしたいという事でファーストディフェンスの強化と、ボールを持った時の裏抜けをということなのだろう。
82分〜 |
この布陣としては3-1-4-2だが攻撃の時は山村がロングボールのターゲットとなるため前に出る。柿谷と杉本は前で清武が下でそのセカンドボールを狙おうという形で、セレッソはパワープレーに入る。
90+2分〜 |
これを清武が決めて90+4分にセレッソが同点に追いつく。
松原のハンドはちょっとかわいそうな形ではあったが、ヘディングの競り合いで両手を上げてしまっているので、あそこでボールが手にあたればハンドをとられても仕方が無いだろう。
その後もセレッソは前がかりになって攻めるがそのまま試合が終了し1-1の引き分けで終了。
セレッソは今季ホームでの無敗を伸ばすとともに、小林伸二監督の200勝も200敗も次節以降に持ち越しとなった。
■その他
ボールを持つ時間が長かったものの決められなかった試合となったが、セレッソはそれほどチャンスが作れていたわけじゃなかったので、セレッソにとってはなんとか追いついたという試合だった。一方清水にとっては、プラン通りに先制してプラン通りにミドルゾーンの守備ブロックからカウンターを狙うという形だっただけに、最後のPKは悔やまれるところだろう。守れていたとはいえ、清武が躍動し始めてからは少し防戦一方となったのが、最後のアクシデントに繋がったといえる。これで清水は先制した試合が全体の50%を越える8試合となったがその内訳は3勝4分1敗。勝率が50%を切っているのは少し厳しい。
セレッソはこれまでの試合でも中々攻めきれないという試合があったが、この試合はそれがはっきりと出た試合だった。本文でも何度も書いたが、攻撃は個人任せになっているというか、チームとして清水の守備に対して落とし込まれている部分があまりないので、セットプレーで決められないとどうしてもこうなる。そして清武が入って怒涛のザックジャパンになっていくのも、それが現状というところだろうか。
ザックジャパンなるほど(笑)
返信削除ただザックジャパンは1トップが深さを作って生まれたスペースを2列目が狙うという形があったので、その意味では杉本にそういうスペースメイクを要求したいですね。
なかなか攻撃の形を作るのに苦労してますが、やはり守備よりは時間かかるものなのでしょうかね。どういう練習をしているのかはちょっと気になります。
コメントありがとうございます。
削除そうですね、ザックジャパンを本気でするなら、トップが深さを作ってくれないとダメですね。
攻撃の形は尹さんがどう考えているのかだと思うんですが。
清水の先制点がAkiさんが以前から求めてる理想の点の取り方に近いのかなと思いました。
返信削除あとセレッソの選手がシュートを打つときにいったん止めるのがどうも気になります
いくら厳しいコースを突いても相手が用意してるとDFかキーパーに止められますからね
尹はクロスからのヘディングを重視してそうなのでシュート練習にはあまり力を入れてないのでしょうかね?
コメントありがとうございます。
削除清水の先制点はセットプレーみたいなものなんで、ちょっと違いますね。
たとえばクロスからのシュートだったら、クロスもシュートももちろん大切なんですけど、それとおなじぐらい崩し方、どういう形でクロスまで持っていくかが大切なんですよね。
そこが結構アドリブの世界になってるのが気になるって感じです。
コメントありがとうございます。
返信削除今でこそ、山村が前に固定されていますけど、開幕前はソウザとどっちを前にしてどっちをボランチにするかってのを両方やってたんですよね。
で結局ソウザをボランチにってので開幕を迎えたんですが、その決め手になったのは攻撃の時に1人ではがせるからって事だったんじゃないかと思っています。
清水はゲームプラン通りだったと思いますよ。あのPK以外は。