2017年6月30日金曜日

6/28 YBCルヴァンカップ プレーオフステージ第1戦 VS 北海道コンサドーレ札幌 @ 札幌ドーム

JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフステージ 第1戦
2017年6月28日(水)19:03KO 札幌ド

スタジアム札幌ドーム主審佐藤 隆治
入場者数5,192人副審相樂 亨、山内 宏志
天候 / 気温 / 湿度屋内 / 24℃ / 56%第4の審判員川崎 秋仁
追加副審家本 政明、柿沼 亨
スターティングメンバー
北海道コンサドーレ札幌札幌
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 四方田 修平
 
  • 監督
  • 尹 晶煥
21歳以下の選手を1名以上先発に含める(決勝を除く)ことが大会方式として決められている。※1

※1 但し、以下の場合は出場義務を負わない。
・対象選手1名以上が日本代表試合または日本代表活動(A代表、U23、U20)に招集され、試合日に不在の場合。
・対象選手が試合エントリー後の怪我等のやむを得ない理由により出場ができない場合。
北海道コンサドーレ札幌札幌
C大阪セレッソ大阪
今回対戦今季平均
データ項目北海道コンサドーレ札幌セレッソ大阪北海道コンサドーレ札幌セレッソ大阪
FK10111112
CK4635
PK0000
シュート111178
警告/退場1/02/01/01/0

<監督・選手コメント>

北海道コンサドーレ札幌 四方田修平監督
セレッソ大阪 尹晶煥監督

北海道コンサドーレ札幌 都倉選手、田中雄大選手、キム・ミンテ選手
セレッソ大阪 リカルド・サントス選手、福満選手、木本選手、秋山選手、西本選手
セレッソ大阪 清原選手、関口選手、瀬古選手、喜田選手

YBCルヴァンカップのプレーオフステージのファーストレグとなる、アウェイ札幌ドームでの北海道コンサドーレ札幌戦は、セレッソ大阪がアウェイゴール2点を奪い0-2で勝利。7月26日に開催されるセカンドレグを前に大きなアドバンテージを得る事に成功した。

■YBCルヴァンカップ プレーオフステージ
今シーズンから始まったYBCルヴァンカップのプレーオフステージ。ヤマザキナビスコカップではこれまでグループ2位までが自動的に決勝トーナメント進出となっていたが、今シーズンのルヴァンカップからグループ1位のみが決勝トーナメントへストレートイン。グループ2位と3位のチームは決勝トーナメント進出をかけて、ホーム・アンド・アウェー方式でそれぞれ別のグループの3位と2位チームとでプレーオフステージを戦う形式となっている。
セレッソ大阪はグループBを無敗の4勝2分で終えたものの、5勝1敗のヴィッセル神戸に次ぐ2位。その結果、このプレーオフステージでグループAで最終節に逆転で3位に滑り込んだ北海道コンサドーレ札幌とホーム・アンド・アウェーの対戦を行う事となる。
ファーストレグは順位が下の北海道コンサドーレ札幌のホームでの試合。これはチャンピオンズリーグなども含めて、セカンドレグをホームで戦う方が有利となっているためこのようなレギュレーションとなっている。
このプレーオフステージからアウェイゴールが適用されるホーム・アンド・アウェー方式となるため、個人的にはこの試合を決勝トーナメント1回戦、ACL組やグループ首位のチームが加わる次のラウンドを2回戦としてしまった方がサポーターにもわかりやすいのではないかと思うが、そうはいかない事情もあるのだろう。

■メンバー

いくつか勝ち点を積み重ね降格圏内に落ちる事無くシーズン序盤を戦っていた北海道コンサドーレ札幌だが、ここのところリーグ戦では6連敗中。5月31日のルヴァンカップ最終節柏レイソル戦では勝利したものの、6月21日の天皇杯2回戦では福島県社会人リーグ1部を戦ういわきFCの前に苦杯を舐めている。
札幌のメンバーは、直近のリーグ戦となる柏戦からメンバーを10人変更。柏戦でも先発をしたのは3バックの右に入るキム・ミンテただ1人で普段はベンチスタートとなることが多いメンバーがズラリと並ぶ。
一方で都倉、マセード、宮澤、福森らはベンチスタート。
21歳以下の選手は進藤が該当する。

一方のセレッソのメンバーは、直近のリーグ戦となる仙台戦から11人全員が変更。これまでルヴァンカップを戦ってきたメンバーを中心に、CBにはリーグ戦の前々節に負傷交代となった木本が復帰し、ボランチには秋山とここのところトップチームで試合に出始めている西本を起用。
前線にはリカルド・サントスが入り、2列目には関口、福満、清原が並ぶ。
セレッソの場合、仙台戦に先発した選手はベンチにも入っておらず、ベンチには舩木、丸岡だけでなく2種登録選手の瀬古くんと喜田くんを含めた21歳以下の選手が4人も入っている。

■立ち上がりの両チーム

立ち上がりの両チームの形だが、札幌は高い位置からプレッシングをかけにいく場面も見られるなど比較的ボールを持とうとする。一方のセレッソは敵陣まで相手を追いかけるというより、素早い帰陣で自陣に4-4-2のブロックを作り待ち構える守備をおこなっていた。
セレッソの守備
セレッソの4-4-2の守備に対して札幌は3バック。しかも基本的にセレッソの1列目の守備はこの3バックに対してボールを奪いに行かないので、札幌はここではボールを持てる。
立ち上がりの幾つかは、札幌がブロックの外に開いている両ワイドを使ったボール回しで、セレッソはマッチアップが噛み合っていない事もあってスライドが遅れ、サイド深くまで札幌の選手に侵入される場面がみられていた。
がしかし、徐々にセレッソの選手も慣れてくると札幌はボールを持っているものの効果的に運べないという場面が続く。最終ラインとアンカーを含めた4枚はボールを繋ぐものの、例えば運ぶようなドリブルを見せたりすることもない。なのでセレッソの守備ブロックが動かされる事無く、セレッソ守備陣からするときっちりスライドできていれば、それほど脅威に感じる攻撃も無かっただろう。
またセレッソの守備ブロックが中を締めているため、特に札幌の2トップにボールが入る事はほどんどない。その結果内村がボールを欲しがって下がってくる場面も見られるようになっていた。
札幌のプレッシング
一方で、立ち上がりの札幌の守備は、自陣でブロックを作る場面もあるものの、比較的高い位置からプレッシングを行おうという姿勢が見られた。
セレッソの2CBに対して2トップを当ててくる。そしてボールサイドのSBには攻撃で高い位置に出ているWBがそのまま前に出てアプローチをかけに来るく。
この札幌のプレッシングに対してセレッソが選択したのはリカルド・サントスへのロングボール。立ち上がりの時間帯はSBからはもちろん、GKに戻してロングボールを蹴る場面が見られる。
このリカルド・サントスは河合や進藤とマッチアップする事が多かったが、そのどちらもがリカルド・サントスのパワーに対して手を焼いていた。
しかし、そのロングボールに対して福満がセカンドボールを狙っているもののそこからチャンスを作るまでには至らず、立ち上がり可能性があったのは14分のスローインから個人技で金園が放ったシュートと、16分の清原のミドルぐらい。この2つの場面も入れば儲けもの程度のものでしかなかった。

■セレッソがボールをもって押し上げる時間を増やす

札幌のプレッシングは時間限定だったのかも知れない。
20分ごろから札幌は前線からのプレッシングの回数を減らし、自陣で5-3-2のブロックを作って守る場面が増える。
5-3-2で守る札幌
5-3-2で守る場合、どうしても相手のSBが空きやすくなる。FWのスライドやインサイドハーフが長い距離を走って出ていく事で最初は対処していたが、21分に木本がインサイドハーフとアンカーの間を通して福満に縦パスを入れると、そこから札幌の3人の中盤はまず中を締めて、ボールが出てからサイドにアプローチをかけるという形に変化していく。
セレッソもSBがボールを持てるようになり、これまでのリカルド・サントスへのロングボールを使った単騎での攻撃ではなく、チーム全体で押し上げられるようになり、西本がミドルシュートを放つ場面を作れるようになったもののそこまでチャンスは作れていなかった。
ただ、札幌のインサイドハーフがSBへアプローチをかける形に対して、インサイドハーフ出た後のスペースにSHが降りてくるという動きが見られ始める。
札幌の最終ラインはマンツーマンに近い考え方で守備をしてくるので、ここに対処するならWBが出て行くしかないのだが、流石にここまでは出ていけない。これもセレッソが攻撃で全体を押し上げられるようになった一因だろう。

■札幌にトラブル発生

しかしここで札幌にトラブル発生。
まず最初は金園がクリアしようとする清原にアプローチをかけたものの、そこでもつれてしまい足を痛める。
38分〜
しかし最初に交代したのはその後にボールがこぼれたところで秋山と交錯した右WBの石井。
38分に石井に代わり上原が投入されそのまま右WBのポジションに入る。
40分〜
しかしその2分後の40分、やはり金園も無理だという事でDFの永坂と交代。
永坂は3バックの左に入り、進藤が右へ。3バックの右だったキム・ミンテが中盤に入る。また前線には右WBに入っていた上原が回り、インサイドハーフの早坂が右WBに移動。札幌は前半だけで負傷で交代枠を2つ使ってしまう厳しい展開となる。
この時、小野のポジションが左に移動し、キム・ミンテも左に入っていたのでおそらく3-4-2-1に変更している。これはSBに対して小野と内村でアプローチをかけたいという狙いがあったのだろう。
しかしボランチ脇に降りてくるSHを捕まえられずセレッソが押し上げる展開は続く。

すると前半アディショナルタイムの45+1分。その前のCKでキッカーを務めたため左サイドに回っていた関口がボールを運ぶと、福満との関係で左サイドの奥に侵入。そこから上げたクロスをリカルド・サントスが頭で合わせゴール。0-1とセレッソがリードする。
リカルド・サントスに身体をぶつけたのは河合だっただろうか。競り合ったもののリカルド・サントスのパワーの前に弾き飛ばされてしまい、ゴールネットを揺らした。

■5-2+1で守る札幌

後半開始〜
後半開始からのピッチでは、札幌の小野とキム・ミンテのポジションが少し変わっていた。
5-2-3で守る札幌
5-2-3で守る札幌。前線の3人のうちボールサイドの選手はSBにボールがでるとアプローチをかける。
しかし、札幌の守備がよくわからかなったのは、前線の3人のうちボールサイドの選手はSBに出ていくものの、逆サイドの選手は特に何もしていなかったこと。なので札幌の守備陣形も非常にわかりにくかった。
アウェイゴールをとられてのビハインドだし、ボールをそこそこ持てるしという中で点を取るためなの形だったのかもしれないが、それにしたら攻撃の形も、3バックのサイドの選手が出ていこうという事は時々見られたがその程度でしかなかった。
となると結局後ろは5人の最終ラインと2人のボランチで守る場面が増えてくる。
するとこの7人はラインを下げて守るしか無くさらに5-2の守備が顕著化する。
その結果サイドが変わると逆サイドのSBは完全にフリーになる。

秋山のミドルは札幌の選手にブロックされるが、それが逆サイドのSBに入る田中裕介にボールが渡ると完全にフリー。十分タイミングをはかって余裕をもって右足で上げたクロスに、リカルド・サントスの外側で抜け出した福満にボールが渡ると、ワントラップでシュート。
シュートは金山の股の間を抜けネットに突き刺さり、58分にセレッソが0-2とリードを広げる。
CBの2枚はリカルド・サントスに完全に引っ張られてしまい、福満を見ている選手は誰もいなかった。

■セレッソの守備を崩す形のない札幌

アウェイゴール2点を奪われた事でもう攻めるしか無い札幌。63分には早坂の個人技からあげたクロスに内村が飛び込むもクロスバー、さらにそのこぼれ球を上原が押し込もうとするが木本がヘディングでクリアされ、ゴールを決められないと、ボランチもどんどん前線に出てくる。
しかし、それ以上にセレッソの守備ブロックにひっかかる場面も多くセレッソにボールを奪われる回数も増える。
72分に見せたリカルド・サントスのパワーを活かした反転からカウンターで、関口が決定機を迎えるも決めきれない。セレッソはこういったビッグチャンス自体は少なかったが、ボールを奪ってボールを運ぶ事で札幌の攻撃回数は制限できており、札幌がチャンスを作るのは個人技爆発頼みとなっていた。
80分〜
攻めあぐねる札幌は80分、小野にかえて都倉を投入。さらに前掛かりになろうとする。
がしかし、試合の流れは変わらないまま。
90+3分〜
それに対しセレッソは89分にリカルド・サントスと福満に代えて、澤上と瀬古くんを投入。
5-4-1にしてマッチアップをあわせる。
さらアディショナルタイムには西本に代えて喜田を投入。
高校2年生の2種登録選手を2人起用すると、ロングスローからボールウォッチャーになってしまい内村にボレーシュートを放たれるが、ボールが落ちてくるまで待ちきれずクロスバーの上に。
そのままこの試合は終了し、プレーオフステージのファーストレグは、アウェイゴール2点を奪ったセレッソがそのまま勝利した。

■その他

2001年以来勝利が無かった札幌ドームで勝利をあげたセレッソ大阪。
ファーストレグでアウェイゴールを2点そ奪うことができたのは素晴らしい結果だった。
またここのところ存在感を増しており、リーグ戦でもベンチ入りすることができるようになってきた福満は、ルヴァンカップながらJ1での初ゴール決め、九州リーグ、JFL、J3、J2と全てのカテゴリーでステップアップしながら得点を記録したことに。この試合でのプレー内容も良かったので、清武が離脱した中今後さらに出場機会を増やしていきそうなプレーを見せたといえよう。

また攻守において札幌の内容がよくなかったとは言え、合格点ともいえるプレーを見せたのは西本。2種登録の2人を起用できた事も含め、若い選手の活躍はチームにとって大きな刺激になることは間違いない。

セカンドレグはおよそ1ヶ月後となるが、大きなアドバンテージを持って挑む事ができる。





4 件のコメント :

  1. 今回の試合はずっと分析を楽しみに待っていました。やはり2点目のシーンは札幌の構造的問題があったんですね。YOUTUBEを見て、どう考えてもおかしいなと思ってました。しかしそういう問題があったにせよ、CBが3人いて2トップの一人をフリーにしたのは致命的なミスだとは思いますが。

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    1. コメントありがとうございます。
      2点目は、福満は後ろから飛び出しているので捕まえにくかったと思いますが、ボールホルダーをあれだけフリーにしてくれるとそりゃそうなるよって形でしたね。
      CBも完全にボールウォッチャーになってしまっていましたし。
      あれだけラインを下げて裏を取られるのはちょっと切ないですが・・・

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  2. ルヴァンカップは見れていないので非常にありがたい記事です。やはり小野インサイドハーフの5-3-2は無理…というかこの水準のメンバーでもスタメン自体厳しいな…という感想です。
    質問ですが、札幌はリーグ戦前節の柏戦では、最終ラインはかなりマンマーク色の強い守備をやってたのですが、この試合もそうしたが傾向みられましたか?

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    1. コメントありがとうございます。
      最終ラインはゾーンでしたよ。最初から前線にはっているのはリカルド・サントス1人でだったので中央では河合が、右に出た時は進藤がって感じでやってました。
      あと小野伸二ですが、以前はインサイドハーフをもっと走らせてた気がするんですがこの試合はそうでも無かったですね。小野が走らなかったのか、走らせなかったのかはわかんないですが。

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