- 74' 水沼 宏太
スタジアム | キンチョウスタジアム | 主審 | 井上 知大 |
入場者数 | 15,262人 | 副審 | 岡野 宇広、岩田 浩義 |
天候 / 気温 / 湿度 | 曇 / 24℃ / 70% | 第4の審判員 | 窪田 陽輔 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- 尹 晶煥
- 監督
- 渡邉 晋
試合経過
- 90'
-
89'
-
86'
- 81'
- 80'
- 77'
-
75'
-
74'
- 73'
- 70'
- 69'
-
62'
- 42'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 9 | 12 | 12 | 15 |
CK | 4 | 1 | 5 | 5 |
PK | 0 | 0 | 0 | 0 |
シュート | 20 | 9 | 12 | 10 |
警告/退場 | 3/0 | 1/0 | 1/0 | 1/0 |
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 尹晶煥監督ベガルタ仙台 渡邉晋監督
セレッソ大阪 水沼選手、山口選手、松田選手、木本選手
ベガルタ仙台 野沢選手
セレッソ大阪 杉本選手、マテイ・ヨニッチ選手(Jリーグ公式)
ベガルタ仙台 椎橋選手(Jリーグ公式)
明治安田生命J1リーグ第27節、公式戦で5試合ぶりにホームスタジアムに戻ってきたセレッソ大阪が、今シーズン全勝のキンチョウスタジアムにベガルタ仙台を迎えての一戦は、序盤からセレッソが攻め込むものの先制したのは仙台。セレッソは1点を返したものの、仙台にカウンターで得点を兼ねられ1-4で敗戦。リーグ戦では今シーズン最多失点で、キンチョウスタジアムの全勝記録もストップすることとなった。
■メンバー
セレッソのメンバーは、ミッドウィークの天皇杯から11人全員を入れ替えたいつものリーグ戦のメンバー。ベンチには澤上ではなくリカルド・サントスが起用されている。また天皇杯で復帰した清武はまだ復帰プログラム途中という事でこの試合ではベンチ外となっている。一方の仙台は天皇杯で既に敗退しているため、中6日での公式戦。前節から大きく変わったとことは右シャドゥとゴールキーパーで、右シャドゥに入るのは6試合ぶりの先発となる梁勇基。西村はベンチスタートとなっており、前節得点を奪えなかった事をうけここを代えてきた。
ゴールキーパーは守護神シュミット・ダニエルが前日練習で右足を負傷。メンバー外となりシュミット・ダニエルはシーズン前のキャンプでコンディションを崩していたこともあって、開幕から6節までに出場していた関が久々の先発出場となっている。
また情報では左WBの中野が東京戦で少し痛めたため変わるのではないかとの情報もあったがそのまま中野が先発となっている。
■守備がはまらなかった仙台
DAZNの試合前に行われる監督インタビューで、「セレッソにはロングボールがあるので、前線からのプレッシングに行った時に蹴られるロングボールに対するセカンドボールがポイントになるだろう」といった主旨の発言をしていた渡邉監督。試合後の会見における質疑応答で記者から「後半、ちょっと相手に押された時に」との発言に対して、「むしろ後半の方がはっきりした」と語り、前半の守備はあまりハマってなかった事を暗に認める発言をしているように、前半立ち上がりから仙台の守備は「守れている訳ではない」状態になっていた。仙台のプレッシングの形 |
そしてセレッソのダブルボランチに対しては2センターハーフが対応。ここは同数。最終ラインからボランチに入るパスに関してはここで確実にアプローチをかけて前を向かせない、また前線のプレスバックと合わせてボールを奪う事ができれば最高という形。
で5-2-3という事はセンターハーフ2枚の両脇は空いている。
ただここはあえて空けている場所。最初からWBがここにいてしまうと3バックの両脇にスペースを作ってしまうため、そうならないために5バックになっているが、空いている2センターハーフの両脇にボールが入ればWBが前へとアプローチ。そこにその前のタイミングでスライドしてきている3トップがプレスバック、さらに2センターハーフもボールサイドにスライドすることで一気にそこを窒息させようというのが狙い。
なので具体的にいうと、山下がボールを持った時に石原がアプローチに来る、そしてソウザ、山口は奥埜と三田に監視されているので出せない。その結果丸橋に横パスを出す。
すると仙台の3トップはスライド、梁が丸橋にアプローチ。ならばと丸橋は前にいる柿谷に。しかしここにボールが入ると古林が一気にアプローチをかけてきて、さらに奥埜、そして梁で囲んでボールを奪おうとする。これが5-2-3でプレッシングをかける仙台の狙いである。
そして渡邉監督が想定したのは丸橋や山下は柿谷のところがダメとなると、杉本や山村に対して直接長いボールを蹴ってくるだろう、もしくはキム・ジンヒョンに戻し、そこにも石原が行けばキム・ジンヒョンから長いボールが飛んでくるであろう。その時に跳ね返す事ができれば問題ないが、相手が杉本、山村なので競り勝てない事ももちろん出てくる。なのでその時にセカンドボールを拾う事。これがポイントだと考えており、おそらく3バックの平岡、大岩、椎橋、そして奥埜と三田の2センターに準備をさせてきた。なので特にこの5人はセカンドボールへの意識を高く持ってゲームに入っていたのだろう。
しかしこれがはまらなかった。はまらなかったという事は、セカンドボールを拾えなかったというよりも、この想定していた形に持っていけなかったという事だ。
SHを中にポジションをとらせた4-2-2-2 |
おそらく普段セレッソの試合を見ている人なら誰もが、この試合では柿谷や水沼がいつもよりも中に入っていた事に気がついたと思う。これは彼らのアイデアではなくゲームプラン柿谷や水沼は中央に入るように、仙台の5-2-3に対してセレッソは4-2-2-2の並びで攻略しようと準備してきた。
この形になることでどうなるかというと、まずWBの前に人がいなくなり、古林と中野はマークを見失う。そしてその相手がどこにいるかというと2センターハーフの近く。となると、2センターハーフはセレッソのダブルボランチに対してアプローチにいけなくなる。行けば自分の背後で柿谷や水沼が浮いてしまうからだ。
また、さらに杉本と山村のポジショニングも仙台の3バックの両サイド、平岡と椎橋のところにいるようにというのも徹底されていた。なので、例えば、柿谷を平岡にマークを受け渡す形にして、奥埜はソウザにアプローチに行くという事もできない。なぜなら平岡の近くには杉本がいるからだ。
ならばと、古林が思い切って柿谷についていくという方法もあるがこれをしてしまうと3バックの脇にスペースを作ってしまう。最初にWBが下がって5-2-3でセットしたのはここにスペースを作りたくなかったからなので本末転倒だ。
ここを空けてしまうと杉本がサイドに流れた時に平岡つまりCBがついていかないと行けなくなるし、また丸橋が上がってきたら梁が下がってくるしか無くなる。
この5-2-3という形は人への意識が強くわかりやすい事もあってJ2でかなり流行していた?(している?)形なのだが、J2なら最初のアプローチに対して蹴ってしまうしか無いのでどんどん蹴ってセカンドボール大会。ただ、J1だと蹴ってしまう事無く、4-2-2-2で対応される。なのでJ1ではJ2ほど流行していないのだ。(一応、仙台以外にも札幌とかやってるチームはある、ただミシャシステム時の浦和や広島の様に優勝を狙うチームにとっては、そのレベルで戦う形にはならず止めている。)
話しは戻るが仙台の5-2-3に対して4-2-2-2になっているセレッソ。1分のソウザからのパスを受けた水沼の折り返しを杉本がボレーで合わせた場面も、水沼が中に入ったところから椎橋と中野の間を抜け出した形で、10分の杉本の折り返しを柿谷が突っ込んだ場面も、杉本が椎橋のところにポジションをとっていた形。
また前半から丸橋や松田から杉本や山村に斜めのクサビが入っていたのもそうだし、ソウザが前向きでボールを持つ時間を作っていたのもこの形から。
その結果仙台はプレッシングで優位性を作れないどころか行けば行くほど穴を空けてしまう場面が続く。なぜなら前線が行けば、センターハーフは連動してセレッソのボランチにいかないといけない。だけどそこにいくと、センターハーフ裏で後ろで絞ったSHと2トップが3バックの前にいるからだ。
その結果、一応スタートは5-2-3で立っているものの、基本ステイで運ばれると5-4-1に変わって守るようにするが、失点はなかったものの守れてたとは言えず、仙台にとって狙っていた形ではなかった。
■仙台の先制点
しかしこの試合で先制したのは仙台。三田のクロスは大外に流れたが、右サイドにいた古林が折り返し、それを石原がダイレクトで決め、40分に仙台が先制する。仙台の戦い方を前回対戦時にミシャシステムの亜種の様な」と書いたが、1トップ2シャドゥがいて両サイドも高い位置を取る事で5トップ気味の攻撃を仕掛けてくる事、そしてシャドゥの動きなどからそういう表現をした。
で、この5トップ攻撃は4バックで守る場合どうしても大外は空く。なのでそこはスライドで対応せざるを得ないのだが、その時に一番困るのが、外から外へ振られる形。
普通の攻撃でも大外折り返しは視野がリセットされることから難しいのだが、1枚余っている5トップ攻撃ではその傾向がより顕著にでる。
でここでは三田のクロスが大外へ飛んで、それを古林が折り返したので、石原についてはもう掴みきれていなかった。
そして石原は広島、浦和でこの5トップ攻撃を主力として経験している選手。なのでマークの外し方も、折り返しの時の浮き方も抜群に上手かった。
ただ、まあここまでの時間。セレッソの攻撃に関しては機能していたと言ってもいい。
しかし守備に関しては機能していない事もないんだけど、機能していない時間もあるという感じだった。
それは常日頃から問題になっているファーストディフェンス。
セレッソの守備 |
しかし10を少し過ぎたぐらいから、セレッソが前線からのアプローチの回数を減らし、仙台がビルドアップの時に3バックの両サイドを大きく広げるようになると、2トップのファーストディフェンスが行く時と行かない時ができるようになる。
またさらに15分〜20分ぐらいから奥埜が大岩の横に降りる、ほぼミシャシステムみたいな形を取るようになるとよりその傾向が顕著になっていく。
全く行かないわけじゃなくって、時々は行く。で行った時は上手く守備がハマるのだが、行かない時間も増えてきたという感じだった。
それでも仙台は、シャドゥのポジショニングが悪かったり、ボランチが前に入りすぎたり。さらに左WBの中野が右利きで縦に行って左でクロスを入れられないからか無駄にカットインして5トップの旨味を活かすことが出来ていなかった・がしかし、時間の経過と共に中野がカットインした時に左利きの野津田もしくは三田がボランチとシャドゥで縦にポジションを入れ替え、前に出た方がサイドに流れるような形が見られ始め、ちょっと嫌だなあと思っていたところでのこの時間帯。後ろでゆっくりボールを動かしながらファーストディフェンスが決まらず、左に開いた椎橋がドリブルで運んだところをきっかけに、SH、ボランチ、SB、CBの四角形の間に入った野津田にボールを入れられ、中野に展開。中野は縦に行けないのでカットインするがその外側を三田が回ってサイドを代えるクロスをいれられた。
この失点直後、これまでの様に3バックが開いてビルドアップしようする仙台に対し、セレッソは失点したことで再び前線からのアプローチを見せ、ボールを奪うと一気にカウンター。山村が1対1の決定機を迎えたがシュートはポスト直撃。
同点に追いつく事ができず0-1のビハインドで前半を折り返す事となる。
■バランスを崩していくセレッソ
後半立ち上がりも最初のビッグチャンスを作ったのはセレッソ。後半の頭はリードしている仙台がもう一度前から来ることは想像できることなので、おそらく背後を狙おうというのは決め打ちだったと思われる。
47分、松田の背後へのアーリークロスが大岩の対応ミスで山村の下へ。シュートを放つも関に当たったボールは枠を外れ、また50分の柿谷のクロスを杉本が落として山村が放ったシュートはゴールキーパーの正面だった。
しかし、後半に入ると仙台の守備に改善が見られた。
変わったのは最終ラインの押し上げ。これで前半の立ち上がりからやりたかった5-2-3のプレッシングが、前半よりも機能するようになる。
5-2-3と4-2-2-2の関係は最初に沢山書いたが、セレッソの4-2-2-2は4列あるのに対して仙台の5-2-3は3列。なので2センターハーフの前後にボランチとSHが位置していてどちらかに行けばどちらかが空くという状況だった。しかし後半は3でプレッシングに行った時に5の押し上げが連動するようになり、全体的に前で潰せる様になっていた。
もちろんこれは、じゃあ今から押し上げますといってできるものではなく、どこにボールがある時のどのタイミングで上げるかはチームとして準備が出来ていたものであり、また前半からこれをやろうとはしていたはず。
ただ、前半はおそらくセレッソが使ってきそうなロングボールを考えてやりきれなかったのだろう。それが後半はある程度共通理解を持ってできるようになっていた。
ただ、その分背後は空く。それが立ち上がりの山村が迎えた決定機だったのだが、それでも仙台は続けた。
一方でセレッソは、ここできっちりと相手を見てサッカーができていたら、相手を間延びさせる事が中盤を機能させる手段なのは明白なので、例えばプレスはどこまで来るのかを見る、そして背後を狙うと形を続ける事になるのだろうが、逆に立ち上がりに見せていた背後への飛び出しは無くなり、最終ラインが相手のプレッシングを確認するような場面は見られなかった。
それでもSBからのクサビは山村と杉本のところでボールが収まる事もあるし、そこに柿谷が絡んで、もしくはサイドに展開してクロスという形で仙台ゴールに迫る場面は作れていたのだが、効率は悪いし、チャンスは一瞬のタイミングとピンポイントでしかものに出来ない難しいものでしかなかった。
これまで何度も書いてきた事ではあるが、セレッソの攻撃は大枠は決まっている。例えばいつもの中央にクサビをあててSHのスプリントだったり、この試合のSHがインサイドに入ってトップとの距離を近くするのもそうだ。
しかし、そこから先は基本個人のアイデア頼み。という事は瞬間的に個々の思いつきによる形。
ということは、瞬間的な反応を連続的に行わなければいけないものになっている。
なので、例えばオープンスペースからのクロスと言ったものは、その瞬間的な反応を連続的に行う人数が少ない分まだ合いやすいが、ボールを持っての形になると、そこに関わる人数が増える。となるとどうしてもエラーが増えてしまうのだ。
まあでもこれは最初からずっとそうで、特に目新しい話しではない。
ただ、この試合を含め最近の試合はこの傾向がより増加。チャンスがありながら決めきれない試合が続いている。言ってみれば決定力不足で片付けられるヤツだ。
ただ、ここをさらに一歩踏み込むと、こうなっているのは、今の状況、そして試合展開によるものなんじゃないかと考えている。
例えばこの試合の1分の杉本の決定機がヒットできなかったのは、杉本自身が少し前に入りすぎていた。そして10分の柿谷の決定機もそう。
優勝争いをするためには勝たなきゃいけない。そして勝てていない。なのでさらに勝たなきゃいけない。ということはゴールを奪わないと行けない。なので入りすぎている、前に行き過ぎているのではないだろうか。
もちろんこの試合の例えば前半最後の山村の決定機なんかはまた別だけど、ああいうのも入らない事もある。ただリードされた、山村が決定機を外してしまった、となるとさらに前に前には加速する。
となると、ビハインドはわずか1点。なのでそこまで無理をする必要はないのに、バランスを崩して攻めていく。
その結果、丸橋の無理をして出したサイドチェンジがインターセプトされカウンター。ただこのカウンターも実際は一度山口のアプローチでスローダウンをさせているんだけど、無理に松田がアプローチをかけた事で一気に斜めのパスを入れられ相手の攻撃が加速。そして丸橋がそこで入れ替わられてしまうと、古林のクロスを大外で野津田に決められ失点。70分、仙台に0-2とリードを広げられた。
この失点は本当に余計な失点だった。そしてこの失点の形こそが、前節のと同じ。そしてここ最近失点が続いている要因だろう。もちろん全部が全部失点を防ぐことができたとは思わないが、例えば前節の失点も0-0なのにバランスを崩して攻めてカウンターを受けている。
69分〜 |
石原の怪我はセレッソでいうと藤本がよくやらかす身体能力系選手特有のパターンで、無理したらできるからやってみたら身体の限界は越えていたので痛めたという形だった。
■この試合に限ると試合を決めた3失点目
ここからはかなり前がかりになるセレッソ。久々に背後を突いた動きから山村の決定機は関がセーブする。74分〜 |
ヨニッチの交代はビルドアップで中へのパスにこだわり、引っかかってしまう場面がいくつかあり、またその前にカウンターで裏もとられていたので、冷静さを欠いているという判断だったのではないだろうか。
また、このヨニッチの交代前に松田のクロスに対するリアクションで椎橋にハンドではないかという場面があった。「ハンドリング」はサッカーの反則の中で故意かどうかが絡んでくる数少ないものの1つなので非常に難しい。この場面に関して言うと、数年前に競技規則から「手または腕が不必要な位置にある場合は、反則である。」という文言が「手や腕の位置だけで、反則とはみなさない。」と変わったので微妙なところだが、クリアした選手と椎橋の間には十分な距離があり、また椎橋は腕を含めた身体全体をボール方向に動かしているので個人的には「ハンドリング」をとっても良かったと思う。まあただ、この一連のプレーで得たスローインから杉本のシュートのこぼれ球を水沼が押し込んで1点を返しているので、結果とはあんまり関係なかったとは思うが。
あと全くどうでもいいことだが、現在では「ハンドリング」がサッカーの代表的な反則の1つとなっているものの、「ハンドリング」という反則自体は歴史もそれほど古くなく、沢山ある直接フリーキックの1つという扱いでしか無い。それ以上にサッカーができた頃からある反則が「オフサイド」。「オフサイド」は競技規則でわざわざ専用の項目が作られ書かれている。
話しを戻すと、水沼が押し込んでセレッソが1点を返したのが74分。これで1-2となる。
しかしその直後、丸橋のファールで得た仙台のFKは一旦は跳ね返すものの、そのセカンドボールを拾った梁のクロスを椎橋が頭で決めてゴール。77分に仙台は1-3とリードを広げた。
この試合の結果に限って言えば、試合を決めたのはこの仙台の3点目だっただろう。
ここでガマンできていれば、仙台の守備も盤石ではなかったので追いつくチャンスはあったかと思うが、これで厳しくなってしまった。
86分〜 |
ここからはセレッソは個人技でゴールに迫る場面もあったが、前に前にと気持ちがはやるばかりで前線に人が張り付いてしまうだけ。一方仙台は、そんな無理して繋いだセレッソからボールを奪い90分にショートカウンターから野沢が決めて1-4。ベガルタ仙台の勝利に終わった。
■その他
4失点自体は前掛かりになった結果だけに仕方ないものもあるが、試合全体としては今のリズムの悪さを象徴するようなゲームだった。途中の決められない部分でも書いたが、試合を通じて前がかりになってしまっているので、瞬間的な判断を続けないといけない決定機でミスが続く。また取れないとどんどん前がかりになるのでよりリズムを崩してしまっている。
まずベースとして前がかりになってしまっているのはここ最近勝てていないから。なので悪循環という感じだろう。
ただ、なぜそうなっているかというと、優勝争い、優勝というものが現実的な目標になったからなんだと思う。
シーズン序盤はそんな事を考えていなかったと思うが、半分を越えて1位なので優勝するためには負けられない。そして勝てなくなってからは、首位鹿島との差を考えると勝たないといけない、なので点を取りたい、最近失点があるから2点目を取りたい、3点目も取りたいという事になってバランスを崩している様に見える。リーグ戦で優勝を狙うということは、カップ戦の様に目の前の相手と勝負していてその試合を1つずつ勝てば良いというだけものではなく、目の前の相手と試合をしながら、別の場所で別のチームと戦っている相手と争っているからだ。
まあ優勝を意識することは悪いことではないんだけど、シュトゥットガルト時代に岡崎がメディアに対して「優勝する」って話しているのをみたチームメイトが「チームがおかしくなる可能性があるからあまりそういう事を言わない方が良い」って伝えた事、そしてオシムがワールドカップで優勝するって公言する本田らに対して「自分で思うのは良いが。目の前の目標を失いかねないから言わないほうが良い」って言ってた事を少し思い出した。
首位とは勝ち点13離れてしまったので現実的には優勝争いから脱落したと言っても良い状況になってしまったのだが、ここからは尹晶煥監督がこれまでも言ってきた様に、目の前の1試合1試合を戦うという姿勢で良いのではないだろうか。
チームとしての戦い方のバリエーションも少ないし出来ないことも多いのだが、そのスタイルだと実際に結構強かったわけなので。
Akiさん、いつもありがとうございます。
返信削除あまりにふがいないワーストゲームで、相当腹立たしかったのですが、少し冷静になれました。
柿谷が中へ中へと入ってCF化し、攻め残りも多く、前線からの守備も手抜きのように見えたので、勝手に「過去帰り」したのかと思っていましたが、あれは監督の指示なのですかね?
また、Akiさんの指摘は。攻撃陣のポジショニングの悪さと言ってもいいのでしようかね。ディフェンダーとの駆け引き、裏抜けのタイミング、ダミー的な動きだとかやってるんですかね。前がかりになると3人も4人もただただ前に張り付き、ポッカ空いたセンターにマイナス気味のクロスが入っても、誰もいなかったというシーンがありました。
もっと頭を使ったプレイスタイルに変化しないと、クラブが抱える長年の問題は改善できないと思います。