2017年11月4日 13時05分:埼玉スタジアム2002
予想スタメン |
J リーグ開幕前年にあたる1992年に始まった、Jリーグで最も歴史が長い大会JリーグYBCルヴァンカップ(旧・Jリーグヤマザキナビスコカップ)。節目となる第25回大会の決勝はセレッソ大阪対川崎フロンターレの一戦となる。
■初タイトルを目指す歴史的一戦
セレッソ大阪にとってはクラブ史上初となるルヴァンカップ決勝。一方の川崎フロンターレにとっては4度目となるルヴァンカップ決勝。この両チームの共通点といえるのは、これまで何度もJ1でのタイトル獲得にあと一歩と迫りながらも、どちらのクラブもその栄冠に手が届かなかったという点だろう。
しかし今回はそのどちらかが必ず無冠の歴史を終わらせる、歴史的一戦となる。
■予想メンバー
準決勝ガンバ大阪戦でアディショナルタイムの劇的ゴールで決勝進出を決めたセレッソ大阪。決勝では国際Aマッチウィーク期間ではない試合となるため、日本代表の山口蛍、杉本健勇、韓国代表のキム・ジンヒョンがメンバーに揃う。
尹晶煥監督が「決勝はベストメンバーで挑む」と公言している通り、先発メンバーには、リーグ戦で3連勝中の11人。キム・ジンヒョン、松田陸、マテイ・ヨニッチ、木本恭生、丸橋祐介、山口蛍、ソウザ、水沼宏太、清武弘嗣、杉本健勇、柿谷曜一朗が並ぶことになるだろう。
ベンチには、負傷から復帰しているシーズン序盤の快進撃の立役者山村和也と、福満隆貴、秋山大地らのここまで無敗で決勝まで上り詰めたカップ戦メンバーらが入ることになりそうだ。
一方、準決勝ベガルタ仙台戦ではファーストレグの前半は3点ビハインドから始まったものの、ファーストレグ2-3、セカンドレグ3-1の大逆転で決勝進出を決めた川崎フロンターレ。
怪我で離脱していたチョン・ソンリョン、大島僚太、阿部浩之の3人も今週から全体練習に合流。リーグ戦直近5試合で最も結果を残しているチームにさらに主力メンバーが帰ってきた。
先発に名を連ねそうなのが、チョン・ソンリョン、エウシーニョ、谷口彰悟、エドゥアルド、車屋紳太郎、エドゥアルド・ネット、大島僚太、中村憲剛、長谷川竜也、小林悠の11人。
準決勝セカンドレグで奈良が退場となっているため決勝では出場停止となるが、強力なメンバーが揃っている。
■プレビュー
Jリーグ公式ページの順位表には直近5試合の成績が記号で記されているが、その中で真っ白、つまり負けていないのは川崎フロンターレ、ジュビロ磐田、浦和レッズの3チームのみ。さらに得失点差を考慮すると、川崎フロンターレがナンバーワン。現在最もJリーグで結果を残しているチームこそが川崎フロンターレだといえる。
セレッソ大阪にとって、そんな川崎フロンターレの強さを思い知らされたのが9月30日に行われた第28節。大島、阿部が負傷離脱している中だったが、面白いようにゴールを重ねられてしまい1-5の完敗。大量失点となったことから、チームの完成度に大きな差がありほとんど何もさせてもらえなかったリーグ戦第2節の浦和レッズ戦に重ねたサポーターも多かった。
がしかし、個人的には2節の浦和戦ほどチーム力に差があったとは考えていない。
というのも、この時のセレッソは首位にたって以降崩し始めていた攻守のバランスが最も崩れていた時期。そしてちょうどこの試合は優勝争いに踏みとどまれるかどうかの一戦で、目の前の相手以外とも対戦しなければなず、その結果前がかりになったボランチ裏のスペースを面白いように使われ失点を重ねたからだ。
川崎の強さは風間前監督が整備したパスワークにあることは間違いない。
セレッソが勝利するためにはまずそれを封じなければならない。そのためにはミドルゾーンで待ち構える守備だけでは十分ではない。
ミドルゾーンの守備ブロックはかなりの精度まで積み上げることができているものの、ファーストディフェンスの部分はまだまだ曖昧。ファーストディフェンスとは守備のスタート地点のことで、2トップがボールホルダーに対してどこからどういう形でアプローチをかけるかということだ。セレッソはここが一定していない。ということはボールホルダーがフリーになっているということだ。
川崎の選手はボールを受ける技術が高い。そしてそれを活かすためにビルドアップで相手の形を見て、相手を動かして、ボールを前進させてくる。そんなチームだからこそ、曖昧なファーストディフェンスを見逃してくれるわけもない。
なので、前線からのプレッシングは必須。ここ数試合で見せているチーム全体による連動した高い位置からの守備のアプローチは絶対となるだろう。
逆に言えば、ここを機能させられないとかなり厳しい戦いになる。
攻撃では、サイドを押し込むことができるかどうかもポイントとなるだろう。
川崎は今シーズンから鬼木監督に代わり、守備がかなり安定された。
しかしACL浦和戦のセカンドレグの大逆転負けで見せたように守りきる様なチーム設計にはなっていない。
そこで必要となってくるのはサイドを起点に攻め込んで相手を押し込むこと。川崎のサイドの守備は人への傾向が強く、サイドを押し込むことが攻撃力を落とすことにもつながる。
中村憲剛からスペースへ抜けるカウンターという武器もあるが、サイドを押し込んでしまうとSHのサポートが間に合わないのでその威力も半減する。
そしてそのときに忘れてはいけないのがボランチ2人のポジショニング。
大敗を喫したリーグ戦では攻め込んだ時のボランチのポジショニングが悪く、ボランチ裏を使われたことがペースを握られる要因となった。
守備の時はもちろんだが、攻撃のときこそポジショニングが重要。ここで相手のカウンターを潰して二次攻撃につながっていく。
最初にリーグ戦直近5試合の成績で川崎の成績がリーグナンバーワンだと書いたが、実はカップ戦を含めた公式戦直近5試合となると話しは変わってくる。
川崎の公式戦直近5試合の結果は3勝1分1敗。しかしセレッソは5戦全勝。
そしてリーグ戦でも直近3試合となると3連勝しているのはセレッソだけ。
実は直近で最も結果を残しているのはセレッソ大阪なのだ。
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