2019年9月13日金曜日

明治安田生命J1リーグ 第26節 vs 浦和レッズ プレビュー

2019年9月13日 19時30分:埼玉スタジアム2002

予想スタメン

国際Aマッチウィーク明けの開催となる明治安田生命J1リーグ 第26節。セレッソ大阪は敵地埼玉スタジアム2002で浦和レッズと金曜日のナイトゲームで対戦する。


■前回の対戦

前回の対戦は3月17日に行われた第4節。本拠地ヤンマースタジアム長居での対戦は、ソウザの強烈なFKで先制するも投入直後の山中のFKから興梠、さらにこちらも途中出場のマルティノスをペナルティエリア内で片山が倒してしまいPK、これを杉本が決め1-2で浦和レッズが逆転で勝利している。
第4節対戦時の先発メンバー
4バックになるのは第10節の松本戦からなのでセレッソの布陣は3-4-2-1。今になって思い返すとロティーナのサッカーは局面の積み重ねではなく盤面を支配することで不確定要素を排除していこうという考え方なので、不確定要素が最も起こりやすいトランジションを安定させるためにも開幕当初は3バックだったのだろう。しかし結果は開幕戦となった神戸戦で勝利したもののその後は2連敗。これまでとは異なる考え方にまだ戸惑っているという段階だった。

一方の浦和の布陣は3-1-4-2。当時は前年からチームを率いるオリヴェイラ監督が指揮をとっており、開幕前にはセレッソから杉本、マリノスから山中など大型補強を敢行。しかしこの試合直前の第3節松本戦でようやく勝利をあげたものの、開幕前のスーパーカップで川崎に敗れ、開幕戦の仙台戦で引き分け、第2節の札幌戦では敗戦と難しいスタートとなっていた。

同じ3バックながら全く異なる考え方で戦う両チームの対戦で試合を支配したのはセレッソ。
ボール保持では立ち位置と動きで相手を動かすことでスペースを作りボックス内に侵入、ボール非保持でも安定し、さらにトランジションの機会をへらすことができていたので、ソウザのFKで先制したことも含めこの時点でのベストゲームとも言える試合だった。

しかし76分に投入されたばかりの山中のFKに興梠が頭で合わせて同点に追いつかれると、さらに直後には山中と同時投入されたマルティノスを片山がペナルティエリア内で倒してしまいPK。これを杉本が決めて浦和が逆転し1-2で浦和の勝利に終わっている。

試合後のフラッシュインタビューでロティーナが4-1で勝つべき試合だったと振り返った様に、ソウザのFK以外でも何度もチャンスを作っておりまた試合をコントロールすることも出来ていたのだが、突如として訪れた試合終盤の2失点で逆転負け。今季セレッソが逆転負けを喫したのは、この浦和戦と2度のPK見逃しにあった第22節の鳥栖戦の2試合である。

■現在の浦和レッズ

オズワルド・オリヴェイラ監督で始まった今季の浦和だが第13節終了後に解任、6月1日の第14節から大槻毅監督が指揮を採っている。
昨季も堀監督解任後オリヴェイラ監督が就任するまで暫定監督として指揮を採り、風貌と合わせその期間のリーグ戦4試合を3勝1分、カップ戦1勝1分の無敗で切り抜けたことで話題となった大槻監督。その時の結果もあって今回は正式に監督にすることになったのだろうが、第14節からのリーグ戦12試合で3勝5分4敗と結果が出ているとは言い難い。
特に直近のリーグ戦6試合で4分2敗と2ヶ月近く勝利から見放されており、カップ戦を含めても最後に勝ったのは8月14日の天皇杯水戸戦。ちょうど1ヶ月前のこととなっている。

8勝7分10敗で11位に沈んでいる要因は得点力不足であることは間違いない。
セレッソも得点力には苦しんでいるが、浦和の24得点はセレッソよりも少ないリーグワースト4位。浦和の下には鳥栖、松本、磐田と降格圏もしくは入れ替え戦圏のチームだけである。しかもだからといって失点が少ないわけでもなく35失点はリーグ10位。浦和よりも下には失点の多さに定評のあるチームしかない。
単純にこれなら難しい状況となっているのも当然だろう。

浦和の実際の戦い方だが、大槻監督はモチベーターとしてのエピソードも多いが手倉森監督の元でヘッドコーチをしていた仙台時代には分析担当でもあったことからもわかるように、対戦相手を分析し戦い方を相手ごとに変えてくる傾向にある。
3バックにボランチの1枚を落とす4バック化でボール保持を安定させボールを持つサッカーを行うこともあれば、ボール保持にはこだわらず1トップ2シャドゥの前線3枚でプレッシングをかけそこからのショートカウンターで勝負しようという試合もある。
なので結果にはつながっていない部分もあるが、例えばボールを持てたから/持てなかったからで良い悪いは判断することは出来ないチームとなっている。

ただ、その中でもベースとなっているのは対人の強度。様々なエリアで行うため勝率は49.4%とセレッソの51.9%よりも低いが、デュエル数はセレッソよりも300回近く多い2562回を記録しており、タックル数もリーグ2位の1試合平均21.72回を記録。浦和よりもタックル数が多いのはボール保持率が40%を切る松本しかない。
ということでボールを保持する場合でも保持しない場合でも、高い位置から取りに行くのか、待って迎撃型で行うのかと守備のスタート位置が異なるだけで基本的にはマンマーク気味に人を捕まえてくる。
対人守備の強度はJリーグトップクラスの槙野を始め選手のクオリティは高いので計算ができるということなのだろう。

またボール前進では3バック右の岩波や中央のマウリシオから興梠への楔を多様する。
興梠がとんでもなくボールが収まること、そして岩波、マウリシオに楔のパスの能力が高いこともあるが、ボール保持では3バック中央のマウリシオと左の槙野の間にボランチの1人が落ちてきて4バック化することでこの右の2人を相手の守備から浮きやすくしている。
そして興梠と共に前線でのキーマンといえるのは間受けの達人武藤。この選手がいるといないとでは浦和の攻撃は大きく変わってくる。

そしてサイドアタックに関してはリスク管理を重視してか最初からガンガン上げるというよりも前線に収まってからという形で、ボールを保持し押し込むことができれば対4バックであればフリーになりやすい逆サイドのWBへのサイドチェンジも増える。

■プレビュー

浦和レッズの先発メンバーだが、9月8日のルヴァンカップ鹿島戦で興梠が負傷交代となっている。ひどい怪我では無いとのことでこの試合に出場することが出来ないわけではなさそうだが、来週火曜日にはACL準々決勝のセカンドレグがあることを考えると少なくとも先発起用は回避するか。
また普段は3バックの中央に入るマウリシオがこの試合は出場停止となる。代役としては鈴木大輔の可能性もあるが、敗れはしたものの松本戦で3バックの中央に入り高いビルドアップ能力を見せた森脇の起用が濃厚。
ACL準々決勝セカンドレグを考えると大きくターンオーバーを行う可能性もあるが、この試合は金曜日で次戦はホーム。また16位鳥栖との勝ち点差はわずか4ということを考えるとそこまで大きくメンバーを代えることはしないだろう。

一方のセレッソ大阪の先発メンバーだが、こちらはルヴァンカップも無く休養十分。左SHの柿谷も含めベースとしては前節川崎戦と同じになるだろう。
ただし、瀬古はU-22代表の海外遠征があったためチームに戻ったのは試合前日。コンディション的には問題ないとのことだが、共にU-22代表に選出されていた浦和の橋岡も同様にベンチスタートが濃厚だろう。

試合のポイントは人を捕まえる浦和をセレッソがどう外すかというところになってきそうだ。
前日会見で大槻監督は前線からプレスを仕掛けることを示唆するような発言もあったが、プレスを行ってきたとしても狙いはハイプレスショートカウンターではなくボールの即時奪回。
セレッソはボールを奪いに行く様な守備はしないので基本的にはボールを保持し、失った時には即時奪回を目指すが無理はしない。ダメなら5-4-1でブロックを作るという形を狙ってくる可能性が高いと思われる。

ただしセレッソとしてはこの即時奪回で仕掛けてくるときも狙い目。前節はその兆しが見えたぐらいで形をつくるまでには至らなかったが、右サイドでボールを動かしながら逆サイドの柿谷へボールを届けそこから一気にドリブルで運ぶという形を作りたい。この形を何度も作れるようであればかなり得点の可能性は高くなるだろう。

一方セレッソの守備面だが、前節22試合ぶりに前半に失点を喫しその要因となったのが家長に時間を与えてしまったことで柿谷の守備が不安視されている向きもあるが、失点場面は単純な連携ミスで前節の試合を通じて見ると十分対応できていたといえる。
これまで清武が全試合出場しており柿谷にとって久々の左SHだったことを考えると、そこまで不安に感じることもないし、おそらくこの2週間で丸橋との関係も良くなっているだろう。

前節の勝利で勝ち点40の大台に乗せ上位進出も見えてきているが、Partid a Partid(パルティード・ア・パルティード/スペイン語で1試合1試合)。まずはこの浦和戦で勝ち点3を奪いたい。

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