スタジアム | ブリーラム スタジアム | 主審 | ハミス アルマッリ |
入場者数 | 副審 | ラムザン アルナエミ、ヘイダー アブドゥルハサン アリ ウバイディー | |
天候 / 気温 / 湿度 | 晴れ / 29℃ / 80% | 第4の審判員 | アリ サバ アルカイシ |
メンバー
C大阪
傑志
- スターティングメンバー
- GK 86 パウロ セザール
- DF 2 ロー ツチュン58'
- DF 3 ダニ カンセラ
- DF 5 エリオ
- DF 6 パク ジュンヒョン
- DF 15 ロベルト82'
- MF 10 クレイトン
- MF 19 フアン ヤン82'
- MF 37 ラウル バエナ
- FW 8 マシュー オア66'
- FW 9 デヤン ダムヤノビッチ82'
- 控えメンバー
- GK 23 グオ ジエンチャオ
- DF 21 トン キンマン58'
- MF 14 ホー チュンティン82'
- MF 16 ナン チュウクパン
- MF 20 イチカワ ソウゴ
- MF 24 ジュー インジー
- MF 67 セバスチャン バドル82'
- MF 95 チャン シンイチ66'
- FW 28 チェン チンルン
- FW 88 アレックス アカンデ82'
- 監督
- レヴィー クルピ
- 監督
- チュー チークウォン
<監督コメント>
<選手コメント>
AFCチャンピオンズリーググループステージの2試合目、セレッソ大阪と香港リーグチャンピオン傑志と対戦は、先制を許すも2-1で逆転勝ち。2連勝となった。
■メンバー
セレッソ大阪のスターティングメンバーは前節から1人入れ替え。高木俊幸が外れ中島元彦が起用された。中島は前日会見のメンバーにも選ばれていたので期待の大きさがうかがい知れる。
また登録メンバー21人は前節から高木、鳥海晃司の2人が外れ、松本泰志、松田力がベンチ入りしている。
一方の傑志のスターティングメンバーは前節と全く同じ11人。前節のポートFC戦で勝利している傑志にとってはこの試合で勝ち点を奪うことができれば悲願のノックアウトステージ進出に大きく近づくということで、2試合続けてベストメンバーを起用してきたというところか。
エースのデヤン・ダムヤノヴィッチはこれまで中国や韓国でプレーしACL最多得点記録をもつ大ベテランで、対Jリーグチームの試合でも大活躍、鹿島から4点、浦和から2点、G大阪から1点と荒稼ぎ。対戦したJリーグチームで得点を許していないのは、FCソウル所属時代の2011年に2試合を戦ったベガルタ仙台のみである。(試合はいずれもFCソウルが勝利)
また2019年には水原三星でアダム・タガートとともにプレー。2トップを組むこともあったが、このシーズンはアダム・タガートが移籍1年目にして20得点の大活躍でKリーグ得点王を獲得。その影響も受け出場機会を徐々に減らし翌年には大邱FCに移籍。そして今年から香港の傑志でプレーしている。
■片上げ3バックを継続
リーグ戦第17節の仙台戦、天皇杯と3-1-4-2を使っていたセレッソだったが、ACLに入り前節はベースは4-2-3-1ながらもボール保持では左SBを上げる片上げ3バックを使ったセレッソ。
この試合でもキックオフ直後から右SBの松田陸が最終ラインに残り左SBの丸橋は前へ。そして右サイドの大外には坂元が入る左上げの片上げ3バックを使ってきた。
■セレッソのボール保持が停滞
しかし立ち上がりの5分ぐらいで傑志の布陣が4-1-4-1であること。さらには1トップの9番ダムヤノヴィッチはそれほど守備に参加しないことを確認したのか、5分を過ぎた頃から右サイドの松田陸も高い位置に出て行くようになる。
しかし結果的にはここからセレッソのボール保持がどんどん停滞していった。
停滞したのは傑志の守り方に理由があった。傑志は4-1-4-1なのだが、人への意識がかなり強い守り方をする。ほぼマンマークと言ってもいい。なので松田陸が高い位置を取ることで両SBが高い位置を取ることとなり、両SHが内側に入るという形になると、傑志のSHがセレッソのSBに、傑志のSBがセレッソのSHに。傑志のアンカーがセレッソのトップ下にとそれぞれのマッチアップがはっきりしてしまったのである。
さらにこの形で傑志は引いて守る。なので前半の途中から坂元も中島も清武もスペースがなくなってしまい、SBにも時間が与えられない。そして大外からクロスを入れたところで傑志の両CBは中央にいるので跳ね返すことができる。という状況になってしまったのだ。
前半の立ち上がりこそ坂元がドリブルでチャンスを作っていたが、途中から沈黙。中島もなかなかいい形でボールに絡めなくなったのはこの為だった。
この傑志の守り方は守備陣系の観点で見るとめちゃくちゃバランスが悪い。IH2枚はセレッソのCHに食いつき、SHはセレッソのSBに引っ張られている。さらにSBもセレッソのSHに引っ張られており、アンカーはトップ下の清武を見てるので他のエリアのカバーにも行きにくいという状態である。
なのでIHの裏/アンカー脇には広大なスペースがあるし、SBの外も空いてしまっている。
しかし、今のセレッソは全体でオーガナイズするというよりもピッチ内での個々の判断に任されており、そのピッチ内の個々はマッチアップがはっきりしてしまい捕まえられている状態。そのスペースを活用し相手を動かすというところまでにはなかなか持っていけなかった。
また18分の丸橋のフィードにタガートが抜け出した場面のように速いタイミングで裏を取れればチャンスになったりもしたが、傑志はすぐに引いてしまうのでそういう場面もほぼ作ることができなかった。
そして傑志の2CBは高さもあり、その2人がゴール前か動いていないので簡単なクロスは跳ね返される。ということでプレーの選択は中央に。
しかし中央は敵も味方もいっぱいいるので渋滞する。その結果引っかかってしまう場面も生まれ、徐々にそこからカウンターでボールを運ばれるという場面増えるようになっていた。
そんな時間帯に生まれたのが傑志の先制点。
起点となったのはカウンターではなくゴールキックからだったが、GKからのロングキックをダムヤノヴィッチが落とすと、2番のロー・ツチュンから縦に抜けるクレイトンへ。このクレイトンの抜け出しに対してチアゴはオフサイドを取ろうとするが逆サイドに松田陸が残っていたのでオフサイドは取れず。折り返しをダムヤノヴィッチが落ち着いて流し込み、38分にダムヤノヴィッチのACL通算最多得点記録を更新するゴールで傑志が先制に成功。セレッソとしては痛恨の失点となってしまった。
■ハーフスペース
先制を許してしまったセレッソだったが、この失点の少し前から少し攻撃に変化が見えていた。
セレッソは松田陸が前に出て坂元が内側に入るようになったと書いたが、それでもベースは片上げ3バックなのでスタートポジションとしては坂元は大外にいることが多い。そして傑志の守備は基本的に人に食いつくのがベースなので、このタイミングでは左SBのダニ・カンセラは外に出ている。しかし2CBは中。なのでCBと左SB間には大きなスペースができていることが頻繁にあった。
おそらくそこに最初に気がついたのが奥埜。奥野がCHの位置からCB-SB間に飛び出していくプレーを見せる様になる。
これをきっかけに徐々にセレッソはハーフスペースを狙う動きを見せ始める。
これで生まれた最大のチャンスが失点直前の飛び出した松田陸がダイレクトで折り返した場面だろう。クロスは少しずれてしまったが可能性のある攻撃だった。
しかしセレッソの攻撃はチーム全体で共有されているわけではないのでこういった攻撃もどうしても単発。失点後も何度かここを狙おうかという動きは見えたが、チャンスにまでは至らなかった。
■坂元を大外に固定
このCB-SB間の情報はハーフタイムで共有されたのだろう。後半に入ると坂元を大外レーンに固定。
なかなか崩し切るまでの形は作れなかったが、前半とは違った形を見せていた。
ここから両チームが選手交代を開始。まず最初に動いたのは傑志で58分に2番のロー・ツチュンに代えて21番のトン・キンマン、続いてセレッソが62分に中島に代えて大久保嘉人、そして傑志が66分にマシュー・オアに代えてチャン・シンイチを投入する。
傑志の交代は全て同じポジションでの入れ替え。セレッソは大久保の投入で清武が左SHに移動。大久保は2トップとも言えるが、いつも通りかなり自由に動くのでトップ下的なポジションにいることも多かった。
セレッソが傑志のゴールをこじ開けたのが69分。坂元が大外で左SBのダニ・カンセラと1対1の状況でボールを受けると、そこに傑志の左SHのチャン・シンイチもサポートに戻ってくる。その状況で坂元が必殺技で突破すると折り返しはGKが弾くが、そのこぼれ球をタガートが決めてゴール。セレッソが同点に追いつく。
そして奥埜はゴール前に入っており、坂元にボールを出した松田陸はCHのポジションに立っている。
またこのSHがサポートにきたタイミングでの必殺技だが、普通に考えれば2対1なので守備側が有利なのだが、おそらくこの状況だとSBはどうしても油断してしまうのだろう。山中を崩れ落ちさせた昨季の浦和戦の時も汰木がサポートに戻ってきたタイミングでの必殺技だったので、この場面にかなり近い。
そしてアダム・タガートは嬉しい加入後初ゴール。この後負傷交代するが、これをきっかけに得点の量産に期待したいところである。
さらに立て続けの71分。セレッソはチアゴのロングシュートがGKの手を弾きゴール。セレッソが一気に逆転に成功する。
チアゴのシュートが強烈だったのだが、少し前の61分にも同じような場所からチアゴが強烈なロングシュートを放っている。
この場面では坂元が内側に入っていたが、同じ形を狙い続けられ奥埜が前に出ることで傑志の左IHの37番ラウル・バエナはかなり後ろに下がるようになっていた。なので頻繁にチアゴの前に誰もいない状態ができていたのである。
その後セレッソは73分に負傷したタガートに代えて為田大貴、90分に清武に代えて藤田直之を投入。傑志は82分にロベルト、ファン・ヤン、デヤン・ダムヤノヴィッチに代えてセバスチャン・バドル、ホー・チュンティン、アレックス・アカンデの3枚替え。
良くも悪くもこのチームにはゲームコントロールという考え方はないので、その後少し攻め込まれる場面もあったがなんとか逃げ切り試合終了。セレッソが逆転勝利でグループステージ2連勝となった。
■その他
先制点を許しヒヤヒヤする展開となったがなんとか勝ち切った。試合を見たところ実力としてはJ1では厳しいレベルなので勝って当然の相手とも言えるが、情報も少なく短期決戦では何が起こるかわからない。そんな中で難しい展開となったが勝ち切ったのは評価できるのではないだろうか。
2試合目となった可変システムだが、形としてはマズマズである。51分に見せたカウンターケアなど松田陸が後ろに残ることでCB2人を助けることができる。昨季や一昨季も書いたが、CHがひっくり返されかけた時の松田のカウンターケアは本当に素晴らしいと思っている。
それでも攻撃が停滞する時間が長かったわけだが、これはシステム云々の問題ではないのでこのチームの性質上しょうがない部分でもあるだろう。本文中にも書いたが、チームとして共有するというやり方を取らないので、攻撃がハマらない場合(相手の守り方にハマってしまった場合)はどうしてもこうなりやすい。そんな中でもこうして勝ち切ったことは良かった。こういう試合をどれだけ勝ちに結びつけられるか。というところだろう。
また以前にも書いたが、終盤の攻め込まれる場面も同じ。ゲームをコントロールするという考え方自体がほぼないので、追加点を奪って試合を決める、もしくはなんとか守り切るという試合をどれだけ増やすことができるかということだろう。
これで2位のチームとの直接対決を制したので単独首位。実力的には十分1位抜けできるグループなので、このままグループステージ突破まで走り抜けて欲しい。
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