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Lineups
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スターティングメンバー |
ACLグループステージ2節は中国スーパーリーグでACL覇者でもある広州恒大に次いで2位の成績を残した山東魯能をホームに迎えての対戦。
2週間前にはACL開幕戦、先週は国際Aマッチデーがあったので代表選手にとっては3週続けてのミッドウィークの試合というハードスケジュールとなる。
この山東魯能は2011年のACLでも同グループとなっており、その際は2節のアウェイではCKとロングボールの高さでやられて2-0の敗戦、一方勝ち抜けがかかったグループ最終戦となったホームでは先制しそこから前掛かりになる山東魯能をカウンターで効果的に追加点をあげ4-0の快勝となっています。
ただ、当時と今とは中国チームのサッカーにかけるお金が桁違いに増えているんですよね。。
セレッソのメンバーは、試合前日にポポビッチがターンオーバーを示唆したとの報道がありましたが、代わっていたのは体調不良の影響から徳島戦でも体のキレがなかった柿谷がベンチスタートになって杉本がスタメンに入っていたぐらい。
徳島戦は酒本の体調不良で新井場が入っていた右SBは、回復したという事で酒本が戻っていた。
このメンバーだと長谷川をトップ下、杉本が右SHに入る4-2-3-1の可能性もありましたが、前線にフォルランと杉本が並ぶ4-4-2となっていました。
アトレチコミネイロでリベルタドーレスをとったクーカ監督率いる山東魯能は、元CSKAでセレソンでも26キャップを持ってるヴァグネルラヴ、サントスで10番を背負いアルゼンチン代表としても3キャップを持っているモンティージョ、サンパウロ・フィゲイレンセで活躍していたアロイージオの3大看板がスタメンで、ヴァグネル・ラヴとアロイージオの2トップで左SHにモンティージョが入る4-4-2となっていました。
■試合結果
山東魯能は守備では4-4-2でセットし中盤の左サイドにモンティージョが入っているものの、基本的には清々しいまでの前線の外国人3人頼みのサッカーで、他の中国人が頑張るから攻撃はその3人のクオリティで何とかしてくれという形でした。
そして試合は、立ち上がり5分のセットプレーでリードされ、後はヴァグネル・ラヴの変態プレー2点で1-3での敗戦。
そのセットプレーはあきらかにオフサイドでしたし、ヴァグネル・ラヴの2点は1点目がカチャル、2点めは山下が、ゴールに背を向けた状態でマッチアップしながらも尋常ではない体の強さとキープ力で反転され決められたゴールでしたので、もうどうこう言えるレベルではありませんでした。
まあ強いて言えば、次にやった時はあの形でも反転して狙ってくるからもっと速くにボランチと挟みこむようにしましょうということぐらいです。
あとセットプレーでの1点目についてですが、このシーンは最終的にはあきらかにオフサイドで誤審なのですが、途中のプレーで昨シーズン終盤の鹿島戦同様オフサイドルールの新解釈に関連する内容があったので少しだけ。
あのシーン、山東のキッカーが蹴った時点で3人ぐらいの選手がオフサイドポジションにいました。大外で折り返した選手は後ろから出てきた選手だったのでオフサイドではありませんでしたが、蹴った時点でオフサイドだった3人ほどの選手がセレッソの守備陣に干渉しているのでオフサイドルールの新解釈前では蹴った時点でオフサイドの判定されるべきシーンでしたが、そのキックのボールに対して杉本がニアでクリアしていますのでオフサイドルールの新解釈「相手競技者が意図的にプレーした(意図的なセーブは除く)ボールを、既にオフサイドポジションにいる競技者が受けたとしても、その位置にいることによって利益を得たとは判断しない。 」により、元々オフサイドポジションにいた3人の選手はオフサイドにはなりません。
ただ、山東の選手が折り返した時に折り返した選手とゴールラインの間にはキムジンヒョンしかおらず、その場合はボールの位置がオフサイドラインとなりますのであきらかにボールよりも前にいたアロイージオはオフサイドだったという事ですね。
まあその後にヴァグネル・ラヴの強烈な2点があったのでこのゴールがなければ結果が大きく変わったという訳ではありませんが試合の流れには多少影響はあっただろうということで。
という事で、今回はもうどうしようもない失点で負けてしまったというゲームだったので、いつもと趣向を変えこの試合から見えた現在のセレッソ、ポポビッチのチームを考えていこうと思います。
■ビルドアップの基本の形
ビルドアップの形 |
昨シーズンまでのクルピの時もボランチの1枚が下がってビルドアップを始める事も多かったけど、違うのは昨シーズンまでは扇原が最終ラインにさがる事が多かったけど、今シーズンは半々もしくは半々よりも少し多いぐらいで山口がCBの間に下がって来る事が多くなっています。
また昨シーズンまでの扇原はCBの間だけでなくより左サイドに下りてくるプレーを頻繁に見せていましたが、今シーズンそれは少しだけでほとんどの場合でCBの間になっています。
そしてもう1枚のボランチは相手FWとMFの間にポジションを取る。
もちろん相手の守備がどこまでどういう形で追ってくるかにもよってボランチが下がったり下がらなかったりはするのですが、基本的には3枚になったこの最終ラインともう1枚のボランチが相手FWとMFの間にポジショニングするという形はポポビッチから明確に指示があるんだと思われます。
なのでこの日も当然この形でボールを持ち攻めようとしてきます。
後ろをこの形にして狙っているのは2トップの守備を外す事と、相手のボランチを動かす事なんだと思いますが、カチャルと山下のCBコンビもこの試合で2試合目という事もあって、徳島戦よりもこの2人の関係がよくなっていましたし、時折カチャルがボールを運ぶというプレーも見せていました。
■攻撃のスイッチ
クサビのパス |
前節の徳島戦では下がってきたSHにと違う書き方をしましたが、もっとわかりやすく書くと「CBとボランチで外したボールは次に相手ゴールに背を向けた状態で下がってきたSHにクサビのパスを入れる」という事で、これはおそらくポポビッチの求めている約束事です。
これが約束事だということはポポビッチが率いていた昨シーズンまでのFC東京を振り返るとわかりやすいのですが、昨シーズンまでのFC東京は4-2-3-1でワントップに渡邉千真、トップ下に東で左右の両SHは長谷川とルーカスでした。
そしてその時のFC東京の攻撃の形もCBとボランチで外したボールを長谷川とルーカスへのクサビのパスが攻撃のスイッチになっており、このボールに対してボランチやトップ下、FWのの選手が近づいていってクサビの落としやワンツーを使って攻め込んでいく。これが基本線になっていました。
ちなみに、昨シーズン2回目の対戦となったアウェイの試合では長谷川がトップ下でルーカスと東がSHを務めていたり、またその試合の途中で石川を右SHに入れて長谷川をボランチに回したので中央でプレーしている印象が強いかも知れませんが、これは色々な流れで変わっていった結果でありシーズンを通してみれば、スタートポジションの1/2はSH、残りの1/4ずつでトップ下とボランチになっています。
今シーズンのセレッソでも長谷川は同じような動きをみせているので、おそらく同じ考え方なのでしょう。
また後半に南野と柿谷が交代した後、フォルランと杉本がポジションチェンジしフォルランが左SHに入った時にフォルランもここでクサビを受けるプレーを見せていました。
■南野から柿谷への交代
ハーフタイム〜 |
柿谷が入ってからの形はGKなど長いボールを蹴るときに引き続き杉本がターゲットになるためかなり流動的でしたが、しっかりボールを持った時の形としてはフォルランと柿谷の2トップで杉本が左SHに入っていました。
後半の形 |
■クサビのパス
という事でポポビッチのサッカーになって頻度が増えたSHへのクサビのパス。
イメージとしてはSHが相手を背負ってボールを受けるので、そこにボールを当ててワンツーや、近づいた選手に展開して攻撃をスピードアップさせ相手の守備を攻略して行こうという感じなんでしょう。
なのでそれができる長谷川であったり、柿谷を投入する為に下げるのは相手を背負える長谷川や杉本ではなく、南野という事だったんじゃないかなと思います。
前半の中盤あたりから南野が相手を外して裏をねらったりするプレーが増えて来たのも影響していたのかもしれません。ポポビッチとしては人数かけて攻撃する為にはまずそこでポストで受けてくれと。
山口が話している「去年は自由にやっていたが、ポポビッチには規律やパターンがある」と言っているのはこの辺りを指しているのではないかと思われます。
ただ、この攻撃の形は現時点ではあまり機能していません。
元々少ないタッチ数でボールを回すプレーも多いチームでしたし、去年もシンプリシオのドリブルからワンツーを使っての中央突破の形があったので上手くハマれば面白い形を作れそうですが、今のところ縦に速い攻撃を見せる事があまりないので先に相手の守備が整ってしまう事が多く、また特にこの試合の様に前半の早い時間帯で失点してしまったりすると守備の時にしっかり人数をかけて守られる様になるので、攻撃を加速するような形を作れなかったり、ムリしてボールを入れても出来上がっている相手の守備ブロックにただ突っ込んで行くだけという状況になりどうしてもパスが引っかかったり、ミスが増えたりしてしまっています。
そして、その影響を大きく受けているのはおそらく扇原。
長短のパスを高い精度で蹴る事ができて縦パスを付けれるという事で、彼をできるだけピッチの真ん中でプレーをさせたいと思っているんだと思いますが、これまでは丸橋やCBが空けてくれたスペースに入ってプレーしていたのと異なりピッチの真ん中はよりプレッシャーをかけられやすい場所になっています。
さらにこれまではプレッシャーがかかりにくい場所から味方が相手を外したタイミングを見計らって勝負のパスを入れるという形でしたが、今取り組んでいるのは厳しい場所で相手を背負っていてもとりあえずSHにクサビを入れるというという形なので戸惑いがあるのでしょう。
■柿谷とフォルラン
この試合で少しずつよくなりそうな雰囲気を感じたのは、後半柿谷が投入されてから。
ミッチニコルスや楠神が入ってからは0-3になって山東もペースを落としていたし、セレッソも個人技や運動量でなんとかしてくれって感じになってしまいましたが、ヴァグネルラヴの個人技で3点目を取られるまでの間は、フォルランが相手を外して中盤でボールを受けるプレーをみせて前半よりも良くなっていました。
そしてこのプレーと同じ様なプレーは広島戦の後半に柿谷が見せ、そこではかなり効果的な攻撃ができていました。
なのでとりあえずはこのあたりかなと思います。
柿谷が下がるという事は裏を狙うプレーが減ってしまうという事ですし、マークを外して動き出すフォルランを中盤の組み立てに使ってしまうのはちょっと勿体ない気もしますが、今のところ攻撃の形が機能しているとはとてもいえない状態なので、キャプテンが今は監督が求めている事をやって行く時期だと考えているのならば、先ずは柿谷とフォルランで中盤の組み立てを助ける事で攻撃の形を作っていく様になるでしょうか。
という事で今回は実際この試合で起こっていた事をいつもの試合のレビューとは違う形で書きました。
これまでと同じ様に流動的なサッカーを目指しているんでしょうけど、そのやり方が少し違うなあと感じていたので。
ポポビッチが求めているパターンとキャプテンが自由と表現したこれまでの様なポジションを動かしながらタイミングよく相手を外してボールを入れる形が上手く共存できればよいのでしょうね。
きびしい試合が続きますね。
返信削除クサビのプレーというのはどうしても時間が掛かって早く前にボールを運ぶという意味ではマイナスですもんね。
やっぱり真ん中に1人要るのかなぁ?
早くポポの戦術と選手が融合してほしいです。
それよりも、ACLを見てて思ったのですが、もう少し、選手たちも審判の判定基準を理解して審判を味方につける。個別の審判のファール基準を理解する。と言うような事をしても良いのではないかと思います。
ラグビーなんかではいちいち審判に抗議してたのでは試合が進みませんし、すぐに退場になってしまいます。ですからその審判の傾向を見抜き理解し、プレーする事が多いように聞いたりもします。
国際試合については色々な国の審判がジャッジするわけですから、そう言うところでも不利にならないようプレーする事が必要になるのかな。って思います。
特にアジアで試合をする時は。