2014年3月10日月曜日

3/8 Jリーグ第2節 VS 徳島ヴォルティス @ 鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム

徳島ヴォルティス00前半22セレッソ大阪
0後半0
延長前半
延長後半
PK戦
スターティングメンバー
徳島ヴォルティスセレッソ大阪
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
松井 謙弥1GK00GK21キム ジンヒョン
小暮 大器23DF00DF7新井場 徹
橋内 優也26DF01DF14丸橋 祐介
千代反田 充5DF10DF23山下 達也
アレックス3DF00DF30ゴイコ カチャル
濱田 武14MF00MF2扇原 貴宏
斉藤 大介16MF02MF5長谷川 アーリアジャスール
衛藤 裕17MF01MF6山口 蛍
大﨑 淳矢20MF12MF13南野 拓実
ドウグラス9FW20FW8柿谷 曜一朗
津田 知宏11FW10FW20杉本 健勇
長谷川 徹31GKGK1武田 博行
福元 洋平2DF0DF3染谷 悠太
那須川 将大24DF0DF16安藤 淳
青山 隼8MF0MF11楠神 順平
佐々木 一輝25FW0FW9永井 龍
高崎 寛之13FW2FW10フォルラン
クレイトン ドミンゲス10FW0FW18ミッチ ニコルス
5シュート8
5GK8
4CK2
18直接FK12
5間接FK1
5オフサイド1
0PK0
徳島ヴォルティスセレッソ大阪
得点山口(10')
オウンゴール(13')
小暮→福元(HT46')
衛藤→那須川(69')
津田→クレイトン ドミンゲス(79')
交代南野→フォルラン(64')
柿谷→楠神(74')
杉本→永井(89')
福元(79')警告扇原(26')
山口(49')
退場
開幕戦で敗れ連敗は避けたいセレッソの2節は四国初のJ1チームとなった徳島ヴォルティスのホーム開幕戦。
セレッソで期待されながらも居場所を失い2年半過ごした鳴門に、8番を背負い正真正銘のエースとなり日本代表入りも果たした柿谷が凱旋する。

セレッソのメンバーですが、この試合に向けては色々な事がありました。
まずこの試合の前ミッドウィークは国際Aマッチデーという事で、柿谷・山口が日本代表、フォルランがウルグアイ代表、キムジンヒョンが韓国代表に選出。
日本代表は国内での試合でしたが、ウルグアイ代表・韓国代表はヨーロッパでの試合となるので共にチーム合流は試合前日になるという厳しいスケジュールという状況でした。
そんな中、柿谷は体調不良で代表を辞退、山口は前半45分間プレー、キムジンヒョンは出場なし、フォルランは前半45分間プレー。
ということで山口とキムジンヒョンは問題なくスタメンで、柿谷もなんとかスタメン、フォルランはベンチスタートで、代わりに杉本。
さらには柿谷同様体調不良となった酒本は試合の前々日から全体練習に合流したもののベンチ外となり代わりに新井場。
また火曜日の練習で藤本が負傷し全治4週間という事で、カチャルがCBで初のスタメンとなった。
そして、同じくフォルランがベンチスタートで杉本がスタメンだったACL浦項戦では長谷川がトップ下、杉本が右SHに入る4-2-3-1でしたが、この日は柿谷と杉本が横並びになる4-4-2の布陣となっていた。

一方の徳島は、J1初戦のアウェー鳥栖戦を5-0と惨敗を喫しましたが、開幕戦を体調不良で休んでいた松井、斉藤、花井が練習に復帰し、松井と斉藤はスタメンに。
開幕戦同様こちらも4-4-2の布陣で、2トップは開幕戦同様津田とドウグラス。柏のレアンドロドミンゲスの弟クレイトンドミンゲスはベンチスタートとなっている。

■マッチアップ
マッチアップ
徳島はミスマッチを作って攻めてくるというチームではないですが、セレッソが4-4-2だったので4-4-2同士でマッチアップが噛み合ったのいわゆるミラーゲームという形になる。
マッチアップが噛み合っているって事は、攻撃の時に目の前の相手を外す事ができれば、守備の時に目の前の相手を抑えこむ事ができれば圧倒的に有利な状況を作る事ができる。そして客観的にセレッソと徳島を比較するとほとんど全てのポジションで個の能力が上回っているのはセレッソの方。ということで徳島は、守り方・攻め方をより工夫する必要があるわけです。

■徳島の立ち上がり
J1初戦となる開幕戦で5-0の大敗を喫した徳島。
その開幕戦では、1stプレーでキックオフのボールをボランチに戻してそこからサイドを縦に走らせるボールを蹴るという選択をとりましたが、まずボランチに戻した所でそこにいきなりプレッシャーをかけられて慌てて蹴った為にそのボールはそのままタッチラインを割ってしまいました。
そしてそれで得た鳥栖のスローインからガンガン長いボールを蹴られて押し込まれるのでセカンドボールも拾えない。なんとかマイボールにしてボールを運ぼうとしても高い位置からガンガンハイプレスをかけられてという展開になってしまいました。
おそらく前半はほとんどの選手がもはや訳の分からない状態になってしまっていたと思います。
そして前半を2-0で終えなんとか持ちなおそうとした後半の立ち上がり。わずか16秒で試合を決定づける3点目を決められてしまい、最終的には5-0という大敗になってしまいました。
その試合を経て迎えたホーム開幕戦でしたので、この試合はまず徳島の立ち上がりに注目をしていました。
この試合では、キックオフのボールをボランチでは無く相手から距離のあるCBに直接戻しました。そしてプレッシャーをかけられる前にSBに横パス。そこからSBは縦に蹴る事になってそのボールは結果的にタッチラインを割ってしまうのですが、開幕戦とは異なりテンパった中いきなりミスをしたわけでも無く、スローインの時に全体のブロックを作るという準備もできていたので、徳島はひとまず悪くない形で試合に入る事ができていました。

■徳島の守備の狙い
4-4-2でセットする守備
という事で試合に入る事ができた徳島。守備は自陣で4-4-2の形にセットします。
そして2トップの守備のスタート位置はCBを捨ててボランチから。セレッソの攻撃の起点はボランチが担っているのでそこは自由にさせないようにします。
そういう状態になるとセレッソはSBが絡んでくるのですが、徳島はセレッソのSBにボールが入ればSHが必ずプレッシャーをかけにいく形になっていました。
ボランチは2トップで捕まえる
セレッソのCBはフリーなんですが、その前は4-4-2のブロックになっているのでなかなか縦にはボールがつけにくい。となるとボランチがCBに近付いてボールを受けに行くプレーを見せ始め、例えばCBの前で山口と扇原が縦関係になったりしますが、その時も徳島の2トップはボランチを離しませんでした。
最終ラインに入れば追わない
となるとこの2トップはどこまで捕まえにくるんだ?という事で扇原がCBの間に入って3バックの状態を作り始めます。
もしこれで2トップが出てくれば3対2の数的有利なので相手の2トップを外せます。
しかし、徳島の2トップは最終ラインに入ればそこは放置。で、1枚残ったボランチを受渡しながら、もう1枚で前にでてきたCBとボランチのもう1枚に対して自由にさせないようにプレッシャーをかけようという姿勢がみられました。

■セレッソが先制から
2トップの守備について最後姿勢が見られましたという言い方をしたのは、スグにそうでなくなったからです。
SHがボランチの横に下がってくる
徳島の守備に対してセレッソはSHがボランチの横に下がってきてSBが上がるという形を見せ始めます。
これは今年もこれまでの試合で何度か見せている形ですが、SBとボランチの間にSHが下がってくるともともとそのSHを見ていたSBはそこまで追いかけてくる事はできないのでどちらかはSBとSHのどちらかはフリーになりやすくなります。

セレッソはこの形でボールを運んだ形から山口が倒されてゴール前でFKを獲得。
そのFKを山口が素晴らしいコースに直接決めてセレッソが10分に先制します。
ちなみにこのゴールがセレッソのJ1通算800得点目の記録となりました。

そしてその直後には、扇原からのロングカウンターの形で裏に抜ける南野へ。
南野はマッチアップしてる小暮を振りきってシュートを放つもカバーに入ってた千代反田がなんとかブロック。しかしそれで得たスローインから丸橋が小暮をかわしてDFラインとGKの間に上げた鋭いクロスを千代反田がオウンゴールとなり13分にセレッソが0-2とリードを広げます。

13分の時点で0-2となった事で徳島は先制されるまでの10分間で見せていた守備が影を潜めます。
2点ビハインドになったということで、チームとしての指示だったのか、それとも選手個々が焦ってしまったからなのか、その辺はよくわかりませんが、2トップはCBにもプレッシャーをかけにいき、SHはSB、ボランチはボランチにと守備が全体的に前がかりになりマッチアップの図の様な形でそれぞれが捕まえに行く様になっていきます。
一番最初にかいたようにそうなるとものを言ってくるのは選手個々の能力。
セレッソは徳島のプレッシャーよりも早くボールを動かして、1対1なら杉本も問題なく前線でボールを収める事ができるのでどんどんボールを運べる様になり徳島を押し込み始めます。
そして押し込むことができるようになると、深い位置でボールを奪われてもセレッソのボランチが徳島のボランチを敵陣でつかまえるようになり、徳島はボランチから前にボールを運べない状態になっていきます。
徳島は速いタイミングで2トップに長いボールを入れようとしてくるのですが、セレッソの攻守の切り替えの方が徳島のそれよりも完全に速くいい形で前線にボールを入れれない
そしてそういう形でのボールだと折角2トップにボールを入れようとしても、山下とカチャルのコンビが完全にシャッタアウトするという展開になっていきます。
セレッソも2-0なので少しペースダウンしていたところもありましたが、いつ3点目が決まってもおかしく無い、徳島にとって厳しい状態で前半は進んで行きました。

■徳島の修正
ハーフタイム〜
徳島はハーフタイムで小暮を下げて福元をそのまま右SBに投入。
ここのサイドの攻防は、南野が小暮がついていけない場所まで下がって自分のマッチアップ相手を見失った所で後ろから丸橋が飛び出してくるという状況だったので、正直徳島の守備の穴になっていました。なのでスピードや攻撃面では小暮よりも劣りますが、CBが本職なので場所をしっかり守れる福元をサイドに置いてスペースを消すという対応をしてきたという事でしょう。
守備の基本陣形
そしてチーム全体でも2点ビハインドになり深追いしてしまっていた守備を止め、再び2トップはボランチの前からという形に戻します。
ブロックを押し上げる
ここからの形はちょっと違っていて、最初にCBだけでボールを持っている時は放置しているのですが、一旦ボランチやSBなどに当ててからのバックパスになれば2トップはCBまでプレッシャーをかけに行き、そしてその時に全体が連動してブロックを上げて徳島のボランチがセレッソのボランチのところにまで寄せるようになります。
ボランチが前に出て守る
それならって事でセレッソは前半同様CBの間にボランチを落として3バックにしますが、その時は前半同様に2トップは追わない。じゃあって事でセレッソももう1枚のボランチとSHがボランチの横に下りてボールを受けようとすると、先ほど同様そのスペースに入ってくる選手に対しては徳島のボランチがしっかり寄せて簡単にボールを受けさせないようにしてきます。
前半はこの形になった時に丸橋と南野の関係で左サイドを崩しにかかっていたのですが、後半はそのスペースは福元がカバーしている。
ということでセレッソはボールがあまり運べなくなりました。
セレッソとしては展開的にも0-2なのでカウンターでOKという計算もあったのでしょう。
ただ、そうなると前半に比べて2トップが前線で孤立してしまう事が多くなっていきました。

また、もう1つ前半の徳島を苦しめていたのはセレッソの素早い攻守の切り替えからボランチがボランチに潰されていたという形。
セレッソのSHが引いてボールを受けに来るけどボールは運べない、2トップは前で孤立、という状況になると当然ボールを失った時にはセレッソのボランチがまだ後方にいるのでとてもじゃないけどそこまでプレッシャーをかけに行けなくなります。
そうなると徳島のボランチも楽にボールを受けられるようになる。
で、そこからドウグラスの頭目掛けて長いボールを使ったり、サイドに展開して今度は徳島がボールを運べるようになりました。

ただ、57分にはCKから千代反田の決定機はあったものの、徳島もセレッソを崩しきる形まではつくれなかったんですよね。
64分〜
セレッソは64分に南野に代えて前線に起点をつくろうとフォルランを投入。
69分〜
徳島は、ドウグラスの頭なら勝負できると踏んだのか69分に衛藤に代えて那須川を左SBに入れてアレックスを1列前に。
たしかにドウグラスは競り勝っていましたし、1度カチャルがサイドに釣り出されて中でドウグラスと丸橋がマッチアップする状況を作られてヘディングシュートを打たれる場面はありましたが、試合を通じておそらく徳島の決定機は先程のCKから千代反田とこのドウグラスのヘディングの2つぐらいだったかと思います。
79分〜
その後、セレッソは74分に体調不良の影響からか動きの重かった柿谷に代えて楠神を投入。
徳島は前線で変化を作れるクレイトンドミンゲスを投入しますが、試合が大きく動くこと無く、89分には後半は孤立して前線でボールを収められてなかった杉本に代えて永井を投入するもそのまま試合終了。
0-2でセレッソが勝利しました。

■セレッソの課題
やはり体調不良の影響からか、柿谷が試合を通じてらしいプレーを見せることができませんでしたが、前半はそれなりにボールを運んでできていました。しかし後半は前線が孤立し、ほとんど形をつくれませんでした。
ACLも含めてのここまで3試合で課題も見えてきました。
現時点で物足りないのはビルドアップ。
相手の前線の枚数ややり方に合わせてCBやボランチで人数を調整する方法を持っています。
ですがボランチのところからは全くで、あるのはSHがボランチの横に下りて来てSBをあげるという形だけ。なので今回の徳島戦の後半や、広島戦前半の相手が3-4-3でSBを押さえに来た時や、ポハン戦後半の相手がSBの裏に長いボールを入れてSBを押し込みだした時の様にそこを押さえられてしまうと全くボールが運べなくなります。
特にこれは4-4-2の時に顕著に現れ、ボランチの横に両SHが下りてくるので相手が4-4-2で作るブロックの4-4の前に下手したら最終ラインの4枚と中盤の4枚の8人がいる状態になってしまってて、そんな状態ではさすがに2トップにパスも付けられないので相手のブロックの外でボールを回してるだけの状態になってしまっている事もあります。
改善のヒントはポハン戦の前半と広島戦の後半立ち上がり。
ポハン戦では4-2-3-1で長谷川がトップ下にいたので、そこで一旦ボールを受ける事で相手のMFの4を動かす事ができたし、手前がある事でDFラインの裏を狙う柿谷も活きました。
広島戦の後半は柿谷が中盤で一旦ボールを受ける事でボールを運ぶ事ができるようになりました。
なのでとりあえずは相手のブロックの間に入ってボールを受けるプレーがもっと必要かなと思います。4-4-2でも両方のSHがボランチの横に同時に下りてくる必要はないんですから。
ただ、根本的な解決策は誰がどこを受け持つかをもっとハッキリさせることかなとも思います。
攻撃面でCBの仕事である2トップを剥がす仕事はもっとCBを使う。ボランチも同様。セレッソのボランチ2枚は最終ラインとボランチのポジションを行き来しながらサイドに逃げたりしてシステムを動かす事で相手を外すプレーもこれまで行ってきたので、そうなればSHは下がってくるだけでなく中央に入って行って、SBを上げてって形がつくれるんじゃないかなと思います。
まだもうちょっと時間はかかりそうですね。。

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