2014年3月31日月曜日

3/29 Jリーグ第5節 VS アルビレックス新潟 @ キンチョウスタジアム

セレッソ大阪00前半00アルビレックス新潟
0後半0
延長前半
延長後半
PK戦
スターティングメンバー
セレッソ大阪アルビレックス新潟
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
キム ジンヒョン21GK00GK21守田 達弥
丸橋 祐介14DF00DF27松原 健
酒本 憲幸17DF10DF4舞行龍ジェームズ
山下 達也23DF10DF3大井 健太郎
ゴイコ カチャル30DF02DF19金 珍洙
長谷川 アーリアジャスール5MF03MF8レオ シルバ
山口 蛍6MF01MF18成岡 翔
南野 拓実13MF30MF10田中 亜土夢
杉本 健勇20MF14MF16岡本 英也
柿谷 曜一朗8FW10FW28鈴木 武蔵
フォルラン10FW12FW20川又 堅碁
武田 博行1GKGK1黒河 貴矢
染谷 悠太3DFDF2大野 和成
新井場 徹7DFDF24川口 尚紀
扇原 貴宏2MF00MF25小泉 慶
楠神 順平11MF0MF13加藤 大
ミッチ ニコルス18MFMF11ホージェル ガウーショ
永井 龍9FW1FW9田中 達也
8シュート13
14GK11
7CK6
9直接FK16
0間接FK0
0オフサイド0
0PK0
セレッソ大阪アルビレックス新潟
得点
フォルラン→扇原(68')
長谷川→楠神(80')
交代田中→小泉(60')
鈴木→田中(67')
南野(90'+3)警告
退場
キンチョウスタジアムの開幕戦となる第5節アルビレックス新潟戦。
セレッソは開幕戦こそ敗れたもののそこから3連勝して現在2位、一方の新潟は2節でガンバに敗れ3節に甲府に引き分けて2勝1分1敗の6位。
ただどちらもチームとしてはまだこれからという感じ。

セレッソのメンバーは、前節鹿島戦から控えGKの丹野が武田に変わっているだけで他は全く同じ。

一方の新潟は、スターティングメンバーは前節と全く同じ。前節鳥栖戦がプロ初スタメンだった鈴木武蔵が引き続きスタメンに入り、先発の予想もあった田中達也はベンチスタートとなっている。

■新潟のセレッソ対策
28日のスポニチの記事で柳下監督が、
 それよりも「いいのは両サイド。南野、杉本は動く量が多いし、スピード感がある」と話し「どっちが攻撃の時間が長くできるか、(サイドから)ビッグチャンスは生まれる」
 C大阪は、これまで4試合で2失点と守備も堅い。指揮官は「一人一人は強い。だが、守り方にスペースができる。そこをうまく突いていけるかどうか」
と語っています。

そしてまた別の記事ではボールを持つ時間を増やしたいと語っていました。

試合後の会見で試合内容を評価していた様に、新潟としてはこの狙いがある程度上手くいった試合だったと思います。
そこで、この試合では新潟がセレッソのどういうところに対して何をしようとしたか、またセレッソはどういう対応だったかにポイントを置いて書いていこうと思います。

■新潟の攻撃と守備の基本陣形
4-2-2-2になる攻撃
新潟は攻撃の時に田中亜土夢と岡本の両サイドが中央に入ってくる4-2-2-2になります。
なので攻撃の横幅を作るのはSB、SBが上がってこないと中央で人だけが密集してしまう事になります。
4-4-2になる守備
一方守備は4-4-2でセット。
全体のブロックを高く保ちプレッシングをかけてくるんですが、2トップはCBにまで深追いする事は稀ですが、CBのプレー、ドリブルでボールを持ち出したりボランチにパスを入れようとするプレーには制限をかけてきます。

■新潟の狙いとその展開
セレッソの攻撃
試合の立ち上がりはセレッソがペースを握ります。
新潟は攻撃の時に4-2-2-2になっているということは、セレッソがボールを奪った時、セレッソの攻撃がスタートした時も4-2-2-2になっているという事です。
ここでセレッソはSBを使いながら、フォルランや柿谷の中央に早めにボールをいれ、この2人が近い距離を保ちボールを収める事で飛び出していく両サイドを裏のスペースに飛び出させたり、またSBから前線に出て行くSHにボールを入れそこでボールを収めてポイントを作る事で攻撃の形をつくっていました。
前線でボールを収める事ができるとボランチが上がる時間を作ることもできるので、そうなると攻撃にも厚みを持たせる事もできていました。

しかし、前半20分すぎ頃から試合は新潟ペースになっていきます。

昨シーズンのセレッソの躍進を支えたのは失点数リーグ3位の守備力でした。
そして今シーズン、監督が代わったのでどうなるかと心配されましたが、この試合でまだ5試合ながら失点2はリーグ1位です。
というのもポポヴィッチは昨シーズンまでの守備の方法をほとんど変えていないようで、セレッソの守備は4-4-1-1。これは去年4-2-3-1になってからと同じ形で、特徴的なのはマッチアップ相手を早めにしっかり捕まえる事。SHも相手のSBが上がってきたらしっかり守備に戻る形になっています。
新潟の攻撃とセレッソの守備
それを踏まえて新潟ですが、新潟は4-2-2-2。2列目の田中亜土夢と岡本は中央に入ってきます。
となると新潟の2列目に対応するセレッソの両SBは中央に絞る。
そして両サイドの空けたスペースにはSBをオーバーラップさせるとセレッソのSHもSBについて下がっていく。
となるとボランチの両サイドにスペースができる訳です。
そしてそれに対応するためにはボランチが動かされてさらにスペースを作ってしまうし、またセレッソはトップ下の柿谷が守備に戻る事になり、新潟がセレッソを押し込む形になっていきます。
新潟の守備
新潟が攻撃の時にセレッソを押し込む様になれば守備の形も一段と機能していきます。
セレッソの両SHが押し込まれる事で攻撃の時に出て行くには時間がかかる。
となれば前線でポイントを作ってサイドが上がる時間を作ることができればいいんでしょうけど、柿谷までが下がって守備をしているのでフォルランが前線で孤立してしまう事になりました。

ここで冒頭に書いた柳下監督の言っていたポイントに戻ると、
語っていたのは
・サイド
・守備の時に出来るスペース
・ポゼッション
の3つ
この3つは全て連動していて、守備にも攻撃にも機能させるためには、ボールを持つことでSHを押しこみボランチの両サイドに出来たスペースを使いたい。
という事だと考えられます。

その結果、セレッソのSHの攻撃のスタート地点が自陣深くになり、中央ではなかなかポイントが作れない、なので新潟の狙い通りセレッソの攻撃は時間の経過と共に厳しい内容になっていきました。
さらにここまで書いた以外で、セレッソにとって厄介だったのは攻撃でボランチをなかなか使えなかった事。
新潟の2列目は中央に絞っているボールを奪った時にセレッソのボランチの近くには2トップ、2列目がいて、さらに柿谷も下がって守備をしていたので新潟のボランチまでもいるという状態。2トップの守備がまだルーズならCBが動くことでこの密集を動かす事ができるんですけど2トップの守備への切り替えが速いのでそれもできず、また序盤の様にSBを使って素早くボールを動かしたいんだけどSBにはボールサイドの2列目の選手が素早く寄せるし、さらに相手ボランチもにはレオシルバというスーパーな選手がいるのでこの中央のボランチのところは完全に窒息させられてしまいました。
なので、セレッソの攻撃のほとんどがSBからSHへの縦への形になってしまい、バリエーションが少ないとなると新潟も十分対応できるという流れになっていました。

ただ、セレッソは攻撃のスタートがSBからSHへの縦だけだとしても個の力でボールを運ぶ事ができると、縦に速く人数が少なかったとしても何度かチャンスはつくっていました。
そして新潟も決定的なチャンスは1,2度程度で、セレッソの決定機も同じぐらいあったので実はそんなに新潟のゲームって訳でもなかったんですよね。
新潟はセレッソを押し込める事で守備面では成果をあげていましたが、攻撃面ではそこからどうやって崩すのかという段階にはまだ達していないようでした。

■交代策
68分〜
新潟は60分にCKのシーンの際にセレッソにカウンターをされる原因となった軽いプレーを見せた田中亜土夢に代えて小泉を、さらに67分には鈴木武蔵に代えて田中達也を投入。
セレッソも68分に前節の鹿島戦よりも動きの良くなかったフォルランに代えて扇原を投入。
柿谷をワントップに置いて押し込まれても一発で勝負できる状態に。
80分〜
セレッソは80分に足が止まってきていた長谷川に代えて楠神を左サイドに投入し、南野とトップ下に回してよりゴールに近い位置に置くも、この日は急に暑くなった影響もあってかどちらもミス絡みでチャンスはつくったもののそのまま試合終了
0-0で引分けとなった。

■その他
両チームのチャンスの数を考えれば引分けは妥当な結果かなとは思いますが、冒頭にも書きましたがやりたい事ができたのは新潟であまり出来なかったのはセレッソでした。
フォルランも鹿島戦に比べて動きが良くなかったですしね。
チームとしての狙いの部分は、去年から見えていた部分でもあるので、どの様に改善していくかが今シーズンの大きなポイントになることは間違いないでしょう。
ただ現時点の数字としては、優勝に必要な勝点を70ぐらいと想定した時によく言われる5試合で勝点10はクリアすることができているのでまずまずいいスタートを切れたかなとは思います。ACLでほとんどの週で2試合やっている中ですしね。

また試合の結果に直接関係ない部分でしたが、
カチャルがスパイクが脱げてしまった時、録画を見直すと主審は気がついてなかったんですね。少なくともカチャルが大きくクリアした時に試合を止める機会はあったはずで、なのになぜ止めなかったのかがわからなかったのですが、見直すと一連のプレーが終わってセレッソのゴールキックになった時に主審がカチャルに謝ってました(笑)。

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