2014年6月20日金曜日

【特別編】6/19 ワールドカップ グループC 日本代表VSギリシャ代表 @ エスタジオ ダス ドゥナス


6月20日(金) グループC

キックオフ:7時00分/ 試合会場:エスタジオ ダス ドゥナス / 主審:ジョエル アギラル
日本日本00(前半)0
0(後半)0
0ギリシャギリシャ
試合終了
得点
長谷部 誠 (前半12分)警告・退場コンスタンティノス カツラニス (前半27分)
コンスタンティノス カツラニス (前半38分)
ゲオルギオス サマラス (後半10分)
バシリオス トロシディス (後半44分)
16シュート9
18直接FK22
3間接FK2
5CK7
3オフサイド1
68ボール支配率32
スターティングメンバー

出場メンバー

日本ギリシャ
スターティングメンバー
位置背番名前交代位置背番名前交代
GK1川島 永嗣GK1オレスティス カルネジス
DF2内田 篤人DF4コンスタンティノス マノラス
DF5長友 佑都DF15バシリオス トロシディス
DF15今野 泰幸DF19ソクラティス パパスタソプーロス
DF22吉田 麻也DF20ホセ ホレバス
MF16山口 蛍MF2ヨアニス マニアティス
MF17長谷部 誠後半0分MF8パナギオティス コネ後半36分
FW4本田 圭佑MF21コンスタンティノス カツラニス
FW9岡崎 慎司FW7ゲオルギオス サマラス
FW13大久保 嘉人FW9コンスタンティノス ミトログル前半35分
FW18大迫 勇也後半12分FW18ヨアニス フェトファツィディス前半41分
日本ギリシャ
ベンチ入り選手
位置背番名前交代位置背番名前交代
GK12西川 周作GK12パナギオティス グリコス
GK23権田 修一GK13ステファノス カピノ
DF3酒井 高徳DF3ゲオルギオス ツァベラス
DF6森重 真人DF5バンゲリス モラス
DF19伊野波 雅彦DF11ルーカス ビントラ
DF21酒井 宏樹MF6アレクサンドロス ツィオリス
MF7遠藤 保仁後半0分MF10ゲオルギオス カラグーニス前半41分
MF14青山 敏弘MF16ラザロス フリストドゥロプーロス
FW8清武 弘嗣MF22アンドレアス サマリス
FW10香川 真司後半12分MF23パナギオティス タフツィディス
FW11柿谷 曜一朗FW14ディミトリオス サルピンギディス後半36分
FW20齋藤 学FW17テオファニス ゲカス前半35分
ワールドカップグループステージ第2戦。
この試合の前に行われた同グループのコロンビア対コートジボワールは2-1でコロンビアが勝利した為にこの試合でもし敗れるとグループステージ敗退が決まってしまいます。
そして初戦のコートジボワール戦ではチグハグな戦いで敗れるという精神的にダメージを受けてしまう試合となったのでこの試合では是非それを払拭させる試合をしたい所です。

日本のメンバーはコートジボワール戦から香川と森重に代えて大久保と今野を先発に起用。
初戦では香川はプレッシャーからなのかミスパスが多く、失点のきっかけになったクロスも香川のポジションからやられてしまったのでコメントなどでもかなりショックを受けている様子が見受けられたので代えてきたという所でしょうか。森重と今野は正直よくわかりませんが対人のより強い方という事なんですかね。
ただこのスタメンから、ザッケローニがいう自分達のサッカーを取り戻す為にはこのチームで最も新しくメンバーに加わった山口と大久保がキープレーヤーなんだという事を感じさせました。

一方のギリシャはアンカーを置いた4-3-3。
予選の時はどちらかと言えば守備ではね返す力がありそうな6番のツィオリスをアンカーに置いて21番のカツラニスはもう1つ前のインサイドハーフでプレーしていた試合を見ましたが、予選突破してからはパスを出せるカツラニスがアンカーに入っています。
また右サイドには開幕戦のスタメンだった14番サルピンギディスから途中交代で入ってきた小柄な左利きのドリブラー18番のフェトファツィディスが入っている。

■立ち上がり〜21番カツラニスの両脇を狙え
ギリシャの守備陣形
コートジボワール戦ではボールを持てなかった日本。
俺たちのサッカーの為にはボールを持たないとって事でこの試合に入ったと思われます。
ギリシャの守り方は前線の両サイドを落とした4-1-4-1。
4-4でブロックを作ってその間に21番でキャプテンのカツラニスがボールの場所によってスライドしライン間を埋める動きをします。
日本の攻撃の形
立ち上がりのギリシャは自陣で4-1-4-1の形になってCBとボランチに対して高い位置からプレッシャーに来る事は無かったので先ずはボールを持つ事に成功した日本。
そしてギリシャの守備を崩すきっかけとして21番のまわりのスペースに狙いを定めます。
21番は先ず最も危険な場所を消そうとボールに対してスライドするので、CBとボランチで素早くボールを動かす事で21番も動かしその動いた後のスペースに、最初はサイドに張っている岡崎と大久保が入ってくる形、逃げる動きで本田が入る形、大迫がポストを受けに下がってくる形とCBやボランチからの縦パス、SBやボランチからの斜めのパスで狙っていきます。
結果的にはミスパスになって繋がりませんでしたが開始1分もたたないうちに吉田から動かした21番の横に入る本田に向けて縦パスを入れているのでこの形はこの試合に向けてしっかり練習してきたのでしょう。
ギリシャの守備の変化
ギリシャは日本に簡単にボールを持たれてしまい21番の両脇を狙われるのは流石にマズいと思ったのか、前半10分ぐらいで少し守り方を代えます。
それまでは自分達のエリアに入って来ない限り放置気味だった日本のボランチをインサイドハーフの2人が前を簡単に前を向かせない様に少し高めからプレッシャーをかけにいき、そうなると21番は間にいる本田を捕まえるという形になります。
これは4-2-3-1で戦う事が多いJリーグのチームに対して4-3-3でやっている韓国や中国のチームがACLでやる時によくとってくる方法ですね。
日本のボール保持の形
しかし日本はこのチームでよくみせる左上がりの形、長友が前にでて長友の後ろに今野が入り今野と吉田の間に山口が落ちる形になることで、ギリシャのインサイドハーフの2番がどこまで山口を追いかければ良いのか、18番は長友についていくのか今野に行くのかという捕まえに行く選手をボカすことで相手のプレッシャーをいなしてボールを持ち続ける事ができていました。
前に入っていたのがボールを受けに引いたりドリブルで中に入ったりはしない岡崎だったので少しやりにくそうな感じはあって、長友のオーバーラップからチャンスを作るというシーンはそれほど多くありませんでしたが、ボールを持つ事はできていました。
なのでやっぱり21番の両脇は使えていた日本。長友はちょっとやりにくそうだったんですが、いつもの香川の動きに少し近い動きを逆サイドで大久保がおこなっていたのでその分内だはいつもよりも高い位置でボールに絡むプレーを多く見せていました。
ただ、ギリシャの最終ラインの4人とインサイドハーフの2番と8番はオリンピアコスやドルトムント、ボローニャ、ローマなどでプレーしているヨーロッパのトップクラスを経験している選手だけあってバイタルエリアで前向きにボールを持ってもしっかり対応したり、後ろへのプレスバックをしっかり行ってそう簡単には決定的な形はつくらせてくれませんでした。
ギリシャの攻撃
ギリシャの攻撃の形として見られたのは先ず7番のサマラスにボールを預ける形。
この選手は多分最後の1年だったと思いますがセルティックで中村俊輔と一緒にやってるので知ってる人も多いと思いますが、デカいけど頭でどうこうってではなくちょっと引いてきてボールをもってから何かするというタイプの選手で、内田と大久保の間で下がってきてボールを受る。その時にその外を左SBの20番が上がり、インサイドハーフが前に出てきてという動きを見せていました。
逆サイドでは前でボールが収まれば15番の右SBも積極的に上がってくるのですが、18番のフェトファツィディスは守備で長友に引っぱられ気味になっていたのでコロンビア戦で見せていた様なキレのあるドリブルはほとんどありませんでした。
ただそれよりギリシャに何かが起こせそうな可能性を感じたのはカウンターで、日本はビルドアップで長友を前に出していてそこから斜めのパスやサイドチェンジで内田、大久保という形を使っていたのでその途中でボールを奪われてしまうと、ちょっと危ない感じもありました。
ただ、この試合の日本はコートジボワールの反省を受け積極的にやるんだって事だったと思いますから、しょうがないといえばしょうがないんですが。

■カツラニスの退場〜4-4-1に
ハーフタイム〜
日本が、ボールを持てる、狙いの攻撃もある程度できてる、なのでこれを続けていこうという状態だった38分、ギリシャの21番カツラニスが2枚目のイエローで退場となります。
その直前に予選で10試合5得点だったCFのミトログルが負傷で交代もしておりギリシャは41分に2人目の交代として右ワイドの18番フェトファツィディスに代えて10番のカラグーニスを投入。8番のコネを右サイドに出して17番のゲカスを最前線に残した4-4-1の形に変えてきます。
4-4-1の守備
結果的にはこの退場は日本にとって裏目に出ました。
ギリシャは4-4-1になった事でインサイドハーフの2人はもう出て行かない。守備ブロック全体を下げて4-4の間を圧縮。という形になりました。
日本が狙っていたアンカー脇のスペースが無くなってしまった訳です。
相手の守備をうごかしたい日本
それまではボールを持って狙うという形だったのですが、これで日本はボールを持っているもののスイッチのパスが入れられなくなり少し困ってしまいます。
ボランチと本田の3人でMFの中央の2枚を動かそうとしたり、大迫はサイドのスペースに流れてCBを動かそうとしたりしますが守る場所を狭くして割り切った相手に手こずりはじめました。

■後半〜引き分けでもOK
ハーフタイム〜
相手が1人少なくなり4-4のブロックを自陣に固めてきた事で後半の頭から日本は長谷部に代えてパスで相手を動かせる遠藤を投入。
守備意識を強めるギリシャ
日本がよりボールを保持できるようになった事でギリシャはよりブロックを自陣に下げ、日本がボールを持ってるときは1トップのゲカスまでがセンターサークルの自陣川よりも低い位置にまで戻る様になります。
ギリシャのやり方ははっきりしてて、守備では日本にボールを奪われるとまず一番近い選手が全力でプレッシングをかけてカウンターのリスクを減らす。そしてそこでバックパスを出させたら成功で、その間に他の8人は全力で戻り4-4のブロックを形成する。一方攻撃ではボールを奪えば7番のサマラスが8番のコネのどちらかが一気に前線に走りそこでポイントをつくる。という形でした。
日本は相手の幅を広げようとサイドを使って攻めようとしますが、素早く作った組織でギリシャはその誘いにはのらないよという事で4バックはほぼペナルティエリアの幅からは出ない、日本のSBはSHが対応するという形で守りを固め、もしDFラインとMFラインとの間で前向きにボールを持たれたらFKのリスクはあるものの崩されるよりもマシだという判断でファール覚悟で止めにかかります。
57分〜
57分に日本は大迫に代えて香川を投入。
ワントップの位置にはおそらくコンフェデのブラジル戦以来となる岡崎で香川は岡崎のいた左サイドに入る。
ボールは持てていたし、攻めるしか無いというハッキリした状況だったので香川本人も初戦よりもいきいきとプレーできてはいましたが、ギリシャの守備を崩しきれない。
入って3分後ぐらいの川島のパンチングを拾った香川が、自陣でしたが相手を外すチャレンジをしてドリブルでボールを運ぶシーン(最終的に長友のクロスを本田が収めきれなかったのでシュートまではいきませんでしたが可能性がある攻撃になりました)。この時の様にギリシャの1stディフェンダーを外す事に成功すれば大きなチャンスになるんでしょうが、ここでもしとられると一転して大ピンチになってしまうので難しいところです。
ギリシャはこの1stディフェンダーが決してサボる事なくしっかりプレッシャーをかけて来るのがギリシャの守備の安定を生んでいました。

ただこの少し後、香川から裏に飛び出した内田へ、そのクロスを大久保が合わせるも枠外という相手を完全に崩したこの試合最大の決定期を決めきれませんでした。

この辺りからはギリシャは完全に引き分け狙い。
攻撃でもムリしてリスクを負う事無くセットプレーを狙い、守備では4バックが中を絞る。
内田がクロスのボールを質を工夫して色々とボールを蹴り分けるけど、SBがニアゾーンを埋めてMFもしっかり戻って対応する。
日本代表だとここまで引いてしまうといつかやられるんじゃないかという不安が出てきてしまいますが、ギリシャは普段からこういう戦い方もしてるんでしょうね。
81分〜
81分にギリシャは8番のコネからコロンビア戦で右サイドでスタメンだった14番のサルピンギディスに交代させる。

その後日本は交代枠が1枚余っているにも関わらずそれを使う事無く85分ごろから吉田を前線に上げたパワープレー。
しかしコートジボワール戦同様それもハマらずに試合終了。
引き分けで勝ち点1を獲得するにとどまった。

■その他
1人少なくなった相手の割り切った戦い方を崩しきれなかったこの試合。
最後は交代枠を1つ残してパワープレーをした意図は何なんでしょう。
前回も書きましたがパワープレーを選択する事を否定はしません。
09年のCWCであのグアルディオラのバルセロナもピケを前線に上げてパワープレーを選択した事もあるぐらいです。
ただわからないのは交代枠を1つ残した事。
初戦ではまだ交代枠を使い切り出来る事を全てやった上でのパワープレーだったんですが、この試合ではそうでは無い。使われなかった斉藤・柿谷・清武・青山なんかは何の為にいるんだってなってしまいます。
交代枠を残してベンチには前線の選手がいるのに使わないでパワープレーをするんだったら、それこそ豊田なりを選んでおけよって話しになってしまいます。
そこはどういう意図だったのでしょうか。

この試合で途中からギリシャは完全に引き分け狙いになりました。
おそらく日本はコロンビアに勝てない。それならリスクを冒してこの試合で勝ち点3を狙いにいくよりも、引き分けさえしておけば、3試合目のコートジボワールとの直接対決で自力でR16進出の可能性が残る。
ギリシャの監督はそういう判断をしたのでしょう。
実は日本はこの試合の勝ちでも引き分けでもどちらにしてもコロンビアに勝利しないと厳しい状態はかわりませんでした。
もしこの試合で勝ったとしてもコートジボワールには敗れているのでR16突破を直接対決となるコロンビアと争う可能性が高く、その為には勝利が必要となる。
この試合に引き分けたとすると、日本、コートジボワール、ギリシャでR16進出を争う事になり、直接対決が無い日本はコロンビアに勝たないといけないという事は変わりません。
それを踏まえると、例えば日本も後ろの枚数を減らして攻撃の選手をいれるというのは、グループリーグ敗退のリスクを犯す事でもあるのでそこを考えての采配だったという事なんでしょうか。

序盤は上手く行っていただけに余計にモヤモヤしたものが残ってしまう試合となりました。

ただまだこれで終わった訳ではありませんからね。

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