2014年6月9日月曜日

ランコ・ポポヴィッチ監督との契約解除を発表


本日付けにてポポヴィッチ監督との契約を解除したとの発表がありました。
セレッソにとって中断期間前の最終戦だったアウェイ浦和レッズ戦では満員の埼玉スタジアムでスコア上では1-0ながらもほとんど何もさせてもらえず惨敗。
 毎年の様にシーズン途中にエースクラスの選手を放出してきたセレッソが1年間その戦力を保持したまま戦った昨シーズンは4位の成績を収め、さらにそこに準日本代表クラスの長谷川アーリアジャスール、準オーストラリア代表クラスのミッチニコルス、元セルビア代表のゴイコカチャル、世界的なスター選手でウルグアイ代表のディエゴフォルランという近年のJリーグではほとんどなかったほどの大型補強を行い、日本中の注目を集めていたと行っても良いほどの状態で迎えた今シーズンでしたが、ACLはベスト16敗退、Jリーグは1試合少ないとはいえ13位と低迷してしまっているので決断したという事なのでしょう。

個人的にはこのタイミングでのポポヴィッチとの契約解除は止む終えない判断だと思っています。
ポポヴィッチについては確かに同情すべき点もいくつかあります。
就任時点ではおそらくフォルランが来るなんて事は想像していなかったでしょう。オフレコとして「交渉しているよ」という話しはあったかもしれませんが、まさか本当に来るとは想像していなかったと思います。
しかもそのフォルランが合流したのは2月の宮崎キャンプからで、直後にシーズンが始まるとかつてないほどの過密日程。ミッドウィークにゲームがなかったのは3週だけで、しかもそのうち1回は代表戦で山口・フォルラン・キムジンヒョンの3人が不在(柿谷はコンディション不良で辞退)、もう1回は代表合宿で山下、長谷川、南野の3人が不在とフルメンバーで1週間かけて準備できたのは1回だけという状況でした。
しかしそれは開幕前の時点で既にわかっていた事です。それを踏まえてシーズンを迎えたはずなのですが、フタをあけてみると目にしたのは完全に個人技だのみのサッカー。攻撃では後ろの数的有利にはこだわるけどそれ以上のアイデアは無く、守備も人数合わせ以上のものはありませんでした。
そして後になって見返してみれば、それは昨シーズン、一昨シーズンとFC東京と対戦した時に感じた印象そのままでした。
ちなみにワンツーを多用するチームになってしまうのは当然トレーニングメニューの中にその理由があって、例えばその1つはコートを圧縮して行う11対11ではそれぞれの相手ゴール前に等間隔で横一列に人形が立ててあって、その人形よりも相手ゴールに近づくにはポストプレーからの3人目の動きを使ったスルーパスかワンツーでしか進入できず、シュートを打つにはその動きをしないといけないからです。

なので序盤は勝ちが先行していきましたが、しばらくすれば勝ったり負けたりする様になっていきます。ですがこの時点では個人的にはこのままではタイトルは難しいかもしれないけれど辞めた方が良いとまでは思っていませんでした。スタメンには日本代表を始めとした各国代表クラスの戦力をズラッと並んでいる訳です。個人任せの部分も大きいのでその個人の力さえ発揮できるようになれば成績は上向く可能性がないとも言えないですし。

しかし、その後ポポヴィッチはメディアに対して選手批判を始めてしまいました。
メディアに対して選手の名前を出す時は細心の注意を払うべきです。
なかなか成績も上がらない状況だったのでポポヴィッチ自身もプレッシャーを感じてしまったんでしょう。それまでの矛先は日程だったりスケジュールだったりしたものが内部に向かう様になってしまいました。
こうなると話しは変わってきます。本人はその選手への叱咤激励のつもりかもしれませんが、メディアを通じて知るのはその選手だけでは無いのでその他の選手にも影響が出てきます。そうなるとチームとしてという問題にまでなってしまい成績云々の話しではなくなって来るからです。
ただ、もしそれが単なる批判ではなく、さらに監督がチームをコントロールできていれば批判された本人だけでなくその他の選手もその意図を理解する事ができる可能性もあります。
もしそうであればそこまで心配する必要は無いのかもしれません。しかし残念ながらチームの状態はそうではありませんでした。
こうなってしまうともう続けるのは難しいだろうというのが正直な所だったかと思います。
もし代えたとしても成績は上向かないかもしれません。ですがもはや続けるのはお互いにとって厳しいという状況になっていたかと思います。

先ずは後任監督を誰にするのかに注目があつまるかとは思いますが、そもそもなぜFC東京でも巨大な戦力を抱えながらも2年かけて中位のチームしか作れなかったポポヴィッチだったのかという疑問は強く残っています。
予算的な問題もあったでしょうし、クルピを代えるタイミングだった事はわかります。ですがそれがポポヴィッチである理由にはなりません。
シーズン前のサポーターコンベンションで岡野社長自らが話しをしたと言ってましたが、お互いジダンが好きだったという話しではなく、なぜポポヴィッチだったのかというのはハッキリさせて欲しい所です。

1 件のコメント :

  1. いつも楽しく拝見させて頂いてます。
    本当にその通りです。
    クルピ後になぜソアレスたったのか。
    そして、ソアレス解任の理由も。
    サポコンでも、蓋を開ければ、敗けが込めば、攻撃的な攻撃的な監督ではなかったと言ってましたが。そもそも、ソアレスの失敗の検証はちゃんとしてるのか気になってました。
    就任前にどんなアセスメントをしていたのか。
    で、表には出せない事もあるでしょうが、なんとなーく感が満載だったクルピ後のポポビッチ。
    何度も同じ失敗してんじゃねーとついつい思ってしまいます。

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