- 59' 我那覇 和樹
- 1' フォルラン
5' 楠神 順平
15' 楠神 順平
スタジアム | 香川県立丸亀競技場 | 主審 | 野田 祐樹 |
入場者数 | 10,447人 | 副審 | 佐藤 貴之、関谷 宣貴 |
天候 / 気温 / 湿度 | 晴 / 24℃ / 40% | 第4の審判員 | 武田 光晴 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- 北野 誠
- 監督
- パウロ アウトゥオリ
試合経過
- 88'
-
81'
- 72'
-
69'
-
59'
- 57'
-
49'
-
37'
-
27'
-
20'
- 19'
- 15'
- 5'
- 1'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
SH | 3 | 9 | 6 | 11 |
FK | 10 | 20 | 13 | 16 |
CK | 2 | 3 | 4 | 4 |
PK | 0 | 0 | 0 | 0 |
警告/退場 | 3/0 | 3/0 | 2/0 | 2/0 |
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 パウロ・アウトゥオリ監督セレッソ大阪 楠神選手、フォルラン選手、椋原選手、玉田選手
セレッソ大阪 山口選手、扇原選手、山下選手
カマタマーレ讃岐 北野監督
カマタマーレ讃岐 岡村選手、我那覇選手
ゴールデンウィーク5連戦の初戦となるアウェイカマタマーレ讃岐戦。
好天に恵まれ、今シーズンここまでの平均観客数が3387人の丸亀競技場に10447名と普段の3倍以上の観客を集めた中での試合となりました。
セレッソは直前のホーム2連戦と連敗してしまっていますので絶対に勝利しなければいけない試合です。
カマタマーレはエブソンの出場停止で空いたCBには普段右SBに入る高橋がまわり右SBにはロングスローがある武田。武田は6節以来のメンバー入りがスタメンとなっています。
また中盤は普段の4枚では無く5枚。
という事でアンドレアはFWではなく左SHに入り右SHには仲間、中盤のセンターには藤田・岡村・山本の3枚がおり、前線は我那覇の1トップとなっていました。
ベンチにはもはや讃岐のエース格になっている沼田が戻ってきています。
一方のセレッソは4-3-3。前節の内容を思い出していただければと思いますが、今節は4-3-1-2ではなく前線で楠神が左、フォルランが右に入る4-3-3です。
楠神は今シーズン初スタメン。開幕戦に途中出場していますので2試合目の出場です。
■讃岐の狙い
マッチアップ |
ハッキリマンツーマンとまではなっていませんでしたが例えば山口が下がると讃岐の形が4-2-3-1っぽくなり、山口と扇原が下がると4-1-4-1っぽくなっていたのはそういう事だったのでしょう。
ただCBの所は2対1になっているのでそこにボールがあるときはまだ中盤5枚がフラットに近い形、そこからSBや3センターにボールが出たときに5枚で待ち構える中盤のラインで一斉にプレスをかける。そしてそこからショートカウンターというのが狙いだったんだと思われます。
しかし、この讃岐の中盤5枚は完全に失敗に終わりました。
普段の4-4-2での2トップと2センターハーフと今回の1トップと3センターハーフとで関係が変わった事もあったのかもしれませんが、いつどこでどういう形で行くかがハッキリしていない感じになってしまいました。
1点目に至る展開 |
そしてここから前節も狙っていた捕まえにきたSHの裏にインサイドハーフの長谷川が入りその前にさらに3トップの右サイドフォルランが入る3対2の形を作って相手を引っ張ってからサイドチェンジ。
これで讃岐の最終ラインは大きく動かされた結果スペースを作ってしまい入ってきた長谷川が楠神のクロスにヘディング。それは高いセーブ率を誇る清水がなんとか防ぎますが、そのこぼれ球をフォルランが実に冷静に決めてわずか37秒ほどでセレッソが先制します。
ハイライトでは楠神の縦へのドリブルからになっていますが、その前のサイドチェンジで讃岐の守備は振り回され完全にポジションを見失っていました。
セットして守ろうとするも |
2点目の展開 |
3点目の展開 |
15分にはフォルランのパスを中央で楠神がスルーしてそれを玉田がワンタッチでDFラインの裏に落とすパスから楠神が決めて15分で3点目を決めます。
讃岐は中盤の人数をセレッソの3センター+SBの5人に合わせてタイトに人をマーク、最終ラインは中に高さのある選手を置いてはね返すというプランでしたが、まずこの中盤のゾーン風マンマークの5枚の内特にセンターの3枚が簡単に喰い付いたりしてスペースを空けたりすることで何の効果もあげられず、それによってサイドのスペースをつかわれ、さらにセレッソがサイドチェンジすることで中央を固めているはずのDFラインが動かされ、さらに中盤が捕まえきれていない分ゾーン風マンマークのDFラインも中央から出て捕まえに来る形に陥って真ん中にスペースができてしまうという最悪の形になっていました。
プレビューでも書きましたが、讃岐の守備はゾーン風マンマークで素早い切り替えで人に激しく行くことで成立しリーグ2位の失点数、ホーム無失点を誇っていました。
しかしセレッソはそのゾーン風マンマークを逆手に取って混乱させ、サイドチェンジでズレを生じさせ、前の敵には強いけど自分を越えていくボールに対してはボールウォッチャーになって対応が遅れてしまう讃岐の守備の弱点を見事についたものでした。
■セレッソの守備
セレッソの守備 |
またボールサイドのワイドの選手もファーストディフェンダーとして相手SBに対して寄せるので元々攻撃ではショートカウンター意外にほとんど活路がない讃岐は20番のアンドレアに出して1対1で勝負させるという形しかありませんでした。
しかしその1対1はこの日も右SBに入った椋原がほぼシャッタアウト。
前節はハーフタイムで交代となってしまったのでこの日の先発は酒本になるのかと思われた方もおられたかもしれませんが、讃岐はこの左サイドで身体能力をつかってひたすら縦に仕掛けてくるアンドレアがいるのでそれに対応できる椋原という選択だったんでしょう。
やられたのは後半にあったごちゃごちゃっとした中で入れ替わられスピードをいかされた1回ぐらいだったでしょうか。それ以外は身体を近づけて粘り強く守備をすることで身体能力を発揮させませんでした。
4-4-2でセット |
ボールを奪うとフォルランは右に、楠神は前に出て行く事になるのですが、4-4-2になってそのスペースを開けておく事でカウンターを狙おうという意図だったのでしょう。
■讃岐の修正
37分〜 |
20分にはまず右SBの武田に代え4番の沼田を投入。沼田はガンバ時代の練習試合などでは左SBをやっていましたが、讃岐ではカットインができる左利きの右SHという役割になっていますので右SHに入り、右SHだった仲間は左SHに、左SHだったアンドレアはFWに。そして右SBはCBだった高橋、そしてボランチにいた25番岡村がCBにはいる4-4-2の形にしてきます。
そして続いて37分には相変わらず真ん中で迷子になっていた藤田に代えて綱田をそのままのポジションで投入。
前半の早い時間にかなり強引な方法ですが、エブソンは出場停止でいませんがこれがおそらくこのチームにとっていつもの形に最も近い布陣です。
修正後の讃岐の守備 |
■後半の失点
後半セレッソにとっては3点リードでもはや既に試合が決まっているといってもいい状態で、後はカウンターを狙いながらというところなんですが、北野監督が「ハーフタイムに自分たちは香川県の代表で、今日来ている人たちの顔に泥を塗るなと言った。」とのコメントをされているように、讃岐は後半からまた新しい試合の前半の様な形で入ってきました。
セレッソは先ほど書いたフォルランと玉田を前に残した4-4-2の様な形にしてカウンターを狙おうというところなんですが、この日の暑さもあって徐々に楠神が戻れなくなって後ろの4-3で相手の圧力を受けてしまう様になってしまいます。
ただ、前に3人残しているし、讃岐は前にかかっているのでいなして両サイドでポイントを作りたいんですが、後ろの4-3はそこまでの余裕を持つことができません。
という事で前に3人残って4-3が下がりすぎてしまう中盤間延び時間帯が訪れます。
そしてやっぱりこの中盤間延び時間帯でミスが連発。最終的に失点してしまいました。
チームが良くない流れになって失点しまいましたが、とはいえ0-3から1-3で、また讃岐には特に攻撃に怖さも形もないのでこの中盤が間延びしている状態の修正としてどこに手を付けるかに注目していました。
前半になって明らかに落ちた前の守備を再びやらせる形なのかどうなのかというところですね。
72分〜 |
失点につながるミスをしてしまったのは山口でしたが、その起点になったのは扇原のミスから。失点前にフォルランがイエローカードをもらったのも扇原の判断ミスから。とこの時間帯で最もミスが増えていた選手を交代させました。
アウトゥオリがここを代えたという事はまずはボールの失い方がマズイと考えたという事でしょうね。
扇原は元々チャレンジパスを出すタイプの選手なのでどうしてもミスも増えてしまいますが、それとは全く別の話しで、例えばフォルランがイエローカードを貰ったシーンなんて扇原がボールを受けた瞬間前からフォルランは縦にボールを要求していたけど出さず(出せず)、状況的にフォルランにできる事がなくなってからなんとなく足元にパスを出してしまっています。
扇原の課題は前半にイエローカードを受けた手を使ってしまう守備とこういうところで、最初にパスを出せなかったのは彼の判断ですしそれはいいんですが、その後味方を殺す様なパスをなんとなくの判断でだしてしまう。こういう時間帯が1試合の中で必ずといっていいぐらいどこかで出てくるんですよね。
そしてその3分後に玉田からパブロに交代。
パブロが入ったのはそのまま玉田がやっていたCFでした。
これは前線に空中戦のターゲットを作ったという事。
前半から中盤からサイドに展開してサイドチェンジでゲームを作ってきましたが、ここに来て相手も前に出て来てるのでハイボールで勝負できる先を前につくって、フォルランと楠神でそのセカンドを拾ってという考えだったのでしょう。
ただ、讃岐のCB3番藤井は空中戦にかなり強い選手なので、パブロはハイボールでほとんど勝てませんでした。
またもう1つここでパブロは最前線のCFに入りました。
練習試合も含めてパブロが一番前のポジションに入るのはおそらく初めてです。
たまたまそうなっただけなのかも知れませんが今後どこのポジションに入ってくるのかがきになるところです。
しかし、大体予想はできていましたが一番前でCBを背負ってプレーするのはあまり得意では無さそうです。
安藤とパブロの投入で間延びしていた中盤問題は解決し、その後セレッソも再び讃岐ゴールに迫る時間も出て来ますがそのまま。
81分〜 |
しかし試合はそのまま動かずに終了1-3でセレッソが勝利しました。
■その他
セレッソは楠神の起用も含めてスカウティングを元にして完全にチーム力で上回る勝利となりました。逆に讃岐は対セレッソ用として準備したものが20分にして全てやり直さなければいけなくなるという厳しい内容でした。
ただ、セレッソも相手ががむしゃらに向かってきた後半はその勢いに飲まれてミスを連発して間延びにつながったのは残念なところです。
3点リードとなって相手は吹っ切れるという難しい局面ではあると思いますが、選手交代をしなくても十分ピッチ内で対応できるとは思うんですけどね。
あと、楠神の左サイドはいわゆるBチームでは練習試合などでいつもやってる形でもあります。
前回の関西大学との練習試合はGK以外は新人とユース組のみでしたが、それ以外はこの試合の最後の形でもある左に楠神・右に関口というのが最も多い形でしょうか。
両サイドが下がってしまうと・・・ |
その結果まず起こるのがCFが孤立。
そして最悪なのが行き場を失ったインサイドハーフが暴走し相手のボランチなんかに喰い付きアンカーのまわりにスペースを作ってしまうという形です。
これはこの日の讃岐に起こっていた事に近い状態ですね。
まあこれはこの試合のセレッソには起きていない現象なので特に問題にする必要は無いのですが、人に喰いつく事と守備のバランスを考える上で頭に入れておけば役に立つ事もあるかなと思い書いてみました。
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