2015年9月25日金曜日

9/23 明治安田生命J2リーグ第33節 VS 水戸ホーリーホック @ ヤンマースタジアム長居

第33節
2015年9月23日(水)17:04KO ヤンマー

スタジアムヤンマースタジアム長居主審塚田 健太
入場者数14,975人副審村田 裕介、津野 洋平
天候 / 気温 / 湿度晴 / 26.3℃ / 39%第4の審判員馬場 規
スターティングメンバー
セレッソ大阪C大阪
 
水戸ホーリーホック水戸
 
  • 監督
  • パウロ アウトゥオリ
 
  • 監督
  • 西ヶ谷 隆之
セレッソ大阪C大阪
水戸水戸ホーリーホック
今回対戦今季平均
データ項目セレッソ大阪水戸ホーリーホックセレッソ大阪水戸ホーリーホック
FK1651513
CK2455
PK0000
シュート11121110
警告/退場0/00/01/01/0

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 パウロ・アウトゥオリ監督
水戸ホーリーホック 西ヶ谷隆之監督監督

セレッソ大阪 山口選手、田代選手、パブロ選手、関口選手、染谷選手
水戸ホーリーホック 馬場選手
水戸ホーリーホック 鈴木選手、田中選手、三島選手

シーズン終盤に来て中2日での試合となる33節はホームヤンマースタジアム長居での水戸ホーリーホック戦。中2日と中3日ではコンディションも試合の準備も大きく異なるのでできれば前節を土曜日開催にして欲しかった所です。

セレッソのメンバーは前節に引き続き玉田が怪我でベンチ外。途中で違和感を感じ交代した楠神もベンチ外となり、スタメンは前節2点に絡んだエジミウソンと前節使わずに休ませることが出来た玉田の2トップ。中盤以降は前節と同じメンバーでベンチには前川が入っています。

一方の水戸は前節負傷交代となった鈴木武蔵がベンチ外で、代わりに入るのは三島。また船谷をベンチスタートにして右SHに入るのは石川。2トップは鈴木雄斗と三島が組み、右SHに石川、左SHに馬場が入っています。
右SHに入った石川は広島から期限付き移籍中の選手で、2012年に現エディオンスタジアムでの目の前で優勝を決められた試合で右WBで出場しゴールを決められた選手です。石川は翌年にミキッチが復帰し出場機会を減らすと仙台に移籍。その後広島は甲府から柏を獲得した事で期限付き移籍期間を伸ばし今シーズン前半は大分に所属していたものの出場機会に恵まれず、この夏から水戸に加入しています。

■セレッソ対策
水戸の守備
水戸の守備は4-4-2でセット。守り方のコンセプトとしては4-4-2をコンパクトにする。2トップは最初からCBまで追いかけ回す事はありませんがボランチへのパスコースをケアしながら、サイドにスライドしてプレスバックも狙っていく形。
サイドに出たボールに関してもブロック全体でブロックを圧縮させてコンパクトにする形です。
しかしこの日は片方のサイドだけはそうではありませんでした。
石川のポジショニング
違っていたのは右SHの石川。
セレッソが右サイドにボールを動かすと水戸のブロック全体がスライドしてくるのですが、右SHに入った石川だけが絞りきらないポジションを取ります。
ついてくる石川
そして例えばそこで酒本が山下にボールを戻して、いつもやっている様に丸橋が縦に走って行くと石川はピッタリとついてくる。
石川は最終ラインに入る事も躊躇なく、5バックになってもOKという形です。
最終ラインにも入る
例えばもっとシンプルに最終ラインでボールを持っている時にパブロが中央に絞ってSBを中に引っ張り、その外側のスペースに丸橋を走らそうとしても、そこに石川は必ずついてくる。
引っ張られた場面
9分に一度山口にボールが入った時にパブロが石川の内側に降りてきて石川をひっぱり、その外にいる丸橋にボールを通されてあわてて戻る場面がありましたが、それ以外は左SHのポジションに入っている馬場とは全く違う動きをしています。石川の役割は丸橋番と言ってもいいぐらい。ただセレッソが田向とマッチアップしているパブロに高い位置へサイドチェンジのパスを入れた時にSBのカバーに石川が戻るシーンもあったのでもはやWBに近い動きといってもいいかもしれません。水戸の右サイドにはSBの外にWBがいるような状態です。

これによって前半のセレッソは左サイドからの攻撃が上手くいかなくなっており、前半の攻撃はほとんど右サイドからばっかりだったのはこの石川のポジショニングによるものです。
また水戸の中盤に入る石川を除く3人は普通に中央を締めてスライドする守備をしますので、ほとんど丸橋がフリーになれない状態だったセレッソがサイドを大きく使うことが出来ずに中を締められ縦パスを入れにくくなっていたのも、縦パスの意識だとかそんな曖昧なものでも、何をさしているのかよくわからない距離感が理由なのでは無く、横幅を使えていないので相手を動かすことが出来ず、真ん中に穴を作ることが出来ていなかったからです。

それでも15分頃からセレッソは右サイドの酒本・関口コンビを中心にボールを運んでいきます。
30分頃からは水戸のSBとCBの間、水戸のCBに入る夏に新潟から期限付き移籍で加入したソン・ジュフンは高さもスピードも強さもあるようですが、ポジショニングに怪しさがあるので同サイドでの崩しでその間を狙い始め
山口の飛び出し
34分には山口の飛び出しから決定的な形を作ります。
ただやはり幅を使っての攻撃ができていないので、同サイドだけの攻撃ではそれ以外に決定的な形を作ることはできていませんでした。
またこのシーンの前30分頃に水戸は左SHに鈴木が入り、馬場は2トップとトップ下の中間的なポジションを取るようになっています。
これはおそらく右サイドが中心ですが、ボランチにボールが入って展開されるシーンが増えてきたからでしょう。
水戸は守備の時に三島を前線に出して馬場はボランチをケアする4-4-1-1のような形になっていました。

また一方の水戸の攻撃ですが、最初の高い位置でのプレスバックがハマってボールを奪った時にはゴール前まで持っていくことができますし、また水戸自体もボールを奪った時にサイドを変えて攻撃するというやり方を使うチームでもあり、あと三島の高さにセレッソのCB陣はかなり手を焼いていたのでボールを前進させる事は出来るのですが、チャンスらしいチャンスはほとんどありませんでした。
12分に田向のクロスに石川が合わせようかという場面は、ちょっと副審が見きれていたかどうかは危ない所ですが、石川はオフサイドポジションです。

にも関わらず前半は水戸の方がシュートが多い結果になったのですが、それは例えばこの試合のファーストシュートもそうでしたし、それ以外の試合でも相手に思い切ったシュートが出てくる理由は、順位的にもそうですがチーム力的にもほとんどのチームがセレッソよりも格下なので、格下のチームは攻撃をやり直して時間をかけるとボールを奪われてしまう可能性が高まってしまうからで、それなら可能性が少なかったとしてもシュートを打てるなら思い切って売っていこうとするからなんですね。一方のセレッソだとシュートを打つということは決まらなければボールを相手に渡すということにもなってしまうわけで、それならそう簡単にボールを失うわけでもないのでやり直した方が次のチャンスを作れる可能性もある。
なのでセレッソは思い切ったシュートをうつ必要があまり無いわけです。
これはセレッソだけに限らず、大宮や磐田も同じような状況ですね。

■後半の修正
セレッソは後半の立ち上がりから前半とはうってかわって数多くのチャンスを作れるようになります。
その理由は左サイドからの攻撃ができるようになったからです。
石川の元いたスペースを使う
動いたのはSH。まず関口がパブロと同サイドに流れて丸橋を前に出した後のスペースに入ってボールを受けるようになります。本来の4-4-2のブロックならここは空かない場所なんですが、水戸は右SHの石川がSHとしての役割を担っていないのでここは絶対空きます。
ここが空くのは前半から明確だったので、できれば扇原と丸橋の関係で前半から使っていければよかったのですが、残念ながら使うことが出来ていませんでした。
なのでおそらくハーフタイムに指示があったんだと思います。
47分のこの関口の動きを皮切りに、その後パブロと関口が同サイドに集まらない通常の状態でも丸橋を前に出したスペースに関口やパブロが入る状態を作り出し、ここから中央に入って行ったりなどチャンスを作り始めます。
53分〜
前半は上手く行っていた右サイドが穴になると判断した西ケ谷監督はすぐさま53分に石川を下げて船谷を投入。
ある程度最初から行けるところまでという考えだったのでしょう。
鈴木が右SHに、船谷が左SHに入ります。
この交代の前にCKから山口のシュートがポストにあたる場面があったのですが、この交代の前にゴールを決めることができていれば水戸に大きなショックを与える事が出来たでしょうから残念でした。
56分のシーン
あともう1つ残念だったのが56分の場面。
丹野のキックを田代が胸でトラップした山口に落とし左サイドを駆け上がる関口に展開した所で、丸橋がその外側を走っていたのですが関口はカットインを選択。最終的には山口のミドルがクロスバーを超えてしまいました。
このシーンはもし相手の状況が理解できていれば丸橋に出すべきシーンだったんです。
相手の状況というのは右SHが鈴木に代わっているという事です。
石川の時であれば石川は最終ラインに入ってでもスペースを消しに来るので、中にスペースができるでしょうからこの時関口が選択したカットインが正解です。しかしこの3分前に既に石川が下がっており、前への飛び出しを狙う鈴木が右SHだったのでもう前半から石川がやっていた守備はなくなっていた。なので丸橋だったんですよね。たとえそれがゴールにつながらなくても田向や鈴木をサイドに押し込める意味でも丸橋の方が良かった場面でした。
とはいえスタンドで上から見てるわけではなく、ピッチ内でそれを判断するのは非常に難しい事ですし、まあここで上から見ている判断ができるのであれば、前半から石川の動きによって空くスペースを使えてたでしょうしね。仕方ないんですけど、ただここは出して欲しかったです(笑)。

といった展開でしたが先制点を決めたのは水戸。
59分に船谷が30mはあろうかというミドルシュートを決めます。
船谷のところがあいていたのは関口がちょっとサボってしまったからなんですが、その前からちょっとDFラインが下がってしまってはいました。
ただそれよりもこのシュートであればGKが何とかして欲しい所です。
63分〜
この失点後にセレッソは酒本に変えて田中を投入。酒本は守備でも少し距離を空けるようになってしまって、オープンな展開になりかけていたのでということでしょう。

この交代後セレッソは左サイドからも右サイドからも攻められるようになり、65分に田中の左足クロスからエジミウソンが落としパブロのシュートのこぼれ球を田代が決めて1-1の同点に追いつきます。
この後少しセレッソが攻めこむ場面が続きますが、守備も遅れ始めてオープンな展開になっていきます。
72分〜
72分に水戸は馬場に変えて山村を投入。山村は右サイドに入り鈴木雄斗が前に出ます。
ここにきてやはり中2日の影響か、両チームともオープンな展開が続いていました。
80分〜
80分にセレッソは関口に代えてマグノクルスを投入。
さすがの関口もかなり運動量が落ちていたのでしかたがない所。
この時に水戸は山村を左、鈴木雄斗を右、石神が1つ落ちる4-1-4-1に変えています。
82分〜
82分にセレッソは扇原に代えて吉野、水戸は三島に代えて怪我から復帰の吉田を投入。
セレッソは山口の1ボランチの前に3人が並ぶ形、一方の水戸は単純にFWの入れ替えです。
しかしセレッソのこのシステム変更は上手くハマりませんでした。
勝ち点3がどうしても欲しいセレッソなのでボランチを削ってまで投入する意図はわかります。
が、しかし、多分セレッソがシステム変更した時点でもまだ4-1-4-1に変わった水戸の状況をピッチ内では掴みきれてなかったんだと思うんです
ワンボランチの穴
水戸のインサイドハーフにセレッソのSHが引っ張られ、両サイドから中に入ってくるSHとFWのポジションチェンジに対応できる人が全くいない状況になってしまい、山口の両脇にドンドンフリーの相手選手が入ってきてしまいます。
これはちょっとまずいかなあと思っていましたが、88分。丹野のゴールキックからという単純な形からでしたが、今度はセレッソが前に5人アタッカーを入れている事が功を奏し、マグのクルスが丸橋に落とすと丸橋はその裏のスペースに走り込むパブロへ、そのパブロに細川がひっぱられて潰れるとその裏でエジミウソンがフリー。
エジミウソンがGKを外してゴールに流し込み2-1とセレッソが逆転します。

流石にこれで決まったかと思いましたがなんとアディショナルタイムの94分、セレッソはパブロをボランチに置いて4-4-2の形に戻していましたがゴールキックからの単純な展開で鈴木雄斗に決められてしまい2-2の同点に追いつかれてしまいました。

このシーンは本間のゴールキックに対してエジミウソンがせる所にパブロがふらふらと寄って行ってしまい自分のポジションを空けてしまった所で吉田にヘディングで繋がれてしまいます。そしてそのボールを鈴木がヘディングで前に出した所で山村が落とすと鈴木は完全にフリーになってしまっていました。
シュート自体はGKにノーチャンスなので丹野は仕方ないですけど、パブロが前にでてしまったところで吉田と鈴木にフリーでヘディングを繋がれたのが決定的でした。
なので原因はパブロのミスなんですけど、ボランチの選手じゃないのでしょうがないといえばしょうがないんですよね。その前に田中のスローインを田代がキープできずにゴールキックにしてしまっていますし。
吉野の投入で扇原を下げた事も原因の1つではあるんですが、それも82分でビハインドならしょうがないともいえます。
後からだと橋本を入れて山口を前に出せばよかったんじゃないのかとか言えるんですけど、それも結果論でしかないですし。
いろんなことが重なった難しい失点でした。

■その他
幕切れはかなりショッキングなものでした。
先にも書いたようにこのシーンだけの問題点は確かにあるんですけど、そこよりも何かを考えるとすればその前かもしれません。
そもそもはピッチの中で相手の状況をみて改善できなかった前半に始まる事ですけど。
その前半ですが、今シーズンのセレッソの特徴であるサイドチェンジを使いながらというパターンに対する対策を立ててこられたという形でした。
ただ、西ケ谷監督はセレッソのストロングポイントである丸橋とパブロの左サイドを逆にウィークポイントに持っていけるようにと話していましたが、実際はセレッソに幅を使った攻撃をさせなかっただけでしかありませんでしたし、また後半の頭にやったようにポジショニングや動かし方でどうにでもできる形だったんですけどね。
とはいえ水戸にとっては幅を使った攻めを45分間でも消すことができたのはメリットだったのかもしれません。

あと、この試合のスカパーでの解説がツイッターであまりにも評判が悪かったので、久々に副音声にせずに試合中継を見直しましたが想像以上にめちゃくちゃでビックリしました(笑)。





1 件のコメント :

  1. また引き分けか・・・いつになったら5連勝できるのやら。

    しかし監督や選手は一番重要なのは昇格ではなくJ1に残留することだと理解しているのでしょうかね?

    大分のように昇格しても残留できなくては昇格の意味もない。むしろ今年と来年、丸2年が無駄になるだけでしかない。

    そうでなくとも玉田や関口、パブロや山口といった主力クラスの選手は来年いるかどうかわからないというのに・・・。

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