- 90+3' 河本 明人
スタジアム | キンチョウスタジアム | 主審 | 前田 拓哉 |
入場者数 | 11,093人 | 副審 | 亀川 哲弘、西橋 勲 |
天候 / 気温 / 湿度 | 曇 / 23.9℃ / 44% | 第4の審判員 | 山本 慎吾 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- パウロ アウトゥオリ
- 監督
- 倉田 安治
試合経過
- 90+3'
-
85'
-
79'
- 69'
-
67'
- 60'
-
42'
- 27'
-
22'
-
18'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 13 | 12 | 15 | 14 |
CK | 11 | 5 | 5 | 5 |
PK | 0 | 0 | 0 | 0 |
シュート | 12 | 9 | 11 | 9 |
警告/退場 | 0/0 | 0/0 | 1/0 | 1/0 |
<監督コメント>
セレッソ大阪 パウロ・アウトゥオリ監督栃木SC 倉田安治監督
<選手コメント>
セレッソ大阪 山口選手、中澤選手、山下選手セレッソ大阪 関口選手、田代選手、玉田選手、丹野選手
栃木SC 廣瀬選手
栃木SC 菅選手、金子選手、ジョナタン選手
国際AマッチウィークはJ2は基本的に関係ないのですが、今回は天皇杯期間ということでリーグ戦は8/23から2週空いての31節。セレッソも栃木も天皇杯が1回戦敗退となりましたのでまるまる1週間空いての公式戦となります。
セレッソのメンバーは、8/1の愛媛戦以来となる田代と玉田の2トップ。2列目以降は日本代表帰りの山口も含めていつものメンバーです。またベンチは天皇杯でセレッソデビューを果たした中澤と田中、また今回は20位の栃木が相手ということもあってかボランチをベンチにいれず2列目の控えとして吉野とマグノクルス、前線の控えとしてエジミウソンと楠神、と4人ものアタッカーを入れています。
一方の栃木は、ここまで全試合フル出場のパク・ヒョンジンが天皇杯で退場、本来ならこの退場は天皇杯で消化するレギュレーションになっていますが、栃木は天皇杯で敗退していますので同等の大会であるリーグ戦で消化する形になり今節が出場停止。左SBにはCBとして出場していた中野が入ります。そしてFWには清水から期限付き移籍の金子が移籍後初スタメン。また新外国人のジョナタンがベンチ入りしています。
■栃木の狙い
4-4-2でセット |
ボールを中心に縦にも横にもコンパクトな陣形を意識している様子。
サイドでプレッシャーをかけにいく |
栃木の狙いはこのSBの所、もしくはSBから出た所でボールを奪ってショートカウンターというのが最高の形。もしそこで奪えなくても後ろでコンパクトにしている所で奪いたい、そして前向きのベクトルで守備をしてその勢いでSBもあげたいという事なのだと思われます。
■セレッソの狙い
この栃木の狙いに対して立ち上がりのセレッソはちょっと守備がハマっていないところもあったのですが、守備ブロックに対してはサイドチェンジを使って横幅を広げる作戦に出ます。
ボランチを封じるポジショニング |
ボールを持っている時にセレッソのボランチは2枚が横に並ぶのではなく、どちらかが前に出て栃木のボランチの近くにポジションを取る。そして玉田も降りてきて栃木のボランチの近くにポジションを取る。
これで栃木の本間と小野寺のボランチは2トップがCBにプレッシャーをかけに行った時に前に出て行くことができなくなります。
SBからSHの縦の連携 |
これは4-3-3の頃からインサイドハーフを走らせていた形ですが、ここに来て酒本と関口、丸橋とパブロのコンビネーションが良くなってきて多用している形です。
3分には丸橋とパブロの関係で左サイドを崩してクロスから田代の決定機を作っています。
このサイドを動かす形と先ほどの栃木のボランチに対するセレッソの玉田と山口もしくは扇原のポジショニングで栃木の守備は壊滅的な状態になっていきます。
栃木の守備が崩壊 |
という中で象徴的なシーンが15分ごろ。染谷が2トップの間、ボランチの間を、グラウンダーのボールでパブロに楔を入れます。
ボールとゴールの最短距離を通るこのパスは絶対に入れさせてはいけないパスです。
パブロは玉田に落として玉田と関口のパスから田代が抜けだしてGKと1対1となるも最後のタッチが大きくなりすぎてシュートが打てずこの攻撃は終わりましたが、この時点で栃木の守備は機能していない事は明らかでした。
偶然のパスでもスーパープレーでもなく栃木守備陣のうっかりミスでもない、セレッソはもう1度この形を作れと言われたら作る事ができる必然性のある形で栃木の守備組織の真っ二つに割るパスを入れました。
なのでその直後のセレッソの先制点も必然。
18分にパブロのスルーパスを玉田が落ち着いて決めて先制。
これも真ん中を割った形。本間が必死にパブロに寄せていましたがCBとCBの間で玉田が決めました。
栃木のサイドを崩す |
関口と酒本で右サイドを崩すと中にいるのはDFラインだけ。酒本がフリーで入ってきているのでDFラインは中にいる田代もパブロも捕まえられていません。
酒本のクロスをパブロが決めて2-0。セレッソがリードを広げます。
27分〜 |
守備が完全に崩壊していたのでもうこれは仕方ない交代だと思います。
失点直後にもう1度コンパクトにボランチに真ん中に残るように指示をだしたのかちょっと動きが変わりかけましたが、この交代までの間の5分間でも怪しい場面があったので交代に踏み切ったのでしょう。
この交代で栃木は最初の状態に近くなります。
セレッソとしてはもう少し畳み掛けるように3点目を狙いたい所だったのですが、ちょっと落ち着かせてしまいます。
というのも最初に書いた守備ではまっていない所があったからで、そこから一気にチャンスを作れるからというのもあったのでしょうが、ボランチがボランチに寄せた時に中に入ってくるSHを捕まえきれなかったからなんですよね。
CBの前でボールを受けられてそこからいくつかチャンスを作られてしまう場面もありました。
しかし42分、セレッソにラッキーなゴールが生まれます。
山口からの裏一発のロングフィードを受けた田代は完全にハンドだったのですが、主審も副審も気がつかずにそのままゴール。
セレッソが3-0としました。
ハンド見逃しはラッキーな形でしたが、栃木のDFラインは高めに設定されていたので、裏抜けは何度か狙っていましたし、栃木は失点するたびに積極的に最初の形で行こうとしてくるので、より裏は取りやすい状況になっていました。
■後半
この試合はもはや決まってしまったに近い状況ですが、監督を代えて残留に向けて戦っている栃木にとっては守備が崩壊したまま大敗となるとこの試合だけでなく今後の試合に影響してくることになります。
という事で栃木は後半からプレッシングのスタートを速くしてドンドン前から喰いついていく形、要するに気持ちを前面に出したプレスサッカーをしてきます。
セレッソとしては本来そうなってくれたほうが勝手に穴もできるし落ち着いてやればチャンスもできるんですが、もはやほぼ試合も決まってしまっている状態ではなかなか無慈悲に続けるのも難しい。ので少し受けてしまう時間帯も出て来ます。
ただ、後半にはボランチのポジションと2トップのプレスバックが改善されて前半ほどにDFラインとMFラインの間は使われなくなり守備は少し安定しました。
60分〜 |
ジョナタンは左利きのキックに自信があるタイプのアタッカーの様ですが、チームのやり方、特に守備面ではまだ理解は出来ていない様です。
その後67分にセレッソはSBとSHの関係で縦を崩す形から玉田が決めて4-0。
直後に田代のシュートを菅がペナルティエリア内で手に当てますがノーファウル。
最終メンバー |
セレッソは79分に山下に代えて中澤、85分に田代と玉田に代えて吉野とエジミウソンを投入。
山下の交代は少しアクシデント的なもので左のモモ裏を気にしているのが少し気になりますが、代わりに入った中澤は前回の天皇杯よりも安定していたのは好材料でしょうか。
試合終了間際に吉野のボールロストから受けたカウンターで扇原がファールを犯しジョナタンのFKを河本がつめて1点返されてしまいますが、4-1で試合終了。セレッソが今シーズン初の3連勝を飾りました。
■その他
この試合は、横幅を広げる勝負に勝って真ん中とサイドを自在に使える状況に持っていった前半の立ち上がりが全てでした。
サッカーでは攻撃は広く・守備は狭くと言われ、特に栃木は狭くする守備が特徴のチームなのですが横幅を使って相手を広げ、真ん中と外を自在に使う事で守りどころを絞らせない形に持って行くことができました。
また田代と玉田の2トップだとボールが収まる反面攻撃に奥行き(深さ)を作る事ができず人数をかけた守備に苦戦することもこれまで何度かありましたが、この日は田代が出来るだけ高い位置に居続けるようなポジションをとっていましたし、あと栃木のDFラインが高かったので裏という選択肢も使えて奥行きの問題で苦しむ事がありませんでした。
これまで何度かこの奥行きについて書いていますが、どうやらなかなかニュアンスが伝わりにくい様で今回ちょっと詳しく書こうかとも思ったのですが、問題になる場面がほぼ無かったので次の試合以降に繰越します(笑)。
攻撃をするためにはスペースがあったほうが良いに決まっていて、スペースを作るためには相手の守備組織を広げないといけない。ということは横幅と奥行きを作らないといけないという事なのですが、またの機会に書きます(笑)。
こんばんは。
返信削除前回、昇格の鍵は楠神にあるのではないかと言った者ですが、ハンサムコンビもこのような役割と結果を見せてくれたのは、凄くうれしいですね。
相手によってうまく使い分けながら、結果を残していきたいですね。
金沢戦もそうでしたが、ゾーンディフェンスをしっかり崩せる仕組みができているのは大きいですよね。
J2屈指の技術力があってこそとは思いますが。
次節の大宮に関しては、攻撃はもちろんですが、しっかりと良い守備ができるかが鍵になりそうなので、もしポジティブな内容が得られれば相当な自信になるのではないかと思います。
家長にはもう一試合休んでほしかったです(笑)
いつも為になる解説ありがとうございます。
返信削除金沢戦では大きな対角フィードを多用してたように思うんですが、今回はあんまりなかったですよね?これって戦い方に幅が出来てきたと捉えてもいいんでしょうか?