2016年7月20日 19時00分:キンチョウスタジアム
予想スタメン |
■前回の対戦
今シーズンJ2に昇格してきた町田ゼルビア。前回の対戦は2/28のシーズン開幕戦。町田がペースを握りながらもセットプレーから山村の一発でセレッソ大阪が勝利となった試合です。町田のシステムは4-4-2。一方のセレッソもそれまで準備してきた4-2-3-1から何故か柿谷を右SHにいれ杉本とリカルド・サントスが前線で並ぶ4-4-2でスタート。
しかしセレッソのルールの決まっていないプレッシングは町田が使えるスペースを与えてしまい、運べないビルドアップは4-4-2のブロックの餌食になる。
後半から柿谷をトップ下に戻して中盤の枚数を増やすことで人数でカバーする場面も増え、個人の技術でボールを運ぶ形も出てくる様になりましたがチャンスまでは作れない。
しかしそんな中でセットプレー一発で勝つという今になって思えば今シーズンのセレッソらしい勝ち方を見せ、セレッソはここから開幕4連勝となりました。
■現在の町田ゼルビア
町田はその開幕戦でセレッソに敗れたものの、2節の京都戦の引分けから12節の讃岐戦の勝利まで11試合負けなしとなり9節には首位に立つ等大躍進。その後は4試合勝利なし等少し落ち込む時期もありましたが現在は7位。前節千葉にショッキングな負け方をしてしまったものの昇格チームとしては大ブレイクと言ってもいいでしょう。チームコンセプトがしっかりしており戦い方が徹底されているので現在も大きな選手の変更や戦い方の変更はありません。
システムは4-4-2。2トップに入るのは鈴木孝司と中島。鈴木孝司は10得点、中島は7得点ときっちり結果も残している2人で、どんな形でも得点が取れるバランスの良いストライカーの鈴木孝司と、身体の強さも持ちながらもスピードと運動量が武器の中島というコンビ。
この2人がボールを引き出して収める形がチームの攻撃のキーポイントとなっています。
左SHはタメを作れてドリブル突破のできる谷澤。右SHには左利きのテクニシャン鈴木崇文が軸となっていますが、ここ数試合は湘南から加入した中村祐也を起用。調子の良さを感じさせるプレーを見せています。
中盤のセンターは李漢宰と森村ですが、李漢宰が出場停止だった前節千葉戦では長崎から加入の井上が起用されていました。
最終ラインでは左SBに入るのは松本。開幕当初は昨シーズンは右SBで起用されていた土岐田が入っていましたがシーズン途中から昨シーズンの左SB松本が戻っています。
右SBには昨シーズン長崎で右WBに入っていた三鬼。開幕では星野が入っていましたが星野の長期離脱もあって三鬼がポジションを掴んだ形です。
CBは開幕当初は不安の残るポジションの1つで、深津、元セレッソのキムソンギ、東京Vから期限付きで加入の畠中とポジションを争っていましたが、そこに清水でプレーしていたカルフィン・ヨン・ア・ピンがシーズン開幕後に加入。ヨン・ア・ピンは怪我さえなければCBでJ1でも十分主力になれるハイレベルな左利きのCB。そのヨン・ア・ピンが一気に軸となりました。
そしてGKにはベテラン高原が入っています。
戦い方としては4-4-2でしっかりと組織を作り、攻撃では2トップが動いてボールを引き出しそこにSHが絡み、さらにSBやボランチも絡んでボールサイドで数的有利を作ってきます。
そして多少アバウトでも前線にどんどんボールを入れてきます。ボール支配率は低く、パス数も少ないながらも攻撃回数が多いのはこれが原因です。
しかし町田はチームとしてどのタイミングでボールを入れるのか、どこにボールを入れるのか、そして前線の選手が斜めに入ってくる事がチームとして共有されているので、ボールをしっかりと収める可能性も高い。そしてもしボールを失ったとしてもその時の形がある程度計算できているので判断を早くする事が出来る。ということは守備への切り替えのスピードも速くなるので高い位置でボールを奪い返す場面も多くあります。
また、その縦パスも中盤だけでなく後ろにビルドアップ能力の高いヨン・ア・ピンを獲得した事でCBが持ちだして相手の1列目の守備をかいくぐり縦パスを入れるという形も見られます。
守備に関しては先ほどの切り替えの速さから高い位置で奪い返す事ができなければ、4-4-2でしっかりセット。選手間の距離が一定になるようかなりトレーニングされており、かなり強固なブロックを作ります。
■プレビュー
中3日での連戦となる今節なので基本的にメンバーはわかりません。ただセレッソはおそらく前節と同じメンバー。丸岡がトップ下に入り玉田、澤上、田代、山村はベンチスタートとなるのではないかと思われます。
一方の町田は、前節CBで先発した深津が累積警告で出場停止。さらにキム・ソンギが長期離脱となっているため、CBでヨン・ア・ピンとコンビを組むのは若い畠中になりそう。そして李漢宰と松本が前節の出場停止から戻ってきます。
その他のメンバーは基本的に変わらないと思いますが、あるとすると土岐田を右SBで使うぐらいでしょうか。
町田はセレッソが苦手とする完成度が高いチームですが、試合展開としてはボールを持つ時間はセレッソの方が長い展開になりそう。
そんな中でセレッソが使いたいのは両サイドのスペース。町田は選手間の距離がコンパクトになるよう徹底されています。という事はブロックはボールサイドにスライドするので逆サイドは大きく空くことになります。
対4-4-2のコンパクトなブロックを崩す為の攻撃の基点となるのは2トップ脇。逆に町田はここを2トップのスライドとSHが前に出ることで埋めてこようとします。
まずここを山口とソウザのアイデアで攻略しボールを大きく動かしてサイドのスペースを使う。右サイドでは清原と松田、左サイドでは杉本と丸橋の関係でサイドを使う事で縦に運ぶだけでなく4-4-2の選手間の距離を広げる形に持って行きたい所。
町田はブロックを落とした時にはサイドのスペースはSBが出ていき、空いたスペースは中盤が下がって埋める形になっていますが、この形になれば前節可能性を感じさせた丸岡の動き出しで中盤と最終ラインを動かしチャンスを作っていきたい所です。
一方守備に関しては1列目の守備で最初の縦への長いボールをできるだけ制限したい所。行くタイミングや絞り方がハッキリしていないのが現状ですが、ベンチは充実しているので最初から飛ばし気味に入っても良いかもしれません。
またもう1つ厄介なのが斜めに入ってくる動き。本来ならボールホルダーへのプレッシャーでカバーしたい所ですが、展開によっては中盤の枚数を増やす方法もあるかもしれません。
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