スタジアム | デンカビッグスワンスタジアム | 主審 | 三上 正一郎 |
入場者数 | 3,104人 | 副審 | 聳城 巧、福岡 靖人 |
天候 / 気温 / 湿度 | 晴れ / 28.2℃ / 64% | 第4の審判員 | 田中 玲匡 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- 呂比須 ワグナー
- 監督
- 尹 晶煥
試合経過
- 115'
- 113'
-
111'
-
102'
- 100'
- 96'
-
95'
-
90+4'
- 83'
-
77'
- 70'
-
68'
- 65'
- 50'
-
48'
-
41'
-
24'
- 23'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 17 | 21 | 17 | 16 |
CK | 5 | 3 | 8 | 2 |
PK | 0 | 1 | 0 | 1 |
シュート | 15 | 8 | 16 | 11 |
警告/退場 | 4/0 | 3/0 | 3/0 | 2/0 |
公式記録(pdf) http://www.jfa.jp/match/emperorscup_2017/schedule_result/pdf/m66.pdf
<監督・選手コメント>
アルビレックス新潟 呂比須ワグナー監督セレッソ大阪 尹晶煥監督
アルビレックス新潟 加藤選手、西村選手
セレッソ大阪 木本選手、リカルド・サントス選手、山口選手、丸橋選手、茂庭選手
アルビレックス新潟 小泉選手(アルビレックス新潟公式)
第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会3回戦、セレッソ大阪は敵地デンカビッグスワンスタジアムでアルビレックス新潟と対戦。延長戦に突入する激しい戦いは、延長後半立ち上がりに新潟が勝ち越し点を決めたものの、その後2得点を奪ったセレッソ大阪が2-3で逆転勝利。4回戦進出を決めた。
■メンバー
3回戦で唯一J1同士の対戦でありながら、このカードのTV中継は無し。カップ戦の醍醐味の1つにジャイアント・キリングがあることは認めるが、そこにしか注目出来ないのはサッカーというスポーツを伝える側としてどうなんだ、DAZNがJ3もインターネット中継を行うようになった今、放映権を持ちながらオンデマンドですら中継しないスカパーへの身勝手な憤りも感じながらの一戦です。実況・解説なしでいいのに。新潟のメンバーは、リーグ戦18節の浦和戦から中2日ながらベストメンバー。この試合の後に中断期間があることが大きいのだろう。最初の発表では1トップに山崎亮平が入っていたので浦和戦から代わっているのは鈴木武蔵からホニと西村から富澤という2人のみ。しかもこの2人は浦和戦では怪我で外れていたという立場の選手なので、どちらかと言えばこちらのほうがベストメンバーといえるかもしれません。しかしアップ中に山崎が痛めたとのアナウンスがあり、急遽先発メンバーが変更。前線には山崎に代わり平松が入る事となっている。
一方のセレッソは、今週の練習では若手選手もトップチームの練習に合流していたが、先発メンバーに名を連ねたのは普段ルヴァンカップを戦っているメンバーが中心。10節の柏戦から山村と山口の2人を残し9人を入れ替え、1トップには澤上、左右の両サイドには関口と福満、ボランチには秋山が入り、最終ラインは右から酒本、木本、茂庭、田中と並び、GKには丹野が入っている。ベンチにはリーグ戦のメンバーから丸橋と水沼が入り、その他は圍、藤本、丸岡、清原、リカルド・サントスとなり、最終的にはU-23からのメンバーは入らなかった。
■ペースを握る新潟
立ち上がりは長いボールを積極的に使っていたセレッソ。守備ではミドルゾーンでブロックを作る形となっていたが、時間の経過と共に徐々に新潟がペースを握るようになる。新潟のボール保持 |
セレッソが高い位置からボールを奪いに行くわけではないので、新潟がセレッソの2トップに対して小泉が最終ラインに下がって3バック化することで数的有利を確保しSBを高い位置に出す。CBの持ち出しやこの3人と中盤に1人残った加藤を使い2トップの脇のスペースに侵入、または2トップ裏にボールを入れてきます。
ここから特徴的だったのは、新潟は4-2-3-1で守備の時は平松とチアゴ・ガジャルドが前線に出る4-4-2で守る形ながらも、マイボールの時は右SHの矢野が前線に出てチアゴガジャルドがトップ下から右サイドに流れる4-4-2に形を変える事。CBの持ち出してセレッソのSHを引き出しSBとの連携でセレッソの2列目の守備を外してから、両サイドのホニとチアゴ・ガジャルドがセレッソのSBに仕掛けるという場面を作り出します。
この新潟のブラジル人2人はスピードもテクニックも、突破力もある。この両サイドの選手は簡単にボールを失わないので、ここにボールが入るとSBも上がってくる。そして中央には高さもある平松と矢野がいるという形になっていた。
新潟のビルドアップはホニとチアゴ・ガジャルドにいい形でボールを入れることと、目的が徹底されており、この2人はポジションを入れ替る事も多い。新潟はこの2人の質を中心に攻撃を組み立て、チャンスを作っていった。
そして23分、ホニに1対1を仕掛けられた酒本が振り切られ、手を使って止めたところでイエローカード。このFKから平松が頭で合わせて24分に新潟が先制する。
平松のヘディングは一旦丹野がセーブした様に見え、その後蹴り込まれた様に見えたが、公式記録では平松のヘディングでの得点となっているので、セーブの時点でゴールラインを割っていたということなのだろう。
前半のセレッソは加藤が広く動いてファーストディフェンダーとして機能することで攻撃の起点を作らせてもらえず、また新潟の素早い攻守の切り替えに苦労しほとんど攻撃の形をつくらせてもらえなかった。こういう時でもソウザがいると個で相手のアプローチを外してくれるのだが、この試合ではそれができず、秋山は引っ抱える。ソウザのいない試合という感じだった。
前半唯一の決定機は前半終了間際のカウンターから福満が抜け出した場面だったが、富澤とソン・ジュフンが懸命に戻った事でシュートは枠を外れた。
■PKで同点に追いつくセレッソ
48分〜 |
しかしこのセレッソのCKで関口がニアに入れたボールで、おそらく原が田中を引っ張って倒してしまいPK。混戦になっていたのでわかりにくかったが、審判の笛やその他の新潟の選手の振る舞いから、「やっちゃったな」というプレーだったのだろう。
このPKを山口が落ち着いて決め、50分にセレッソが1-1と同点においつく。
これでセレッソが持ち直すかと思われたが、新潟のサイドに出たブラジル人選手を起点にする攻撃が止められない。なのでSHやボランチも正しいポジションを確保できなくなり、2列目の守備バランスも崩れるという、セレッソにとって難しい試合なのは変わらなかった。
68分〜 |
リカルド・サントスが入ったのは澤上と同じそのままのポジション。一方の鈴木武蔵は左SHにはいりホニが右SHへと移動した。
鈴木武蔵投入後 |
それまでの時間でセレッソはサイドでの質的優位で2列目の守備も動かされるようになっていた事で、チアゴ・ガジャルドは比較的中央でもボールを持ちやすい状況になっており、ここから鈴木武蔵やホニへのスルーパスを狙う機会が増えてくる。
70分〜 |
鈴木武蔵とホニが狙うSBとCBの間を消そうという狙いだろう。
前がかりになる新潟に対して後ろの枚数を増やしたセレッソ。新潟はサイド深くまでは侵入できなくなったが、セレッソの前線が1枚になった分、DFラインの前までは簡単に進める様になり、ミドルシュートを増やす。チアゴ・ガジャルドが下がってボールを受ける場面も増えていたのは、なんとかという気持ちはつたわるが、セレッソにとっては前に残っていたほうが嫌だったはずだ。
一方でセレッソの攻撃は、リカルド・サントスをスペースに走らせる場面が増える。ここに福満も出ていくことができればチャンスになる。
これは新潟が前がかりになってCB2枚で対応する形に変更したからで、また流石にこの時間になると中盤の切り替えが遅くなっていたからでもあった。
83分〜 |
後半終了間際にカウンターでスペースに抜け出したリカルド・サントスが右足で狙うが、左ポストをかすめて惜しくも枠外。CKとなったのでGKが触ったか。
試合終盤に来てのリカルド・サントスのパワーは新潟にとって嫌だっただろう。
■延長戦
1-1で延長に突入。延長前半は新潟がボールを支配する時間は長いままだが、試合がオープンになった事もあって左CBの木本が持ち上がって、丸橋を高い位置に上げるシーンも目立つようになる。しかしそんな形でボールを奪われてからのカウンター。茂庭がしっかり対応し、後ろに流れたボールは藤本がコントロール下に置くが、判断ミス。新潟の選手が後ろからも迫ってきていたにもかかわらず丹野に任せようとしたところを鈴木武蔵に奪われ、チアゴ・ガジャルドからホニが流し込みゴール。
95分、両チームにとって大きな得点は、セレッソにとって奪われ方が悪かった事もあって、試合が決したかと思われた。
同点ゴールの起点 |
キックオフから新潟の選手は1度もボールを奪い返すことなく、セレッソは失点の1分後に同点に追いついた。
このゴールは試合の行方を大きく左右するゴールだった。
新潟はリードしたことで積極的にボールを奪いに行こうとしたんだと思うが、セレッソは3バックにしていたため、そこにはミスマッチが生じている。
結果的にはこの新潟の姿勢が裏目に出てしまった形になった。
102分〜 |
後半に入り、鈴木武蔵が抜け出す場面を作るが、寄せられてシュートを枠に飛ばせず、木本のシュートのこぼれ球を福満が押し込むがオフサイドと試合はどんどんオープンになる。
しかし、延長も後半となり両者の足が止まっていたこともあったが、同点に追いついたプレーの様に4-4-2の新潟に対して3バックの左に入る木本が高い位置でボールに絡む事でセレッソは相手ゴール前に人数をかけて運べる場面を作れるようになっていた。
すると、113分、高い位置でボールを奪うと木本がリカルド・サントスとのワンツーでバイタルエリアに侵入。ここからファーサイドへ放った巻いたシュートがネットを揺らしゴール。
113分にしてこの試合で初めてセレッソがリードを奪った。
そしてこのままセレッソが逃げ切り試合終了。
延長までもつれ込んだ熱戦は2-3でセレッソの逆転勝利となった。
■その他
ベストメンバーの新潟に対して完全に試合を支配されたセレッソ。セレッソがボールを奪っても、ボランチのところに思い切ってプレッシャーをかけてくる新潟のアプローチをなかなか外せず、攻撃は長いボールのまま。カウンター以外は山村がかなり長い時間1人でキープしなければ攻撃が成立しないような状態だったので、かなり厳しかった。また新潟のボールを持つ攻撃に対しても、両サイドでボールを受けるブラジル人に対してSBが1対1で後手を踏んでしまう事が多く、全体のバランスを保ちきれていなかった。
そんな中でもセレッソは1失点で抑えていた事が大きかったのだろう。
また、この試合の最大のポイントは間違いなくリカルド・サントスの同点ゴール。あのタイミングで決めることが出来ていなければ、この試合に勝つことはなかったんじゃないかと思う。
新潟にとっては、勝てる試合を落としたというゲームだっただろう。
ただ、同じボールを持ったけど負けたという試合だったルヴァンの時とは違って、この試合では効果的な攻撃ができていた。それが負けたとは言えチーム状態を考えるとポジティブな印象に繋がったのだろう。
2年連続中継なしの天皇杯3回戦となったため、現地に行くことになりましたが、内容は別にして、去年とは違い展開は楽しいゲームでした。
延長はなぜかyoutubeのLIVEが出来なくなりinstagramに切り替えたので映像はありません。
観戦お疲れ様です。
返信削除相変わらず内容が濃い…いつも楽しみに読ませてもらってます。ありがとうございます!