2019年5月18日 19時00分:パナソニック スタジアム 吹田
予想スタメン |
明治安田生命第12節は大阪ダービー。敵地パナソニック スタジアム 吹田でガンバ大阪対セレッソ大阪の一戦が行われる。
■ガンバ大阪
昨季は序盤から苦しんだもののちょうど半分で宮本監督が就任すると終盤には9連勝で1桁順位にまで持っていったガンバ大阪。今季は最初から宮本体制ということで大きな期待を持って迎えたシーズンだったが大苦戦。2勝2分7敗の16位に沈んでおり、3月17日の第4節川崎戦以降2ヶ月間リーグ戦の勝利が無い。
ガンバの試合をいくつか見ているが、ボールをすばやく敵陣に運んで攻め込む、そして奪われたボールはスグに奪い返す、敵陣でボールを持つ。そんなアグレッシブなサッカーをしたいんだろう。
前線には動き出しの鋭さはJリーグトップクラスのファン・ウィジョと、スピードが上がってもぶれない技術を持つアデミウソンがいる。SHにも倉田と小野瀬がいるので彼らの能力を活かすこともできる。
スタッツ的にもボール保持率こそ52.1%で6位だが、アタッキングサードプレー数はリーグ3位と高い数字を記録しており、前方パス本数もリーグ5位となっている。
ただしこの戦い方は強度の高い状態がハイテンポで続く。
しかしそうなると今のガンバには耐えられない部分が出てくる。ガンバはは失点数がリーグワースト2位なのだが、特に多いのが31分〜前半終了までと76分〜試合終了までの、前半・後半の終盤。最も消耗が激しくなる時間帯に失点が増えてしまうのは決して偶然ではない。
特に厳しくなるのが中盤のセンター。これまでべテランの遠藤と今野に頼ってきたポジションである。もちろん今でもこの2人は高いクオリティを持っている。しかしこの2人に消耗戦をさせるのは流石に酷だ。
ただしそれは宮本監督も自覚している。
印象的だったのが第8節大分戦後の「後半45分で見せたテンションを最初から見せていれば、多分90分はもたない。」というコメント。
この試合は大分に対して前半は5バックでかなり守備的に戦ったが少しアンラッキーな形で失点。後半に選手、システムを変えると同点ゴールを奪い1-1の引き分けに終わったという内容だった。
その試合後の会見で「前半の45分がもったいないように見えたのですが、監督が振り返って前半の評価はどうでしょうか?」「後半のサッカーを見れば、もう少しホームで攻撃的なサッカーができたのでは、という見方もできると思うのですが。」という質問を受けて答えた中の発言である。
宮本監督としては前半の45分間は試合を殺し、後半45分で勝負しようという狙いだった。
がしかし、殺そうとした前半で失点してしまったこともあるのだろうが、この質問でもわかるようにこの戦い方の評判は相当悪かったんだろう。
この試合を境に以降のリーグ戦で遠藤は一度もボランチで起用されておらず、代わりに倉田がボランチに固定されるようになっている。
とはいえこの入れ替えで問題は解決したわけではない。むしろ新たな問題も出てきている。
倉田がボランチに入ることで遠藤に比べると確かに強度は上がった。しかし倉田はボランチの経験はあるが基本的にはSHなどの2列目の選手。なので動いてしまうのだ。
そしてガンバの守備はセレッソのように網を張ってインターセプトを狙うというよりも、アタックして奪いに行く形がメイン。そこに動いてしまう倉田がボランチで加わることでボールを奪い切れるなら良いが、奪うことができなければただただ選手間の距離が広がってしまうのだ。
それは前節鳥栖戦でも「ボランチとCB,SBとCBの距離がバラバラ」という形で表れていた。
ガンバは「守備は狭く/攻撃は広く」というサッカーの基本的な形から逸脱しやすくなってしまっている。
先日サッカーダイジェストWebでセレッソがジレンマを抱えているという勘違いをベースにした記事がでていたが、理想と現実、できる事とできない事、の間で本当にジレンマを抱えているのは宮本監督じゃないかと思う。
■プレビュー
まずはガンバ大阪の先発メンバーから。この試合はキム・ヨングォンが累積警告で出場停止となるのだが、前節鳥栖に完敗していることを受けそれ以外にも多くの入れ替えがあるようなことを宮本監督はほのめかしている。
キム・ヨングォンに代わっては三浦が入ることになるだろうが、ボランチは高江と矢島、SHは小野瀬と倉田という組合せが濃厚か。鳥栖戦で唯一のゴールを決めた食野は勝負どころで投入するスーパーサブ的な起用の可能性が高いとは思うが、もし先発起用となるならこの試合でも倉田がボランチに入ることになるだろう。そして3バックの可能性もとの情報もある。
一方のセレッソ大阪の先発メンバー。
都倉が前節のマリノス戦で大怪我をしてしまい長期離脱。ただそこには前節も都倉に代わって出場した高木がそのまま入ることになるだろう。またU-20ワールドカップのためにチームを離れた瀬古の代わりにもそのまま木本が入ることになりそうで、大きな変化は無いだろう。
試合のポイントとしては、ガンバが勢いを持って入ってきたとしても、セレッソはそれに焦ったり飲まれたりせずにやるべきことをできるかどうかだろう。
例えばガンバの攻撃はボール保持を基本としながらも縦への意識が高い。それに対してセレッソは前線から制限をかけ落ち着いてブロックを作ることができるかどうか。
ガンバの攻撃は前線の選手が中央に寄りたがる。前線には強烈なアタッカーが揃っているが、そこをコンパクトなブロックで窒息させることが理想。それができるだけの力は十分ある。
またボール保持では、サイドで優位性は作れるだろうからそこを起点に2トップにSBとCBの間から背後を狙わせたい。
セレッソは4-4-2とはいえボール保持で3バックにもなれる。そうなると高木とブルーノ・メンデスはSBとCBの間にポジショニングを取りやすくなる。ここから背後を狙うことができれば、いくつもチャンスをつくれるはずだ。
ノーマルに考えればセレッソが優位に試合を運ぶ可能性が高い。
ただしこの試合はダービー。昨年のようにガンバがなりふり構わず戦ってきた時にその優位性は消される可能性もある。
そしてガンバはもしかすると大分戦のように試合を殺す時間帯をつくって、短時間で勝負をつけようとする可能性もある。
そういう展開となった時に重要なのがロティーナが日頃から繰り返し話している試合をコントロールすること。サイドで優位性をつくりながら試合のリズムをセレッソが作る展開に持っていきたい。
敵地での大阪ダービーに勝利することでチームを1つ上のステージに進めたい。
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