スタジアム | ヤンマースタジアム長居 | 主審 | 大坪 博和 |
入場者数 | 17,728人 | 副審 | 間島 宗一、武部 陽介 |
天候 / 気温 / 湿度 | 曇 / 25℃ / 68% | 第4の審判員 | 西村 幹也 |
メンバー
- 監督
- ロティーナ
- 監督
- 名波 浩
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 ロティーナ監督ジュビロ磐田 名波浩監督
セレッソ大阪 水沼選手、清武選手、丸橋選手、松田選手、キム・ジンヒョン選手
ジュビロ磐田 松本選手、山田大記選手(ジュビロ磐田公式)
明治安田生命J1リーグ第16節、本拠地ヤンマースタジアム長居でのセレッソ大阪対ジュビロ磐田の一戦は2-0でセレッソ大阪が勝利。リーグ戦では6月唯一のホームゲームとなるこの試合は快勝に終わった。
■メンバー
セレッソ大阪の先発メンバーはリーグ戦前節と全く同じ11人。ミッドウィークのルヴァンカップから中2日での試合となるが、松田、藤田、デサバトの3人は引き続き先発となる。開幕直後から、そして先日もロティーナは「開幕前のキャンプは狙い通りのものではなかった。」とコメントしており、さらにその理由として「システムや選手を入れ替えすぎたのかもしれない」といっていたことから開幕後はチーム力を向上させるためにもシステムや選手を固定傾向にあるが、前節のアウェイ鹿島戦は2-0で敗戦となったものの、試合内容としては決して負けるようなものではなかったので同じ11人でということなのだろう。
またベンチにはルヴァンカップで復帰した柿谷、瀬古に加えトゥーロン国際大会でチームを離れていた舩木も復帰。また山田寛人はルヴァンカップに引き続きベンチ入りとなっている。
一方のジュビロ磐田の先発メンバーだが、リーグ戦前節から2人を入れ替え。出場停止から戻ってきた新里と代表から戻りミッドウィークのルヴァンカップでも先発したロドリゲスが先発となり、前節先発の森下、アダイウトンはベンチスタート。そして櫻内、大久保がベンチ外となった。
また普段は3バックの右に高橋、左に新里という関係となっていることが多いがこの試合ではこの3人の左右を入れ替えている。
■狙い通りの立ち上がりとなったセレッソ
予想通り磐田は立ち上がりから2トップ+トップ下の山田で前線からアプローチをかけてきた。磐田は基本的にプレッシングをかけてラインを高くしてというのを狙っている。これはおそらく得点力に問題を抱えているからで、前から行って奪ってショートカウンターという形でその問題点を解決しようとしているのだろう。
ただ、それができているのか・できていないのか。どのような形で行うのか・行わないのか。どのような時に行うのか・行わないのか。など曖昧な部分が多く、開始2分の形はカウンター気味のものだったが、
3分の場面 |
4分の場面 |
この動きは、ここ最近のセレッソが相手のブロックを動かすために行う代表的な形。
対4-4-2であれば2CB+2ボランチのビルドアップで相手のSHを食いつかせ、そこから丸橋や松田にボールを入れることでSBを食いつかせるという形で行っていたが、この試合では相手が3バックということでミスマッチができているので比較的作りやすい。
そして磐田は先に書いた状況から前線から積極的にアプローチをかけていきたいチーム。そういったことから試合の立ち上がりからセレッソは自ずとして狙っている形が作れていた。
となるとさらに磐田はスペースをマネージメントすることができない状態へと陥っていく。9分には最後はカミンスキーがスーパーセーブを見せるがポッカリと空いた中央からボールを運ぶカウンターからメンデスが抜け出しGKと1対1に。12分には水沼のクロスを奥埜。さらにそれで得たCKから13分には丸橋のシュートがゴールネットを揺らすも惜しくもオフサイドとセレッソが決定機を量産した。
セレッソ先制点の場面 |
丸橋から背後へというのはクルピ時代からあった形の1つで、丸橋は質の高い左足キックを持っているのでこのボールを蹴ることができる。
そしてGKからではなかったが、5分前の15分にもビルドアップで丸橋をフリーにし裏へというボールがあったように磐田がラインを高くしたいチームだということを踏まえ狙っていた形だったのだろう。
そしてこの時丸橋がフリーになったのは清武が下がってくる動きに対して小川大貴が引っ張られたことからだった。
試合後の会見で名波監督が「立ち上がりから、だいぶ前がかりに相手が来たので・・・」と語っているが、ここまでを踏まえるとそうなった理由の半分ぐらいは磐田の戦い方にあったのではないかと思う。
■高橋に水沼
攻撃の起点となる高橋祥平 |
それまでは中山にもロドリゲスにもボールがなかなか収まらず、攻撃の形を作りきれていなかった磐田だが、この動きによりセットした状態でボールを持てるようになりコントロールした状態で敵陣に入っていくことができるようになっていたのだ。
高橋をここで浮かせ、松本を前に出すことで松田の裏にロドリゲスを走らせようという狙いだったのだろう。
そしてこの試合で高橋と新里のポジションを入れ替えていたのはおそらくこれが狙いだったんじゃないかと思う。
高橋祥平に対し水沼がアプローチにでることで… |
プレーが切れたタイミングで松田と水沼を呼んで指示したのは、高橋に水沼を行かせること。
そしてこれに連動して松田は松本に、そして残りの中盤3人とDFライン3人を一気にボールサイドにスライドさせる。磐田の攻撃をセレッソの右サイドで窒息させにかかった。
これで再び停滞する磐田。なんとか打開しようと山田を中心にキム・ジンヒョンまでプレスをかけるもあえなく外され逆にセレッソが広大なスペースを得た状態で攻撃を仕掛けることに。
40分の清武がドリブルで運び、丸橋のクロスにブルーノ・メンデスと奥埜が飛び込もうかという場面はなんとか手前で高橋がクリアしたが、セレッソの決定機だった。
またさらに、この直後にロドリゲスがヘディングシュートを放った場面の様に、磐田がチャンスを作るには1人1人が全速力で走ってボールが合うかどうかというイチかバチか的な形しかない。ロドリゲスを起用しているということはそういう「イチかバチか的なものでも決めてくれる」というのを期待しているのだとは思うが、それだけだと流石に厳しい。
■後半開始早々の追加点
後半開始〜 |
そしてそれ以外にも変更があったのはセレッソのゴールキックに対する守備。
ゴールキックから先制点を奪われたからだとは思うが、前半は毎回同じ立ち位置をとりパスを繋いでいくセレッソのゴールキックに対し磐田の対応はバラバラだったが、後半は人を決め前から捕まえに行くことを徹底してきた。
がしかし、試合を再びセレッソが動かす。
セレッソがSBにボールが入った時にSHが中から外へと走る形のバリエーション。トップの位置からブルーノ・メンデスがサイドに流れる動きで丸橋からのボールを受けスローインを獲得。
ここから藤田のロングスローをロドリゲスが頭に当てたこぼれ球に水沼が飛び込みゴール。
51分にセレッソが2-0とリードを広げる。
この場面ではニアで触ったのは磐田のロドリゲスだったが、セレッソはこの試合では徹底的にニアでフリックしてファーで飛び込むという形を繰り返していたため、ファーサイドでは水沼を始め複数の選手が飛び込んでいた。
■危なげない勝利
2点ビハインドとなったことで前がかりになる磐田。ただ、磐田にできることといえばとにかく勢いで前に運んで何かが起こればという形なのであまり効果はない。
53分にアダイウトンがシュートを放つもセレッソ守備陣がコースを限定できていたのでジンヒョンが見事にセーブした。
一方のセレッソの攻撃は徹底して磐田の動きを見てスペースとポジショニングでボールを繋いでいくので、セレッソのチャンスの方が質は高い。
60分の松田のクロスに4人が飛び込んだ場面は決定的だった。
72分〜 |
磐田の布陣はこれで3-4-1-2から3-4-2-1へと変化しているのだが、この試合の磐田の戦い方であればシステムはあまり関係ない。
前線でとにかく前へと強引に仕掛けてくるので、もちろん磐田にチャンスが無いわけではない。がしかしどうしてもそれではイチかバチかでしかなく可能性は低い。
一方セレッソは相手を見て動いてチャンスを作る。追加点を奪うことはできなかったがここからもチャンスを作り続けていた。
90+3分〜 |
90+2分には松田に代えてそのまま山下を、90+3分には清武に代えて山田寛人を投入し、山田寛人は前線に、田中亜土夢は左SHに投入しそのまま逃げ切りに成功。
セレッソ大阪が盤石の試合運びで勝利した。
■その他
完勝と言っていいだろう。本文中にも書いたように磐田は「何かが起これば」という感じでガンガンしかけてくるのでピンチが無いわけではないが、試合を終始コントロールしていたのはセレッソ。
負ける要素の殆ど無い試合ができたのではないかと思う。
一方の磐田にとってはかなり厳しい試合だったと思う。
名波監督自身も試合後のインタビューで語っているが、あれだとシュートは打てても得点を奪うのは難しい。また守備でもスペースの管理ができていないのでボール保持攻撃はもちろん、1人しかいないカウンターの起点にパスを通されたりもしていた。
ただしそんな中でも選手は90分間攻守に続けていたのがポジティブな要素か。
ということで、これでセレッソは4/24のルヴァンカップ神戸戦からホームでの公式戦6試合連続無失点で5勝1分け。
ミッドウィークのルヴァンカップ東京戦セカンドレグでも無失点で勝利し決勝トーナメント進出を決めたいところだ、
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