2019年6月28日金曜日

6/26 YBCルヴァンカップ プレーオフステージ 第2戦 VS FC東京 @ ヤンマースタジアム長居

スタジアムヤンマースタジアム長居主審村上 伸次
入場者数6,116人副審相樂 亨、権田 智久
天候 / 気温 / 湿度曇時々雨 / 24.8℃ / 78%第4の審判員上田 益也
セレッソ大阪C大阪
 
FC東京FC東京
 
  • 監督
  • ロティーナ
 
  • 監督
  • 長谷川 健太
全ての試合において 21 歳以下の選手を 1 名以上先発に含める。※1

※1 但し、以下の場合は出場義務を負わない。
・対象選手1名以上が日本代表試合または日本代表の合宿その他の活動(ただしA 代表またはU19以上のカテゴリーの日本代表に限る)に招集され、試合日に不在の場合。
・対象選手が試合エントリー後の怪我等のやむを得ない理由により出場ができない場合。

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 ロティーナ監督
FC東京 長谷川健太監督

セレッソ大阪 清武選手、藤田選手、舩木選手、圍選手
FC東京 矢島選手、内田選手(FC東京公式)

YBCルヴァンカップ プレーオフステージ。ファーストレグはホームのFC東京が1-0で先勝して迎えた、セレッソのホームで行われるセカンドレグ。セレッソ大阪が先制するもFC東京が追いつき1-1で終了。今季のルヴァンカップはこのプレーオフステージで敗退することとなった。

■メンバー

セレッソ大阪の先発メンバーはリーグ戦前節から7人を入れ替え。リーグ戦から引き続き先発となったのは水沼、藤田、デサバト、松田の4人。水沼を除く3人はファーストレグでも先発していた。
なのでファーストレグからは、水沼とトゥーロン国際大会から戻ってきた舩木が変わっている。

一方のFC東京の先発メンバーは、リーグ戦前節から9人を入れ替え。
引き続き先発となったのは林と小川の2人。とはいえ小川はリーグ戦での左SBからこの試合では右SBで起用されていた。
そしてファーストレグからは8人が入れ替わり。矢島、太田、林の3人は引き続き先発となった。

■両チームにとってのセカンドレグ

試合にふれる前にまずは両チームにとってのこの試合のプランについて考えてみよう。
まずはFC東京。ファーストレグは多くの主力を出して1-0と先勝することに成功した。
アウェイゴールを与えなかったことは成功だったが、取りに行った2点目は取れなかった。
そして中2日の土曜日には順位が入れ替わる可能性もあるマリノスとの首位攻防戦。この試合で主力を起用するとしてもかなり限定的となる。
なのでプランとして最優先なのは失点しないこと。0-0で良い。そんな中でカウンターで1点取れれば最高といったところか。

一方のセレッソ大阪はファーストレグでは1-0の敗戦。多くのチャンスを作りながらもアウェイゴールを奪えなかった。
ということでこの試合は、勝ち抜くには2点差以上が必要となるためもちろん一番良いのは大勝することだが、1点差でも1-0であればそのまま延長に持ち込むことができる。
なのでセレッソもまずは失点しないことが重要。セレッソが90分間で1点を奪うことができれば東京も出てこざるを得なくなるので、そこで失点せずに2点目を取れるかどうかというところだろう。

■引くFC東京

実際のポジション
まずFC東京の布陣だが、Jリーグ公式では矢島とユ・インスの2トップ表記になっているが、ユ・インスの実際のポジションは左SH。大森が中央でボール保持時はトップ下の4-2-3-1、ボール非保持時には1つ前にでる4-4-2になっていた。
セレッソのビルドアップ
ボール非保持では4-4-2でセットするFC東京。立ち上がりこそ少し前に出ていく姿勢を見せたが、少しすると2トップはCBに対してアプローチをかけることもほとんどなく、またボランチも前にアプローチに出るということもほとんどしない。基本的にはブロックを作って落として守る形を選択していた。ボランチが前に潰しに出ていたファーストレグとは全く異なる戦い方である。
それに対してセレッソは、ビルドアップでは2CB+2ボランチからなる2-2のボックスビルドアップや、松田が3バックの右になる左片上げの3-2ビルドアップと大きく分けると2つの形があるが、この試合の前半で多かったのは松田が最終ラインに残る片上げ3バックでの3-2ビルドアップ。
この形が多かった理由としては、カウンター対策という部分もあるだろうが、東京の2トップが前に出てこないので3人で数的優位を作って2トップの脇に入らないとスペースが無かったこと。そしてボランチも前に食いついて来ないのでスペースができにくいこと。つまり後ろから順にスペースを送っていかないといけなかったからだろう。
ただ、時々は2-2でビルドアップを行うときもある。
きっかけはボランチの動きで、ボランチの1人が最終ラインに下がった時に、それに連動する形で松田が右のワイドに、そして右のワイドにいた水沼が中央の右シャドゥへと移動する。セレッソはこの動きもずいぶんスムーズになってきた。
この様に時々ビルドアップの形を変えるのは相手を動かしたいからである。
ブロックを動かしたいセレッソ
しかし、この試合前半のFC東京は本当に出てこなかった。
例えばセレッソとしては東京の2列目前に引き出して舩木を空け、舩木から斜めのパスを入れるというのがこの布陣で狙っていた形の1つだろう。
舩木のこのパスは丸橋よりも精度が高く、ワンタッチで正確なボールを入れることができる。
がしかしFC東京は出てこないのでこのパスを入れるスペースが無い。
なのでもう1度下げてやり直すというのを繰り返すこととなる。
そしておそらくこの形だと柿谷が下がってくることはある程度許容されていて、ファーストレグでは効果的だった柿谷がボランチの裏で受けるプレーだが、これも東京が出てこないのでスペースがなかった。

ということでセレッソはなかなか攻めきれない前半ということになるのだが、冒頭にも書いたようにセレッソにとって特に前半最も大切なことは失点しないこと。なので0-0ならそんなに悪くない。

東京の狙いとしては、矢島に当てて大森が受けて、ユ・インスが飛び出すというのがおそらく一番のパターンで実際に何度かチャレンジしていたが、瀬古と山下のCBは矢島にほとんど自由にプレーさせず、また大森も埋もれてしまっている時間がほとんど。
なので結果的にはボール保持してどう攻めるかといった時間帯の方が多く、東京はボール保持攻撃にはあまり怖さが無い。なので前半は硬直した試合展開となっていた。

■後半開始から動いたのは

後半は両チーム共に交代なしでスタート。東京としては変える必要なないので当然だろう。
一方のセレッソは選手交代はなかったが、ビルドアップの形を変えてきた。
2-2でのビルドアップ
それまでの松田が3バックの右に入る3-2から松田が右ワイドに出て水沼がシャドゥに入る2-2に変更。
後半開始直後の46分には藤田が2トップの間に入ってデサバトがユ・インスの前に立つ右ズレ2-2のビルドアップでボールを運んでいる。
藤田が最終ラインに落ちるビルドアップ
そして48分には藤田が瀬古の右に落ちて3-1。山下がドリブルで2トップ脇にボールを運び舩木へ。そして舩木から斜めのパスでトップの高木へとパスを入れた。
60分〜
この舩木のパスから高木がシュートを放った直後にロティーナが決断したのが54分のブルーノ・メンデスの投入。下がるのは田中亜土夢で高木が左SHに入る。
さらに60分には水沼に代えて清武を投入。清武はそのまま右SHに入る。

この交代に伴う高木のポジション移動で、「高木の役割はFWなのかSHなのか」というような声をTwitterで目にしたような気がするが、確かに非保持では4-4-2の1列目から2列目に移動しているので役割は変わっている。
ボール保持時の立ち位置
がしかし、実はボール保持並び2-2-3-2-1(もしくは柿谷清武を2列目とすると2トップ2シャドゥの2-2-4-2)で見ると、役割的にはそれほど変化は無い。

そして清武投入直後の62分、FKが流れたボールをファーサイドで柿谷が拾うと清武が近づき2対2の状況ができる。この2対2での質的優位を活かし柿谷がハーフスペースの深い位置に侵入すると、折返しをブルーノ・メンデスが合わせてゴール。
ここに侵入すれば例えゴール前にディフェンスが何人いようとも点が取れるという見事なゴール。これで2試合合計1-1の同点となる。
セレッソは無失点で1点を奪うというこのミッションの最初の段階はクリア。ここからは次の1点を奪ったチームがほぼ試合を決めることができる。

■試合を決めた次の得点は東京に

64分〜
東京は64分に平川に代えて高萩を投入。高萩はボランチに入り、右SHには大森。そしてトップ下にはそれまでボランチだった安部くん(明治大4年の特別指定選手)が入る。
高萩の投入は失点より前に指示をだしていたらしい。
71分〜
そしてさらに東京は71分に大森に代えて内田を投入する。

1-1となったことで引いて守るだけではダメになった東京は少しずつ前へとボールを奪いに来る場面も増える。
その結果、セレッソは東京の4-4-2での2列目と3列目の間にボールを入れることができるようになっていた。
そしてセレッソは1点を奪うために次々と攻撃的な選手を投入したことで一見リスクを負っているように見えるが、ボール非保持の陣形と選手をみると特にひずみのない4-4-2。特に問題は無い。
なのでセレッソとしてはこのままどこかで2点目を奪うことが出来ればというところである。

しかし75分、高木がボールを奪われたところから始まった東京のカウンター。
実はスタートはそれほどでも無いカウンターだったのだが、松田がボールを奪いに行ったところで、こぼれ球が東京の選手のもとへ。そこからごちゃごちゃとするが再びボールは東京の内田のもとへ。
そこから先もなんとか山下がボールを止めるがそのこぼれ球をユ・インスが逆サイドの安部くんにボールを出し、最後は矢島に渡りゴール。東京が1点を奪う。

この場面は松田が奪いに行ったこぼれ球から始まり何度もセレッソが相手の攻撃を止めているのだが、奪いきれなかった。試合後のコメントで舩木がファールするかどうか迷ったと語っているが、特別ファールが必要だったとは言い切れない場面だったと思う。ただ山下のところはきちんと奪っておきたかった。
最後内田を止めた時にユ・インスが前に入ってきたのでヒールでターンしようとしたのだと思うが、結局それがボールを奪いきれない原因となってしまった。
ここまで東京に特別チャンスがあったわけでもなく、さらにこの場面も致命的な何かがあったわけではないだけに悔やまれる失点となった。
81分〜
その後東京は77分に矢島に代えてカウンター要因としてディエゴ・オリヴェイラを投入。セレッソも81分に奥埜を投入し、ビルドアップを2-1で行うというボール保持では最も前に人数をかけた形にするが、あと2点が必要となったこともありそのまま試合終了。

セカンドレグは1-1の引き分けに終わり、セレッソの2019年YBCルヴァンカップはプレーオフステージ で敗退となった。

■その他

描いていたシナリオの範疇で試合を進めることが出来ていただけに悔やまれる敗戦となった。
本当にあの失点場面だけだったのでもったいない結果だ。
ただ、このセカンドレグで勝ち抜くためのシナリオを難しくしてしまったのは1-0で敗れたファーストレグの結果によるもの。なのでロティーナの言うように「トータル2試合のカギは、第1戦で点を取れなかったことだと思います。」とも言えるだろう。

「ただ、プレーの全体的な内容には満足しています」との発言もあるように、この試合でも内容としては決して悪くなかった。ここのところ内容は良いが結果がついてこないという試合が増えているが、ここで結果に引っ張られること無くこのまま続けていくことができるかどうかが今後のチームに必要なことだろう。

あと、試合後に「舩木にもう少しスピードがあれば」という主旨のツイートをしたのでもしかすると誤解を与えたかもしれないが、この試合で特に舩木のプレーに何か大きな問題があったわけでは無い。そして失点の主な責任が舩木にあるわけでもないと思っている。
ただ、もちろん舩木のプレーがすごく良かったわけでは無いし、まだまだ成長していかなければいけない。
しかも舩木の場合丸橋と違ってスピードでごまかすことが出来ないので、もう少しでもスピードがあれば本人的にも楽になるのになあということでこのツイートになった。トゥーロン国際大会からこういった状況が続いていたので。




0 件のコメント :

コメントを投稿

新着記事

人気の投稿

セレッソ大阪公式Twitter

楽天

楽天トラベル