2022年1月11日火曜日

セレッソ大阪 2021年シーズンレビュー vol.1


激動のシーズンとなった2021年のセレッソ大阪。今年も2021年シーズンを何回かに渡って振り返る。

■12位 13勝9分16敗 47得点 51失点

2017年以降では最低の順位。勝利数は過去4年間で最低となった2018年と同じ13勝だが、今季は20チームでのリーグ戦となったため4試合多い中での成績である。

2021年シーズンは2020年シーズンオフにクラブに復帰した梶野智統括部長の念願であったレヴィー・クルピ監督を呼び戻し「3位以内がノルマ」と大見得を切ってスタートしたが、8月25日に行われた第26節湘南ベルマーレに大敗したことを受けて翌8月26日にクルピ監督の退任を発表。後任には長年コーチとしてチームを支えてきた小菊昭雄監督が就任することとなったが、2015年以来となるシーズン途中での監督交代を行った。


シーズンを通じて一度も降格圏に落ちることはなかったが、2017年以降で重ねてきたクラブ史上最長となるJ1での連続1桁順位は4シーズンで途絶えることとなった。(2017年〜2020年の4シーズン連続(3位、7位、5位、4位)に次ぐのは、1998年〜2000年の3シーズン連続(9位、6位、5位)。これ以外のシーズンではJ1で1桁順位を続けたことがない)


■ 7勝9分9敗 34得点35失点

レヴィー・クルピ監督が率いていた第26節までの25試合(小菊コーチがチームを率いた第8,9節の2試合を含む、1試合少ないのは第19節の札幌戦が第27節と第28節の間に行われたため)の結果である。

得失点差は-1で、1試合平均勝ち点も1.2なので、期間全体で見ると最終順位と大きく変わっていないが、7勝のうち6勝が開幕から12試合で記録したもので、以降は11試合勝ち星なし。時間の経過とともにどんどん勝ち点獲得ペースは下がっていった。

ただ、序盤は良かったかと言われるとはそういうわけでもなく、勝利した6試合の対戦相手は柏、清水、横浜FC、大分、鳥栖、浦和で、半分を超える4チームは最終順位でも下位に沈んだチーム。6位の浦和と7位の鳥栖には勝利しているが、どちらも内容的にはかなり厳しい試合だった。


クルピ監督が率いていた時期の戦い方や退任については、シーズン中にも折に触れて記事を書いたきたので今回のシーズンレビューで踏み込んで書くことはしないが、もやはサッカー自体が大きく変わってしまった現在ではクルピ監督のようなスタイルはもう難しいのではないかとまで感じさせるシーズンだったと思う。


レヴィー・クルピ監督についての記事

レヴィー・クルピ監督について(開幕前/1月)

清武弘嗣が語った「迷い」とは(シーズン序盤/3月)

シーズンの半分を経てたどり着いた3バックと現在のチームの立ち位置(第17節終了後/6月)

ACLグループステージ6連戦で得た収穫(ACLグループステージ終了後/7月)

レヴィー・クルピ監督の退任について(シーズン中盤/8月)


■6勝0分7敗 13得点16失点

小菊昭雄監督就任後の13試合は6勝0分7敗。カップ戦ではルヴァンカップで決勝進出、天皇杯では準決勝進出と一定の結果は残したものの、リーグ戦では負け越しており、得失点差では-3。 1試合勝ち点は1.5なのでクルピ監督時代の1.2からは若干上向いたが、大きく改善したとまではいかなかった。

もちろんシーズン途中での就任であり、しかも就任2日後には次の試合を戦わなければならないという過酷な日程。クルピ監督最後の試合となった湘南戦はかなり厳しい内容の試合だったことを考えると、落ち込んでいたチームを立て直しJ1残留という最低限の結果を残すことができたことは1つの成果と言えるだろう。


小菊監督就任後の13試合で特徴的なのは引き分けが1試合もなかったことである。

13試合も戦ったのに引き分けが1試合もないというのはなかなか無い。ちなみにカップ戦ルヴァンカップ5試合、ACL1試合、天皇杯2試合の8試合を含めてもルヴァンカップ準決勝浦和戦のファーストレグ1試合だけ。ただこの試合もホームアンドアウェイのファーストレグなので、180分間の前半戦という考え方もできる試合のため、普通の90分間の試合での引き分けとは意味合いが異なる。


また勝った試合と負けた試合を分けて見ると、勝った6試合は10得点2失点、負けた7試合は3得点14失点。勝った試合6試合のうち5試合は先制逃げ切りで、負けた7試合のうち4試合は無得点で複数得点を奪った試合は1つも無かった。


このことからも解るように勝ち試合と負け試合が両極端。これはスタッツ的にそうなだけでなく実際の試合内容でもそうで、負けた試合はどれもこれも淡々と、粛々と、負けていくというものばかり。敗れた試合の中で逆転負けを喫した試合が2試合、第30節の鹿島戦と第38節の清水戦の2試合あるが、どちらもあまり手応えのある試合ではなく得点場面も劣勢の中でワンチャンスを活かしたというもの。

また反対に逆転勝ちをした試合は第37節の名古屋戦1試合があるが、こちらはペースを握っていた中でワンチャンスを活かされ失点したもののその後に得点を重ねて逆転勝利をしたという試合だった。


この両極端はどこに原因があるのか。次回は小菊監督就任後について考えてみようと思う。


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