2014年4月14日月曜日

4/12 Jリーグ第7節 VS ガンバ大阪 @ ヤンマースタジアム長居

セレッソ大阪21前半12ガンバ大阪
1後半1
延長前半
延長後半
PK戦
スターティングメンバー
セレッソ大阪ガンバ大阪
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
キム ジンヒョン21GK00GK1東口 順昭
丸橋 祐介14DF00DF21加地 亮
酒本 憲幸17DF00DF8岩下 敬輔
山下 達也23DF10DF5丹羽 大輝
ゴイコ カチャル30DF00DF4藤春 廣輝
長谷川 アーリアジャスール5MF10MF27内田 達也
山口 蛍6MF10MF15今野 泰幸
南野 拓実13MF34MF13阿部 浩之
杉本 健勇20MF21MF19大森 晃太郎
柿谷 曜一朗8FW43FW9リンス
フォルラン10FW60FW7遠藤 保仁
武田 博行1GK0GK16河田 晃兵
染谷 悠太3DFDF3西野 貴治
新井場 徹7DFDF22オ ジェソク
扇原 貴宏2MF1MF10二川 孝広
楠神 順平11MF03MF11倉田 秋
ミッチ ニコルス18MFMF17明神 智和
永井 龍9FW00FW20佐藤 晃大
18シュート12
9GK14
6CK4
9直接FK10
1間接FK1
1オフサイド1
0PK0
セレッソ大阪ガンバ大阪
フォルラン(21')
フォルラン(62')
得点阿部(42')
阿部(53')
ジンヒョン→武田(59')
杉本→永井(84')
南野→楠神(89')
交代今野→佐藤(37')
大森→倉田(63')
リンス→二川(81')
フォルラン(82')警告今野(31')
退場
スタジアムにヤンマーのエンブレムもつきこけら落としとなる試合は2年ぶりのダービーマッチ。セレッソの注目度の高さとダービーマッチということで全席種完売、42,723人の大観衆を集めての試合となった。

セレッソのメンバーは杉本が右SH、長谷川がボランチ、扇原がベンチスタートとなる新潟戦と同じ布陣。

一方のガンバは前節の鹿島戦で今シーズン初ボランチで起用したが機能せずに再び前線に、また左サイドには倉田から大森に代わっている。

またこの試合ではキックオフ前に水が撒かれていました

■4-4-2でセットする守備
ガンバの守備陣形
ガンバの守備は4-4-2でセット。
キックオフ直後は高い位置から守備を始めてSHもセレッソ陣内深くまでSBを追う様な場面も見られましたがスグに止め、自陣で4-4-2のブロックを作る形になっていきます。
セレッソの守備陣形
セレッソの守備も4-4-1-1ではなく4-4-2でセット。
守備のスタート位置はガンバよりも高めで、序盤はセレッソのボランチが相手陣内にいるガンバのボランチに寄せていく形になっていました。
という事でセレッソはいつもよりハイペースで試合に入ります。
これはいわゆるダービー効果だったのかもしれませんが、ガンバのチーム状況も考えて序盤からハイペースで入る事で一気にペースを握り、なんだったら試合を決めてしまおうという狙いがあったのかもしれません。
ガンバのラインの隙間を狙う
セレッソはガンバの4-4-2のブロックに対して序盤はどんどん積極的に縦パスを入れていきます。
セレッソが守備の時にガンバの中盤につけるパスに対して前向きに潰しにかかるのでボールを奪われた後守備の時にボランチが前に出れず2トップと中盤の間にスペースがある事が多く、ボランチの1枚が最終ラインに降りて3バックにする形ではなく、2CBのままでSBを使いながらボランチに前向きにボールを持たせる事ができていました。
最終ラインのギャップを斜めに狙う
この序盤でセレッソは柿谷や山口、南野など15分まででシュートを5本打つのですが、そこまでのガンバの守備でさっきのライン間以外に怪しかったのは丹羽の所。
この日の柿谷とフォルランは縦関係というよりも横並びの2トップだったんですが、どちらも前線に張っているというよりもどちらかは中盤に降りていくという動きをよく行っていました。その時に特に柿谷が下がった時にCBの丹羽が喰いついていくので最終ラインのところにスペースを開けてしまい、そこに南野や山口が入って来るので岩下が怒ってるというシーンが何度もみられました。

このペースの中でセレッソは先制点が欲しかった序盤、前半21分に相手CKからフォルランを使って上手くボールを運び右サイドに展開し、右サイドで山口が柿谷とのパス交換をしながら前線に飛び出し、そこに柿谷がキックフェイントをしながら縦パスを入れ、そのボールをダイレクトでフォルランに落としてワントラップしてトーキックのシュートがネットを揺らしセレッソが念願の先制点を決めました。
振りの速いトーキックのシュートも見事だったんですが、フォルランの上手さを感じさせたのはそのポジショニングで、柿谷と山口とのパス交換の時に首を振って回りの状況を確認し、自分がシュートを打てるだけのスペースは入っていかずに空けてるんですよね。

■ガンバの攻撃
遠藤と両SHの動き
序盤は縦パスを潰されなかなかボールを前に運べなかったガンバ、ここまでのリーグ戦ではこのままズルズル行ってしまうシーンが多かったんですが、ダービー効果なのかこの日はそうはなりませんでした。
まず動いたのは遠藤で、遠藤は2トップの1枚というよりもフリーマンという役割なので、中盤の空いている場所にどんどん下がってボールを受けようとしてきます。
ただ、この動きまではこれまで遠藤がFWに入っていた何試合かでも同じような事はやっていました。しかしこれまでは遠藤が下がるとFW1枚が前線で孤立してしまい、リンスも佐藤も相手を背負って1人でボールをキープできる選手ではないので結局前にボールを運べないという試合になってしまっていました。
ですが、この試合では両SHに入っていた大森と阿部が遠藤が下がった時に斜めに中央に入っていく事で前線で孤立してしまう状況を少なくし、長いボールでスペースに走らせてそこにサポートに行くという形で15分ごろからはガンバも人数をかけて攻めるというところまではいかないものの何とかボールを運んでシュートまで持っていけるようなシーンも作れるようになっていました。
セレッソの守備は最初このCBの前から相手がいなくなって別の選手が斜めに入ってくるという動きで少し捕まえ方に迷いが見られましたが、SBが絞ってSHに対応することで解決させ、そこからフォルランの先制点が生まれたセレッソの時間を再び取り戻していきました。

■遠藤がボランチに
37分〜
今野が足を滑らせて山下と交錯したプレーがきっかけでとの事ですが、ヒザを痛めて37分に佐藤と交代。遠藤がボランチに入って佐藤は前線に入ります。ちなみに今野は痛めてピッチの外に出た時に座ってヒザを軽く曲げた状態から伸ばしたり曲げたりとイヤなチェックをしてたんですが、軽症の様でよかったです。
これで前線のターゲットが増え、遠藤がボールを触る回数も増えるのですが、前半に関して言うと佐藤とリンスのところにつける縦パスはカチャルと山下にやはりガッツリ潰されてしまっていました。

がしかし、42分。山口が加地との競り合いで与えてしまったファールからのFKで、遠藤があげたボールをヘディングではね返しにいった山下とキャッチにいったキムジンヒョンとで交錯。そのこぼれ球を阿部に決められてガンバが同点に追いつきます。
単純にコミュニケーションのミス。本当にもったいない失点でした。
そしてこの失点はガンバに勇気を、セレッソに混乱をもたらす事になりました。

■4-4スペース2
今度はセレッソが中盤とFWの間が空き始める
今野の交代直後は守備に特に問題はなかったし、失点も事故みたいなもので全く崩されてないのですが、セレッソはこの失点から慎重にしようとしたのか守備のスタート位置が低くなり4-4の守備ブロックが下がり、その結果遠藤がセレッソボランチにプレッシャーをかけられない位置でボールを持てるようになりました。
柿谷がボランチのところに
後半からは2トップのウチより守備意識が高い柿谷がボランチをフリーにさせないように戻って4-4-1-1の様な形になって対応しようとしますが、広いスペースで2対1の数的不利では流石に厳しい。
そしてさらに遠藤が後ろでボールに触る回数が増えると、遠藤が前線にいた時との違いにセレッソの最終ラインが修正しきれないシーンも見られるようになります。

そういった時間帯のなかキムジンヒョンがスローイングを2回続けて相手にプレゼント。これでさらにセレッソのリズムが悪くなりミスが増え、最終ラインをあげれなくなっていきます。
そういう時間帯だった53分、セレッソのスローインからのクリアボールを拾われ入れ替わられて阿部がバイタルエリアでフリーで前向きに。DFもシュートを打つ阿部に寄せきれずミドルシュートがゴールネットを揺らし1-2とガンバがリードします。

そしてそのすぐ後のプレーでキムジンヒョンのキックがダイレクトでタッチを割るとポポヴィッチは交代を決断。
59分にセレッソはGKをキムジンヒョンから武田に交代させます。
これは完全に懲罰的な交代でした。

■フォルランのゲームメイク
フォルランが下がって組み立てに参加する
この苦しい時間帯を打開しようと動いたのはフォルラン。
柏戦でもボールが運べないと見るや中盤の組み立てに加わってリズムを作るプレーを見せていましたが、このガンバ戦でも柿谷かフォルランのどちらかまたは南野や杉本が前線に入ってしまうと時にはそのどちらもが中盤に下がってプレーする事はありましたが、この時間帯あたりからは低い位置でマイボールになるとボランチ脇の空いているスペースに引いてボールを受ける事でポイントを作りガッツリ組み立てに参加するようになります。
フォルランのこの動きによってセレッソは柿谷・南野・杉本が上がる時間を作り出すことが出来るようになり、またボランチも前に出てこれる様になってセレッソが再びボールを運べるようになっていきました。

そして62分、フォルランから縦にいれたパスを柿谷がスルーして慌てた丹羽がハンド。セレッソがFKを獲得します。
ガンバのFKの壁はニアに5枚。そしてセレッソは開けているファーサイド側に2人+ボールを隠す担当の長谷川が入ります。
このFKの時、これは去年もやってた事がありますが、柿谷はガンバのGK東口とボールのライン上に立って東口からボールが見えない状況にする為に長谷川の立つ位置を動かしていました。(東口とボールのライン上に柿谷がいるので柿谷からボールが見えなければ東口からも見えない。)
柿谷が長谷川にその指示をしている途中に主審がプレー再開の笛を吹くと、その直後にフォルランがワンステップでファー(セレッソの選手がいる方)にシュート。FKで壁を作るという事はシュートコースの半分は壁、のこり半分はGKの担当という分担なので、フォルランのシュートはGK側のいる方、GKが担当している方へのシュートでしたが東口は長谷川に邪魔されているボールを覗きこもうとした瞬間に蹴られたので全くタイミングが取れていませんでした。
シュートもワンステップ、主審の笛がなった直後、というタイミングを外す事が全てのあれぐらいの距離ならFKは簡単だよって感じで軽く決めてしまいセレッソが2-2の同点に追いつきます。

■試合展開
63分
この失点直後の63分にガンバは大森に代えて倉田を投入。
運動量が求められるSHを入れ替えてきます。
ただ、フォルランの同点ゴールで勢いを取り戻したセレッソは再びペースを取り戻し始めます。
ペースを取り戻したのは山口がガンバのボランチにプレッシャーをかけられるようになったから。
セレッソの4-4と2トップの間は前半の立ち上がりほどコンパクトには出来ていませんでしたが、ガンバの選手も運動量が落ちてきた事もあって山口がその尋常ではない運動量でカバーし始めます。

ただ、人間離れした尋常ではない運動量は山口にはあっても長谷川にはありません。
なので長谷川が前に出た後に戻りきれずCBの前が空いて山下が釣り出されるシーンが見られ始めるのもこの頃からでした。
89分〜
ガンバは81分にリンスに代えて二川を投入し倉田を前線にあげ、
セレッソは84分に杉本に代えて永井を投入しそのまま右サイドに
さらに89分には南野に代えて楠神を投入するも、オープンな展開になった15分ほどをどちらも決めきれずそのまま試合終了。
ホーム長居での大阪ダービーは2-2の引分けで終了となりました。

■その他
セレッソにとっては自分たちのミスから相手に勇気とチャンスを与えてしまうというもったいない試合となってしまいました。
ガンバが同点に追いつくまでの42分間は完全にセレッソのゲームで、おそらく長いボールをサイドに出してという形で打開しようという事だったのでしょうが、このままだと前節の鹿島戦同様ガンバにとってかなり厳しいゲームになりそうでしたからね。
ただそこから複数得点を決めチャンスも作り若い選手も走りきっていたので、ガンバサポーターが試合終了後選手を拍手で迎えた様に、ガンバにとってはもしかしたら何かのきっかけにできる試合なのかもしれません。
ただ、僕が書くと色々な部分で問題があるかもしれませんが、実際に対戦相手として90分見た印象としては厳しい状況なのは変わらないかなとは思いました。
遠藤を前線に置いた時は反則級のFWかSHにもっと日本代表でいうところの岡崎的な選手がいないと難しいでしょうし、遠藤のボランチも今回は上手く行きましたがチームとしてちゃんと守り方があるチームとの対戦だと鹿島戦の様になってしまう可能性が高いかなと。FWはもう少しで宇佐美も戻ってこれそうなんで宇佐美で行くとしたら必要なのはSHに岡崎的な選手ですかね。阿部と大森はかなり動きまわっていましたが少なくとも片方、どちらか1人はもっと岡崎でないと。

セレッソに話しを戻すと、キムジンヒョンの交代は、いわゆる懲罰的交代ってヤツでした。
このやり方については監督それぞれの考え方がある事で、交代があったという事実だけでなく監督と選手の関係、ロッカールームや日々のトレーニングも含めての対応なんでね。
ポポヴィッチの師匠でもあるオシムも懲罰交代をやる人だったんでその影響もあるんでしょう。
以前にも書いたことがあるかもしれませんが、キムジンヒョンはメンタル以外はワールドクラスの選手なんでこれを乗り越えてさらに素晴らしい選手になっていって欲しいです。

また試合後に少し話題になっていたポポヴィッチの試合終了後にブーイングされた事に対するリアクション。
まあ個人的な印象としては以前からこういう事をいう人ってイメージだったんで特に何も思わなかったんですが、ツイッターなどでは色々あったようです。
ブーイングに関してはサポーター内でするしないで色々あったり、フロントも「してください」って言うほど、今では他のチームよりも特別というか複雑というかそういうものになってると思うんですが、きっとポポヴィッチはそこまでのやりとりとかは知らないでしょうからそんな深い意味とかも無く、単純に「そうはいうけど内容は良かったやん」って言いたかっただけかなと思います。これも監督によって考え方は色々あって、監督が内容を認める事でやり方をブレさせないとかもありますからね。
そこまで深く考え無くてもいいかなと思っています。

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