2018年8月9日木曜日

8/8 スルガ銀行チャンピオンシップ VS CAインデペンディエンテ @ ヤンマースタジアム長居

スタジアムヤンマースタジアム長居主審マシュー コンガー
入場者数10,035人副審マーク ルール、マーク ホワイトヘッド
天候 / 気温 / 湿度晴れ / 29.6℃ / 41%第4の審判員岡部 拓人
スターティングメンバー
セレッソ大阪C大阪
 
インデペンディエンテインデペンディエンテ
  • スターティングメンバー
  • GK 25 マルティン カンパーニャ
  • DF 2 アラン フランコ
  • DF 4 ニコラス フィガル
  • DF 6 フアン マヌエル サンチェス ミーニョ79'
  • DF 16 ファブリシオ ブストス
  • MF 8 マキシミリアノ メサ90+1'
  • MF 19 パブロ エルナンデス89'
  • MF 22 フランシスコ シルバ78'
  • FW 7 マルティン ベニテス71'
  • FW 9 エマヌエル ヒグリオッティ
  • FW 18 シルビオ ロメロ68'
 
  • 控えメンバー
  • GK 13 ミルトン アルバレス
  • DF 20 ガストン シルバ79'
  • DF 3 ギジェルモ ブルディッソ90+1'
  • MF 10 フェルナンド ガイボル89'
  • MF 21 カルロス ベナビデス68'
  • MF 5 ニコラス ドミンゴ78'
  • FW 32 エセキエル セルッティ71'
  • 監督
  • 尹 晶煥
 
  • 監督
  • アリエル オラン
セレッソ大阪C大阪
インデペンディエンテインデペンディエンテ
今回対戦今季平均
データ項目セレッソ大阪インデペンディエンテセレッソ大阪インデペンディエンテ
FK918918
CK4444
PK0000
シュート7979
警告/退場1/01/01/01/0

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 尹晶煥監督
インデペンディエンテ アリエル・オラン監督

セレッソ大阪 オスマル選手
セレッソ大阪 オスマル選手、山下選手、秋山選手(セレッソ大阪公式)
セレッソ大坂 藤本選手、オスマル選手(Jリーグ公式)

2017年ルヴァンカップ王者セレッソ大阪と2017年コパ・スダメリカーナ王者CAインデペンディエンテが対戦するスルガ銀行チャンピオンシップ。ヤンマースタジアム長居で行われた一戦はCAインデペンディエンテが0-1で勝利。CAインデペンディエンテはこれで国内ではボカ・ジュニアーズと並び最多となる18回目の国際タイトルを獲得。セレッソ大阪は初の国際タイトルには届かなかった。

■メンバー

セレッソ大阪の先発メンバーだが、超過密日程の中行われた一戦ということで、3日前のリーグ戦から先発11人を総入れ替え。
GKには丹野、DFラインには酒本、藤本、森下、山下、田中裕介。中盤には福満、秋山、オスマル、高木。1トップに山内が入る。
今季はワールドカップロシア大会の影響で例年には無い5~7月に約2カ月の中断があり特にその前後が異常なまでの過密日程となっているのだが、その影響を受けた形だ。余談となるが、今季開幕後は中断期間と国際Aマッチウィークを除くと、ここまでミッドウィークに試合が無かった週はたった2度しかない。これは流石にやりすぎだろう。
そんな中でも注目はこの日のセレッソがスタートから3バック(5バック)の布陣を組んだこと。試合途中からこの布陣をとることはあるがスタートからは尹晶煥監督就任後初めてでは無いだろうか。

一方のCAインデペンディエンテだが、こちらはワールドカップ開幕前にシーズンを終え現在は新シーズンの開幕直前の時期(インデペンディエンテの第1節は延期)ということもあり1前から来日しているなど準備万端。
先発メンバーには、GKがカンパーニャ、DFラインはブストス、フランコ、フィガル、サンチェス・ミーニョ。中盤にはシルバ、パブロ・エルナンデス、メサ。前線にはロメロ、ジグリオッティ、ベニテスが入る。
ちなみにGKカンパーニャはウルグアイ代表としてワールドカップのメンバーにも入っており、メサはアルゼンチン代表として出場。さらに右SBのブストスもアルゼンチン代表キャップをもち、かつてセルタでプレーしたパブロ・エルナンデスはチリ代表。所属したチームでいえば、
シルバはかつてオサスナでプレーしていたし、サンチェス・ミーニョ、ジグリオッティの2人はボカで注目を集めていた選手。こうしてみると市場価格的にもかなり高い選手が揃っている。
ちなみにキックオフ前の整列から握手した後写真撮影の前に行っていた、「センターサークルに移動し横一列に並ぶ中キャプテンが前に出てスタンド全体に挨拶する」というのはインデペンディエンテのかつての黄金期に行っていたやり方で、これを子供の頃からインデペンディエンテがのファンだったアリエル・オラン監督が就任後取り入れたそうだ。

■インデペンディエンテの布陣

インデペンディエンテの布陣は4-3-3としてそれぞれのポジションを書いたが、特に並びはあくまでスタート時点のポジション。前線に関して言うと9番のジグリオッティはCFとして中央にかまえているが、ロメロ、ベニテス、メサの3人はかなり流動的で、メサはアルゼンチン代表でもそうだったように右サイドに開いてポジションを取ることも多い。その場合ロメロが中央に入ってくるのだが、それだけでなくベニテスが右サイドに開くこともある。
そして中盤の残り2人、シルバとパブロ・エルナンデスはダブルボランチ的なポジショニングを取ることも多い。ただこの2人の役割はわりと決まっており、シルバが後ろ、パブロ・エルナンデスが前となっていた。なのでダブルボランチでトップ下が入る4-3-3にかなり近い。

■5-4-1の問題点

5-4-1の守備とインデペンディエンテ
この試合では3バック(5バック)をとったセレッソ。守備の時は5-4-1になる。
5-4-1はスペースを埋めるにはかなり有効な守備陣形なのだが実は結構難しい。
前線に1人しかいないのでCB2人+中盤1枚のトライアングルに対して1列目ができることはかなり少ない。
なので守備のスタート位置がどうしても定まらずズルズルと後ろに下がって後ろのスペースを埋めるだけの守備になってしまうことが多い。つまりボールを奪う位置を自分たちで高い位置に設定することが難しく、どうしても後ろになってしまう。
そうなるとボールを奪った後攻撃をしかけるのもかなり難しく、カウンターにせよ攻撃を成立させるにはこの試合でいえば山内が常人離れしたキープ力を発揮するか、たまたま中盤でボールを奪うことができたかのどちらか。しかしインデペンディエンテのCB2人はかなり強くで守備の技術が高かったので山内がキープするというのは難しい。となると残るは相手のミスなどで「たまたま」ボールを奪えた時のみ。つまりこちらが主導してという形ではない。
ただ、最近ではかなり少なくなってきたが、一時はJ2でこの布陣が大流行している。当時のやり方だと守備では5-4-1でブロックを下げる前に5-2-3でプレッシングというのが一般的で、そこで仕掛けることでボールを奪う位置を守備側がコントロールしていた。
しかし、J2でそのやり方が成功していたのは相手チームのビルドアップ力が低かったからに過ぎない。なのでそれでJ1昇格を果たしたチームは、ビルドアップ力の高いJ1チームには通用せずほぼ100%翌年にJ2降格となっていた。

で、セレッソの守備に対してインデペンディエンテがどうだったかというと、セレッソのダブルボランチの前にロメロやパブロ・エルナンデスがポジショニングを取ることでダブルボランチを止めてしまい、高木がブストスにプレッシングに出ると、シルバがスッとDFラインに下がってボールの預けどころを作ってしまう。また時にはロメロがオスマルと秋山の間に立ち、2CBとシルバとパブロ・エルナンデスで四角形を作ることで山内を完全に孤立させたりと、様々なやり方で後ろで優位性をつくることでセレッソの5-4-1を完全に後ろに下げてしまった。
仕込んでるのかどうかはわからないが、相手の状況やポジションを見ながら1人が動くとそれに連動して全体が動くので、流石に強いチームだなあというのを感じさせた。

■インデペンディエンテの変化

インデペンディエンテのボール保持
インデペンディエンテは10分ごろからシルバが下がって山内の両脇にフランコとフィガルの2CB。そして山内の背後にパブロ・エルナンデスがポジションを取ることでセレッソを一方的に押し込んでいた。
山下のコメントから見ても「前半は守備的に戦う」というのはゲームプランとして持っていたとは思うが、流石に押し込まれすぎという状態になっていく。
そうなるとここから攻撃をしかけるのはかなり厳しい状態になっていくのだが、守備に関してはスペースを埋めているので何とかカバーしていた。
前線に出ていくパブロ・エルナンデス
そんな中20分ごろから動き出したのがパブロ・エルナンデス。
それまでは5-4-1の4と1の間にポジションをとっていたのだがCBの持ち出しに合わせてスルスルと前線に上がっていく。
22分に酒本が何とかスライディングでブロックしたが、ボックス内でパブロ・エルナンデスがボールを受けシュートを放った場面はまさにその形で、フランコがドリブルでボールを持ち出したタイミングで後ろから藤本と酒本の間を通って前線にでてきたので、藤本は完全に背後を取られボックス内にボールを届けられてしまった。

そして28分のロメロのゴールの場面もパブロ・エルナンデスは同じ様にボックス内に侵入。
ベニテスからのパスがオスマルの足に当たってごちゃごちゃっといた形で右サイドから入ってきたロメロにボールが渡ったのだが、その前に森下の前でボールに触ったか触ってないか微妙だった選手が後ろから出てきたパブロ・エルナンデスだった。

先制点を奪ったことと、さらに32分のセレッソの自陣での横パスに対して飛び込んでしまったロメロが裏を取られ高木にフィニッシュまで持っていかれたカウンターを受けたことで、インデペンディエンテは無理をしてまで前線に人数をかけなくなる。
ただ、ボールを保持してコントロールできているので、もしセレッソが出てきたらそのギャップを使おうという判断だったのだろう。
ただその分、セレッソも敵陣にボールを運ぶ回数も増えた。
ちなみに5-4-1は3-4-2-1でもあり、4-3-3のインデペンディエンテにとってはミスマッチになるのだが、その対応方法はマンツーマン気味に人についていくこと。
敵陣にまでボールを運んだ後の田中裕介と酒本のWBに対しては右WGのメサや左WGのベニテスがついていっていた。

■守備のスタート位置が前に

後半開始〜
この試合は6人が交代可能という事でセレッソは後半開始から2人交代。高木と福満に代え斧澤と田中亜土夢を投入する。
先制点以降インデペンディエンテもペースを落とし、セレッソはそれ以降ボールを敵陣に運ぶ回数も増えたことで、投入された2人がシルバが下がって3バックになったCBに対してアプローチをかける場面も見られるようになる。
これに対してインデペンディエンテは前半の序盤の様にリスクを犯してでもポジショニングを代えながらギャップを広げてやろうということはせず、あくまでリスクを侵さずボールを動かしながらセレッソにギャップができるのを待っているという感じで時間は進む。
実際に56分にはCKからロメロが合わせるというチャンスを作っているので、それで良いという判断なのだろう。
59分〜
58分に田中亜土夢のCKから藤本が合わせてカンパーニャを慌てさせ再度CKとなった59分に、山下、山内に代えてソウザと安藤を投入。
オスマルが左CBに下がりソウザはボランチに、安藤が1トップに入る。
この2度目のCKをソウザが入るなりいきなり蹴って、藤本が今度は頭で合わせかけるも再びCK。次のCKはミスキックとなるのだが、ソウザの最初のCKを見てインデペンディエンテの前線に残っていた2人が慌てて下がってきたのはちょっと面白かった。

この2人が投入された後はセレッソが攻守に渡って少し変わる。
きっかけとなったのは安藤が前線で2度追いどころか時には3度追いもするからで、それに田中亜土夢と斧澤、さらにはソウザも連動する形になったことで守備のスタート位置が高い位置に定まる。そうなるとボールを奪う位置も高くなる。
となると、ボールを奪ったときに斧澤と田中亜土夢と安藤の距離が近づき、またソウザも高い位置にいる。なので攻撃も活性化する。
そして個人で1人をはがせるソウザの存在は大きかった。
これは昨季の開幕当初、ボランチでソウザがレギュラーポジションを奪ったのと同じ理由だ。昨季の開幕時点では守備の精度では明らかにソウザよりも山村。開幕後には山村が前線ででブレイクするが、むしろサブ組でこのポジションに入っていたのはソウザだった。
しかしセレッソにはポジショニングで優位に立てるようなボール循環、ビルドアップの仕組みはない。となると前線でボールをキープしてくれないと攻撃が成り立たない。つまりフォーメーションは違うがこの試合の前半と同じ様な状況だった。そこで託されたのがソウザの1枚剥がして自分で持ち出せる能力。ボランチの位置でそれをされると相手は次の選手が出てこないといけないので前線にスペースが必ずうまれるからだ。
またこの試合ではオスマルが左CBに入ったのも大きかった。
左CBのポジションは相手が最もアプローチをかけにくい場所。ここで相手から遠い方の足にボールを置ける左利きの選手がここに入るとWBを上げやすくなるし、持ち上がることで全体を上げれる。前回は何故は4バックの右CBに入るという謎采配だったが、ポジショニングで優位性を作るビルドアップの形が無い現状だと質でなんとかするしかないので、以前にも書いたことがあるかもしれないが4バックでも3バックでもオスマルを左CBに入れてソウザをボランチに入れるというのが最適解なのかもしれない。
71分〜
インデペンディエンテは、68分ロメロからベナビデス、71分にはベニテスからセルッティを投入。セルッティとメサがWGで固定され、インサイドハーフにベナビデスとパブロ・エルナンデスという形になるも、チャンスを作ったのはセレッソ。
72分の秋山からの浮き玉スルーパスは手前でカットされたが75分のソウザからの縦パスを受けた田中亜土夢が出したスルーパスに安藤が抜け出しかけた場面は大きなチャンスだった。
この安藤のシュートはCKになり、最後に当てたのはCBのフランコなのかGKのカンパーニャなのかはちょっとわからないが、フランコなら安藤が1つタイミングを遅らされたことでコースがなくなり、またブロックも間に合ったということなのでCBの対応が素晴らしかった。できれば1つタイミングを送らされたところで切り替えしたりしたかったがそれもできなかったのだろう。またもし触ったのがGKのカンパーニャだったとするとシュートコースもあって打ったシュートをセーブされたのだからカンパーニャを褒めるしか無い。
81分〜
78分、インデペンディエンテはシルバに代えてドミンゴを投入。背番号5番そのままにアルゼンチンでいう5番のポジション、アンカーに入る。さらに20分にはサンチェス・ミーニョに代えてガストン・シルバを投入。そのまま左SBに入る。
一方のセレッソも81分に田中裕介に代えて片山、藤本に代えてヨニッチを投入。2人ともがそのままのポジションに入る。

この前も、ここからも、セレッソが積極的になって攻めているようになっているのだが、実はチャンスといえるところまで持っていけたのは安藤のシュートぐらいだった。
そんな時にインデペンディエンテが何をやっていたかというと淡々とプレーすること。
日本だと「1-0で1点リードで試合終盤にさしかかろうというところ、向こうが積極的に攻めてきた」という状況であれば、リードしている側は「追加点を奪うのか、それとも守るのか」というあたかも2択の様な感じで「どっちにするのか意思統一が必要だ!」となりそうな場面だが、インデペンディエンテはそのどちらでもない。攻め急ぐことなく、再現性をもって淡々とボールを保持しビルドアップして前線にボールを運ぼうとする。厳しくなったらやり直す。これを淡々と続けていた。
スーパープレーでもないし誰か個人が何かしているというわけでもないのだが、この時間帯の1-0でこういうプレーを見せられると「強いなあ」というのを実感させられる。
この試合の感想として「後半攻めたけど相手はまだ余裕があった」と感じさせるのはこういう部分なんだろう。彼らにしてみると、試合の状況や相手の出方をみて判断してるに過ぎないんだろうけど、Jリーグとかアジアのレベルだとこういうのはちょっと見れない。
89分〜
89分、インデペンディエンテはパブロ・エルナンデスに代えてエクアドル代表のガイボルを投入。
その直後にセレッソは斧澤が起点となってオスマルのクロスに安藤が飛び込もうという場面を作るが合わない。
この時安藤が飛び込めなかったのはマッチアップしていたフィガルに正直引っ張られていたからなんだけど、こういうちょっとズルいのも普通に上手い。絶対に行かせない。
91分〜
そして90+1分にはメサに代えてブルディッソ(ボカ、インテル、ローマ、ジェノアでプレーしアルゼンチン代表としてもプレーしたニコラス・ブルディッソの弟)を投入。最終ラインを5枚にして逃げ切りに成功。
0-1でインデペンディエンテが勝利し、アルゼンチンではボカ・ジュニアーズと並び最多となる18回目の国際タイトルを獲得。セレッソ大阪は初の国際タイトルには届かなかった。

■その他

セレッソ大阪としては初の国際タイトルをかけての試合だったが残念ながら敗戦。国際タイトルには手が届かなかった。
チーム状況もあるし、いつも以上に厳しい過密日程がワールドカップイヤーが理由なので仕方ない部分もあるが、もうちょっと楽な状態でこの試合に望みたかったというのが本音だろうか。
もちろんこの試合に出場した選手たちも懸命にプレーしていたとは思うが。
是非今年もルヴァンカップに優勝して来年もこの大会に出場しタイトルを取りたい。

あとこの試合でスタートから採用した5バック/3バックだが、この後もスタートからのオプションとなるのかどうかも気になる所。
もし取り入れるなら次の札幌戦は絶好の機会だといえる。





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