2019年11月22日金曜日

明治安田生命J1リーグ 第32節 vs ヴィッセル神戸 プレビュー

2019年11月23日 13時00分:ノエビアスタジアム神戸

予想スタメン
今季も残すところいよいよラスト3試合となる明治安田生命J1リーグ 第32節。セレッソ大阪は敵地ノエビアスタジアム神戸でヴィッセル神戸と対戦する。


■前回の対戦

前回の対戦は今季のJ1オープニングゲームとなった2月22日のフライデー・ナイト・Jリーグ。
ヤンマースタジアム長居での一戦はセレッソ大阪が1-0で勝利している。
前回対戦時のスターティングメンバー
セレッソ大阪の布陣は3-4-2-1。都倉、ブルーノ・メンデス共にベンチスタートとなり1トップに柿谷を起用。シャドゥには清武と水沼、ボランチには奥埜とソウザという組み合わせになっていたが最も注目を集めたのは右WBとして舩木を先発起用したことだろう。今季ここまでのリーグ戦で松田が先発しなかったのはこの開幕戦と第2節の名古屋戦の2試合のみである。
一方のヴィッセル神戸の布陣はイニエスタの0トップで起用した4-3-3。イニエスタがトップ下の中盤ダイヤモンド型4-4-2とも言えるが、前線のビジャとポドルスキの2人共がサイドに開いてポジションをとっていたので0トップ型の4-3-3と言ったほうが実際の配置には近かった。

試合が始まると、ビジャ、ポドルスキの両ワイド2人が前線の両サイドの高い位置に張ることでセレッソのDFライン5人を押し込み、中央のイニエスタが降りてくることで中盤で数的優位を作るというまさにバルセロナ型0トップのやり方で神戸が主導権を握るという形で進む。
セレッソはブロックを下げられ押し込まれているので柿谷を使ったカウンターを狙いたいが山口と三原の中盤2人とCB2人でカウンターケアも万全。前半はセレッソがチャンスを作ることもほぼできていなかった。
ただし守備ではほころびを見せなかった。神戸は両ワイドが高い位置を取り、イニエスタは中盤に下がる。となるとセレッソの3バック、山下、ヨニッチ、木本の3人はほとんどの時間帯で目の前に誰もマークすべき選手がいないという難しい状況になるのだが、人に引っ張られることなく忠実にスペースをケア。ということで神戸はボールは持てるものの最後の局面ではなかなかチャンスに至らないという状況となっていた。

後半に入ると4-3で守る神戸が徐々に守備面でほころびを見せ始め、セレッソも左インサイドハーフに入る三田の裏を使って敵陣にまでボールを運ぶ場面が増えることに。
それを受けて神戸は三原に変えて古橋をCFに投入しイニエスタは左インサイドハーフに入るノーマルの4-3-3に変更。
しかしこれが裏目に出てセレッソがカウンターからCKを獲得すると、丸橋のCKから山下が頭で合わせてセレッソが先制。
そのまま試合は終了し、スペイン人監督同士の見ごたえ有る試合は1-0でセレッソの勝利に終わった。

■現在のヴィッセル神戸

対処療法よりもフットボールの成長・進化に重点を置くタイプのリージョ監督の下で失点が増え2連敗を喫したところでリージョ監督が退任。後任として吉田監督が復帰したが、リージョ監督が取り組んでいた原則にそぐわない対処療法を行おうとしたことで吉田監督が指揮をとった7試合で1勝1分5敗というとんでもない成績を残してしまう。しかし吉田監督が退任しフィンク監督が指揮をとるようになるとチームは再び前進し始めた。
そして大きかったのが、飯倉、フェルマーレン、酒井高徳らの獲得。外国人枠の関係で弱点となっていたGK、そして左利きのCB、左SB(WB)というチームのウィークポイントを補強で対応。8月以降は勝点を積み重ねられるようになってきた。
またさらに布陣も3-1-4-2へと変更。ダンクレー、大崎、フェルマーレンの3バックに、中盤はアンカーにサンペール、インサイドハーフにイニエスタと山口を起用し、WBには酒井高徳と西、前線にはビジャと古橋という組み合わせが効果的だった。

ただしこの3-1-4-2は第29節の東京戦で砕かれる。
イニエスタが負傷離脱していたので左インサイドハーフには古橋が起用されていたというタイミングだったが、FC東京は神戸に対して普段の4-4-2ではなく高萩をトップ下に入れた4-2-3-1を採用。そしてそのトップ下の高萩がサンペールに対して徹底的にマークをすることで神戸の中盤の組み立てを寸断。神戸の攻撃はDFラインからの長いボールのみという状況にしてしまい、このロングフィードでの攻撃は迎撃型のアプローチでシャッタアウトしてしまったのである。

すると翌第30節はイニエスタ復帰というタイミングもあって、山口とイニエスタがダブルボランチを組む3-4-2-1へと布陣を変更。前線はビジャの1トップに古橋と東京戦に途中出場で効果的なプレーを見せた小川を起用し仙台に勝利した。サンペールが狙われるのであれば外してしまえといういわば対処療法なのだが、チームの戦い方の原理原則はきちんと残しての対応だったので効果抜群だった。
しかし前節第31節にこの3-4-2-1は名古屋が破る。
名古屋がとったのは自陣の深い位置にブロックを作ってそこで奪ったボールをカウンターに持ち込もうという形。
それまで名古屋は守備は安定し始めていたもののセットプレーで先に失点してしまうことで苦しい戦いとなっていたのだが、この試合では先制したことで名古屋のカウンター攻撃が爆発した。
そもそも名古屋は風間サッカーを行ってきたこともあり技術が高く、カウンターでも簡単にボールを失うことが無い。そんな中で神戸はボランチを山口とイニエスタとしたことでカウンター対応力が低下。名古屋の前田がフェルマーレンに代わって先発していたジョアン・オマリに対して1対1で優位に立っていたこともあるが、名古屋がことごとくカウンターでボールを運んでいたことは見逃せない。

■プレビュー

ヴィッセル神戸の先発メンバーだが、1つポイントなのは中盤の構成。3-4-2-1で敗れたことで再度3-1-4-2に戻す可能性もあるが、前節もボールを保持し攻め込むことはできていたので3-4-2-1のままになる可能性の方が高そうだ。
ということで1トップには今季限りでの引退を発表したビジャ。シャドウには古橋と小川。中盤にはイニエスタと山口で、両サイドは酒井高徳と藤谷という前節と同じメンバーが並びそう。
そしてもう1つのポイントとなるのがフェルマーレンの復帰だが、Aマッチウィークにはベルギー代表としてロシア戦には出場していた。なので怪我の心配はなさそうだが、コンディション面でどうかというところだろう。
もしフェルマーレンが欠場するなら前節と同じくジョアン・オマリが入ることになるだろう。

一方のセレッソ大阪の先発メンバーだが、清武、デサバトに加え今週からブルーノ・メンデスもトレーニングに復帰したとの情報もある。
しかしおそらく先発メンバーは前節と同じ形。鈴木孝司、奥埜の2トップに左SHは柿谷が入る可能性が高いだろう。

試合展開としては、神戸がボールを保持する時間が長くなりそうだ。
特にフェルマーレンが復帰した場合は3バックの左から逆サイドの前線まで一発でサイドチェンジが出せる。セレッソの戦い方では逆サイドは捨てているのでそうなるとスライドするという形になるのでどうしてもブロックは下がりがちになる。
ただ、サイドを含めた4-4-2のブロックは安易に人に引っ張られることもないのでスライドで対応できるはず。常に隙を狙っているビジャには最大の注意が必要だがここまで培ってきた戦い方ができれば問題ないはずだ。

ただ、どうしてもボールを奪う位置は低くなる可能性が高い。
なのでポイントとなるのはそこからのボール前進。特に神戸の中盤は左イニエスタ、右山口のダブルボランチという形になっているので、中盤を右から左(水沼、松田、藤田から柿谷、丸橋)や左から右(丸橋、ソウザ、柿谷から水沼、奥埜)へと届ける展開を増やしたい。
山口がJリーグナンバーワンのMFだということは我々はもちろんよく知っている。とはいえ中盤を1人でカバーするのは到底不可能。なので大外から順にボールを動かし山口を動かすことができれば、柿谷・丸橋、水沼・奥埜のところで十分チャンスが出来る。
こういった形を何度作れるかがポイントだろう。

神戸には警戒すべき多数のタレントを擁しているのは確かだが、チームの総合力で上回るところを見せ勝ち点3を奪いきりたい。



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