2019年11月1日金曜日

明治安田生命J1リーグ 第30節 vs 松本山雅FC プレビュー

2019年11月2日 15時00分:ヤンマースタジアム長居

予想スタメン

2009年の明治安田生命J1リーグもいよいよ終盤戦となる第30節。セレッソ大阪は本拠地ヤンマースタジアム長居で松本山雅FCと対戦する。


■前回の対戦

前回の対戦は5月4日に行われた第10節。敵地サンプロ アルウィンで行われセレッソ大阪が2-0で勝利している。
前回対戦時の先発メンバー
この試合は苦しんだ序盤戦から今の戦い方へと一気に近づいた原点の試合として記憶されている方も多いだろう。この試合から4-4-2(実際には第7節の札幌戦で4-4-2を使っているが)の布陣がベースになり、藤田と瀬古がこの試合がリーグ戦今季初先発。またブルーノ・メンデス、水沼はこの試合が今季2度目のリーグ戦先発だった。
一方の松本の布陣は3-4-2-1。夏に広島へと期限付き移籍したレアンドロ・ペレイラはベンチスタートとなり古巣対決となる永井が1トップで先発。シャドウはマリティモへ移籍した前田と中美、ボランチは宮坂とパウリーニョだった。

この試合でセレッソは今季初めて都倉とブルーノ・メンデスの2トップでスタートし、DFラインの背後を何度も狙ったので、継続してセレッソを見ていないメディアでは「セレッソはパスサッカーから現実的なロングボール戦術に変えた」といった的外れの記事も出たりもしたが、それまでの攻守にポジション移動の少ない3-4-2-1から、ボール保持時と非保持時で立ち位置を変える戦い方に変化したので現在も行っているサイドの使い方、左SHの役割、WB奥の使い方と今も行っている戦い方のベースとなるものはこの試合でも多く見られている。

特徴的だったのが、背後、トップへの楔、間と松本の出方を見て攻め手を使い分けていたこと。
松本が1トップ2シャドウ、さらにボランチ2人の計5人でセレッソのDFラインとボランチに圧力をかけてくると松本のボランチ脇やボランチ裏へ縦パスを入れ、それを嫌がってDFラインを上げてくると2トップを背後に走らせる。それならと5-4-1でリトリートすると奥埜がWB裏へと斜めに飛び出していくマッチアップするパウリーニョを動かすことで中央をあける。
これにより松本はもう何をすればよいのかわからない状態になり前半からセレッソが完全に試合をコントロールした。

前半右サイドからの折返しをブルーノ・メンデスが頭で合わせて先制すると、後半松本はとにかく前からプレスに行こうということを徹底させ、選手も入れ替えながら戦うが追加点はセレッソ。
奥埜が押し込み2-0とし危なげなく勝利した。

■現在の松本山雅FC

第16節に16位、第17節で17位にまで順位を落とすと、その後は20節、21節で16位、その他期間は他は17位と苦しい戦いが続いている松本だが、実は直近5試合の成績では1勝3分1敗と好調。神戸に敗れたものの、仙台に勝利し、鹿島、東京、大分と引き分けているのは立派な成績だと言って良いだろう。直近3試合だと負けなしで、順位はまだ17位のままだが、プレーオフとなる16位はもちろん15位でのJ1残留まで届く可能性も出てきた。
調子を上げてきた要因となっているのが3-1-4-2へのシステムチェンジ。当初はレアンドロ・ペレイラが抜けた1トップに山形から阪野を獲得し3-4-2-1を続けていたが、第27節の東京戦からセルジーニョと永井の2トップに中盤は杉本太郎、町田也真人のインサイドハーフ、藤田息吹のアンカーという形が、東京・仙台・鹿島と続く対4-4-2連戦で抜群の効果を見せているのだ。

このシステム変更で改善されたのがまず前線からのプレッシング。
対4-4-2であれば2トップでCBに、2インサイドハーフでボランチにアプローチをかけることができるのでボールをサイドに誘導できる。サイドに出ると今度はWBの前へのアプローチと3センターのスライド、2トップのプレスバックでサイドで圧縮する。
松本は前節の鹿島に対してもこのプレッシングの効果は抜群。後半永木を投入し4-3-3に変えるまで4-4-2の時間帯はほとんど何もさせなかった。
もともと松本の守備陣計は5バックになるため横には広いのだが、DFラインからFWまでの距離はリーグでも2番目に狭いコンパクトさを持っていた。
しかし以前の3-4-2-1だと守備時に5-4-1になるのでどうしても後ろに重くなることが多かった。
だが現在の3-1-4-2に変えることで前線から2枚でアプローチに行くことができるようになり、コンパクトさを保持したまま前から守備ができるようになったのである。

そして高い位置でボールを奪うことができるとそのまま一気にショートカウンター。布陣が3-1-4-2なのでインサイドハーフの2人の位置がちょうとハーフスペースで対4-4-2だとCBとSBの間。
そこから一気に縦に飛び出すことでチャンスを作れるようになっていたのだ。

ただし少し厳しいのが、せっかくチャンスを作ってもなかなかゴールに結びつけることが出来ていないということ。直近5試合の成績が1勝3分1敗ながら得点は3しかない。

■プレビュー

セレッソ大阪の先発メンバーだが、ベースは前節から変わらないがブルーノ・メンデスが怪我で離脱。鈴木孝司が移籍後初先発となる可能性が高そうだ。
そして驚きなのが丸橋が戻ってくる可能性があること。
10月6日の鹿島戦で外傷性気胸、肺挫傷、左肋骨骨折という大怪我を負い全治4~6週間との診断がくだされていたが、既に練習にも復帰。復帰する可能性が高まっている。前節の舩木も決して悪くはなかったが、もし丸橋がプレーできる状態なのであれば先発に加わってくるだろう。
またベンチに目を移すと、けが人の影響もありU-23から中島元彦とU-18所属の藤尾くんがトップに合流中。
ベンチ入りの可能性もありそうだ。

一方の松本山雅FCの先発メンバーだが、前節鹿島戦の前半にセルジーニョが負傷交代。今節の出場は難しいようで代わりに誰を起用するかというところだ。
可能性があるのは阪野か町田かというところで、阪野であれば町田はインサイドハーフ。町田が前線で起用されるようなら、インサイドハーフには中美がパウリーニョが起用されることになるだろう。

試合のポイントは「スペース」だろう。
セレッソは松本が前から取りに来た時、構えた時、どのスペースを基点にして、どこを動かしてどこでチャンスを作るか。
2CB+2ボランチ、そしてGKを使ったビルドアップで出てきた松本を裏返すような形を作れるか。そして松本がサイドにはめに来たところを松田、ボランチ、水沼、奥埜でどう外して左SHの柿谷までボールを届けることができるか。
このスペースをめぐる攻防で優位に立つことができれば、必ず勝てる試合である。

そもそも今季のセレッソはスペースを如何に攻略するかというチームになっている。
鹿島や仙台、東京とは同じ4-4-2だが同じなのは並び方だけ、コンセプトが全く違うということを見せつける内容で勝ち点3をつかみ取りたい試合だ。

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