2018年4月12日木曜日

4/11 明治安田生命J1リーグ第7節 VS 川崎フロンターレ @ 等々力陸上競技場

スタジアム等々力陸上競技場主審佐藤 隆治
入場者数17,113人副審相樂 亨、西尾 英朗
天候 / 気温 / 湿度曇時々雨 / 20.1℃ / 59%第4の審判員蒲澤 淳一
スターティングメンバー
川崎フロンターレ川崎F
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 鬼木 達
 
  • 監督
  • 尹 晶煥
川崎フロンターレ川崎F
C大阪セレッソ大阪
今回対戦今季平均
データ項目川崎フロンターレセレッソ大阪川崎フロンターレセレッソ大阪
FK11121516
CK3545
PK0000
シュート1571310
警告/退場2/00/01/01/0

<監督・選手コメント>

川崎フロンターレ 鬼木達監督
セレッソ大阪 尹晶煥監督

川崎フロンターレ エドゥアルド・ネット選手、知念選手
セレッソ大阪 丸橋選手、福満選手、清武選手、山口選手

川崎フロンターレ 登里選手、大久保選手、谷口選手、小林選手、武岡選手、知念選手、エドゥアルド・ネット選手、エドゥアルド選手、守田選手、齋藤選手(川崎フロンターレ公式)

明治安田生命J1リーグ第7節、セレッソ大阪は敵地等々力陸上競技場で川崎フロンターレとの対戦。昨年のカップウイナーとリーグチャンピオンの一戦は川崎が先制するも丸橋、福満のゴールで1-2、セレッソ大阪の逆転勝利となった。

■メンバー

川崎フロンターレのメンバーは、中2日での試合ということで前節から6人を入れ替え。
中村憲剛、阿部、車屋はベンチ外となり、エウシーニョ、奈良、家長はベンチスタート。
布陣はいつもと同じ4-2-3-1で、ワントップにはこちらは連戦となる知念。2列目はフレッシュな小林悠、大久保、長谷川。ボランチは連戦の大島とエドゥアルド・ネット。最終ラインは連戦の谷口以外はフレッシュな武岡、エドゥアルド、登里が入り、GKにはチョン・ソンリョンが入っている。

一方セレッソ大阪は中3日となるが、こちらも前節から6人を入れ替え。
キム・ジンヒョン、ヨニッチ、丸橋、山口、柿谷は連戦となるが、右SBには片山、CBには山下、ボランチには山村、SHには福満と田中亜土夢、FWにはヤン・ドンヒョンが入る。
またトピックとしては清武のベンチ入り。ACL済州戦以来およそ2ヶ月ぶりの復帰となった。

■ボール保持対4-4-2のブロック

川崎のボール保持とセレッソの4-4-2
ボールを保持することがベースとなっている川崎。いつもの様にボランチの1枚、エドゥアルド・ネットが最終ラインに降りて両SBを上げる3バック化をしビルドアップを図る。
それに対するセレッソは4-4-2のブロックを作る形。
この試合では両者メンバーを入れ替えているとはいえ、鬼木監督率いる川崎と尹監督率いるセレッソは昨季ホームで対戦した4/30の第9節から1年弱で公式戦5度目の対戦ということで両者共に戦い方は十分わかっている。
セレッソは相手を限定する意味でも、状況によって全体を押し上げ高い位置から守備をすることもあるが、基本はブロックを作る。ボールを奪われた攻守の切り替え時にボールホルダーにアプローチをかけてプレーを制限しながら、他の選手は素早く自分のポジションに帰陣。ブロックを作る。

一方の川崎。セレッソの4-4-2のブロックに対して3バック化でビルドアップを行ってくるが、目立っていたのが大久保の降りてくるプレー。
この試合は川崎戦ということで普段に比べると2トップの守備意識は高かったのだが、セレッソの4-4-2は1列目の2と2列目の4の連動性はそこまで高くない。
なので大久保はトップ下や前線から降りてきて、セレッソ2トップの後ろ、4-4の前でもう1枚のボランチ大島と共にボールを受け動かすことで守備ブロックを攻略しようという動きを頻繁にみせていた。
とはいえ、この大久保のプレーに対してセレッソの守備ブロックもほとんど動かされること無く対応。この試合最初のチャンスは川崎だったが、その後セレッソも川崎ゴールに迫り拮抗した展開となっていた。

■背後と風

そんな一進一退の攻防の中、22分。川崎が知念のゴールで先制する。
起点となったのはエドゥアルド・ネット。ショートパスではなく、最終ラインに下がったエドゥアルド・ネットからDFラインの背後に送った長いボールに知念が走り込む。このボールに対してセレッソもヨニッチ、山下で挟み込み、キム・ジンヒョンも前に出てきていたので問題なく処理できるかと思われたが、この日の等々力は強風。ボールは風に押し戻されるように急速にスピードを落としちょうど中間地点に落下。そのボールを知念が先にさわりゴールに流し込んだ。

「ショートパスをつなぐこと」に注目を集めるが、実際はパスの長短にかかわらずスペースを攻略するのが上手い。なので背後にスペースがあれば長いパスを使って背後のスペースを狙ってくるし、入るだけのスペースがあれば縦パスもガンガン入れてくる。
この長いレンジのパスや縦パスをガンガンつかっていたのが前節マリノス戦の前半。ゴールこそなかったが試合内容は圧倒していた。
そしてこの試合でも、立ち上がりは谷口から長いボールだったり、知念をサイドのスペースに流れさせたりする場面も見られていた。セレッソにとってはアクシデント的な面もあったが、川崎の背後への狙いが活きた場面だった。

しかしその9分後、31分に丸橋が直接FKを決めてセレッソが同点に追いついた場面は逆にセレッソが風に助けられた場面でもあるだろう。
インターセプトからカウンターで右サイドに出た福満が大久保に倒されFKを獲得。このFKを丸橋が豪快に直接きめてみせた。
距離もあったのでチョン・ソンリョンとしてはファーサイドで合わせてくることを予測したのだろう。キックの瞬間ファーサイドに動き出している。しかし丸橋が蹴った強いボールは風に乗って加速。コースは甘かったがチョン・ソンリョンの逆を取る形になりゴールネットを揺らし、セレッソが1-1の同点に追いついた。

さらに36分、田中亜土夢のCKはチョン・ソンリョンが跳ね返すものの、そのこぼれ球を福満がダイレクトでヘディングでねじ込んでゴール。このセカンドボールはクリアしようとした大島にとっては後ろ向き、福満にとっては前向き。福満の思い切りの良さが上手く活かされたゴールだった。
昨シーズンルヴァンカップではゴールを記録していたものの、このゴールは福満にとってJ1初ゴール。
これで九州リーグ、JFL、J3、J2、J1、天皇杯、ルヴァンカップと地域リーグ以上で日本国内で行われている大会全てでゴールを記録したこととなる。

丸橋のゴールはFK直接、福満のゴールはCKからとセットプレーからの2ゴールとなったわけだが、前半のボールポゼッションが川崎63%・セレッソ37%という関係にもかかわらずシュート数が川崎8本(枠内5本)、セレッソ5本(枠内4本)という数字からもわかるようにセレッソが川崎ゴール前に迫る場面も多かった。
また川崎は守備に切り替わった瞬間は高い位置から守備をするが、そこが終わると一旦下がる。そうなると、カウンターができなかったとしてもセレッソはボールを保持する時間を作る事ができた。川崎はJリーグで最もボールが持てるチームなので今季の平均よりも前半のパス数は25%ほど少ないものの、パス成功率はほぼ同じ。
その分、セットプレーのチャンスが生まれたということだろう。前半のCK数はセレッソの方が上回っている。

なので逆に言うと、前半の川崎はボールを保持していたがそれほどチャンスを作れていた訳では無い。
ボールポゼッションが高かったのは大久保が4-4の前に下がってきてボールを受ける回数が多いから。つまりブロックの外側でボールを持っている時間が長く、中にパスが入る回数はかなり少なかった。

■後半の攻防

両チーム交代なしで始まった後半も展開は変わらず。
川崎はボールを保持する回数は長いものの、どうしても後ろに重い。なのでゴール前にボールが入っても枚数が少なくなかなか押し込んでという形にならず。セレッソの守備ブロックの前に攻めあぐねているという状態になっている。
55分〜
そこで川崎は後半55分に2枚替え。エドゥアルド・ネットと長谷川に代えて、守田と斎藤を投入する。
エドゥアルド・ネットはその直前に福満に対してラフプレーでイエローカードを受けていたこともあるだろうが、中2日の連戦となっていたことも影響していたのだろう。
そして左SHの長谷川は何度か仕掛ける形はみせていたが、片山との1対1にほぼ勝てていなかった。
また、55分という早いタイミングに2枚替えをしているということからもボールは持っているものの、攻めあぐねている状態だった事がわかる。

2枚替えをしたということで前への勢いを強める川崎。斎藤も復帰戦だった前節マリノス戦よりもコンディションが上がっているようで切れ味するどいドリブルを見せる。
ただ、斎藤は左サイドに入ってカットインというパターンがほとんど。セレッソは帰陣が速いので斎藤にボールが入った時には既に4-4-2のブロックが出来ている。もちろんドリブルは鋭いんだけどセレッソが閉めている中に入ってくるプレーがほとんど。セレッソにとってそれほど危ない場面は無かった。可能性があったのは、64分に右サイドからの攻撃で中央に入ったボールがこぼれる形で斎藤に渡りシュートを放った場面ぐらいだったが、ここも片山がきちんとシュートブロックに入っている。
その一方でエドゥアルド・ネットと代わって入った守田のプレーはいくつかのチャンスを生み出している。
エドゥアルド・ネットはそれまで低い位置でプレーする事が多かったが、代わって入った守田は前線に飛び出すプレーも披露。
最初にも書いたようにこの試合では大久保が大島と並んで下がってプレーすることが多かったのだが、守田はその大久保を追い越す形で後ろから飛び出す。
特にサイドで起点を作った時にSBとCBの間、ハーフスペースに飛び出すプレーは可能性を感じさせた。とはいえそれも単発。川崎の攻撃はセレッソが閉めている中へ中へのプレーが多く、「通れば美しいのかもしれないが、これだけ狭いと早々通らないよね」というものが多かった。
72分〜
71分、川崎は早々と3人の交代枠を使い切る。知念に代えて家長を投入。流動的なので微妙だが、前線を小林悠と大久保の2トップというか、小林悠がトップで大久保がその下という形に代えて家長は右SHに入る。
同じタイミングでセレッソは1人目の交代枠を使用。ヤン・ドンヒョンに代えて杉本。そしてその1分後、72分には田中亜土夢に代えて清武を投入する。

家長が入ることでさらに前がかりに攻めてくる川崎。
しかしここでもセレッソの守備はしっかりと対応できていた。その対応というのは守備に切り替わった瞬間しっかりとボールホルダーにアプローチをかけながらその時間を使って他の選手が自分たちのポジションに帰陣出来ていたということ。
川崎が攻撃を仕掛ける時にはセレッソの守備ブロックが既に出来上がっていた。
ここが昨季の大敗した試合との大きな違いだろう。
85分〜
85分、セレッソは福満に代えて木本を投入。5-3-2にする。
試合終盤に来て川崎はさらに前がかりに。また家長という起点ができたことでサイドを崩されかける場面も見られるようになる。

最も危なかったのはその家長と大島でセレッソの右サイドを完全に崩した89分の場面。
小林悠のヘディングシュートはキム・ジンヒョンがセーブしたものの、最大の決定機だった。
また川崎はさらに高さのあるエドゥアルドを前線に上げる場面も見られるようになる。
90+2分の武岡のクロスからエドゥアルドのヘディングはセレッソにすると大きく崩された訳ではなかったが、深くまで侵入されたクロスがピタリと合わされた形だったので危険な形ではあった。

しかし試合はこのまま終了。1-2でセレッソの逆転勝利となった。

■その他

これでリーグ戦3連勝。両者ターンオーバーをしての一戦だったが、ディフェンディングチャンピオンである川崎フロンターレに勝ちきった。
ちなみにこれで昨季からの川崎フロンターレ戦は公式戦で5回の対戦があったが、セレッソの4勝1敗。その1敗が大敗だったのでやられたイメージが強いが、実は大きく勝ち越している。
セレッソにとって戦いやすいということではは無いが、川崎の戦い方は特徴的なのでやることがはっきりし、ストロングポイントを発揮しやすいのだろう。

そしてこの試合で初めて右SBに入った片山。
松田に比べるとボールを持った時に出来ることは少ないのだが、運動量もあって身体能力も高い。対川崎ということでこちらがボールを持つ時間が少なかったこともあって、片山自信のストロングポイントが発揮されやすい試合となった。
SBであれだけ強くて高さでも問題ない選手がいるのは非常に助かる。今後、対戦相手や戦い方によっては十分ファーストチョイスになりえるのではないだろうか。




1 件のコメント :

  1. レビューお疲れ様です。
    ハリル解任についてですが、こちらのブログに分かりやすく纏めて書いてあります。
    http://gazfootball.com/blog/2018/04/09/post-13053/
    協会は想像以上に腐敗しているようです。

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