2018年4月20日金曜日

明治安田生命J1リーグ 第9節 vs ガンバ大阪 プレビュー

2018年4月21日 19時00分:パナソニック スタジアム 吹田

予想スタメン
ワールドカップイヤーによる連戦もようやく折り返しを過ぎた明治安田生命J1リーグ 第9節。今節唯一のナイトゲームとしてアウェイでの大阪ダービー。ガンバ大阪対セレッソ大阪の一戦がパナソニック スタジアム吹田で行われる。


■ガンバ大阪

昨季の18節以降で勝ったのは第19節のセレッソ大阪戦と第24節のサガン鳥栖戦のみ。後半戦は2勝5分10敗と全く勝てなくなったガンバ大阪。チームを立て直すためにかつてセレッソ大阪を3度に渡って率い、セレッソ大阪のイメージが強いレヴィー・クルピを招聘するという驚きの人事を発表したものの、今季のリーグ戦では1勝1分6敗で最下位と苦しんでいる。
クルピ監督は即効性のある監督ではないのでクラブも序盤は苦しむであろうということはある程度想定していたとは思われるが、降格した2012年でも第8節終了時点で2勝1分5敗と今季以上の成績を残していたので、ここまで苦しむのは予想外だっただろう。
またアデミウソンは第3節の川崎戦のみの出場で治療のためブラジルに帰ってしまい、今野は第4節の柏戦には出場したもののその後再び離脱、藤春は第5節のFC東京戦で負傷交代以降離脱、さらに長沢も左ハムストリングの肉離れで離脱と、主力選手が次々と怪我で離脱となっていることも予想外だったはずだ。

実際の試合でもその厳しさは感じられる。
市丸が負傷した柏戦の途中から遠藤がボランチに下がる形が定着しているが、その翌節東京戦以降で遠藤とボランチでコンビを組んでいるのが新加入選手のマテウス。
しかしマテウスはそのプレーを見るかぎり前に出ていきたいタイプの選手。遠藤もボランチで起用するにはもう1人の選手に守備力を求めざるを得ない状態なので、バイタルエリアの守備がかなり厳しい状態になっている。
ただ、CBにはファビオと三浦がおりこの2人はリーグでも有数のCBコンビ。彼ら2枚を抱えながら第8節終了時点でリーグワーストの15失点となってしまっているのは、ボランチコンビ以上にチーム全体の守り方の問題だろう。
守備が崩れていくきっかけとなっていそうなのがSBが簡単に食いついた後その背後を使われる形で、こうなった時に遠藤は最終ラインのカバーに入って何とかしようとするのだが、マテウスはサイドに出ていったりしていて、ボランチ2枚がどこを埋めるのかが定まっていない状態になることも多い。そうなるとCBもどこをカバーしていいのかがバラバラになり、さらにバイタルエリアでのボランチがバラバラに動くことも多いためCBが晒される状態になる。
そうなると、どうしてもポジショニング・カバーリングに迷いが生じるようになり、守備への切り替えも遅くなる。その結果が失点の多さ、特にクロスからがリーグ最多の5失点となっている要因だろう。
勝利した磐田戦では前半は高い位置からの守備がはまっていたので目立たなかったが、後半になると押し込まれる時間が続いていた。おそらく基本的には高い位置からの守備をやりたいんだろうとは思うが上手くはまったとしても1試合を通じてやり続けることは難しいようだ。

一方攻撃でも厳しさを感じさせる。
ここまでファン・ウィジョがリーグトップタイとなる5得点を記録しているし、チーム全体で8得点も多くは無いが、1試合平均1得点を記録しているのでかなり少ないというほどでもない。しかし長沢が負傷離脱となったことで、この得点力もさらに下がっていく可能性が高い。
そもそも長沢が離脱する前から攻撃面でも内容は決して良くはなかった。ビルドアップのところでSBが上がった状態でボランチを捕まえられ、守備組織が揃った状態でCBにアプローチをかけられると出しどころがなくなり攻撃に詰まる。2列目に倉田、ファン・ウィジョ、食野らを起用しているがそこまでボールを届けられずボールを運ぶ事ができないという時間帯も多かった。ボックス内侵入数がリーグ最下位というデータがその厳しい状況を表している。
そんな厳しい状況の中でもチームを助けていたのが最前線の長沢。長沢が何とか身体を張ってボールをキープすることで、執拗に裏抜けを狙うファン・ウィジョが前向きでボールを貰う。それがここまで5得点という結果につながっていた。
しかしその長沢も離脱。前節長崎戦ではファン・ウィジョをワントップに起用したものの機能しているとはとても言えない状態に。ファン・ウィジョは動き出しが速いので裏抜けを狙うのだが、例えば前節のFC東京の様にガンバにはとにかくトップを裏を狙わせてそこに出すという形も無い。なので単純に前線が孤立してしまい、2列目も孤立。右SHに入った藤本が、それまでこのポジションを務めていたファン・ウィジョとは異なり、下がってきてビルドアップを助けようという姿勢をみせるものの、そこから前に出せない。時間の経過とともに米倉が藤本が開けたスペースに出ていくことで何とか攻撃の形を作ろうとしていたが、相手ディフェンスを動かせない中での攻撃なので、よほど精度の高いクロスでピンポイントで合わせるしかちょっと難しいような攻撃がほとんどだった。
また、ビルドアップではボランチを捕まえられている状態にもかかわらずそこに出すしか無いので、遠藤が狙われて中原に決められた長崎戦の3失点目は昨年のACLでも見た形。
昨季のスタート時に使っていたダイヤモンド型中盤の4-4-2でアンカー遠藤は、ACLで度々狙われたことで井手口にかわり、最終的にはダブルボランチに変わったという流れになっていた。
しかし遠藤とマテウスのダブルボランチは、どうしてもマテウスが前に行きたがるので遠藤がアンカーになる。つまり昨季ACLで狙われた形に近く、それと同じようにやられてしまうという厳しい失点だった。

■プレビュー

ガンバ大阪は、ミッドウィークのルヴァンカップ浦和戦で珍しくターンオーバーを敢行。この大阪ダービーに向けて多くの主力メンバーを休ませてきた。
この試合ではもちろんその面々が復帰してくるだろうから、これまでベースとなっている東口、三浦、ファビオ、遠藤、マテウス、倉田、ファン・ウィジョらは先発に名を連ねるだろう。
変化がありそうなのはSB。これまで米倉と初瀬が起用されていたが、ルヴァンカップでオ・ジェソクの左SBがある程度機能していたので、左にはオ・ジェソクが入る可能性もある。ただ、米倉はルヴァンカップでもフル出場しているため、右オ・ジェソク左初瀬という形も考えられ、さらに藤春がこの試合で復帰するのではないかとの情報もある。
そしてもう1点、ルヴァンカップでボランチに入った高江が守備面でまずますのプレーをみせていた。ボランチの守備は泣き所の1つなので、高江をボランチに入れるのではないかとの情報もある。その場合遠藤を前に出し、倉田が左に出るという形になるだろう。
セレッソサポーターならご存知だろうが、クルピはここ一番の試合で守備的な仕掛けをしてくることも結構多い(うまくいかないことがほとんどだが)。それを考えると高江の先発起用は意外とあるかもしれない。

一方のセレッソ大阪は、ミッドウィークのACLで敗退してしまったものの、ここでもターンオーバーを採用。主力メンバーのほとんどが中国にも行っていない。この試合ではいつもの主力メンバーが先発に名を連ねることになるだろう。
しかし一方でオスマルがまだ別メニューから復帰しておらず、さらに木本も離脱したとのこと。先日U-23で復帰した藤本がメンバー入りするそうだが、ソウザもまだ復帰しておらず、山下、山村の2人は連戦ながらも引き続き先発となる可能性が高い。

先にも書いたようにガンバの現状はかなり厳しい。
しかしこういう時のダービーこそ注意が必要だ。というのもダービーとなるとなにより結果が優先される。つまりガンバにとって、なりふり構わず結果だけを追求する戦い方を選択しやすい試合だからだ。セレッソにとってはそれが最もやりにくい。

セレッソにとってはとにかく先に失点しないことが重要だろう。特に前半の早い時間にセットプレーには注意したいところ。もしここでやられてしまうと守備を固めてくる可能性もある。
迷いが見られる攻守の切り替えのスピードも、リードとなるとダービー効果で乗り切ってしまう危険性もある。

セレッソとしては無失点の時間を長くし、できれば先制することでガンバをノーマルな状態で戦う様にしていきたい。
ノーマルな状態であれば、例え高い位置からプレッシングにきても、ロングボールを使ってセカンドボールを拾う展開に持っていけるだろうし、サイドも攻略出来る可能性も高い。このセカンドボールとサイドで優位に立てれば、クロスや背後だけでなく。1つ下がったとことろから杉本がCBに対して仕掛ける形も使えるだろう。そうなると間違いなく勝利に近づけるはずだ。

現在の2チームを客観的にみてもチーム力で上回っているのは間違いなくセレッソ大阪。
展開に気をつけながら、その力の差を出せるゲームに持っていきたい。

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