スタジアム | キンチョウスタジアム | 主審 | 荒木 友輔 |
入場者数 | 13,882人 | 副審 | 武部 陽介、西村 幹也 |
天候 / 気温 / 湿度 | 晴 / 14.2℃ / 69% | 第4の審判員 | 大塚 晴弘 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- 尹 晶煥
- 監督
- 曺 貴裁
試合経過
-
90+2'
- 90'
-
86'
-
85'
- 77'
-
76'
-
66'
- 60'
- 46*'
- 36'
- 32'
-
13'
- 8'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 15 | 12 | 16 | 13 |
CK | 5 | 5 | 6 | 4 |
PK | 0 | 0 | 0 | 0 |
シュート | 10 | 4 | 11 | 6 |
警告/退場 | 1/0 | 3/0 | 1/0 | 2/0 |
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 尹晶煥監督湘南ベルマーレ 曺貴裁監督
セレッソ大阪 杉本選手、ヤン・ドンヒョン選手、オスマル選手、木本選手
湘南ベルマーレ 岡本選手
湘南ベルマーレ 野田選手、杉岡選手、岡本選手、松田天満選手、端戸選手(湘南ベルマーレ公式)
国際Aマッチウィークあけとなる明治安田生命J1リーグ第5節。ACLを含めてここから5週連続ミッドウィークに試合がある12連戦の初戦、本拠地キンチョウスタジアムでの湘南ベルマーレとの一戦はヤン・ドンヒョンと杉本のゴールでセレッソ大阪がリーグ戦今季初勝利を挙げた。
■メンバー
清武に引き続きソウザも離脱、さらに山村も今週のトレーニングで負傷してしまったセレッソ大阪。特にボランチに離脱者が増えていることから日本代表から帰国直後の山口が先発メンバー入り。神戸戦同様にこの試合がホームデビューとなるオスマルとコンビを組む形となっている。また前線には、負傷を抱えていた柿谷がこの中断期間でコンディションを戻したということで先発復帰。日本代表で試合に出場した杉本がベンチスタートとなり、ヤン・ドンヒョンと柿谷の2トップとなっている。
またもう1人ベンチに復帰したのが福満。開幕戦以来のベンチ入りとなっている。
一方の湘南は、この試合も3-4-2-1の布陣。パラグアイ遠征帰りの杉岡がベンチスタートとなり3バックは山根、アンドレ・バイーア、大野が入り、左WBには高山、右WBには岡本。
ボランチは菊地と秋野、シャドゥには松田天満と石川で1トップにはリーグ戦今季初先発となる野田が入っている。
■湘南のハイプレスとセレッソ
5-2-3でプレッシング |
つまりハイライン、ハイプレスのチームとなる。
この試合でも序盤から高い位置からのプレッシングをみせていた。
プレッシングの仕組み |
どうやら湘南はそれを警戒していたようで、前線の3人は前へとプレッシングに行くが、ボランチ2人はそれに連動してセレッソのボランチにまでアプローチをかけるというよりも、3バックの前に固定されていることが多かった。長いボールを入れられた時のセカンドボール対策ということだったのだろう。
なので、湘南の前線3人、ワントップ2シャドゥはセレッソの4バックに対してスライドしながらアプローチをかけるというよりもセレッソの2CB、2DHに対して4対3で対応。もちろんそこからSBに対して2度追いをしてくることもあるが、基本的にはCBに対してシャドゥがアプローチに行く分、SBにボールが入った時にはWBが前に出てアプローチをかけるという形になっていた。
この形であればSBのところで時間が作れる。ということで湘南のハイプレスはそれほど上手くハマっていなかった。
松田天満など湘南の選手が何度も遅れて行ってしまってファールを取られていたのがそれを象徴している。
またSBに2度追いしてくると、ボールを循環させることでボランチのところでもフリーを作ることもできており、両サイドに展開することもできていたし、裏抜けを狙うことが出来ていた。
セレッソは湘南の前3枚を外すのに4バックとダブルボランチを使っていて、湘南は後ろには5枚その前にはダブルボランチがいる。さらに時間がかかると2シャドゥもしっかり戻ってくるのでそう簡単に決定機までは至らなかったが、湘南のプレッシングはあまり機能しておらず、さらにWBがSBに食いついてくるとその背後を使うことが出来る。
ということで、試合の立ち上がりからセレッソにとっては上手く行っていたとも言える内容だっただろう。
そして湘南が警戒してきたセレッソのロングボールとセカンドボールだが、湘南の3バックで最も高さに強いと思われるアンドレ・バイーアのところこそヤン・ドンヒョンは互角だったが、大野のところでも優勢。背負った状態でもしっかりプレーできていた。
そんな優位性から馬出たのが12分の先制点。キム・ジンヒョンのゴールキックをヤン・ドンヒョンと大野が競り合ったところから生まれた形で、ボールは流れたものの水沼が高山との入れ替わりに成功。そこからヤン・ドンヒョンに戻し、跨いでからの左足の豪快なシュートでセレッソが先制に成功する。
■プレッシングとショートカウンターは封じるも
試合の立ち上がりから湘南のプレッシングを外し、ボールを奪われても素早い切り替えによるアプローチとポジションに戻ることでショートカウンターもほとんど機能させていなかったセレッソ。つまり湘南のストロングポイントを上手く消すことができていたわけだが、全てが上手くいっていたという訳ではない。
セレッソが手を焼いていたのは湘南の定位置攻撃。
これは昨季から抱えている問題だが3バックでのボール保持に対してファーストディフェンスが機能しないので、ボールを動かされミスマッチを活かす形に対してどうしても後手を踏んでしまう。3バックのボールの持ち出しからずらされて逆サイドのWBが空くという形が頻発するようになっていた。
これまでの試合でも同じ状態が続いていたのでこれは湘南が抱えている問題点の1つだと思われるが、湘南はチャンスに近いかたちは作るものの質的な問題でか決定機まではなかなか作れなかったが、35分にはファーストディフェンスが決まらないところからボールを運ばれブロックを動かされると、高山の外側を上がってきた大野のクロスを右WBの岡本が決めてゴール。
湘南が1-1の同点に追いつく。
セレッソのDFラインはどうしても合わせるので大野が入れたようなDFラインの前に入るボールについては対応しにくい。なので低いボールだったがファーサイドまで流れてきてしまい、そのファーサイドではミスマッチの影響で丸橋が2対1の様な状況になっており、岡本は丸橋の前でシュートを放つことができた。
■定位置攻撃とWB裏
後半開始〜 |
杉岡は市立船橋高校出身のプロ2年目で本職はCBだがWBもできる左利きの選手だが、セレッソサポーターにとっては昨年のU-20ワールドカップでグループリーグ2試合目まで左SBで先発していた舩木から、3試合目と決勝トーナメント1回戦ではポジションを奪った選手としての印象が強いかもしれない。
後半も前半に見せたような定位置攻撃からのミスマッチに可能性を感じる湘南。セレッソもWBの前後、WBを引き出してからその後ろにSHが入る形からチャンスを作る。
後半も両者ゴールに迫る場面を作っていた。
ただ、セレッソとしてはこういうところでセットプレーからゴールが奪うことができればもう少し楽にゲームを進めることができるのだが。。
60分〜 |
ただ、この辺りの時間帯からセレッソは3バックの脇を使ったカウンターも見せるようになっていた。
湘南は同点ゴールのシーンもそうだったが、セレッソの4-4-2に対して2トップ脇を使うために3バックの両サイドの選手がボールを持ち出して定位置攻撃が始まることが多い。しかし後半立ち上がりまでは湘南の帰陣の速さもあってなかなかそこを使えず、セットされた後にWB前後を起点にしていたが、60分過ぎごろからはボールを奪った後に一気に柿谷がサイドのスペースに流れてそこにボールを出す場面も見られるようになっていた。
つまりセレッソは攻撃のバリエーションが少し増えていた。
77分〜 |
杉本投入直後、小林投入直前の湘南のCKでは一旦ゾーンの外に柔らかいボールを入れてヘディングで中に入れることでスクランブルを作るという準備してきたであろうサインプレーを湘南が行うがゴールには繋がらなかった。
85分〜 |
するとその直後、それまでほとんどボールに絡めていなかった杉本が、右サイド、湘南の3バック左に入る大野裏に飛び出したところへ松田陸がロングボールを送ると、ワンタッチで大野をかわして入れ替わる形でボックス内に侵入。そこから左足でアンドレ・バイーアの又を抜くシュートを決め、86分セレッソが2-1とリードを奪った。
3バック脇というか裏は後半途中から出来るようになっていた新たな攻撃の形。
そして、あの距離、あのスピードでDFの又の間を抜けてきたシュートはGKにとってはノーチャンスだった。
90+1分〜 |
湘南はアディショナルタイムに入る前からCKでGKの秋元を上げるというかなりムリをしたスクランブルをするが、しっかりと封じそのまま試合終了。
2-1でセレッソの勝利に終わった。
■その他
ようやくリーグ戦初勝利。試合内容としてははっきり上回ったというものではなかったが、その中でも両チームのクオリティの違いを見せた偶然ではない勝利だったのではないだろうか。昨季から、今季も何度もここで書いている問題点はなかなか改善されるような雰囲気は見られないが、勝利することでチームに自信もつくだろうし勝ち点を積み重ねられるようになるのではないだろうか。
個人的なことなり申し訳ありませんが、この日はちょっと色々なことがあったので何より勝利できたことが嬉しい試合でした。
そして最後に
これも個人的なこととなりますが、一身上の都合によりTV中継を含めてしばらくの期間ACLのゲームを見ることができなくなりました。
2011シーズン以降、公式戦全試合レビューを行ってきたこのブログですが、次のホーム済州戦以降ACLの試合は、試合終了後、次の試合までにというサイクルで書くことが出来なくなりそうです。
多くのサポーターの方にも見ていただけるようになり、コメントもいただく様になった中、自分で決めたルールを守れないのは残念なのですが、今季はワールドカップ中断期間もあるので、遅れる形にはなるでしょうが何とかACLもレビューを書けたらなあと思っています。
いつも詳しい分析をありがとうございます。いろいろとお忙しいでしょうから、無理のない形でこのブログを続けていただけたらありがたく思います。
返信削除コメントありがとうございます。
削除一応本人はやる気満々です(笑)
とはいえ、何が起こるかわかんないので出来る限りで頑張ります。
昨年より拝見させていただいています。詳しくわかりやすい解説で、サッカーの奥深さを感じられるようになりました。
返信削除更新遅れても、楽しみに待っていますよ!
コメントありがとうございます。
削除出来る限り頑張ります。
いくら遅くてもいいのでACLのレポも可能であるのなら読みたいです。
返信削除ヤンが得点した後も湘南右サイド側がやってましたが、サイドからのクロスでファーを狙われて失点する原因なのは両SHの守備への戻りが遅い(戻らない)からじゃないかと思うんですがどうなんでしょう
コメントありがとうございます。
削除済州は何とか書くことができました。
湘南戦でもあった大外ですが、SBの外にSHを戻すということはボランチの横に誰もいないということになるので、デメリットもかなりあります。
どういう形で整備するかですね。
いつも楽しく拝見させていただいてます。
返信削除初勝利嬉しいですね!
攻撃は、柿谷がいなくなると変化つけられなくなるのが厳しいですね。
清武に戻ってきて欲しいですねぇ。
年度も変わり、色々と忙しいと思いますので、Jのレビューを変わらず楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
削除ホント良かったです。
柿谷や清武は素晴らしい選手ですし、もちろんいるといないとでは大違いなんですが、
グループとして整備されているわけではないでどうしても不在が強調されてしまいますね。。