セレッソ大阪 | 1 | 0 | 前半 | 0 | 0 | サンフレッチェ広島 |
1 | 後半 | 0 |
| 延長前半 | |
| 延長後半 | |
| PK戦 | |
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スターティングメンバー |
セレッソ大阪 | サンフレッチェ広島 |
選手名 | 番号 | 位置 | シュート | シュート | 位置 | 番号 | 選手名 |
キム ジンヒョン | 21 | GK | 0 | 0 | GK | 1 | 西川 周作 |
藤本 康太 | 4 | DF | 0 | 1 | DF | 33 | 塩谷 司 |
丸橋 祐介 | 14 | DF | 0 | 0 | DF | 5 | 千葉 和彦 |
酒本 憲幸 | 17 | DF | 0 | 0 | DF | 4 | 水本 裕貴 |
山下 達也 | 23 | DF | 1 | 0 | MF | 14 | ミキッチ |
扇原 貴宏 | 2 | MF | 2 | 2 | MF | 6 | 青山 敏弘 |
山口 螢 | 6 | MF | 3 | 2 | MF | 8 | 森﨑 和幸 |
南野 拓実 | 13 | MF | 0 | 1 | MF | 2 | ファン ソッコ |
シンプリシオ | 30 | MF | 3 | 2 | MF | 9 | 石原 直樹 |
柿谷 曜一朗 | 8 | FW | 1 | 2 | MF | 10 | 髙萩 洋次郎 |
エジノ | 9 | FW | 2 | 2 | FW | 11 | 佐藤 寿人 |
武田 洋平 | 1 | GK | | | GK | 13 | 増田 卓也 |
茂庭 照幸 | 3 | DF | 0 | | MF | 35 | 中島 浩司 |
新井場 徹 | 7 | DF | | | MF | 15 | 岡本 知剛 |
楠神 順平 | 10 | MF | 0 | 1 | MF | 16 | 山岸 智 |
枝村 匠馬 | 16 | MF | | | MF | 27 | 清水 航平 |
横山 知伸 | 18 | MF | | 0 | MF | 24 | 野津田 岳人 |
杉本 健勇 | 20 | FW | 0 | | FW | 29 | 浅野 拓磨 |
12 | シュート | 13 |
14 | GK | 12 |
6 | CK | 6 |
8 | 直接FK | 16 |
2 | 間接FK | 2 |
2 | オフサイド | 2 |
0 | PK | 0 |
セレッソ大阪 | | サンフレッチェ広島 |
シンプリシオ(52') | 得点 | |
藤本→茂庭(41')
南野→楠神(64')
エジノ→杉本(80') | 交代 | ファン ソッコ→山岸 智(61')
千葉→野津田(80') |
藤本(38')
酒本(62')
楠神(67') | 警告 | 石原(77') |
| 退場 | |
上位陣とのラスト3連戦を優勝争いに首の皮一枚で残っている状態で迎えた32節
首位マリノスとの勝ち点差6の5位セレッソが1ヶ月前には既にチケットが売り切れとなったホームキンチョウスタジアムに、昨年のチャンピオンチームであり現在首位との勝ち点差2で3位のサンフレッチェ広島を迎える。
セレッソの布陣は、負傷で離脱していた藤本がCBに、エジノが右SHに入る4-2-3-1。
エジノが右SHに入る4-2-3-1は、ナビスコカップ準々決勝浦和戦の2ndレグでペトロビッチの4-1-5対策として取り入れられた形です。
藤本・エジノがスタメンに入っているので茂庭・杉本がベンチスタートとなっている。
一方の広島はベンチも含めて前節柏戦と全く同じ。左のWBにファン・ソッコが入る現時点でのベストメンバーとなっている。
■マッチアップ
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マッチアップ |
毎度の事ですが広島は攻撃の時に4-1-5になり、セレッソの4-2-3-1とのマッチアップは図のようになる。
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セレッソはマッチアップをあわせている |
最初に書いたように、今シーズンは開幕から4-4-2戦ってきた中でここ最近の4-2-3-1に変えたのはナビスコカップでの浦和対策がきっかけで、これまでは4-1-5の前線5枚に対しては4バックのスライドで対応してきたが、両アウトサイドはSBに任せ真ん中の1トップ2シャドーは2CBと2ボランチの4枚で1人余る形で対応させ、このシステム最大のキーマンである中盤の1に対してはトップ下の選手と完全にマッチアップを合わせる形になっている。
■リアクション型の広島
昨シーズンはチャンピオンになった広島にはボールを持ってパスを繋ぐのでもしかするとイメージしにくいところがあるかも知れませんが、森保監督になって以降はリアクションの方向により進んでいっています。
一般的にリアクション型といえば、ボールを放棄し、自陣に引きこもって少ない手数でカウンターを狙うというイメージが強いので、広島の様にボールを繋ぐのは違うんじゃないの?と思われる方も多いかもしれませんが、相手が出てきた所を使うという意味では広島はリアクション型のチームになっています。
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広島の攻撃のベース |
広島のベースになっているペトロビッチの4-1-5は何度も書いていますが、攻撃の時に最大で前線に5人を並べるので4バックに対して全員が前線に並べば必ず数的有利を作ることができるようになっています。
最終的にはここの数的有利を活かすために色々なことを行ってくるのですが、例えば中央の3人、1トップ2シャドーは自在に引いたり飛び出したりと捕まらないように、最終ラインでギャップを作るように、スペースを作るように動いてきます。
しかしこの形のキーになるのは何といっても青山が入る4-1-5の1のポジションで、ここでフリーで前向きにボールを持たせてしまうと、4バック+2ボランチのウチの誰かが寄せないといけなくなって、誰かが出て行くとそのスペースにシャドーや1トップが降りてきて、降りてきた選手を捕まえようとまだ誰かが寄せるとそのスペースを使われてという形になり、結局数的有利を活かされて最終ラインが攻略されてしまう事になってしまう訳です。
という事でこのやり方に対して、柏やFC東京が必ずやるように対策としてフォーメーションを合わせ最終ラインを5枚にして対応するチームが出てくるようになりました。
ミラーゲームにしてマッチアップを完全に合わせる最終ラインのところで数的有利をつくらせない、さらに青山のところに青山番の選手を置くという対策です。
それに対して広島は最終ラインの中央2枚がドリブルでボールを持ち出したり、元々3バックの両サイドの位置にいる2人がオーバーラップをしてきたりというやり方もあるのですが、広島は、特に森保監督になってからは、相手が出てくるまで攻めないという方法を取る頻度が増えるようになりました。
どういう事かというと、ほんとにそのままなんですが、相手の陣形が整っている時に攻めるとそこで奪われてしまうとカウンターを受ける危険性がある。
じゃあどうするかというと、相手の陣形が整っていても最終ラインの所やさらにGKも含めればそこに絶対フリーの人間が1人以上はいる訳ですから、そこでボールをキープする。
なんだったら延々と横パスを繰り返すぐらいのレベルでキープします。
で、その時に相手がじれてボールを奪いに来ると、同じ人数で試合をしてる以上相手がボールを奪いに出てくるという事は整っていた陣形のどこかにフリーの人間やスペースができる事になるので、そこを使って一気に縦に速く攻撃をしてしまう訳です。
ボールを持っているので一般的に想像するようなリアクションサッカーとは異なるかもしれませんが、ボールを持っているかどうかの違いがあるだけで、自分たちからアクションを起こしてという事では無く相手が出てきた所を縦に速く狙うという部分ではあまり違いが無く、リアクションサッカーとも言える形を使う頻度が高くなっているのです。
もちろん広島はこの形だけではないですし、リアクションだけでもありませんが、記憶に新しい所では新潟の柳下監督が対戦した時に言ってた事や、過去には風間監督なども言ってた「守備的」「攻めない」というのはそういう所を指しているんだと思われます。
前置きが長くなってしまいましたが、本題に。
■静かな展開
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シンプリシオが森崎に |
立ち上がりの時間帯は広島がチャンスを作りそうな場面が何度か続きました。
これはチームとしてどこまで狙っていたのか、もしかすると立ち上がりは前線から行こうということだったのかもわかりませんが、青山を見るシンプリシオがボランチの位置から最終ラインに降りていく森崎を追いかける場面が目につきました。
前置きで書きましたが青山を自由にさせてしまう事は致命的なので、シンプリシオが青山を外して森崎にまで行くと扇原が後ろから青山を捕まえに出てくる形を取る事が多かったのですが、どうしてもそこには時間差が生じるし、青山も捕まりにくい様にズレたりするので、時間の経過と共に深追いする場面は少なくなりましたが、立ち上がりはそこを経由してボールを運ばれるシーンが目立ちました。
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セレッソのボールポゼッション |
しかし、広島ペースの展開かといえばそういうわけでもありませんでした。
というのも立ち上がりはおそらくセレッソの方がポゼッション率が高かったからです。
広島は守備の時に両サイドが完全に下がって自陣で5-4のブロックを作ります。
その時に移動距離が長いのは両サイドとシャドーの選手で、ボールを奪われると両サイドは攻撃の時にマッチアップしているSBを離して自陣の深い位置でSHと、シャドーは攻撃の時にマッチアップしているボランチを離して5-4の4の両サイドでSBとマッチアップする形になるので、セレッソのボランチやSBが比較的自由にボールを持つ事ができました。
例えば19分のカウンターなど、広島の守備を崩すには5-4の形になる前に縦に速い攻撃の方が効果的なのでしょうが、不用意にボールを失うと逆に抜群の鋭さを持つ広島のカウンターを受ける可能性もあるので、ダメならやり直す、ボールをキープするという方法が徹底できていました。
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下がってブロックの外でボールを受ける柿谷 |
しかし5-4のブロックを自陣深くで作られてしまうとなかなか崩すのは難しくなり、柿谷が下がって数多くボールに絡んだりするものの、この日右SHに入っていたエジノは杉本に比べると中央に入ってくる回数も少なくサイドにポジションを取る事が多いので人数が足りず決定的な形まではなかなか作る事が出来ていませんでした。まあ中に入っても広島守備陣の人数が多いので崩すのは難しかったかとは思いますが。
後、序盤で効果的だったのはセレッソが押し込んでからの守備への切り替えのスピードで、押し込む分自陣に大きくスペースがあり、広島の速い攻撃を受ける危険性もあるのですが、そこはボールを失った瞬間に素早く守備に切り替えて出どころを遅らせてセレッソが守備陣系を整えるだけの時間を作ることができていました。
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セレッソの守備 |
こうなると待っているのは動きが少なく静かな時間帯。
シンプリシオが青山のマークを徹底し、そうなると広島はフリーのCBがドリブルでボールを持ちだして後ろのズレを狙うんだけど、広島の3バックの両サイド塩谷と水本は以前の森脇と槙野の様にSBの様なプレーまではしないので、エジノと南野がそれぞれ水本と森崎、塩谷と千葉の中間にポジションをとって牽制しているのでそれもなかなか難しい。セレッソも広島は喰いついてくるのを待っているのを知っているので不用意には行かない。
という事で、試合前の予想どおり両チーム共に相手の様子を伺う静かな展開になっていきました。
また広島にとって膠着状態を打破する武器でもあるミキッチも、そもそもはいい形でボールが入らないからでもあるんでしょうが、ほぼ丸橋に封じ込められていました。
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41分〜 |
しかしここでセレッソにトラブルが起こる。
この日左足の筋肉系のケガから復帰したばかりの藤本が再び左足の筋肉系トラブルで41分に茂庭と交代。
アップも満足に出来ない中での急な交代だったので少し不安はありましたが前半はそのまま0-0で終了。
どちらも相手の様子を見ながらという静かな前半でした。
■後半
これは前半同様立ち上がりだからという事かもわかりませんが、後半の立ち上がりはセレッソの攻撃の中で前半よりも縦パスの数が増え、その分攻撃が速く、積極的になってくる。
となるとボールを奪われるリスクも増え、さらに奪われた時にはスペースができていることにもなるのでそれに合わせて広島の攻撃も活性化してくる。
また、守備でも立ち上がり同様相手を捕まえにかかる場所が前になり、前で捕まえに行った所を外して森崎に運ばれ、その結果ズレて対応する事になってしまったので作られてしまった、高萩のフリックで抜けだした佐藤寿人に決定機を作られてしまうも、なんとか山下のスライディングで枠外に。
そしてその直後の52分。
今度はセレッソの番だということで、最終ラインの裏へのパスをカットした山下が丸橋にパス。丸橋は柿谷に縦パスを出し、そこでキープして南野へ落す。そして南野からスグ横のシンプリシオに出すとシンプリシオは得意のドリブルから縦パス、ワンツーと細かいパスを繋いでスルスルと上がっていく形で南野、丸橋、柿谷とつなぎ、柿谷が前向きでボールを持つと広島DFは一気にそこに集中、そしてキックフェイントで相手の意識を動かしてからの速いタイミングでいつの間にか最前線にまで飛び出していたシンプリシオにスルーパスし、それをおちついて決めてセレッソが先制する。
前半はかなりリスクヘッジに重きを置いたボールの持ち方をしていたが、後半になってもう少しリスクをおってでもいつもの様に縦にボールをつける意識を高めた事で出来た中央突破でありゴールだった。
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広島が前に出てくる |
リードされた広島は、もう相手のリアクションを見ている場合では無いという事で前に出てきます。
一番変わったのは森崎のプレーで、前半は最終ラインで起点になる事、バランスを取ることに重きを置いていたが、ここからは積極的にボールを持ち出し、青山がシンプリシオに捕まえられているならと青山と並んで前線の5への起点となるプレーを見せ始めます。
またもう1つ印象的だったのは高萩が左サイドに流れて、酒本とエジノの所を何とかしてやろうというプレーが増えていました。
元々広島がなぜ自分たちから動いて行かないかというと中盤をあえて間延びさせて前線に人数をかけてる分相手のカウンターが怖いからで、しかしビハインドとなると待ってる訳にはいかないから自分たちから動かないといけない。となるとセレッソはカウンターを狙いやすくなる訳です。
ということで、ここからは自ら前に出て行く広島とカウンターを狙うセレッソという図式になっていきます。
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64分〜 |
61分、広島はファン・ソッコに代えて攻撃面でのバリエーションが多い山岸を投入。
64分、セレッソは運動量が落ちてきていた南野に代えてカウンターの起点になれる楠神を投入。
山岸が左サイドから積極的なプレーでセレッソの守備を崩しにかかりますが、最終ラインでは人数を合わされていて大外はフリーにはなっていないので大きなサイドチェンジという展開もできず、一方のセレッソもカウンターでチャンスを作るも決められない。
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80分〜 |
そして80分。
セレッソはエジノに代えて杉本を同じポジションで投入。
一方の広島は最終ラインの千葉に代えて野津田を2列目投入する。
千葉が下がったという事は守備で5バックになる所では4バック、攻撃の時は既に森崎が高い位置に進出してくるようになっていたので2バックという様な形にしてくる。
それに対してセレッソは青山と森崎を気にするあまり柿谷も含めた前線の全員が相手のボランチ以下まで下がってしまって、広島は最終ラインに1人だけ残しておけば良いよねというほど押し込まれる事になり、高萩の決定機や青山の決定機を作られるも決められず、さらにかなり薄くなっていた広島にカウンターで形をつくるもどちらも決められずに試合終了。
セレッソがシンプリシオの1点と守り切った。
■その他
今節は、5位セレッソが勝って3位広島が負け、さらに2位浦和が川崎に、4位鹿島が鳥栖に敗れ、首位のマリノスが磐田に勝利したので、1位マリノスが勝点62、2位浦和が勝点58、3位広島が勝点57、4位セレッソが勝点56、5位鹿島が勝点56となりました。
マリノスは次節に勝利すれば優勝決定。鹿島は得失点差の関係で実質優勝はなくなりました。
勝点差が6あるのでセレッソは2連勝するしかありませんが、浦和との対戦を残しているので2連勝すれACLは確定、そこでもしマリノスが2連敗すれば勝点でマリノスと並ぶので何かを起こす可能性があるという状況です(広島とは対戦が終わったので、広島が2連勝すれば広島の方が上の順位になります)。
まあどちらにしても次節のホーム最終戦、鹿島戦は勝つしかありません。
この固い試合を勝ち切る事が出来たのはチームにとって本当に大きいと思います。