■FC東京 1 - 0 セレッソ大阪
FC東京:谷澤(77')
セレッソ大阪:なし
フォーメーション |
■FC東京
GK:20 権田修一
DF:2 徳永悠平 3 森重真人 6 今野泰幸 33 椋原健太
MF:4 高橋秀人 10 梶山陽平 18 石川直宏 39 谷澤達也
FW:22 羽生直剛 49 ルーカス
SUB:1 塩田仁史 14 中村北斗 27 田邊草民 32 上里一将 35 下田光平 9 ロベルト セザー 11 鈴木達也
交代:羽生→鈴木(75') 谷澤→下田(87') 石川→中村(90'+3)
■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 14 丸橋祐介 17 酒本憲幸 22 上本大海
MF:2 扇原貴宏 6 山口螢 13 清武弘嗣 16 キムボギョン 23 倉田秋
FW:31 杉本健勇
SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 7 大竹洋平 25 黒木聖仁 26 村田和哉 11 播戸竜二 15 小松塁
交代:杉本→小松(45'HT) 扇原→村田(62') 山口→播戸(81')
天皇杯準決勝のFC東京戦。
長居スタジアムでの試合だがトーナメント表上でセレッソがアウェー扱い。
なので長居なのにベンチもスタンドも南側で、ユニフォームも2ndの白という珍しい試合。
セレッソは扇原が出場停止から、茂庭がウイルス性の体調不良から復帰。
FC東京は羽生がFW登録ながら中盤の位置に入る。というより前の4人はかなり流動的。
■マッチアップ
FC東京の仕組み |
FC東京は一応4-2-3-1になるのだけど前線の4人はかなり流動的。なのでルーカスが下がってきたりサイド出ていたりして他の前線の選手が1トップの位置に居ることもあるし、さらに2トップになっている事もある。
ただセレッソのように2列目が全員同サイドに集まることはなく、両サイドのバランスは担保されている。
ただ前線は流動的とはいえここまでボールが来なければ意味が無いわけで、その最初の仕組みとしてあったのが2CB+ボランチの高橋。
そもそも東京の両CBは国内屈指のCBで2人とも足下の技術がある。この2人+ボランチの高橋がポジションを入れ替えながらパス交換することでプレスを回避。
セレッソはできるだけ前から抑えたかった所だけど、これでゾーンを下げて守らざるを得なくなっていた。
CBではなくボランチとSBを抑えに来る |
また守備の時は素早い切り替えでボランチの所にハイプレスをかけてくる。
まあこれはセレッソのやり方〜ボランチでボールを落ち着ける〜によるもの何だけど、CBは無視してボランチと両SBに前線の4枚をぶつけてくる。
セレッソは、東京がハイペースで入ってくる事は予想できていた事なので、その対策として早めに縦を狙うという事だったのだろうけど、杉本が前線でポイントになれずなのでシャドーが突っ込んでいくしか無く攻撃の形が作れていない。
CBとボランチの関係 |
またこの守備の場面でも2CB+高橋の関係は素晴らしく、セレッソは1トップの杉本でボールが収まらないのでその1つ下のシャドーに縦パスを入れるが、ココには今野が激しくチェックに行き今野が空けたスペースは高橋が入るという連携がきちんとできていた。
こうやって攻撃の形が作れていないのでボールの周りに選手がいない。なので守備も後手を踏んで前から抑えられない。という状態になっていた。
■シャドーを下げる
シャドーが下りてくる |
ということでセレッソはシャドーの倉田・キム・ボギョンがボランチの近く下がってボールを受けるようになる。
これでやっと東京のプレスを回避できるようになりボランチの所でボールが落ち着けられるようになった。
ただ、シャドーが下がると前線の人数が少なくなるので、前線でタメを作るか落ち着けた扇原の所で変化をつけて時間を作りたい所なんだけど、やっぱり前ではタメを作れず扇原も何もできていないのでなかなか継続して良い形を作れない。
このまま前半は0-0で終了。
立ち上がりからは東京ペースで終盤にセレッソが盛り返すという展開。
■後半
後半のマッチアップ |
HTでセレッソは杉本を下げて小松を投入。
また山口をCBの前に固定して扇原・キム・ボギョンをその前に並べるような配置に変える。
前半の終盤からボランチの近くでボールを落ち着けたように、シャドーがボランチの近くでプレーすることでボールを落ち着けて攻めていく。
相手を押し込めない |
ただ、交代で入った小松も前線でポイントになれず、扇原の所で変化をつけられないのも相変わらずなので、シャドーが中央に寄った分、攻撃は中央突破とSBのアーリークロスだけという状態。
シャドーがなかなかSBと絡んだりサイドチェンジしてどうこうって事が出来ない。
なので相手を押し込んでコンビネーションを使うという所、本来セレッソがやっていきたい所まで行き切れない。
この試合前半の終盤からボールを持てるようになったのだけど、サイドにシャドーが絡んだ幅をつかった攻撃ができずサイドバックからのアーリークロスだけなのでボールロストも多く相手を押し込めない。
ただ、攻撃でボールを落ち着けられてはいるのでボールを失っても近くに選手が居る事ができており、速いプレッシャーで流動的な4人にボールが入る前に抑えてしまう事で東京があまり攻撃できない状況にすることはできていた。
■村田投入
村田投入後のマッチアップ |
セレッソは62分にボランチでポイントになれてなかった扇原に代え清水戦で活躍した村田を投入して2列目に。
村田は裏を狙うように指示されていたようで高い位置にポジショニングを取るので扇原のいた時よりも前線での選択肢がふえるのだけど、ただ今までの状態と同じく中央突破とアーリークロスのみという状態は変わらず。
村田をサイドに |
幅を使って相手を押し込めていないのだから清水戦の後半のように村田を右サイドに張らせて酒本との縦関係と、左サイドはSBとシャドー、ボランチの1枚という形にして相手を押し込めることを優先した方が良かったんじゃないかとも感じたけど、強引な中央突破でもチャンスはある程度は作れていた。
■試合の結末
ただ、やっぱりボールロストが多すぎた。
攻めこむ機会自体は多いもののゲームをコントロールは出来ていなかったので、ルーカスのポストプレーから矢沢にゴールを決められて失点。
前半は杉本、後半から小松とセレッソはCFを入れ替えても収まらなかったポストを、東京からきっちり収め続けたルーカスが落としたボールを谷澤に決められて失点。
播戸投入後 |
その後セレッソは山口を下げてキム・ボギョン・倉田のボランチに播戸・小松の2トップのスクランブル体制に持って行き、終盤に同じ様な形小松のポストからボギョンのシュートもヒットせず、さらに後半の猛攻もゴールを上げることができず試合終了となってしまった。
■その他
残念ながらレヴィー・クルピの5年半は12/29で終了となってしまった。
チャンスはあったんだけど勝てなかった。来年はACLに出れない事が決定した。タイトルに手が届かなかった。
タイトルへの道はなかなか遠い。
今シーズンはずっとそうだった様に、やっぱり播戸以外のCFで決め手になる選手がいなかった事(その播戸は途中で出した方が活きる事)、ボランチの所でコントロールできるかどうかが相手次第になってしまう所が最後までどうする事もできなかった。
HTでFWを交代させずに済めば、結果的にだけどボランチを2枚とも代える必要がなければもうちょっと交代カードを有効に使えたのだろうけど。
今シーズンはいろいろあったけど、ちゃんとしたまとめは改めてやる事にします。