■ベガルタ仙台 1 - 1 セレッソ大阪
ベガルタ仙台:武藤(98')
セレッソ大阪:村田(115')
■PK
ベガルタ仙台:2◯ 24☓ 19☓ 8◯
セレッソ大阪:13◯ 16◯ 14◯ 2◯
フォーメーション |
GK:16 林卓人
DF:25 菅井直樹 5 チョ ビョングク 2 鎌田次郎 23 田村直也
MF:17 富田晋吾 6 角田誠 11 関口訓充 10 梁 勇基
FW:15 太田吉彰 24 赤嶺真吾
SUB:1 桜井繁 3 渡辺広大 14 高橋義希 8 松下年宏 19 武藤雄樹 13 中島裕希 9 中原貴之
交代:太田→武藤(68') 梁→松下(85') チョ ビョングク→渡辺(90'延長開始)
■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 4 藤本康太 14 丸橋祐介 22 上本大海
MF:2 扇原貴宏 6 山口螢 13 清武弘嗣 16 キム ボギョン 23 倉田秋
FW:31 杉本健勇
SUB:1 松井謙弥 17 酒本憲幸 5 中後雅喜 7 大竹洋平 25 黒木聖仁 26 村田和哉 11 播戸竜二
交代:杉本→播戸(74') 倉田→村田(87') 山口→大竹(104')
天皇杯4回戦の相手はリーグ戦を4位で終えたベガルタ仙台。
今シーズンは2戦ともACLのアウェー戦直後の試合で、ホームが引き分け、アウェーが負けと勝っていない。
仙台は、守備ブロックを作るのが速くさらにコンパクトにしてシャドーのスペースを消してくるので、そこをどうやって広げるか。ボランチのポジショニングと裏のスペースがポイントになるかと。
丸橋からシャドーへ斜めのパスを入れれるような形に持っていきたい所。
この試合はキンチョウスタジアムで開催されたけど、トーナメント上は仙台がホームになるのでその順で書いています。
■マッチアップ
仙台の守備ブロックはやはりハーフウェイあたりから2トップも含めた10人で作る4-4-2。
立ち上がりは少し前から捕まえに来るような素振りを見せたもののセレッソはGKのキムジンヒョンを使って繋いでいったりしたのでスグにハーフウェイからのブロックに変わる。
仙台の守備ブロック |
例えば仙台が勝利した前回ならきっちり守備ブロックを素早く作りそこからボランチに向かって2トップや中盤の選手が出ていって自由にさせない形を作っていたんだけど、この日は特に2トップの切り替えが遅いので山口と扇原の単純な動きやCBと山口とのパス交換だけで扇原などが比較的自由にボールを受ける事ができていた。
ボランチがフリーになる仕組み1 |
ボランチがフリーになる仕組み2 |
セレッソはボランチが自由に受けれるといろいろできる。シャドーが引いたりしながら相手の中盤のラインを引っ張り出して狭くしたい2ラインの間を広げ、最初に書いた丸橋からシャドーへの斜めのパスが通るようになる。
相手のラインを広げて丸橋からシャドーへ |
セレッソは何度か決定機をつくるものの決められず、前半は0-0で終了。
0-0ながらペースはセレッソなので、ミスと不安定な審判にさえ注意してこのまま続けていけばという状況だった。
そして後半立ち上がりも展開は変わらずセレッソがボールを繋いで攻めこむ。
仙台は攻めこまれてのブロックも下がっているのでなかなか持ち味の速いカウンターを見せることもほとんどない。
ただ徐々にセレッソも足が止まり始めスペースが出来てくる。
■膠着状態
セレッソが攻めきれず足も止まり始めた事で膠着状態に。
後半に仙台は太田→武藤(68') 梁→松下(85')、セレッソは杉本→播戸(74') 倉田→村田(87')と選手交代。
後半の布陣 |
で、試合は0-0のまま90分を終了。延長になる。
■延長
延長の布陣 |
前線で不用意に奪われたボールを一気にはこばれて、さらに後ろでもミスをしてしまった。
流石に2度ミスが続くと厳しい。
しかしセレッソの流れは悪くはない。115分に交代で入った大竹から播戸、村田とつなぎ同点に追いつく。
大竹はきっと自分で打とうと思ってカットインしたんだけど中央に播戸がいたのでシュートが打てなかった、播戸のワンタッチのスルーパスはきっとその裏で走っていた丸橋へのパスだったんだと思う。けどそのパスを受けた村田のシュートは当たりそこねながらネットを揺らせた。
あれだけ支配してチャンスを作ってた前半には決められなかったのに、こういうので決まってしまうんだって感じはあるが、何にせよ同点に追いつく。
■PK
PKはセレッソサポが陣取る方で。
先行の仙台は2人目と3人目の赤嶺と武藤が外したがセレッソは4人全員が決めて準々決勝進出を決めた。
■その他
実は仙台には去年も勝っていない(2引き分け)ので厳しい試合になると思われたこの試合を、公式記録は引き分けのPKながら何とか乗り越えた。
タイトルが欲しい。天皇杯を取って来年もACLに出たい。クルピと少しでもサッカーをするためにも。
あと本文中では触れなかったけど、この試合の健勇と螢は光るプレーを今まで以上に見せていたのが少し嬉しい所。
CWC生観戦はどうでしたか?
返信削除nonchyanmanっです。
仙台戦ですが、貴蛍のボランチが結構ボール回せているのは実感しました。
ただ、仙台がさすがだなと思ったのは、
守備に切り替わった時の、DFとMFの44のラインをきれいに作れているところです。
よく練習されて身についているんだな~。と。
とったら、人数かけずにカウンターも徹底していますよね。
しかし、先日の我がセレッソの守備で感心したのは、茂庭のスピード。藤本の競り合いの強さ。そして、丸橋も頻繁に最終的な場面で体を寄せていました。
カウンターでセレッソの選手が攻撃に人数をかけており、自陣には茂庭と大海。こんな場面が頻繁にありましたが、
駆け上がる相手FWを猛ダッシュでライン付近へ追い込み、時間を稼いで、見方が戻る時間を献身的に作っていたように感じました。
来年もまだまだ茂庭にお世話にならなければ。
健勇に関してはもっとがんばってほしい。
比較対象が違うかもしれませんが、
ヘディングの競り合いにほんとうに勝てない。
藤本のへヘディングの強さを見習って欲しい。
あと、観客からも「やよせ~や」との声も多く出ていた。
これはアキさんが前回回答くださったように、ボールを受けてからの判断が遅いことが関係していると実感できました。
実はわたくし、開始時間を2時間も間違え、前半をまったく観ていません。
健勇・蛍の良かったとこを教えていただければ幸いです。
蛍は確かに貴がボール触れるように動いてくれていました。
追伸:もし余裕があれば、今回のバルセロナの試合も解説してもらえないでしょうか?
いつもありがとうございます
返信削除仙台はきれいな4-4を早く作るのがホント上手いですね。
しかもその間で挟み込む意識も非常に高いのでいつも苦戦してしまいます(笑)
カウンターの場面についてはおっしゃる通りで、茂庭のプレーは昨日のCWCの決勝でもみせていたプジョルのプレーに通じる物があります。(個人的に茂庭はセレッソのプジョルだと思っています)
あと健勇と螢のプレーについてですが、
健勇は、丸橋からだったと思いますが直接ボールが出てこなかった場面でも以前の様にそこでプレーを止めてしまわないで継続してポジションを変える事で、丸橋からのボールを一旦清武が受けてその後動き直した健勇が受けるという場面が数回ですがありました。
以前にかいた準備というのはまさにこの事を指していて、こうやって継続して動く事で今までよりももっとプレーに参加できるしポストプレーの成功にもつながると思います。
なのでこれからはこの数をいかに増やすかですね。
螢は仙台の出来が良く無かった事もあるんですが、プレス回避の仕組みにも参加できていたし、扇原が後ろに残って相手を押し込める事が出来た時は後ろから前に飛び出す事も出来ていました。
今までは前に飛び出す事、後ろで潰す事の整理が出来ていないような選択をしてしまう事も多かったですが、少しは改善されてきた様に見えました。
まあまだ相手次第という状況ですが・・・
またバルサについてですが、このブログでやります?
というのも、ここはセレッソが好きな人やセレッソと対戦した人が見るという前提で書いてるのでかなり根本の部分は端折っています。
バルサを書くとなると、きっとその根本部分からかかないとよく解んないと思うんですよね・・・
バルサのサッカーを簡単に説明すると、
ロンドや鬼回しや鳥かごって言われてるボール回しと、前に書いた五分五分のパスは出さないってのが基本です。
なのでトレーニングは徹底してロンドをやりますし、ボールホルダーの後ろに必ずフリーの選手(ほとんどの場合ブスケツ)がいます。ここがいざという時の預けどころです。
あと、出せるパス自体のレベルを上げる為にパスの精度・スピードには徹底的にこだわっています。
また昨日見てわかってもらった様にバルサにはCFはいません。ただその代わり両サイドにウイングがいます。
ウイングが両サイドに張り出す事で相手の幅を作り、ウイングが裏を狙う事で相手のDFラインを押し下げます。(昨日のアウベスのプレーを思い浮かべてください)
それで中盤のスペースを作っています。
なぜウイングなのかというと、CFで奥行きを作ろうとすると1トップだと最高でマーカーとカバーリングのCB2人、2トップマーカーとカバーリングのCB+SBの片方の3人しか相手を引っ張る事ができませんしさらに両サイドを広げる為の人も別に必要になります。それがウイングだと両ウイングを1人でカバーする事ができないのででDFラインの4人全員を引っ張る事ができるんです。(昨日の試合の後半はサントスも3バック気味にして1枚は中盤に加われる様にしてたのはさすが南米チャンピオンって感じでした)。
ってどんどん長くなりますね(笑)
よく理解できました。
返信削除ありがとうございました。
>>仙台はきれいな4-4を早く作るのがホント上手いですね。
しかもその間で挟み込む意識も非常に高いのでいつも苦戦してしまいます(笑)
に関してですが、さらに4-4の間隔がほかのチームに比べても狭く感じたのですが、はさみやすくするためですかね?
いわゆる、『攻撃はワイドに。守備はコンパクトに』を実践しているからシーズン4位の堅守につながったのでしょうか。
>>茂庭はセレッソのプジョル
に関してですが、同感です。
ただ、仙台戦の延長後半で負けていたこともあって、モニワがバイタル付近までドリブルでボールを運び、クロス(ワロス?)を上げていました。
あのプレーを思い返すと茂庭は『難波のピケ?』なのかもしれません。
ただ、シーズン中ほとんどみたことがないです。
もしも、貴がCBならそんなプレーができるかも?と思いましたがどうでしょうか?
他チームですが、
名古屋のCBの田中さんなんかは、
最終ラインから、スペースがあれば、
どんどん中盤までドリブルでボールを運びますし、
縦パスやフィードも使えるので良い選手だな~と、
敵ながら感心します。
セレッソと違って、田中さんが上がったら、
ダニルソンがカバーしたり、
そもそも両SBがセレッソほど高く上がらないから可能なのかもしれませんが。
とにかく、先日見たピケは素人の私がみても別格でした。
>>五分五分のパスは出さないってのが基本です。
に関してですが、
バルサとセレッソを比較すると(比較するのも変ですが)、
上述の通り『5分5分のパス』の比率が、
セレッソが圧倒的に多いですね。
今シーズン中盤でこの苦し紛れのパスをカットされて、
陣形が整わないうちに、カウンターを何回食らったでしょうか・・・
『行く時と行かない時の』メリハリをつけて欲しいです。
アキさんも以前から言っておられる様に、
無理そうなら、もう一度やり直せばいいのにと感じます。
>>出せるパス自体のレベルを上げる為にパスの精度・スピードには徹底的にこだわっています。
このことは、精度の高いパスが出せるからこそ、やり直しができるということも言えるのだとCWC見て感じました。
一か八かで出さないとチャンスが作れないとうチーム事情も今シーズンはあったのかもしれません。
あと、素人丸出しで申し訳ないですが、
バルセロナってスペースにパスを出すのではなく、
足元にどんぴしゃのパス出ますよね。
受け手がとまっている時だけでなく、
動いている時も。
受け手もいとも簡単にそれをトラップしますよね。
CWCは驚きの連続でした。
全体的な印象ですが、
Jリーグの選手は、空いているスペースにパスをだして、
受け手がそこにダッシュでもらいに行くシーンが多い気がしました。
セレッソもあの舞台にたって欲しいですが、
課題は山ほどありますね。
長文失礼いしました。
nonchyanmanでした。
仙台の4-4の間隔についてはセレッソ対策ってのもあるんじゃないですかね。
返信削除ずっと見てないので何とも言えない所もありますが、他のチームとの対戦の時よりウチとやる時の方がプッシュアップもプレスバックもかなり細かい気がします。
扇原は後ろから捌くのはできるかも知れませんが、持ち出すのはまだ難しいでしょうね。
ただ扇原は監督によっては後ろに下げるかもしれません。例えば城福氏なら多分下げますね(笑)
またピケは多分今世界のディフェンダーの中で最も高い値段がつく選手だと思います。
あとバルサとJクラブのパスの質ですが、書いておられる事は全くその通りです。
でもそれはバルサとJクラブってよりバルサと世界ほとんどの他のチームと言ってもいいです。
バルサのパスはスペースに出す事は本当に少なく、とにかく足下が多いです。
受け手が動いている場合でも、ダッシュまでいかないランニング程度のスピードで受けています。
ダッシュでボールを受ける場面も裏抜けを狙うスルーパスぐらいです。
ダッシュだとミスする可能性が高いですからね。
足下やランニング程度なら相手は走ってる選手よりも捕まえやすいですが、それをパスの精度とスピードでカバーするっていう考え方ですね。
そもそも普通のサッカーは当然自分たちがボールを失う事を前提で考えますよね。
例えばブロックは相手の攻撃を阻止する為に作ります。でも攻撃の時はその形を崩します。ただ大きく崩してしまうと陣形を整えるのに時間がかかってしまうので、崩す幅をできるだけ最小限におさえる。だから奪われた時にスムーズに陣形を再構築できる為の形、つまりフォーメーションが重要だったりする訳です。
そして相手はその形が整わない前に攻めきるのが最も相手を崩しやすいのでショートカウンターが一番のチャンスだったりする訳です。
バルサはそもそもこの普通の考え方から少し違います。
自分達がボールを持っている限り相手に攻撃される事はない。
だからボールを持っている限りはどんな形になっていても全く問題ではないんです。
なのでフォーメーションはあくまで自分達がどうすればボールを回しやすいか。ってのが根本で作られています。
あのボール回しはいわば守備でもあるんですね。
で、そうやってボールを回してたら、例えばそのボール回しに相手が食いついたら、穴ができる。でそこから攻めて行くという感じです。
なので以前インテルを率いていたモウリーニョやチェルシーを率いていたヒディンクはそのボール回しにはほぼ対応しない、とにかくゴール前の低い位置にブロックを作って入って来た時だけ行くという形で対応しようとしましたが、バルサがずっとボールをキープするので負けにくいけど勝つのも難しい(モウリーニョは一度これで勝ちましたが)。
しかもペップはそうやってくる相手に対して最初はイブラをとって高さでなんとかしようとしましたが、それよりもポジショニングとメッシで対応できるように変えてきました。
で、今はバルサ対策で注目されてるのは、この前のビルバオとかバレンシアがやった前からマンツーで押さえちゃうってのに移行してきてます。
また長々と書いてしまいました(笑)