2016年2月26日金曜日

2016年プレシーズンまとめ


先日、久々にシレッと宮崎キャンプでの練習試合2試合の記事をUPしましたが、今回は2016シーズンに向けてチーム状況を整理してみます。


■退団・加入
http://www.jsgoal.jp/transfer/2015/?c=cosaka

退団選手としては、いずれも致し方ないところ。
ブラジル人3人は昨シーズンのプレーぶりだともう1年というのは難しいところでしたし、山口蛍も既に覚悟ができていました。
楠神、吉野、永井の3人に関しても期待されながらもポジションをつかむ事ができなかったですから、環境を変えて新たなチャレンジに向かう事が選手として成長につながると思いますので、本人にとっても前向きな決断だったと思います。
なので実質的なマイナスは染谷の京都移籍ぐらい。
ただ、CBには計算できる戦力として、茂庭、藤本、中澤が残りさらに若手や新加入選手もいるので、茂庭は1年を通してプレーする事が難しい可能性もありますが、藤本が怪我から復帰すれば大きなマイナスにはならないでしょう。

加入選手の大きなトピックは柿谷曜一朗の復帰。
昨シーズン、特に後半の戦力的なの問題点は1stトップの選手がいなかった事で、田代と玉田の2トップは機能しない試合も多くありました。
そこに1stトップとしてブレイクし、日本代表としてワールドカップに出場した柿谷が復帰した事は本来ならかなり大きい補強です。(本来ならという部分については後ほど)
他にも杉本、山村、清原、松田陸、丸岡満、さらにリカルド・サントス、ブルーノ・メネゲウ、ソウザというブラジル人選手3人も加わり、新人ではユニバー代表選手でもある澤上、木本と即戦力となり得る大卒選手も加入。かなりの巨大戦力となっています。

ただ、これだけ加入するとちょっと多すぎるのではないかという不安もあります。
セカンドチームもあるとはいえ、J3でのU-23なので昨シーズンの主力や実績ある選手をそちらで起用するのは難しい。J2のスケジュールではローテーションをする必要も無く、さらにそれも受け入れられないでしょうし、もっといえばそもそもそういう事もできないでしょうから、チームマネージメントが必要以上に難しくなってしまう可能性が高いです。

■ポジション別戦力分析
今季のシステムは4-4-2または4-2-3-1。またはと書きましたがこの2つは、2ndトップに入る選手のポジションがどうなるかだけの違いなんで基本的には同じ4-4-2系のシステムで、ほぼおなじと言っても良いでしょう。

・1トップ(または1stトップ)
  • リカルド・サントス
  • 柿谷曜一朗
  • 田代有三
  • 澤上竜二
プレシーズンの練習試合等で1stトップに入ったのはこの4人。
軸になるのはリカルド・サントス。
語っている理由はどれも今ひとつよくわかりませんが、要するにただ大熊監督は1stトップにはサイズのある選手を置きたいと考えている様なので、柿谷をこのポジションで使う考えはあまり無さそうです。
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2016/02/24/j2_4/index3.php
もちろんそれはオシムさんが日本代表監督時代に佐藤寿人をサイドで起用しようとしていた様に、監督の好みの部分でもあるので仕方がない部分なのでしょう。
また田代有三は昨シーズンのプレーを見ていると1stトップの選手ではないのですが、プレシーズンでは一貫してサブ組の1stトップとして起用されていました。
あと、新加入の澤上についてはプレシーズン序盤はサブ組の1stトップとして起用されていましたが、終盤は左サイドでの起用が増えていたのでトップチームでは左サイドになるかもしれません。ただ、年齢的にセカンドチームでの起用も可能なのでセカンドチームではFWとして起用される可能性はあります。

・トップ下(または2ndトップ)
  • 柿谷曜一朗
  • (杉本健勇)
  • 玉田圭司
  • 清原翔平
  • 丸岡満

トップ下で起用されていたのはこの4人。
軸になるのは柿谷で次いで玉田といった形の様です。
柿谷の1トップでトップ下玉田という2人を併用する形は短時間ながらプレシーズンでも見られましたが、1トップにサイズを求める以上、今のところは可能性が低いでしょうか。
また清原、丸岡の2人に関しては現段階ではまだチームにフィットしきれていないという判断をしてそうです。
丸岡は当面セカンドチームでの出場となるかもしれません。
また、杉本は基本右SHになろうかと思われますが、役割等は変わらず柿谷とポジションを入れ替える形でトップ下となる可能性もあります。

・右SH
  • 杉本健勇
  • (柿谷曜一朗)
  • 関口訓充
  • 清原翔平

右SHはこの3人。
軸になるのは杉本健勇でしょう。復帰当初本人はFWで勝負したいと語っていましたが、やはり移籍前のポジション右SHに収まりそうです。
大熊監督が1トップに望むサイズがあるFWで、高さもあり以前からヘディングも強いのですが、本人はそこで勝負する事があまり好きではなさそうなので、回数が少ないという選手。
スピードもありますが、アジリティはそれほど高くないので、細かいプレー等いわゆるセレッソの2列目的なプレーは得意ではありませんが、キープ力が高くボールが収まるので攻撃の基点になる事ができ、SBのオーバーラップを引き出す事もできるので重用されるかと思います。
その結果昨シーズン右SHとして出場していた関口は2番手に。
杉本とはタイプが全く違うので難しいところですが、当面ベンチからのスタートとなる可能性が高そうです。
また清原も練習試合では右SHを務める事もありましたが、トップ下同様まだチームにフィットしきれていないという判断をしてそうです。
また柿谷についてはバーゼルで今季の開幕は右SHを務めていた関係で、杉本のトップ下と同様にポジションを入れ替える形で右SHになる可能性もあります。

・左SH
  • ブルーノ・メネゲウ
  • 柿谷曜一朗
  • 清原翔平
  • 丸岡満
  • 澤上竜二

軸になるのはブルーノ・メネゲウ。小気味良いドリブルで仕掛ける事のできるアタッカーです。
左サイドからカットインしてゴール前に入っていくプレーが得意っぽいので、その外側を丸橋が上がるという形が増えそうです。
昨シーズン左SHに入る事が多かったパブロとは少しタイプが違いますが、ブラジル人はラテラル(SB)が上がってくる事に慣れているので2人のコンビに大きな問題は無さそう。
次に出場機会が多かったのが柿谷。ブルーノを下げて玉田を投入、玉田をトップ下に入れてトップ下だった柿谷が左サイドに回るという交代策を何度か見せています。
当初セレッソでもここに入っていたり、徳島時代は定位置としていたポジションなので出来ない事はないですが、やはりもったいなさは感じます(苦笑)。
清原、丸岡、澤上の3人は前述の通り。
澤上は左利きなのでという部分もあるのでしょうが、個人的にはサイドではなく前線で使ってあげたい選手の1人です。

・ボランチ
  • 山村和也
  • ソウザ
  • 扇原貴宏
  • 橋本英郎
  • 秋山大地
  • 木本恭生

本来ボランチも1st、2ndで分ける事の多いポジションですが、大熊監督の起用方法ではそれがあまり感じ無いので一緒にしました。
ボランチの軸は山村和也。
新加入選手ながら現段階ではポジションを掴んでいる感があります。
なので山村をコンビを組む選手をソウザと扇原が争っているという状態。プレシーズンでの起用をみているとソウザが一歩リードといったところでしょうか。
ソウザはまだ日本のサッカーにフィットしきれていない感はあるのですが、能力の高さを感じさせるプレーも見られます。
またこの3人はいずれも高さがあるのも特徴的で、ボランチのところでハイボールをはね返す事ができればかなり楽ですし、またセットプレーでも大きいかもしれません。
秋山、橋本、木本に関しては現在のところバックアッパー。
秋山はキャンプ途中から程度は軽いとの事ですが負傷で練習試合に出場していないので少し出遅れていると状態かもしれません。

・右SB
  • 松田陸
  • 酒本憲幸
  • 田中裕介
  • 椋原健太

右SBは昨シーズンポジションを掴んだ田中が軸になるかと思われていましたが、松田が一歩リード。前で杉本がボールを収めてくれるのでスピードを活かして前に出る松田という選択なのかもしれません。

・左SB
  • 丸橋祐介
  • 田中裕介
  • 椋原健太

左SBは今シーズンも丸橋が軸。クロスやオーバーラップだけでなく、毎年チーム最多パス数のところでも必ず上位に名前があがる選手なのでやはり外せないという事なのでしょう。
また椋原は今季は左SBがメインとなっている様子。

・CB
  • 山下達也
  • 茂庭照幸
  • 中澤聡太
  • 田中裕介
  • 小谷祐喜
  • 藤本康太

ここ数年と同じくCBは山下とコンビを組むのは誰になるか。
実績もある茂庭が1番手だがシーズンを通じてプレーできるかどうかという不安もある。
昨シーズン終盤に出場機会を徐々に増やした中澤も、昨シーズン初出場となった天皇杯では1年ぶりの公式戦出場ということで散々な出来だったが、その後出場機会を得る事である程度安定したプレーも見せていたのでそこまで心配は無いか。
また昨シーズンを怪我で棒に振った藤本は、このプレシーズンも途中から練習試合に出場しなくなっており、再び離脱中かと思われます。
藤本がコンディションを戻せば安心だと言っても良いのですが…

・GK
  • キム・ジンヒョン
  • 丹野研太
  • 北野貴之
  • 武田博行

昨シーズンの怪我からプレシーズン終盤に練習試合出場まで戻ってきたキム・ジンヒョンがやはり軸。もはや銅像を建ててもいいぐらい絶対的な存在で、間に合うか間に合わないかの問題だけだったので、間に合いそうというのが現段階の状況か。
控えは昨シーズンのジンヒョン不在を支えた丹野が一番手。
プレーエリアが狭いという弱点はあるが、J2なら他のチームに行けば間違いなく正GKとなれるほどのセーブ力があるので不安は無い。
それに加え昨シーズン途中に加入した北野の存在も大きく、実績ならキム・ジンヒョンをも凌ぐし、さらに加入以来チームにとって精神的にも大きな存在となっている。
第4キーパーという難しい存在となる武田も合わせてここは盤石といっても良いでしょう。

■不安要素は監督
ハッキリ書いてしまうと現時点で今シーズン最大の不安要素は監督です。
サポーターズコンベンションでは「走る」という部分について語っていました。
当然「走る」部分は大切です。
ただそれは選手に向けてのメッセージで、監督としては「いつ・どこで・だれが・どこに」をチームとして整理する必要があります。
しかし残念ながら現段階ではその部分がほぼ見えません。

発言なんかはオシムさんが日本代表監督時代にコーチを務めていた事もあって、オシムさんの影響を感じさせる部分もありますが、
前から追い回して自らスペースを空けてしまう。
ボランチがCBの前からいなくなる。
またはズルズル下がってしまう。
攻撃でもビルドアップもままならない
と、今のところは最も大切な頭脳であるオシムさんが存在しないという感じ。

もしかすると、僕が見抜けていないだけで、実はしっかりその部分は仕込まれており、「前から行け」「ボールを奪え」「アイデア見せろ」がキーワードになって、整理された状況が表現されるなら嬉しいのですが…

■展望
ネガティブな事を書いてしまいましたが、今シーズンの目標はやはりJ2優勝、J1昇格。
選手を見るならその目標は決して背伸びしている訳では無く、現実的に考える事ができるものなので、あくまでそこを目指してシーズンを戦って欲しいところです。
先にも書きましたが、もしかすると仕込まれている可能性もありますし、選手が戦いの中で最適解を見つける可能性もあります。
個人的な考え方としては、内容か結果かという2択は存在せず、結果を得るために内容を求めるというものなので、そこで見つけ出した最適解は本当に最適解なのかというジレンマはあるのですが(苦笑)。
そしてJ2で優勝するために必要なのは平均勝ち点が2以上です。
今シーズンも清水・松本・山形の降格チームに加え、大量補強の京都・千葉、さらに昨シーズン躍進を見せた愛媛、長崎・岡山など難敵も多く、またJ2では戦力差を埋める戦い方が徹底されている事から厳しく激しいシーズンになる事が予想されますが、まずは開幕戦である町田戦から着実に勝ち点を重ねていきたいところです。

2 件のコメント :

  1. こんにちは。
    監督が最大の不安要素というのはサポーターの総意かもしれませんね(笑)

    今年に関しては攻撃では杉本が鍵を握ると思っています。
    想像通りに監督が何も仕組みを植え付けられていないとすれば、杉本のところを起点にし、そこから選手達の発想やアドリブ、個人技で崩す。そんな1年になるんではないかと考えてます。
    そういう意味では田代もその位置で使うのも一つの手ではないかと思うんですがどうでしょう?
    放っといてもどうせその位置で受けたがりますし。

    ところで守備についてはどうお考えでしょうか?
    大熊監督のサッカーは一対一で負けないことを大前提にしてしまっている感じがありますが、そういう意味では対人能力では屈指の能力を持つ山下、茂庭、藤本がいるのは不幸中の幸いというか、、、
    大宮で守備が崩壊した原因も少なからずそれは関係しているでしょうし。

    なんせ攻撃に関しても、守備に関しても、どれだけ個人技を押し出すことができるかにかかってくるんでしょうか。
    これだけの選手がいれば、もっと効率よく勝ち点を積み重ねられるはずなんでしょうけどね・・・

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  2. コメントありがとうございます。
    健勇は2014年の最後もチームで最も可能性のあるプレーをしていましたからね。
    川崎でのゲームをちゃんと見ているわけではないのでアレですが、
    やはり重要な選手になると思います。
    田代の中盤はちょっと厳しいのでやはりセカンドトップが良いですかね。

    守備についても書いた通りです。
    オシムさんの影響を受けているんでしょうが…
    「1対1で負けないことを前提にしている」
    という部分については、個人的な印象としてはそんな感じでも無いです。
    もし1対1で負けないことを前提にしていたとしても、
    それで守備のやり方が組み立てられていれば、それはそれで問題ないと思いますし。
    厳しいと感じるのは、攻守に置いてなにも組み立てられていないというところです…

    返信削除

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