2016年11月13日日曜日

11/12 明治安田生命J2リーグ第41節 VS 東京ヴェルディ @ 味の素スタジアム

第41節
2016年11月12日(土)16:00KO 味スタ

スタジアム味の素スタジアム主審清水 勇人
入場者数8,340人副審関谷 宣貴、細尾 基
天候 / 気温 / 湿度晴 / 17℃ / 60%第4の審判員野村 修
スターティングメンバー
東京ヴェルディ東京V
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 冨樫 剛一
 
  • 監督
  • 大熊 清
東京ヴェルディ東京V
C大阪セレッソ大阪
今回対戦今季平均
データ項目東京ヴェルディセレッソ大阪東京ヴェルディセレッソ大阪
FK23111714
CK7155
PK0000
シュート1591013
警告/退場1/01/02/01/0

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 大熊清監督
東京ヴェルディ 冨樫剛一監督

セレッソ大阪 田代選手、ソウザ選手、丹野選手、秋山選手、関口選手、田中選手
東京ヴェルディ 澤井選手、高木善朗選手

この試合を含めてラスト2試合となる明治安田生命J2リーグ第41節、セレッソ大阪はこの試合がホーム最終戦となる東京ヴェルディと味の素スタジアムで対戦し、ソウザと田代のゴールで1-2の勝利。他会場の結果により今シーズンのリーグ戦は昨年と同じ4位で終える事が確定した。

■メンバー

国際Aマッチウィークで日本代表の山口蛍と韓国代表のキム・ジンヒョンが欠場となる今節。
セレッソは茂庭・藤本の負傷によりルーキー庄司のトップチーム初出場・初先発も予想されたが、フタを開けてみると山村を最終ラインにいれボランチには今シーズントップチーム初出場となる秋山大地が入る布陣を選択。また1トップには前節途中出場で5ヶ月ぶりに復帰した柿谷が入っている。

一方のヴェルディは前節・前々節と試合途中から採用していた3バックを今節は最初から採用。
2トップにドウグラス・ヴィエイラと高木大輔、トップ下に出場停止明けの高木善朗。ボランチには本職が左SBの安在と6/4の第16節以来の先発となる高木純平を起用し、WBには右に澤井と左に右SBが本職の安西、最終ラインには前節途中出場で復帰した井林を起用した3-4-1-2を採用してきた。

■セレッソの先制ゴールと3-4-1-2

この試合では3-1-4-2の布陣を選択したヴェルディ。前節は松本山雅相手にいつもの4-4-2(4-2-2-2)を採用したもののミスマッチでできるサイドの数的不利に対応できず前半途中でこの布陣に変更。直後にミスから2失点目を喫してしまったが、その後は安定した戦い方が出来た事でサイドのマッチアップをあわせるこの布陣をスタートから選択してきたという流れですが、開始1分でセレッソの先制点となったソウザのミドルはこの布陣でできやすい穴を突かれたものでした。
ヴェルディの守備
他のチームでいえば札幌も採用している3-4-1-2の布陣。メリットとしては主に攻撃面で前線が孤立しにくいのでボールを奪った時にカウンターを仕掛けやすいこと、そして中央に3人集めている事で相手選手を中央に集めやすい(サイドが空きやすい)事などがあります。一方守備ではスタート時点ではセレッソも使っている3-4-2-1と同じく2トップ+トップ下の3人が1列目となる5-2-3でセットすることができるので高い位置での迎撃守備ができる事、そして5-2-3にしなくても2人いるので1列目の守備が機能しやすく相手のビルドアップに制限をかけやすく、サイドを限定できる。そしてトップ下がボランチを見る事でボランチを前に引っ張り出されにくくするというものがあります。
5-2で守る事にも
しかし一方では1列目の守備で相手を制限できないと2列目以降は5-2の布陣になっている。
ピッチの横幅を3人で守る事も難しいのに2人だとそれはほぼ不可能。なのでそのスペースで基点を作られてボランチがスライドせざるを得ない状況を作られてしまうと、最終ラインの前いわゆるバイタルエリアにスペースを空けてしまう事になり、ここからミドルシュートやスルーパスを入れられてしまいます。
セレッソの先制点はまさにその形で、左サイドで丸橋と杉本、柿谷で基点を作りそこに秋山が絡んだ事でヴェルディのボランチ2枚がボールサイドによってしまい後ろから遅れてでてきたソウザはバイタルエリアで完全にフリー。そして放ったミドルシュートがGK鈴木の手を弾きゴールに吸い込まれ1-0とわずか開始1分でセレッソが先制します。
18分の秋山が放ったミドルシュートも同じ問題点がでていたシーンで、これはこの布陣の構造的な問題点。もっというと同じ布陣を取っている札幌がこの41節で千葉の町田に決められた先制ゴールも同じです。
札幌はこの穴を前線3人の内2人をサイドの守備に回す5-4-1にする時間も作ってカバーしようとしていますが、カウンターの事を考えるとできるだけそういう時間は作りたくない。
なので前後に分断してしまう事が増えるという問題点があってそれがこの終盤に来て目に見える状態になりペースダウンしています。(この札幌の問題点は実はシーズン序盤からあったのに他のチームがそれを上手く活用できず、その結果千葉戦の様に結果的に前線3人の攻撃力でカバーできていた試合が続いていただけなんですが…)
また秋山のミドル直後の20分には田中が自陣からボランチ脇のスペースをフリーの状態でドリブルで運び、松田のクロスから杉本が折り返すという場面も作っています。

■押し込んでいくヴェルディ

先制点直後から徐々にその傾向は出ていましたが、その杉本の折り返し以降セレッソは59分までシュートが打てない押し込まれる展開となります。
その要因となっているのはいつもと同じファーストディフェンスの問題。
ファーストディフェンスの問題
ヴェルディはボールを持つとボランチの1枚が最終ラインに降りて両WBを高い位置に出し、そしてトップ下の高木善朗が下がって受けに来るという形になっていました。
これに対してセレッソは5-4-1の布陣になって守る事になるのですが、1トップの柿谷の所が数的不利、ボランチのところも数的不利を作られる状況になっているのでマッチアップをあわせてはめるというよりも下がってブロックを作る形になります。
セレッソはもともと下がって守る形にはなっていますが、ヴェルディの攻撃の形がよりそれをさせる形になっていました。
ブロックを作って守るという事は、ブロックの外側は捨てるという事。守る場所と守らない場所を決めて、決めた場所に入ってきたボールに対して守備をしましょうという事です。
バラバラになると穴を空けてしまう事に
しかしセレッソはこの守る場所が何となくでしか決まっていません。これはチームとして結果的に決まらないのではなく、テクニカルエリアから行けという声をだす場所がまちまちな様にそもそも決めようともしていない、何となくでやっているからで、これが原因でいつもブロックが下がり過ぎてしまう事につながっています。
そしてこの試合でもそれを象徴するように、前線の選手は下がりたくないので前から行きたい。なのでヴェルディの3バックが開いた所でボールを受けるとそこに行こうとします。
しかしそのスタート地点が共有されておらずボランチはヴェルディのボランチ2人とトップ下の高木善朗がいるので数的不利になっている。行かないとボランチの脇が空く事になり、そこにトップ下の高木善朗が入ってくる。行くとバイタルエリアが空いてくる。
そんな四面楚歌の状態になっていきます。
ヴェルディの初シュートは26分と少し時間がかかっていましたが、高木善朗のパスを高木純平がヘディングで流したところに安西が飛び込むというディフェンスラインを下げられてバイタルエリアを使われるいつもの形。結局は最終ラインが最も危険なスペースを少しでも消そうと下がって個々で対応するしかない状態に陥っていきました。

そしてそうなるとセレッソは1トップの柿谷が孤立する時間が長くなり効果的な攻撃ができなくなる。またヴェルディも守備の時は高木善朗を右に、ドウグラス・ヴィエイラを左に置き最初の5-2-1-2だけでなく5-4-1になる形を併用することで立ち上がりの様な5-2だけで守る時間を減らしていきます。

■効果的な手は打てないセレッソ

後半も同じ形でスタート。ヴェルディも失点はしたものの途中からゲームは支配できていたのでそのままでOK。セレッソには別になにもないのでいつも通り。ヴェルディの攻撃に対してセレッソの最終ラインが守れるかどうか。そして攻撃では前線が孤立しているのでヴェルディの守備が5-4-1でサイドにフタをする前にそのスペースを使ってサイドの選手がボールを運べるかどうか。
しかしサイドの選手がボールを運んでも他の選手はなかなか間に合っていないのでトップと合わせて2人で何とかするしかなく、フィニッシュまで持ちこむ事は出来ません。
53分〜
セレッソはおそらく53分の高木善朗のFKの場面から杉本と柿谷のポジションを入れ替えます。
それまでもちょくちょく入れ替えている事はありましたがそれは流れの中での事で、おそらくここではベンチから指示があってポジションを入れ替えたのでしょう。
前線が孤立して攻撃がほとんどできていなかったので高さとキープ力のある杉本を前に置いてという判断だと思います。
しかし孤立しているのは個人の問題ではなくここまで書いたように全体の仕組みの問題。それを一切改善しようとせずただただ人を入れ替えてなんとかなると思っているのは実に大熊清監督らしい判断です。
またこれも何度も書いていますが、基本的に杉本は1トップに向いていません。
この試合の中継でリポーターの高木聖佳さんが「杉本はかなりさわられるのを嫌がるタイプ。なので上手く身体をあててイライラさせていけばいい。」というヴェルディの井林の古巣の元チームメイトならではのコメントを紹介していましたが、これがそのまま1トップに向かない理由です。そういえば同じ主旨の事をセレッソ下部組織出身で岡山の篠原にも言われていましたね。
60分〜
60分にセレッソは秋山に代えて関口を投入。関口はそのままボランチに入ります。
昨シーズンはインサイドハーフを務める事はありましたが、この試合では本格的にダブルボランチに入った関口。紅白戦のサブ組としては最近ボランチに入る事も多いので、という判断なのでしょう。あっているかといえば頷きにくいですが…
秋山が今シーズン初のトップチームでの出場でしかもU-23でも90分プレーしたのは5/1が最後。という事でどこかで交代させなきゃいけないだろうという想定はしていたと思います。
で、その選択肢としてこの関口と、先発の可能性もあった庄司をCBに入れて山村をボランチにというものの2つがあったでしょうが、展開として押し込まれている厳しい状況だったのでまだ計算できる関口という選択になったのでしょう。
とはいえ、前節もそうですが庄司はどういうつもりでベンチ入りさせているんでしょうね。
もしかすると、今シーズンのチームは全く積み上げの無い穴だらけで、キックオフの時点が一番安定しており時間が経過する度に状況が悪くなっていくチームしか作れていないという自覚が無いんでしょうか。

そして関口の投入と共に最初に書いた守備のスタート地点の問題がより顕著化されていきます。
関口は元々アタッカーです。アタッカーというのはできるだけ高い位置で守備をしたいもの。なぜなら攻撃の事を考えると、守備で低い位置まで下がりたくないのです。
これは守備が好きか嫌いかではなく、たとえ献身的な守備に走る事を厭わない選手でも同じことです。
これは高い位置から行くのが良くて低い位置が悪いというものではありません。どちらも一長一短です。ただ1つ確実に悪いといえるのはその判断がバラバラになっている事。なのでチームとして監督がどこから守備をするのかを決める。前から行きたい選手、後ろを埋めたい選手。その様々な意見を取りまとめてチーム全体としてここからだと決める。それがチーム内で唯一できる人間が監督。相手がいる事なので決めた事が出来なかったりすることもありますが、決めているから何が悪い、どこを変えなきゃいけない。誰が悪いとかいった話しになります。
しかしセレッソではその役目を監督は果たしていません。
なので関口も同様にできるだけ高い位置から守備をしようとする。しかしそれがよりバラバラになる。64分に高木善朗に放たれたミドルは慌てて山下が前にでてコースを消し、そして丹野が何とかセーブしますが、完全にバイタルにはぽっかり穴が空いていました。
そしてこれは関口の問題ではなく、組織の問題です。
67分〜
セレッソは65分に清原に代えて田代を投入。田代を1トップにして右のシャドゥに柿谷、左のシャドゥに杉本という布陣に変更。
一方のヴェルディも67分ドウグラス・ヴィエイラに代えて二川を投入。高木大輔の1トップに二川と高木善朗の2シャドゥに変更します。

■WBの裏・3バックの脇

3バックの脇
ここからミラーゲームとなり、セレッソは前から守備をしたがる関口に合わせるようにWBも高い位置からWBを捕まようとする場面が続く、一方のヴェルディも1点ビハインドなので状況的に高い位置から行きたい。
なので両チームが3バックの脇・WBの裏にスペースがある状態が続きます。
それを最初に活用できたのはセレッソ。
松田に対して左WBの安西が喰い付いていって空いた3バックの脇・WBの裏に柿谷が侵入しここに関口から縦パスが通るとボランチの高木純平が中央から流れて対応する事に。となると柿谷からトップの田代の間にはヴェルディの守備陣がだれもいない状態になっており、簡単に中央に斜めの楔のパスを通す。それをバイタルでフリーになっている杉本に落とすと平が喰い付いて対応しますが杉本からはボールを奪いきれず、そしてさらに元々平がみていた田代はフリーに。杉本からのパスを受けた田代が落ち着いて決め74分にセレッソが追加点を決めます。

ただこの状況はセレッソも同じことが起こっているので同じように攻め込まれる場面は作られます。
80分〜
ヴェルディは76分に高木純平に代え杉本竜士を投入。二川をボランチにして高木善朗と杉本竜士の2シャドゥに。
セレッソは80分に杉本に代えて澤上を投入。
ただセレッソの交代はただただ人を入れ替えただけなので別にWB裏にとっては特に何も効果はなく、またヴェルディはWBを高い位置に上げてシャドゥとWBのポジションを入れ替えながらWBの裏・3バック脇を使うというセレッソよりも少しだけ論理的な形でサイドを崩し一方的に押し込むようになります。
セレッソはリードしているのにその穴を全く対処しようとしない姿勢にはビックリです。
83分〜
さらに83分にヴェルディは今シーズン限りでの引退を発表している永井を最終ラインの田村に代えて投入。安西と安在が両サイドに入り二川がワンボランチという4-1-4-1を前がかりにした布陣でさらに前がかりになると、アディショナルタイムの92分に下がってボールを引き出した高木善朗のドリブルに対して少し前に出た関口の裏を使われ中央を崩され澤井がゴール。1-2とヴェルディに1点を返されてしまいます。
何度も書いていますが、これは関口の責任ではなく組織の問題です。
その後もヴェルディが押し込みますが時間もなくそのまま試合終了。
セレッソが1-2で勝利しました。

■その他

セレッソが勝利する事ができましたが、内容はやはり相変わらず。
シーズン41試合目とはとても思えない試合です。その要因はハッキリしているんですけどね。
「ミスパスを減らそう」といえばミスパスが減ると思っているのでしょうか…
終了間際にはドリブルで相手を外す柿谷を澤井が後ろからタックルするというう少しヒヤッとする場面がありましたが、それほどひどくは無さそうで良かったです。
あのファールは完全に後ろからで全く可能性の無い悪質なものでしたが、澤井にしても足を削ってやろうというよりも負けているから何とかしないとという感じのプレーで、柿谷もあそこでドリブルする必要はなかったですね。

そして今節で、去年と同じ4位でのプレーオフ出場が決定。
準決勝はキンチョウスタジアムで、京都サンガかファジアーノ岡山と対戦する事が決まりました。
また今シーズンから決勝も中立地(去年はたまたまヤンマースタジアム長居でしたが)ではなく上位チームのホームスタジアムでの開催。
決勝をキンチョウスタジアムで開催するには、セレッソが勝ち上がる事はもちろんですが準決勝のもう一方で3位のチーム(コンサドーレ札幌・清水エスパルス・松本山雅FCのいずれか)が敗れないといけません。また現在7位で6位の可能性がある町田ゼルビアはJ1ライセンスが無いのでもし6位になってもプレーオフに出場する事が出来ません。
なのでまず最終節にファジアーノ岡山が町田ゼルビアに順位を抜かれない事も必要です。




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鹿児島に新スタジアムを

署名ページ:https://kufcsupporterscommunity.blogspot.jp/p/blog-page_93.html

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