2016年11月3日 16時30分:フクダ電子アリーナ
予想スタメン |
J1最終節と同じ日に開催される明治安田生命J2リーグ第39節。セレッソ大阪は敵地フクダ電子アリーナで前節の引き分けで昇格プレーオフ圏内となる6位以内の可能性が完全に消滅したジェフユナイテッド千葉との対戦です。
■前回の対戦
前回の対戦は4/3の第6節。セレッソは4勝1分、千葉は3勝1分1敗という状態での対戦は、ソウザの2ゴールで2-1と勝利しています。セレッソのメンバーは序盤の定番の形だったリカルド・サントスが1トップで柿谷がトップ下に入る4-2-3-1。ただCBは開幕から山下と茂庭のコンビでしたが、直前の5節金沢戦で茂庭が負傷離脱し、代わりにCBとして起用されたのが田中裕介。キャンプから試しており現在まで続く田中のCB起用がこの試合で公式戦初採用となった試合です。
一方の千葉はエウトンと船山の2トップに両SHに小池と長澤を起用した4-4-2。監督はロンドン五輪代表監督でもあった関塚隆氏です。
この試合で立ち上がりからペースを握ったのはセレッソ。
千葉は4-4-2でセットしながらもエウトンと船山の2トップがファーストディフェンダーとして全く機能しておらず、セレッソが余裕を持ってボールを持てる状態。左サイドに入るソウザと丸橋、ブルーノ・メネゲウの3人が千葉の4-4に対して何も制限をかけられていない自由な状態で向かっていく事ができていたので、自由に攻撃を組み立てる事が出来ていました。
とはいえセレッソの攻撃は個人任せ。さらにこの頃は開幕直後だった事もあって今よりもさらにバラバラ。その為押し込むことはできるものの決定機までは至らず、ミドルシュートばかりが増えるという時間が続くことになりますが、32分のCKから、38分にはFKからとセットプレーから立て続けにソウザが決めて2点のリードを作ります。
しかし後半にはいると状況は一変。ハーフタイムにセレッソに一方的にやられ続けていた千葉の右SHと右ボランチを入れ替えると、立ち上がりにセレッソが連携ミスから失点。
そしてその後は交代で入った富澤がCBの間に落ちてSBを上げる形を見せ始めると、セレッソも抱えている1列目の守備と守備のスタート地点という弱点が露呈。千葉のビルドアップを全く捕まえられなくなり面白いように縦パスを入れられるようになってしまいます。
しかし千葉はその後のチャンスを決めることが出来ずに試合終了。セレッソが2-1の勝利となりました。
■現在のジェフユナイテッド千葉
今シーズンは序盤こそ勝ち点を積み重ねていたものの、9節以降は昇格プレーオフ圏内に一度も復帰すること無く、前節の引き分けで6位以内の可能性が完全に消滅した千葉。もう結構前の話しなので忘れてしまっている方もおられるかもしれませんが関塚監督が交代したのが7/24の第24節終了後。25節以降は今シーズンからコーチとなっていた長谷部茂利氏が監督代行を務めていますが成績はなかなか上向かず、また9/18の第32節以降の7試合で3分4敗。現在は1ヶ月半もの間勝利から遠ざかっています。
システムは4-4-2または4-4-2のバリエーションの1つである4-2-3-1。関塚監督時代の終盤には3バックも行っていましたが、長谷部監督は開幕当初のシステムに戻しています。
2トップを組んでいるのはエウトンと船山。しかしエウトンは前々節の徳島戦で今シーズン8枚目のイエローカードを受けた為、2度目の累積警告による2試合出場停止。前節に引き続き今節も出場出来ません。
そのエウトンが出場停止となった前節でスタートからトップに入ったのは吉田眞紀人。そして長澤はトップ下に入る4-2-3-1を採用し、船山はベンチスタートとなっています。
中盤については4連敗していた事もあって直近はコロコロをメンバーを入れ替えています。、ボランチについても同様でアランダを軸に様々な組合せを試していましたが、しかし前節の長崎戦で起用した佐藤勇人とアランダのコンビは機能。このダブルボランチが素早くボールサイドにスライドしプレッシャーをかけ続け、そして奪ったボールは佐藤勇人がダイナミックに飛び出す事で攻撃を活性化する事ができていました。
最終ラインでは36節松本戦でそれまでCBでポジションを掴んでいた若狭がお粗末なプレーで退場してしまった事、そして左SBの阿部翔平が負傷したことで、前々節の徳島戦から、今シーズンユースから昇格してきたCB岡野と高卒3年目の左SB乾貴哉が起用されています。
CBの岡野は身長もありスピードもある身体能力の高い選手。関塚監督時代にはFWとしてもトレーニングしているとのニュースも出ていました。左SBの乾は流経大時代に現セレッソの山村とCBでコンビを組んでいたザスパクサツ群馬のDF乾大知の弟で、左SBながら身長187cmとかなりの大型選手。高校時代にFWからSBにコンバートされたとの事で、ドリブル等のテクニックもある選手です。
戦い方としては、おそらく長谷部監督は論理的なアプローチで組み立てようとしているんだとは思いますが、それがなかなかうまく行っていない様子。
高い位置からのプレッシングを仕掛けられるとはずせずに押し込まれてしまう展開も目立ちます。また千葉自身も立ち上がりからプレスを仕掛けてくる事を好みますが、相手が蹴ってくると後手を踏んでしまうのでなかなか厳しい様です。
そしてさらにそれをさせないようにボールサイドにかなり人数をかけてくると、プレスを外す事ができれば広大なスペースが出来ている事が多く、なかなか収支がプラスとなっていないのが現状でしょう。
そして攻撃では基本的にボールを持つ事を臨んでいますが、崩す形というものは見られずサイドに押し出されるとクロスは多いのですが何かができるわけではありません。
ただ、前節の長崎戦ではボランチに入った佐藤勇人がダイナミックに飛び出す事でチャンスとまでは行かないですがチャンスになりそうな形はあったので、おそらくそれを継続してくるでしょう。
またセットプレーからの失点もわりと大目なのでセットプレーもチャンスがありそうです。
■プレビュー
この試合は前節から中3日での試合となりますので、ハッキリ言ってメンバーなどはわかりません。ただ、セレッソについてはベースとなるのは前節の澤上がワントップに入る3-4-2-1。ここにコンディションなどが加味されて変更があるかどうかという所でしょう。また柿谷が今週怪我で離脱後初めて紅白戦に出場したとの記事がでていましたが、おそらく今節のベンチ入りはまだ厳しいのではないかと思われます。
一方の千葉も前節に引き続きエウトンが累積警告で出場停止となり、また前節は引き分けだったものの連敗は4で止めていますので前節のメンバーがおそらくベースになってくるでしょう。
ただ、先発した山本真希は後半の早い時間帯に負傷で交代していますので、右SHにはSBが本職の北爪、もしくは攻撃的なメンバー構成であれば井出が起用される事になるでしょう。
試合のポイントとしては、おそらく千葉は立ち上がりの10分か15分かは高い位置からプレッシャーをかける形で入ってくる事が予想されますので、そこを長いボールを使いながらでもいいので落ち着いてかわす事。水戸戦の様なミスは個人のミスでもありますが、チームとしての準備不足でもあるので、決して繰り返さないことが大切です。
またその後の守備では、今シーズンの守備はリトリートがベースになっています。
前々節までの数字でも、被前方パス成功率(相手に縦パスを通される確率)が62.5%とワースト2位(最下位は64.0%の北九州、ワースト3位は61.0%の讃岐といずれも残留争いをしているチーム)であり、アタッキングサード及びミドルサードでのタックル数(高い位置でのタックル数)も86とワースト2位(最下位は82の北九州、86の同数で讃岐とこちらも同じ2チーム)とここは紛れもない事実で、これまでも何度も書いている様にこれは全体の問題なので一朝一夕に改善される事は無いでしょう。
しかしサイドに追い出しはめ込むタイミングなどは選手間の調整で改善できる可能性はあるので、少しの改善でもできれば可能性は上がるはずです。
もはや他力ですが、この試合に勝利すれば再び2位の可能性が出て来る勝ち点差に迫る事もありえますので勝ちきりたい試合です。
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