2016年11月6日 19時00分:キンチョウスタジアム
予想スタメン |
この試合を含めてラスト3試合となった2016年の明治安田生命J2リーグ第40節。
セレッソ大阪は3試合連続引き分けの後の大敗で4試合勝ちなしという状況の中、前節から中2日で本拠地キンチョウスタジアムに愛媛FCを迎えます。
■前回の対戦
前回の対戦は5/7の第12節。ゴールデンウィーク連戦の最終戦で、セレッソは中3日での試合となりましたが、愛媛は熊本地震の影響で直前の試合が延期。中7日での試合となりますが、両チーム共にゴールを奪う事無く0-0のスコアレスドローとなっています。セレッソのメンバーは序盤のお決まりのパターン、リカルド・サントスを1トップに、柿谷をトップ下に置いた4-2-3-1。山下とコンビを組むCBは既に田中裕介となっています。
一方の愛媛はずっと同じ形を続けている3-4-2-1。1トップには阪野、シャドゥには瀬沼と河原が入りボランチは小島と藤田が入っています。
試合は立ち上がりから、セレッソがシーズン序盤はやらせたがっていたミスマッチに対して無意味に高い位置から追いかけさせる形を取らせたためSBの裏ががら空きになり愛媛が攻め込む展開に。
特にやられていたのはセレッソの左サイドで、セレッソは頻繁にブルーノ・メネゲウが愛媛の3バックの右に入る林堂に対して無邪気にアプローチに出て、丸橋がWBの玉林に寄せるので、林堂がボールを持つだけで自動的にSBの裏が空く状態。そこに瀬沼が出ていくことで愛媛は攻撃の基点を作っていました。またさらに愛媛はボールサイドのボランチがそこに絡む事でセレッソを押し込む時間を作ります。
また守備では5-2-3と5-4-1を使い分ける形で、愛媛はセレッソにチャンスらしいチャンスを作らせない時間が続きますが、前半終了間際にはリカルド・サントスへの一発のロングボールで3バック全員を引っ張りそのセカンドボールを柿谷がダイレクトで狙うという何の脈絡も無い個人技任せのチャンスを作ります。結果的にシュートは枠を外れましたが、これが両チーム通じて最大のチャンスだったかもしれません。
後半に入ると個人技爆発のリスクを恐れた愛媛がブロックを下げて5-4-1で守る時間が長くなり、スペースを消されたセレッソは崩す方法を持たないのでゲームが停滞。
試合終盤には愛媛がスピードがある近藤、白井を、セレッソは関口、澤上を投入し、オープンな展開になりかけますがそのまま試合終了となりました。
■現在の愛媛FC
38節の引き分けでプレーオフ進出の可能性が完全に消滅した愛媛。システムはずっと同じ3-4-2-1を採用しチームとして積み上げていますが、シーズンここまでの流れでメンバーが若干代わっています。
まずGKは愛媛の絶対的な守護神児玉。これは変わりません。
最終ラインでポジションを掴んでいるのは林堂、浦田、茂木の3人。前回対戦時は浦田と茂木がポジションを争っている状態でしたが、今は3バックの中央に茂木が入る形が継続されています。
ボランチは小島と藤田のコンビがベース。ここにコンディションや状態によって安田晃大が絡むかという所。
両サイドは右に玉林、左に内田も変わらず。前回対戦時はシャドゥで途中出場した白井ですが元々はスピードを活かしたサイドでの突破を武器にしていた選手なので、コンディションや状態により、WBに起用される事もあります。
シャドゥは瀬沼と表原。愛媛のシャドゥといえば河原が顔的存在でしたが夏以降に河原からポジションを奪ったのが表原。神戸の下部組織出身ですが神戸のトップ昇格ではなく愛媛でプロ入りした3年目の選手です。運動量が多く、献身的に守備にも走ることができるという愛媛のサッカーに適した資質もあり、またディフェンスラインと最終ラインの間でボールを受けて一気にドリブルで抜け出す技術もスピードもある、今愛媛の前線で最も注意しなければいけないアタッカーかもしれません。
1トップに入るのは昨シーズンは栃木でプレーした浦和から期限付き移籍中の阪野。シーズン中盤はベンチスタートだったりとポジションを掴みきれていないところもありましたが、シーズン終盤にきてポジションを完全に確保。元々高さとスピードを兼ね備えた選手ですが、その高さとスピードを活かした豪快なプレーだけでなくこのシーズン終盤は泥臭いプレーでチームの最前線で躍動。32節からの8試合で8ゴールと現在大爆発中です。
チームの戦い方としては大きな変化はありません。
守備では5-2-3と5-4-1を使い分ける。5-2-3の3がスライドしてボールを制限し、入ったボールに対してプレスバックというのはそれほど珍しい形ではなりませんが、例えばサイドのスペースを使われて押し込まれた時にきっちり5-4-1でブロックを落として割り切って守る事ができるというのが愛媛の強さの1つ、順位は9位ですがセレッソの10よりも少ない8という負け数、そして33節から7試合無敗という数字が物語っているのでしょう。
ただ、これはJ2の5バックで守るチームに多い傾向ですが、愛媛の守備も3バックが中央によってWBとの間にスペースを作ってしまう傾向があります。
■プレビュー
今節は中2日での試合ですので、前節以上に全くわかりません。ただ、セレッソとしては普段からメンバーやシステムにバリエーションを持たせて戦っている訳ではなく、選手の入れ替えやシステム変更も焼畑農業的にこれがダメなら次はこれという感じで、行き当たりばったりです。
なので大敗を喫したとはいえ、この2日で新しい何かを準備できないでしょうからベースは変わらないでしょう。
一方の愛媛に関しては、こちらはベースとなる形がハッキリしているチーム。ただどうしても選手層がそれほど厚くないのでコンディションを見ながらどこまで選手を入れ替えられるかという所でしょう。
前回対戦時と異なりミラーゲームになる可能性が高い今節。システム的におおきなズレが生じる事は無いでしょうけど、リトリートをベースにしている以上バイタルエリアの問題は残ります。
ただ、このバイタルエリアの問題はCBやボランチの問題ではなく実はその前、一列目の守備の問題。なので安易に引いてはダメだとしてしまうと、千葉戦の1失点目の様な状態を招くことになります。
この問題は根本的な解決がみられる様子はないので、すぐにどうこうはならないはずですが、中を締める事でサイドに追い出す形は選手間の調整で改善できる可能性があるので、何とか改善の兆しを見たい所です。
また攻撃については、前々節から、おそらく選手個々の責任感や前向きな気持が空回りして焦りに繋がり、逆にカオスな状態に陥っています。
そこまで焦らなくても個人の力で1点、2点は奪うだけの能力はあるので落ち着いてゲームを運ぶ展開に持っていきたい所です。
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