スタジアム | キンチョウスタジアム | 主審 | 松尾 一 |
入場者数 | 13,922人 | 副審 | 田中 利幸、大川 直也 |
天候 / 気温 / 湿度 | 雨 / 13.2℃ / 90% | 第4の審判員 | 榎本 一慶 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- 大熊 清
- 監督
- 石丸 清隆
試合経過
- 90'
-
86'
-
81'
- 77'
- 73'
-
70'
- 66'
- 46*'
- 42'
-
13'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 20 | 15 | 20 | 15 |
CK | 2 | 6 | 2 | 6 |
PK | 0 | 0 | 0 | 0 |
シュート | 9 | 10 | 9 | 10 |
警告/退場 | 0/0 | 2/0 | 0/0 | 2/0 |
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 大熊清監督京都サンガFC 石丸清隆監督
セレッソ大阪 柿谷選手、丸橋選手、キム・ジンヒョン選手、澤上選手、藤本選手、ソウザ選手、清原選手
京都サンガFC 堀米選手
京都サンガFC 菅野選手、アンドレイ選手、エスクデロ選手、堀米選手、有田選手
J1昇格へのラスト1枠をかけたJ1昇格プレーオフ。セレッソ大阪対京都サンガFCの準決勝は1-1の同点となりリーグ戦上位のセレッソ大阪の勝ち抜けが決定。もう1つの山ではリーグ戦6位のファジアーノ岡山が3位の松本山雅FCに勝利したため、決勝はセレッソ大阪対ファジアーノ岡山がキンチョウスタジアムで行われる事に決まりました。
■メンバー
1年間、42節のリーグ戦終了後に3位〜6位のチームでJ1昇格へのラスト1枠をかけて行われるJ1昇格プレーオフ。1試合で勝ち上がるチームが決まるレギュレーションもあってここで何か新しい事にトライするというのはリスクが高い状況。両チーム共に準決勝は勝利した最終節と全く同じスターティングメンバーを選択しました。
若干の変更があったのはベンチメンバー。しかしそれもセレッソは負傷で最終節はメンバー外だった田中裕介を戻すのみ。京都は体調不良でメンバー外だった堀米に加え今季はスーパーサブとしてプレーする事が多かった有田をベンチに入れたのみの変更となっています。
■最初からブロックを下げた京都
4-4のコンパクトなブロックを作る事が特徴的な京都。5位での進出なので勝たなければいけない試合という状況はあるものの、両チームの特徴を考えると京都はブロックを下げて敵陣にスペースを作ってカウンター気味に攻撃を狙うだろう事は試合前から予想されたことでもありました。しかし試合の立ち上がりは10分とか時間を決めて高い位置から行く可能性も高いのではないかと予想していたのですが、京都が選択したのは最初からブロックを低めに設定すること。これはセレッソには裏を狙える柿谷がいる事や、ボランチのところで個でそのプレスを外してしまう選手がいる事からよりリスクを負いたくなかった、先制点を奪われたくなかったというところもあったのでしょう。実際7分の場面ではセレッソ陣内でソウザに対してアンドレイがアプローチを仕掛けるも外された丸橋から澤上に裏へ抜けるボールを出されています。
ワンタッチで斜めに縦パスを入れる形 |
この形はセレッソのボランチが動きすぎる傾向がある事から、一旦落としのボールを入れるとボランチの間や脇にパスを通せる可能性が高いという事で京都は意識して多用してきたのだと思われます。
ただこの日のセレッソは4-4-2同士でマッチアップもあっている事に加え、おそらくプレーオフ効果で山下や藤本のCBコンビを筆頭に入ってきたボールに対して1対1で激しく潰しに行くことができていたので立ち上がりの時点ではそこからチャンスを作る事ができていませんでした。
京都にとっての最初のチャンスは9分の石櫃のロングスローから。これも最終戦で山瀬のゴールに繋がったように京都の持つ武器の1つですが、ここもセレッソが身体を張ってクリアしています。
そしてこの下げたブロックは守備面では京都にとって守備面では結果的に失敗と言ってもいい状況となりました。
京都の守備 |
しかしその一方で2トップはほとんど守備に参加しません。なのでセレッソはこの試合比較的スムーズにボールを運ぶ事ができる様になっていました。こうやって運ばれる事は前残りしている2トップにカウンターのスペースを作ることにもつながっているのである程度京都も承知の上だったのだと思います。
ボールサイドに行き過ぎるボランチ |
先制点の形 |
そして放ったミドルシュートは一旦菅野が弾きますが柿谷がループで詰めてゴール。開始13分にセレッソが先制します。
京都のこの現象が起こっていたのは主にセレッソの左サイドだったのは杉本の存在もあったでしょう。キープ力がある杉本からボールをなかなか奪えないからという直接的な理由もありましたが、それ以外にも杉本はロングボールのターゲットにもなっており、本来ならそこでマッチアップするのは石櫃。しかし石櫃は高さで勝負できるタイプではないので、ロングボールが蹴られた時には石櫃とCBの菅沼のポジションを入れ替えたり、アンドレイをサイドに出したりしながら杉本とぶつけるようにしていたのですが、それがサイドよりサイドに出過ぎてしまう要因になっていたのではないかと思われます。
セレッソが先制後はしばらく京都が少し積極的な姿勢をみせ立ち上がりから続けていた斜めのワンタッチパスを使ってきますが、バランスを崩してまで攻めセレッソに追加点を奪われると試合がかなり厳しくなってしまう事からそこまで前がかりになることはなく、セレッソが個々の局面で激しく行けているので何とかカバー。
そしてカウンターや先制点と同じようにサイドに引っ張ったところからの攻撃や、スライドを多用するチームに対して効果的なサイドチェンジからのアーリークロスを狙うも大きなチャンスを作ることはできずに1-0でセレッソがリードしたまま前半終了となります。
■2点以上が必要となった京都
後半開始〜 |
この交代は展開にかかわらず試合前からどこかのタイミングでという事だった様です。
それがビハインドという状態で少なくとも2点はとらないといけない状況なので早めのハーフタイムでという事になったのでしょう。
後半最初にチャンスを作ったのはセレッソ。柿谷の常人離れした足でのボールコントロールから左サイドの杉本を前に出す、丸橋があがる形からチャンスを作りますが、京都も堀米が左サイドに入った事でそれまでの斜めに中から同サイド縦への動きを見せるようになり、50分には昔のアルゼンチンっぽい同サイドを縦へ縦へと運んでエスクデロがシュートを放つもキム・ジンヒョンがセーブ。
そして55分には前がかりになった京都からインターセプトした杉本がカウンターをみせそこから澤上が中央でフリーでボールを受けるも枠を外す。
京都が前がかりになった分セレッソもカウンターを狙えるという前半に比べてゴール前のシーンが増えていきます。
それは後半に入って京都は杉本に対してロングボールでも特別な対応をしなくなったからでもありました。
70分〜 |
これもおそらくプランにあったもの。イ・ヨンジェは基本的に90分使わない(使えない?)ので京都のパターンとなっている交代です。
続く70分にはセレッソが澤上に代えて山村を投入。ソウザがトップ下に入る4-2-3-1に変更します。
澤上の途中交代もセレッソにとってはプラン通り。展開によって誰と代えるかというところだったと思います。
澤上はボールが収まっていた訳ではありませんでしたが、京都のCB陣とバチバチ身体をぶつける事を苦にしないのでこれがブロックを下げる事となりボールを運ぶためにはかなり役にたっていました。それだけに55分のシーンは決めたいところでしたが。
この交代でセレッソの守備は4-4-1-1に。セレッソの前線が1枚になった事で京都は低い位置からでもボールを運べるようになりますがソウザが守備でも自由に動くので中盤の人数が増えた形になり個々で対応しているセレッソとしては後ろの対応は少し楽になったかもしれません。
73分〜 |
この交代で京都はロングボールを放り込む形に。
この交代の前でもボールを運べてたので放り込むには早しもったいない様に感じましたが、1点では足りない、2点をとらないといけないというところが早めの決断に繋がったのでしょう。
高さは圧倒的なキロスなのでロングボールを競り勝つ場面も見られましたがセレッソも山村が入っている事でしっかり跳ね返し京都の波状攻撃とまではいきませんでした。
86分〜 |
直後にはロングボールからではなくサイドでトライアングルを作ったところからエスクデロが決定的なシュートを放ちますが、山下と山村がコースをしっかり切っていた事もあってキム・ジンヒョンのスーパーセーブが飛び出し、さらに86分には直前にカウンターから惜しいループシュートがありましたがそのプレー終わりにベンチに交代を要求していた柿谷に代えて田代を投入。
田代がこの試合のテンションに入りきれず、また自陣からのFKのこぼれ球を拾って本多がこれまでとは少し違った角度、位置から入れたボールに対して菅沼を藤本が離してしまい折り返しを有田に詰められ1-1の同点に追いつかれますが、ロングボールをソウザが跳ね返し、そのままこぼれ球を拾ったボールホルダーにプレッシャーをかけに行くというある種ソウザらしい奮闘もありそのまま試合終了。
レギュレーションによりリーグ戦上位チームのセレッソが勝ち抜ける事が決まりました。
■その他
それぞれがぶつかりあう激しい試合となりましたが、1-1の引き分けとはいえセレッソにとってそこまでコントロール出来ない状況になること無く勝ち上がりを決める事ができました。ベースになったのは1対1の個々での守備。特に藤本が引いて受けるエスクデロに対して激しく行き続けた事が大きかったと思います。エスクデロが得意にしている入れ替わろうというプレーに対しても躊躇せず行き続けた事でファールも取ってもらえましたし前を向かせる事もかなり制限することができました。
そんな中で少しコントロールを失いかけた時間帯は堀米が入って縦に仕掛けるようになった後半。なので、ここから京都は2点とらないといけないということで早めにキロスを投入し放り込み作戦に切り替わったわけですが、これはセレッソにとってもしかしたら良かったかもしれません。
この試合で4回目の対戦となった今季の京都戦ですが、セレッソが先制したのはこの試合が初めて。今シーズンのセレッソにとって変化を付けられる事が一番嫌な形なのですが、京都はこれまで先制をし続けていた為その必要がなかった分、追いかける展開になった時に変化という策があまりなく、ちょっと変化が付きかけた堀米投入もすぐさま放り込みという言ってみれば「とにかく強く殴る」的な攻撃方法にしたためにセレッソにとってそこまで後手を踏む場面には繋がりませんでした。
そしてもう一方の準決勝ではアディショナルタイムのゴールでファジアーノ岡山が松本山雅FCを下し決勝進出。その為決勝はキンチョウスタジアムでファジアーノ岡山との対戦となります。
今回の失点の直前まで。圧倒的に京都ペースでしたが、京都はどのような選手の配置になっていたのでしょうか?
返信削除コメントありがとうございます。
削除基本的にはキロスと有田の2トップで右にエスクデロ左に堀米ですが、もはやパワープレーで放り込んでるんでアンドレイも前に出て吉野が下がり気味という感じでしたよ。
失点シーンの直前は自陣からのFKで菅野が蹴ったものでCBも上がってた感じで、そのセカンドボールを本多が拾ってもう一回入れて失点という感じでしたね。
ただ、そのパワープレーも結構跳ね返せてたしカウンターもあったのでそこまで圧倒的な京都ペースとは思いませんでした。
ありがとうございます。私が雰囲気に気圧されてそう感じただけですね(笑)
削除返信ありがとうございます。
削除パワープレーでしたからどうしてもそういう雰囲気になっちゃいますね(笑)