2016年11月26日土曜日

J1昇格プレーオフ 準決勝  vs 京都サンガFC プレビュー

2016年11月27日 15時30分:キンチョウスタジアム

予想スタメン

昇格へのラスト1枠をかけたJ1昇格プレーオフ。リーグ戦を4位でプレーオフ進出を決めたセレッソ大阪は5位の京都サンガFCとキンチョウスタジアムで対戦します。


■1勝1分1敗

今季セレッソ大阪は京都サンガFCとリーグ戦の2試合プラス天皇杯の合計3回対戦しており、対戦成績は1勝1分1敗となっています。
最初の対戦は4/29の第10節。キンチョウスタジアムでの対戦は前半と後半の立ち上がりにそれぞれ京都がCKからゴールを奪い0-2で京都の勝利。後半にはリカルド・サントスがPKを獲得する場面もありましたがそのPKは菅野の防がれてしまいました。
2度目の対戦は7/31の第26節。西京極総合運動公園での対戦は今季セレッソがスタートから初めて3バックを採用した試合。京都がミスマッチに苦しむ前半でしたが1回目の対戦と同じく京都がCKから先制。そこから立て続けに裏を走られて京都がゴールを決め3-0と一方的な展開になりかけますが、そこからセレッソもCKで1点を返すとさらに杉本が2点を決め3-3の同点で終了となりました。
3度目の対戦は9/3の天皇杯2回戦。キンチョウスタジアムで行われた対戦は、前半にやはり京都が山瀬のゴールで先制。2度目の対3バックと言うことでWBの裏を狙う形を準備しておりそれが狙い通りにハマった形でした。しかしその後杉本が自身が獲得したPKを決め同点に追いつくと、後半の立ち上がりに染谷が2枚目のイエローカードで退場。セレッソが数的有利となり攻め込む時間が続くと、京都も3バックにしてなんとか持ちこたえるという展開となり90分を終えますが、延長にソウザがミドルシュートを決めて2-1でセレッソの勝利となりました。

■3試合全てに先制している京都

今季の通算成績としては1勝1分1敗という五分の成績となっていますが、京都にとってこのカードはポジティブな印象を持っている様子。
というのも今季の対戦成績で京都は札幌、清水、松本の上位3チームに対して1分5敗と全く勝てていないから。そしてさらにセレッソとの直接対決3試合の全てで京都が先制しているからだと思われます。
今季のセレッソは42試合中28試合で先制しておりこれは今季のJ2で最多。一方、京都の先制試合数は24でリーグ6位と順位よりも低い数字ではありながらもその全てで先制しているのはかなりポジティブな要素。また今季の京都はリーグ戦で逆転負けを喫した試合が1試合しかありません。
セレッソとしては、天皇杯にも延長戦とはいえ勝っているし、今季先制された試合の半分は逆転もしくは同点に追いついているので、おそらく選手も京都に対して特別苦手意識を持っているようには感じませんが、京都にとってはプレーオフに対戦する可能性があった上位3チームのいずれかもしくはセレッソという中では最もポジティブな印象をもてるカードとなったという事でしょう。

■京都サンガを分析

システムは4-4-2。今季のスタッツとしてはポゼッションがリーグ5位の52.1%を記録していますが、どちらかと言えばブロックを作って縦に速い攻撃を得意としており、それは前線にイ・ヨンジェ、エスクデロ・セルヒオ、ダニエル・ロビーニョと1人でゴリゴリカウンターができる選手や堀米というスピードで切り裂ける選手を複数人抱えている事でもあきらかです。
ただ、ボールを持った時に何もできないかと言えばもちろんこの順位にいるわけですからそういう訳でもなく、利き足と同サイドに置いたSHが縦に突破するだけではなく、SHを利き足と逆サイドで起用することで主にエスクデロが引いて受けてSHを中に入れてSBを上げる形もあります。
またボールを持った時にはエスクデロが下がって受ける事になるのでゴール前に人数が足りない状況が起こり得るのですが、時間をかけてサイドを崩した時にボランチの選手がボックス内にまで入ってくる事も比較的多く、特にアンドレイは高さもあるので積極的にクロスに飛び込む姿も見られます。
また過去3回の対戦を見るとSB・WBの裏を狙う形は複数のバリエーションがあり、特に3バックの時はSBがボールを持った時にSHを中に入れ相手のWBをSBに喰いつかせたところでSHをWBの裏に走らせるという、4-4-2と3-4-2-1で起こるミスマッチを4バック側から活かした形(3-4-2-1はサイドがWB1枚なのに対して4-4-2はSBとSHの2枚いる)を徹底して使ってきました。
SB/WBの裏を狙う形
またこのリーグ戦終盤に来て多用するようになったのは中に絞ったSHや降りてきたトップに一旦当ててボランチを動かした後に落としたボールを奥のトップに縦パスを入れる形。
今シーズンはレノファ山口が庄司の縦パスをきっかけに攻撃を組み立てる形を見せていましたが、それを意識したような形をシーズン終盤頃から見せるようになっており、この形はボランチが動きやすいセレッソ相手にはかなり狙ってくると思われます。
縦パスを狙う形

守備に関しては4-4-2のブロックを作る形。高い位置からの守備も試合の立ち上がりやバックパスに対してなど状況によって見せることもあると思われますが、そこまで高い位置からの守備にはこだわりがなく、早めにブロックを作ってくると思われます。
そしてこの4-4-2のブロックはかなり縦横共にコンパクト。特に横のライン、同ラインの隣にいる選手との距離についてはかなり意識が高く、スライドしながらブロック全体をボールサイドにかなり寄せてきます。
狙いとしてはここで一気にボールを奪って縦にというのがファーストチョイスになっているようです。
また試合終盤の特にリードしている時に3バック・5バックの形も持っています。
4バックの時は左SBを務める本多は身長はありませんが身体能力は高くハイボールもあまり苦にしないので名古屋時代からCBとしてもプレーしていた選手。なので交代で下畠や岩沼を入れ本多が3バックの左に入りで守備を固めるという形があります。

■セレッソの狙い所

コンパクトな守備から攻撃という形を持つ京都ですが、2トップの守備には少し問題を抱えています。
イ・ヨンジェとエスクデロが組むことの多い2トップですが、全く守備をしない訳ではありませんがカウンターで前残りをしたい意識も高く4-4-2のブロックの1列目の守備は曖昧です。
なので4-4-2のブロックを攻略する上できっかけとなる2トップ脇のスペースは比較的簡単に侵入できるはず。また守備ブロックはボールサイドによってくるので逆サイドは大きくスペースができますから、その2トップ脇を基点に逆サイドに大きくボールを動かす形がポイントになりそうです。
なのでボランチの2人は最終ラインに下がりすぎない事。おそらくボランチが下がらなくてもCBの2枚だけで対応できる場面も多いはずです。
なので2トップ脇だけでなく2トップと2列目の間も意識して使っていきたいところ。
基本的にはボールを失う回数は減らしたいところですが、サイドチェンジからのアーリークロスや2トップ脇からの裏抜けの縦を織り交ぜるのも効果的だと思われます。
サイドチェンジ
またボールサイドで深追いする傾向もあります。深追いしてしまうということはどこかに穴ができるという事。これで逆サイドにさらに大きなスペースを作ったり、中央を空けてしまう場面もあります。
この穴ができたのが天皇杯で杉本がPKを獲得した場面。この場面ではCB2枚もスライドしたかったところなんでしょうがセレッソの選手とマッチアップしてたためにいけなかったので穴が空いてしまいました。
天皇杯2回戦 PK獲得のシーン
最終節の長崎戦ではこの問題が起こりやすいミスマッチの相手に対してSBは外側に出さずSBの外はSHが下がって対応する事にしていましたが、そうなるとセレッソとしてはカウンターの脅威が下がるのでどんどん押し込んでいきたいところ。

一方守備に関しては、できるだけ中を締める意識を高めたいところ。3-4-2-1、4-2-3-1、4-4-2とセレッソのシステムとしては3種類ありますが、前線を1枚にすると低い位置で空けてしまうスペースが広くなってしまうのでリーグ最終戦の熊本戦同様4-4-2に近いかたちで2列目の前は2人を横並びに配置して出来る限りそのスペースを消したいところ。
中を締める事ができれば特にCB、ボランチのセンター4人の個々の守備力はかなり高いので消してしまえる可能性が高まります。

そして、もしリードされたまま終盤に差し掛かって京都が5-4-1で守備を固めてきたとしても、1列目の守備に問題を抱えているので慌てなくてもズルズルと下げる事ができるはずなので慌てる必要はありません。
また、京都のCB陣はパワー勝負があまり得意ではないようで、今季対戦した3試合のいずれもでリカルド・サントスのパワーに手を焼いています。ベンチ入りがあるかどうかはわかりませんが、もし入るならCBとゴリゴリやらせるのも効果がありそうです。

昇格へのラスト1枠をかけた大切な試合。京都に勝って次に進みましょう。




1 件のコメント :

  1. こんばんは、
    いつもプレビューありがとうございます!

    雨の中での試合となりそうですが、雨の試合の時はあまり良い印象がないような、でもボール回したりロングボール使うなら京都の方が嫌がって有利な気もしますが、どうでしょうか?!

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