2016年11月20日 14時00分:キンチョウスタジアム
予想スタメン |
2016年の明治安田生命J2リーグもいよいよ最終節となる第42節。セレッソ大阪は本拠地キンチョウスタジアムでロアッソ熊本と対戦します。
■前回の対戦
前回の対戦は7/3の第21節。震災の影響で熊本にとって過密日程の中での一戦は、その震災以来85日ぶりに本拠地うまかな・よかなスタジアムに戻った初戦で、また山口蛍にとってもセレッソ復帰後の初戦となりました。この熊本にとって特別な試合は立ち上がりに熊本が清武功暉の個人技による突破で得たCKから薗田がJリーグ初ゴールで先制しますが、直後にセレッソが清原のゴールで同点に追いつくと、前半25分にリカルド・サントスのパワフルな突破を先制点を奪った薗田がボックス内で倒してしまい退場。熊本は過密日程に加え数的不利となった事でセレッソが次々と得点を重ね、リカルド・サントスの2ゴールを含む5ゴールで5-1とセレッソの完勝に終わっています。この試合のセレッソは4-2-3-1。藤本がまだ復帰していなかったのでCBでコンビを組んだのは田中と山下、ボランチにはこの試合がセレッソ復帰戦となった山口がソウザとコンビを組み、1トップにはリカルド・サントス、トップ下にはブルーノ・メネゲウが入っています。
一方の熊本は過密日程に加え怪我人も出ている難しい状況の中で選択したのは清武功暉を1トップに置いた3-4-2-1でした。
熊本は基本的には5-4-1のブロックを作って守備をし、1トップに入る清武功暉のキープ力と突破力、スペースがある時のプレーを突破口にカウンターで勝負しようというゲームプランだったと思いますし、実際にその形で先制しますが、セレッソでも頻繁に起こっているファーストディフェンスの曖昧さからズルズル下がってしまう事も多く、また先制後は5-2-3の形で高い位置から守備をしようという姿勢も見せますが簡単にボールを運ばれる状況はかわらず、CKからセレッソが同点に、さらに中途半端に喰い付いた高い位置からの守備から丸橋の縦パス一本で裏のスペースをリカルド・サントスに使われ退場者を出してしまいます。
その後熊本は4-4-1の布陣にしますが、1トップの清武功暉はそれほど守備に参加しないので1tップの裏をセレッソのボランチコンビに簡単に使われ、そこに熊本のボランチコンビが喰いつくと、その裏を清原やブルーノ・メネゲウに使われと、いわゆる芋づる式にやられる形で完全に守備が崩壊。後半からはファーストディフェンスを意識させるために前線を2枚にした3-4-2の形にし少し守備の安定感が増しますが、その後もセレッソが得点を重ねることに成功しました。
■現在の熊本
シーズン開幕直後はボール保持に全くこだわらず、スペースがある時に抜群のプレーを見せる清武功暉を中心に流動的な前線で基点をつくりとそこにSBも絡む攻撃で首位にもたっていたロアッソ熊本。震災の影響で厳しい状況の中で試合をしなくてはいけなくなり、また資金的にもそれほど余裕があるクラブではないので、過密日程がかさみ怪我人が増えると選手層の薄さをカバーしきれず順位を下げる事となり、前節にようやくJ2残留を決めるという一言では言い表せないほどの激動のシーズンとなりました。
ただ、順位を下げた要因は過密日程や怪我人以外にもチームの戦い方を分析され、シーズン序盤の様なスペースを効果的に使った攻撃ができなくなった事も大きいでしょう。
特にビルドアップには問題を抱えていた様で、ボールを持たされるとボールを運ぶ事ができない試合も目立ちました。
また守備でも良いように言えば前への意識が強く積極的なのでインターセプトも多いのですが、喰い付いて裏を空けてしまういわゆる芋づる式になってしまう事も多く、むやみにスペースを空けてしまう事も多いという弱点を抱えていました。
また攻撃の厚みを作るためにSBを上げるタイミングも早いのですが、ビルドアップに問題をかかえているのでその良さを活かす前にボールを奪われてしまう事も多く、サイドで後手を踏んでしまう試合も増える事となりました。
シーズン終盤になるとブロックを落として戦う試合も増えましたが、そうなると効果的なカウンターができなくなり、得点数はリーグワースト2位の21位、シュート数も20位となっています。
■プレビュー
この試合はシーズン最終節ですが、セレッソの順位は既に4位と決まっているのでプレーオフ進出が既に決定。11/27の準決勝もキンチョウスタジアムで開催される事も決まっています。なのでセレッソにとってこの試合はシーズン最終節とはまた違った試合。そのために以前から時折監督が語っていた様に4バックに戻すようで、2013年シーズン同様藤本と山下がCBでコンビを組む4-2-3-1になりそうです。
しかし前節先発復帰した柿谷が入るのは1トップの位置ではなくトップ下の可能性が高そうで、監督は前線の孤立を1トップが背負ってプレーできないからだと考えているらしく、今シーズンはこれまでリカルド・サントス、玉田と起用してきましたが、この試合では38節の水戸戦から3試合連続で1トップで先発していた澤上を再び1トップ起用する可能性が高そうです。
一方の熊本ですが、シーズン中にJ3での活躍が認められセレッソから期限付きで加入した小谷はしっかりとポジションを掴み、前節は体調不良からも復帰しフル出場を果たしたものの今節は契約上の取り決めにより出場不可能。その為、前節は右SBにはいっていた園田がCBに入り右SBには黒木が入る形になりそうで、それ以外は清武功暉と平繁の2トップ、村上とキム・テヨンのボランチなど前節と同じメンバーになりそうです。
試合のポイントとしては、この試合に勝利することだけをかんがえれば相手にボールを持たせる形であったり、ここ数試合と同じように3バックのミスマッチを活かす形でとなるのでしょうが、4バックを選択するという事はセレッソはプレーオフを見越した戦いをするという事。
そのためには柿谷のコンディションを含めて、この4バックで前線を1トップとトップ下の2枚にすることで前線の守備を根本的な解決することは無理でしょうが、少しでも改善できるかどうかが見どころになるでしょう。
実際の所セレッソの前線が孤立する問題は背負ってプレーできるかどうかとはほとんど関係ないのですが、柿谷が攻撃の時により高い位置でプレーできるかどうか、前節は復帰後初の先発フル出場したもののシュートは打つことができなかったので、フィニッシュの場面に絡めるかどうかも注目したい所です。
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